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初のマラソンボランティア~東京レガシーハーフマラソン

朝5時。目覚まし時計が鳴った。

「え、もう朝?嘘だろ・・・ね、眠い・・・」

心の声である。夜中に一度目が覚めたのに、その時よりもずっと眠い。いつもと違う時間に無理矢理目覚ましで起きる事の、なんと辛い事よ。

起き上がろうとするとムカムカっとする。頭を最後に、ゆっくり起き上がらないとダメ。早起きが苦手なのは、このせい。パッと起き上がれる人を見ると信じられない。

だが、着替えて顔を洗って、身支度を調えたら、シャキッとする。よっしゃ!今日は頑張るぞ。

集合

都会の真ん中、神田エリア。日曜日の早朝だし、ガランとしていて当たり前。なのに、けっこう人が歩いているものだ。車もまだけっこう走っている。

今日は東京レガシーハーフマラソンの日。私の初めてのマラソンボランティアの日でもある。

私の役割は給水。ランナーさんにお水を提供する。スポーツドリンクのテーブルもあるが、私が担当するのは水。

給水だけでも3つの班がある。その班も、既に決められていて、ボランティアのマイページにいつの間にか記載されていた。マニュアルもそこにいつの間にかあって、集合場所などのページを印刷して持って来た。

リーダーさんではなく、我々一般ボランティアは直接自分の班の場所に集合だった。

既に来ている人に、写真を撮ってもらった。その方は東京マラソンのボランティアは何度もやっているそうだ。そして、今日のジャンパーの下にはフィールドキャストユニを着ていた。

その方とお知り合いの人が同じ班にいて、どうやらマラソンボランティアを既に一緒にやった事があるらしい。東京マラソンのボランティアさん達は、皆さんけっこう既にお知り合い同士だ。おとといの国立競技場でのボランティアでもそれを感じたが。

さて、今日のユニフォームは青いジャンパーと青いキャップ。給水の人は長靴がお勧めだと書いてあった。ちょうど、この間ショート丈の長靴を買ったばかりだ。いつも、靴擦れが出来る長靴を履いていたが、もっと歩きやすい長靴が欲しいと思って買ったので、これ幸いと履いてきた。

それにしても、キャップにマスクにジャンパーに長靴って・・・清掃員のおばちゃんにしか見えん。この格好で電車に乗ったのだから、おばちゃんになると強い。とにかく、後で着替えるのが面倒くさい。ましてや駅のトイレで着替えるとか、絶対に嫌だ。

活動の前後の写真撮影はOKだが、活動中はNGという事だった。まあ、後から思えば撮影なんて無理だったが。

10人ほどのメンバーが集まった。リーダーさんはオレンジ色のジャンパーだ。でも、黒いジャンパーのスタッフさんがちょくちょく現れては指示を出したり励ましたりしていく。

活動開始

給水と聞いてイメージした物よりも、その前の準備の方が時間が長かった。

大きなトラックが駐まっているなーと思ったら、いつしかテーブルとかドリンクとか、たくさんの道具がキャリアーに乗って分けられていて、自分達の班の分を取りに行った。

そして、道路のテープが貼ってあるところにテーブルを置く。テーブルや台紙?を消毒し、看板や「WATER」と書いてあるテーブルクロスを設置する。そして、いよいよ紙コップタワーを建て始める。

説明を読んでもイメージが沸かなかった。紙コップの3段タワーをどのように運用するのか。

紙コップをテーブルにぎっしり並べる。そこへミネラルウォーターを3分の2ほど注ぐ。

「風がなくて良かったですねー」

と言いながら並べていた。だが、ちょこっと風が吹いた。

「キャー!」

悲鳴も出るよ。紙コップが飛んで行ってしまうのだから。とにかく早く水を注ぐのだ!

1段目の紙コップが設置出来たら、上に台紙を置く。大きいやつ。その上にまた紙コップをほぼぎっしり?詰めて並べる。1段目よりは少し緩やかに。そこにも水を入れる。また台紙を置く。

一番上の3段目は、緩く置く。いや、もうね、下の段が500個なのに一番上は6個くらいの差で。でも、なぜそれが良いのか、単に塔のバランスの問題ではない事が、後で分かるのだ。

タワーの設置が終わったら、手前のテーブルにも、出来るだけたくさんの水を入れた紙コップを作っておく。

因みに、テーブルを並べたり、ドリンクを運んだりする時には支給された軍手をはめていたが、水を扱う時には、その軍手の上に薄いゴム手袋(使い捨て)をはめた。これも支給されていたのだ。

これは、案外暑い。帽子も暑い。マスクも暑い。曇っていて、ランナーさんには良い気候だね~とみんなで話していた。我々にとってももちろんそう。だが、朝だしもっと寒いと思っていた。これだったらもっと中は薄着で良かったかも。とはいえ、途中で休憩も出来ないので、寒いとトイレに行きたくなって困るから、暑いくらいで良かったのだが。

やはり飴

リーダーさんは、活動前に一人一人に飴をくれた。おとといと同様、小さい袋に入れてある。東京マラソンのボランティア活動では、これが主流なのだろうか。ありがたい。

だが、活動中は飴がポケットに入っている事をすっかり忘れていた。手袋をはめたら、もう飴を出して口に入れる事は不可能だっただろうが。

前後するが、活動を始めるに当たって、やることが他にもいくつかあった。

一つ目は、首や手首などに、体温チェックシールを貼る事。丸くて黒っぽいシール。体温が高いと、真ん中の色が薄くなるみたいなのだが、それを書いてある紙が白黒なのでイマイチよく分からない。まあ、服に隠れてあまり見えないのだが。

二つ目は、リュックをジャンパーの下に背負う事。これだと、途中で飲み物も取れないし、ハンカチも取れない。スマホやマニュアルはポケットに入れておいたが、そもそも、手袋がっちりで、しかも濡れていて、何も触れなかった。でも、その指で紙コップを触るのだから、他の物を触ったらダメだよな。

ランナー登場

7時過ぎに集合して、準備が整ったのが9時頃だろうか。まずは車いすランナーが来ると言うことだった。

車いすランナー、イメージしていたのと全然違った。

普通の車いすを想像していた。しかも、選手とかじゃなくて一般の車いすの人のイメージ。何故か。

そうしたら、3輪の車体の低い車いす。あのパラスポーツでスピードを競う時のやつだ。それで、ものすごい速さで通過した。ビックリした。

そして、警察車両の列が来て、大型のTBSの中継車が来て、その後ろに選手が!

そうだった、マラソンはトップ選手もいるのだ。東京マラソンと聞くと、一般ランナーのイメージが強く、トップ選手がいることをすっかり忘れていた。トップ集団はほとんどアフリカ系の方々だった。一人だけ日本人かと思われる人がいた。

私がいる場所は折り返し地点に近く、道路の向こう側を走って行くのが見えて、じきにこちら側を走ってくる。

来た来た!速い!知っていたけれど、間近で見たのは初めてだった。

マラソンボラをやるのも初めてだが、マラソンを沿道で応援した事もなかった。テレビで見る時、前からの中継で見るとそんなに速く見えないが、横からの映像を見るとすごく速いのが分かる。

で、トップ集団は誰も水を取らなかった。本当に、文字通りあっという間に通り過ぎた。手を叩いて応援の気持ちだけ送った。

ドリンクの差配

トップ集団が過ぎても、それからもカッコイイ若い選手がたくさん走ってきた。水を取ろうとした人がいても、大抵取れなくてパーン!とすっ飛ばして行くだけだ。この先で取れるといいな・・・と心配してしまう。

そう、速く走っていてもなるべく取り安いように、一番上の段はコップの間隔を開けておくのだ。狭かったら絶対に取れないだろう。

で、こちらは飛ばされた水でちょっと濡れる。ジャンパーは水をはじくから全然大丈夫だが。

コップがいくつかなぎ倒される事もある。それを撤去し、新しく並べる。邪魔にならないように、さっと並べる。自分の前にはたくさんの水が並んでいて、その向こう側のテーブルの上に乗っているものを触るので、前屈みだ。一度目の前に置いておいた蓋の開いたペットボトルを倒してしまった。いや、二度だったかな。

最初はこぼさないように気を付けていたのに、選手にこぼされてからは、もうあまり気にしない。テーブルや台紙の上はもう水浸しだ。その上に指を置いていて、ふと気づいたら浸みていた。うん、ゴム手袋してるけど何だか浸みたね。

選手の密度が徐々に上がっていく。水を取る人の割合も徐々に増えていく。水がはける度に、新しく水の入ったコップを作って補充していく。

コップがなくなると、さっと出し・・・モグラ叩きじゃないけど、だんだんスピードが上がって忙しくなる。

いっぺんに二つのコップを取る人もいる。飲む人だけではない。頭からかぶったり、足に掛けたりする人もいる。水だからね。

速い人でも、ちゃんとゴミ箱に紙コップを捨てる人もいれば、その辺に落す人もいる。

「ありがとう」とか「ごくろうさま」などと言ってくれる人もいる。

人気がない?

ドリンクをもらう人が増えてくると、気になる事が。

私のテーブルの人気が無い。右隣、左隣の方が取っていく人が多い。

もしかして、美人がいる方がランナーさんも取りたくなる?とか、余計な事を考える。なんかなー、帽子がないか、マスクがなければまだ、もう少し明るい感じが出せるのだが、帽子にメガネにマスクって、「怪しい」の代名詞じゃないか。これじゃ、人が寄ってこないのも無理ないのでは?

けれども、こう言っては何だか、若い女性のボランティアはほとんどいない。それに、女性のランナーさんだっているし。そういう事ではないよな。単に場所の問題かな。左隣は端っこだし。

でも、慣れている人がけっこうランナーさん達に声を掛けているのに気づいて、そういう明るい雰囲気作りが大事なのかなーと思った。

「ありがとう」と言われれば、「頑張ってください」とこちらも声を掛けた。予め、大声は出さずにと言われていたから、何が正解かよく分からないが、明るい雰囲気は作った方がいいような気がした。途中で気づいたというか。

徐々に撤収

「今日は暑くなるから、最初に3分の2は開けちゃっていい」

という指令が出ていたそうだが、そんなにテーブルに乗らないし、全然開けていなかった。3分の1も開けていなかったと思う。

一般ランナーさんは、本当にたくさん来る。そうだ、おととい受付した人達なんだよなーと思うとなんだか感慨深い。男性が多かったし、けっこう年配の人もいたし、そのまんまだ。

仮装をしている人もいたが、それほど多くなかった。なんと、聖火リレーのトーチを持って走っている人もいた。着ぐるみを着ている人は、折り返し地点で既にものすごいバテようだったが、大丈夫だっただろうか。

ランナーさん達のスピードが、後ろに行くほど緩やかになっていき、水を取ったら走るのを辞めて、歩きながら飲む人や、立ち止まって飲んで、ちょっとこちらと言葉を交わす人も。

リーダーさんから、そろそろ新しく作るのはストップで、という支持が出た。そして、端から段を取っていくと。そろそろ撤収の準備をするのだ。

1段目が無くなって、台紙を一つ取る。2段目が無くなったら、台紙をもう一つ取る。取り安いように間を開けておく。けっこうやる事は多く、ランナーが途切れることはないので、気の休まる事はない。

だが、それも1時間ほどの事なのだ。ハーフマラソンだから、一気に来て一気に終わると聞いていたが、そういう事なのだ。

黒いジャンパーの人が、

「そろそろ撤収して」

と、言いに来た。まだ走っているランナーさんもちらほらいるが、作ってある水は捨てろと言う。

うーん、もうちょっと、作るのを控える事も出来たのにな。どんどん作っておくというのも、ここまで前倒しでやっておかなくても良かったのでは。

ただ、今日が意外と涼しかったから、水が思ったよりもはけなかったらしい。読めないものだそうだ。しかも、けっこう捨てる量はこれでも少ない方だとか。

というか、気づいたら自分も喉がカラカラ。捨てるんだったら・・・と思って、

「これ、飲んでいいですか?」

と黒ジャンパーの人に聞いたら、もちろんOK。二つくらい飲ませてもらった。

徐々に片付けつつ、まだ少しは水を置いておいた。そして、とうとうランナーさんが全員通過したら、

「撤収ー!」

と、号令が。

本当の撤収

この後国立競技場へ行けば、ゴールが見られるそうだ。だから、撤収作業を急ぎたいのだそうだ。私はゴールを見に行かないけれど。

余った水を、すぐ側にあった下水の取水口に捨てて行った。腰をかがめて捨てるのがキツい。何しろ腰が病んでいるから。でも、代わってもらう訳にもいかなかった。この作業、靴が濡れるのだ。私は長靴だからいいが、あと一人ビニールで覆っていたが、他の人はスニーカーだった。絶対に浸みる。

今まではそれほど濡れる事はなかったが、捨てる作業時に濡れた。私が2個ずつ捨てていると、黒いジャンパーの人が来て、5個くらいいっぺんに持ってばしゃっと捨てた。すると、私のズボンに跳ねた。

つい、そうやると服に跳ねるんですよね、って言ってしまった。で、他の人がテーブルの下にそのまま流していたので、取水口にわざわざ捨てに来なくても、そっち側でこぼせばいいじゃん、という事をやんわり言ったら、その黒ジャンパーの人もそうしていた。少なくとも、私の服には被害がなかった。私も、かがむのを辞めて、立ったまま捨てた。そうすれば腰が楽なので。

テーブルやゴミをちゃっちゃか片付け、元のようにキャリアーに乗せる。ゴミはいつしかゴミ収集車がやってきて、持って行ったようだ。すごかったのが、大型の車で、水をシャワーのようにシャーっと出す車が走ってきて、車道の端っこを洗って行った事。あんな車が走るの初めて見たし、人がいるのにあれをやって行ったら、場合によってはけっこう水がかかってしまう。あわやのところで逃げたけれど。

10時を過ぎた。班で集まって、最後のミーティングをした。

やはり、一人一人感想を言い合った。私は、初めてマラソンのボランティアをやって、ランナーさんを間近に見て、格好良くて驚いたとか、楽しかったとか言った。

他の人は、ランナーとして走る事もある人が何人かいて、ありがとうと言われて嬉しかったから、自分も走る時に言おうと思ったという話をしていた。

でも・・・走っている時にお礼を言うなんて大変じゃないか。言ってくれなくていいのになーと、絶対にランナーとして参加する事のないチョコナッツは思ってしまった。そういえば今日、走りながら「あ、ごめん」とか言うランナーさんもけっこういた。つい言ってしまう気持ちも分かるけど、逆に

「スポーツ選手の自覚を持って、走りながらしゃべるとか、しないのよ」

って言いたいかも(笑)

さて、ミーティングでは、リーダーさんが、自分が未熟であまり的確な指示が出せなくてすみません、と言っていた。

そんな事ないけれど、そもそもリーダーさんだって同じボランティアメンバーなのだ。あまり何でも分かっていて有無を言わせずって感じに指示してくれるより、一緒に考えたり意見を出し合ったりしながら活動した方が、楽しいと思うのだ。そう言った意味では、今日のリーダーさんは完璧だったように思う。

そうそう、ミーティングの最中に、黒いジャンパーの人(いつも同じ人ではない)が通りすがりに、

「今日の給水、完璧だったね!ありがとう!」

と言ってくれた。足りなくならなかったし、余って捨てた量も、今日はさほど多くなかったと、経験者が言っていた。

あと、リーダーさんの話では、昔第一回東京マラソンの時には、運営が酷かったらしい。雨も降っていて大変だったとか。今日はハーフマラソンの第一回目だったが、東京マラソンのノウハウが生かされていて、完璧だったのではないかと言う話だった。

いやー、良かった良かった。

10時20分くらいに解散になった。まだ交通規制が終わっていなかったが。

駅の手前のところで、ある女性に声を掛けられた。

「今日、何かあるんですか?」

と。警察官がそこにたくさんいたからね。

「東京ハーフマラソンがあったんです。もう通り過ぎちゃいましたけど」

と答えた。ボランティアさんって、話しかけ安いのかな。解散する前にも、すぐ目の前に警察官がいるのに、

「どこで道路を渡れますか?」

と、自転車のおじさんが私たちボランティアに聞いてきたしね。

さて、まずは家に帰って、夕方には国立競技場だ。

ひとまずこのブログはここまで。今年最後にして最大級の大変な日、10月16日の前半はこんな感じで終わる。後半は、次のブログにて。