今年もこの季節がやってきた。
土曜日に長男が、おばあちゃんちの梅の木から、実を収穫して来てくれた。
市販の梅とは違い、あまり綺麗ではないし、大きさも不揃い。

けれども、ここ数年は数が少ないので、実が大きいという状況が続いている。
受粉作業をしなくなったからだそうだ。最初は実が減ってしまった、と残念がっていた義母だが、この方が実が大きくていいのでは。小さい実が多いと、大変な事があるのだ。
今年は梅干しは作らない
土曜日の夕方にもらった梅の実。日曜日は早速梅仕事だ。
実は、2年前に作った梅干しがまだ残っている。しょっぱいとあまり食べられないので、塩と砂糖を半々に入れて浸けるという実験をしたのだが、なかなか上手く行った。だが、それでもあまり減らない・・・。いや、好きなんだけどね。ご飯をたくさん食べないので、梅干しの出番があまりないというか。
去年浸けた梅シロップ
それで、去年の梅ではシロップを2瓶だけ作った。これは、息子たち(特に甘党の次男)が年間を通して飲むので、たくさんあっても残らない。

本当は、一年も寝かせなくてもいいのだが、結局いつも一年寝かせてから飲む。
なぜか。まず、砂糖が溶けるのに時間がかかるので、6月頃に浸けると、冬頃までは飲めない。
梅ジュースが、冬から飲んで夏前になくなってしまったのでは勿体ない。なので、暑くなってきてから出そうというわけだ。
それに、瓶からペットボトルに移す作業が面倒で、ついつい後ろ倒しに。そうこうしている内に新しい梅が来てしまい、瓶を明け渡すためにやっと作業に入るというわけだ。
一度、三温糖で浸けてみたら、色が濃くなった。けれども、やっぱり白い砂糖の方がいいかなと思って、今年も白い砂糖で漬けることにした。
梅仕事on日曜日
日曜日。さあ、まずは瓶からシロップをペットボトルに移す。出がらし?の実は、いつも砂糖と水と一緒に煮て更にジュースを搾り取るのだが、その後実をどうするかでけっこう大変な事になるので、今年はそのまま、煮ないで実を食べる事にした。去年も実が大きかったので、そのままでも柔らかいものが多い。
さて次に、新しい梅の実の重さを量る。体重計に乗り、梅を持って測った体重から、持たずに測った体重を引く。今年は3.4キロあった。
そして、砂糖を買いに行く。白い砂糖3キロを買った。
並行作業-甘煮&シロップ-
お昼を挟み、二つの梅作業を並行して進める。
一つめ。梅の甘煮を作る。
長男が、梅シロップだけでなく、甘く煮たものを作って欲しいと言ったので。
実を取ってきてくれたのだから、聞いてあげよう。というわけで、クラシルのレシピを参考にし、作り始めた。
梅の実1キロを洗い、竹串でへたを取る。そして実全体に竹串でぷすぷすと穴を開ける。こうすると皮が破けなくなるとか。そして、かぶるくらいの水を入れて弱火にかける。
そして、ここがポイント。50度になるまで加熱して、水を捨てるのだ。これを3回繰り返す。
今は、幸い料理用の温度計がうちにある。これを差し込み、時々温度を確認しつつ、次の作業へ。
次は2.4キロの実を、砂糖漬けにする作業。まず1キロの実を測って、洗って、へたを取る。うん、これが大変なのだ。だが、実の数が少ないのでだいぶ楽だ。
へたを取った実は、焼酎でからからっと洗って、同様に焼酎で洗った瓶に入れる。
これがけっこう重要。昔は最後に酢をちょっと入れて作っていたが、焼酎で実を消毒する方が安心だ。カビが生えない。もっと良い焼酎を使った方が香りが良いのだが、高いもので洗って捨ててしまうのは勿体ないので、香りのあまりない安い焼酎で。けっこう、洗った後の焼酎にはゴミがたくさん沈んでいて、洗って良かったな、と思うのだった。
1キロの梅を瓶に入れたら、1キロの砂糖をざざざっと入れる。そして、また1キロの梅を測り、洗い、へたを取り、焼酎で洗って瓶に入れる。その後はまた1キロの砂糖を入れる。
が、その途中で、火にかけていた甘煮の方が50度になったので火を止め、ざるに上げる。そして、また鍋に梅と水を入れ、同じように50度になるまで弱火にかける。その間にまたシロップの方の作業をやる。

梅と砂糖を交互に入れた物が完成。これは、このまま冷暗所に置いておき、梅から汁が出てきたら、くるくると回して砂糖と混ぜ合わせ、早めに砂糖が溶けるようにする。私は重しをしないので、すぐには汁が出てこない。毎日チェックしていこう。
甘煮の方へ戻る。50度になってざるに上げ、もう一度水を入れて50度まで加熱。3回ゆでこぼしたら、今度は水を測り、砂糖も入れ、弱火で40分加熱する。クッキングペーパーで落としぶたをして。
その間に、珍しくアイロンがけなんかをやっていたら、外から帰ってきた夫が、
「なんか、蓋が取れそうなくらいぶわーってなってるけど、いいの?」
と。時計を見るとそろそろ40分になろうというところだった。始めは弱火なのでぐつぐつともしていなかったのに、一体何が?
鍋の元へ駆けつけると、クッキングペーパーがだいぶ浮いていた。そして、白い泡がたくさん。けっこうびっくりして、写真なんて撮り忘れた。もういいという事だなと思い、火を止めた。
あら熱が取れてから、実をタッパに移し、汁はこしてタッパに入るだけ入れた。だが、汁の方はたっぷり残っている。これをどうしたらいいのだろう。しばらくそのまま放置しておく。

見た目が思ったのとちょっと違う。表面が白いのは聞いてない。それに、皮もけっこう破けている。だが、とにかく出来た。レシピによれば、冷蔵庫で冷やしてから食べるそうだ。なので、冷めるまで待って、夜冷蔵庫に入れた。
初めて作った甘煮。お味は?
翌日、つまり今日。
シロップを見に行ったら、まだ昨日と何の変化もなかったので、写真も撮らず、かき混ぜもせずそのまま置いて来た。
そして、甘煮の方だが。

うん、お皿に盛り付けてみると、けっこう美味しそう。
食べてみる。
う、酸っぱい。いや、美味しいけど、これ知ってる味だ。
そうだ、いつも義母がくれる梅ジャムの味。
そりゃそうだ。材料が同じだ。砂糖と水を入れて煮るのだから、つぶすして種を取るか、何もせず静かに低温で煮るかの違い。つまり、形だけの違いなのだから。
まあでも、酸っぱいのが好きな長男は、きっと喜ぶだろう。次男は梅ジャムを食べない子だから、あまりお気に召さないかもな。
息子たちの評判は
そして、今日は二人ともオンライン授業なので、昼に梅の甘煮を食べさせた。
次男は、思ったほど嫌がらなかった。ただ、
「2個目に手を出そうという気にはならないな」
と言っていた。
長男は、やはり
「梅ジャムの味だ!」
と言っていた。
だが、梅シロップの梅とどっちがいいか聞いたら、
「シロップの梅の方がいい」
と・・・。
温度を測りながら3回もゆでこぼし、40分も煮て作った甘煮だが、不評であった。