まあ、とにかく万年肩凝りのチョコナッツ。私の肩や背中に触った人は皆、
「凝ってますね~!」
「硬っ!」
と、驚きの声を上げる。
よく子供たちに、背中に膝で乗ってもらったなあ。
夫が時々マッサージをしてくれたものだが、最近はその夫がお疲れ気味。お仕事が大変な模様。私の弱い力で揉んでも全然ダメで、マッサージ店に行ってきた。
そうしたら、お前も行ってこいと言われた。だいぶ楽になったそうで、全身マッサージを1時間やってきなさいと。
えー、急に言われても……と数日躊躇したものの、兼ねてから肩凝り首凝りには悩まされており、そんなに良いなら行ってみる事にした。
入店
初めての事は、何でも緊張するものだ。何が怖いという訳でもないのに、ドキドキ。
マッサージや整体の新しい施設があちこちに出来ている。整体にもずっと興味があったが、どこに行けばいいのか、いつ行けばいいのかと、踏ん切りが付かずにいた。
あちこちにあるのに、ちょっと家から離れている所に行く事になってしまったが、夫が良かったと言うお店に行ってみた。
あー、あった。ここだ。
と、その店の前では、白衣を着た若い男性がティッシュを配っていた。チラシの入ったポケットティッシュを渡そうとしてくるが、今店に入ろうとしているので受け取れない。
「あの、入ろうと思って……」
なんと言っていいか分からず。若い男性も
「あ、はい」
と、なんだかぬぼーっとした返事。でも、何となく一緒に店内に入る。
カウンターと椅子があった。椅子は3つあるのだが、普通の椅子がない!背中に何かあるやつと、お尻を乗せる何かがあるやつ。どうぞ、と言われて端っこの、背中に何かある椅子に座った。
で、夫に進められて来た事を伝え、タブレットに自分の症状や個人情報などを入力した。整体コースもあるが、夫のお勧めのほぐしコース60分をお願いした。
施術
まずはお着換え。夫から聞いていたので、着替えやすい服を着てきた。てっきり上だけ着替えるのかと思って、ズボンはマッサージしやすいようなものにしてきたら、上下黒のスエット……かな、トレーナー上下かな。それを渡されて、更衣室で着替えた。
サイズを指定したとはいえ、ズボンの丈も袖丈もピッタリ。私はてっきり男女共用サイズだと思っていたが、これはどうやら女性用のサイズだったらしい。きつくはないが、ゆったりしている物を選んだつもりがピッタリになったのだった。
ベッドに座るように言われて、そして先ほどのぬぼーっとした若者が、
「マッサージを担当させていただきます、Yです。よろしくお願いします」
と言った。思わず微笑んでしまった。
いやね、マッサージってけっこうきわどい所を触るし、乗っかったりするでしょ。女性だと安心だけど、私の岩盤背中を女性が揉みほぐそうとしたら、指が折れてしまいそうだし、男性でいいのだけれど、どんな人かなぁ、おじさんかなぁ、と色々気にしていたのだ。それが、この可愛い(マスクをしているので目だけしか分からないけれど)若い男の子だったら、なんか安心だった。それで、ついホッとして笑顔が出てしまったのだ。
息子のような男の子だったら、あちらからしたら、お母さんみたいなもんだしね。安心したよ、うん。
とはいえ、思った以上に接触が多めだった。
最初はうつぶせに寝て首と肩のマッサージ。しゃべりながら行うのは、寝ないようにする為かな。痛すぎないか、気分が悪くなっていないか、確認する為かな。私としては黙って力を抜いていたい所なのだが。それと、穴が開いているとはいえ、顔をギューッと押し付けられると、なんかよだれが出てきそうで(汗)
「力加減、大丈夫ですか?」
と聞かれる。もっと強くてもいいくらいだった。はい、と答えた。
背中に移る。いやー、効く~
腰、効く~
お尻。い、痛い!それ、揉まれた痛みじゃなくて、あざを押されたような痛さなんだけど!
「あ、痛いです」
思わず言った。
「だいぶ硬くなってますね」
と言われた。実は、あとで次男にお尻が痛かった話をしたら、私のお尻を触り、硬いと言われた。そして自分のお尻を触れと言う。触ったら、すっごい柔らかい!大福か!そうか、本当はお尻って柔らかいのか。知らなかった……。
太ももやふくらはぎはめっちゃ気持ちよかったのだが、私が予め気になる部分に「首、肩、腰」を指定していたからか、足はあっという間に終わってしまった。
そして、足を持ち上げて太ももを伸ばすというのをやられて、今度は横向きに体勢を変えた。
ちなみに、メガネを外している。そりゃそうだが。薄暗いし、すぐ近くにいるYさんでも、顔は見えない。ましてやマスクをしているしね。髪型としゃべり方だけだと、なーんか知っている芸能人に思えてくる。その芸能人は、あまり好きではない顔なので、下から見上げるとちょっと怖かった。本当は可愛い顔をしているはずなのに。
横向きになって、肩甲骨を回された。まず右。それが、かなり痛かった。右の二の腕が半年くらい痛くて、上がりにくい。所謂四十肩とか五十肩とかいうやつだと思われる。その、四十だか五十だかの微妙なお年頃なのだが。で、そのせいか分からないが、右の肩甲骨を回すやつ、めっちゃ痛い!それも、肩甲骨を両手で掴んで、力いっぱい引っ張るのだ。回すのだ。ベッドから落ちそうなくらいだよ。いやー、やっぱりこれは女性では無理だろうね。
左の肩甲骨は、それほど痛くなかった。やはり、右が病んでいるようだ。
最後に、ストレッチをすると言われ、仰向けに寝かされた。足を持ってYさんが迫って来る~。痛い。いたたた!ギブギブ!とは言えないけれど。
「まだ硬いですね。もっと、このくらい行けるはずです」
とか言われるけど、私は毎晩ストレッチしているのになぁ。
最初に首の可動域を検査して、また最後にも検査した。検査というか、後ろから肩を押さえられ、振り返って、Yさんのどこまで見えるかを言うやつ。
「腕の端っこ」
と言ったら、
「本当は、僕の鼻のあたりまで見えるのが普通です」
って、えー!それで、施術が終わってからももう一度検査したら、右は変わらず。左もね、実はあまり変わらなかったのだけれども、つい、
「腕の真ん中くらいまで、見えるようになりました」
って、言っちゃったよね。楽になったとか、言っちゃうよね。でも、はっきり言って首はあまり変わらない。やはりちょっと頭痛気味。朝から頭痛になりそうだったのだ。で、終わった今、一番始める前と違う事は、右の二の腕がカーっとしている。つまり、四十肩だか五十肩だかの炎症がひどくなっているのだね。ただ、本当に右腕が上がりやすくはなっている。痛みはあるが、引っ掛かりがなくなってはいた。良いのか悪いのかは知らないが。
次は
店内には、見えないところにもう一人男性がいた。咳払いが聞こえたり、電話が鳴って出ていたので、気づいていた。姿を見たのは終わって着替えてから。
またカウンター前の椅子に座らされた。Yさんとそのもう一人の上司っぽい人とでボソボソと話をしている。
すると、その上司っぽい人がパンフレットを持って私のところに来た。そして、整体コース60分が初回限定ですごく安くなっているという説明をした。
私は、数年前に整形外科でレントゲンを撮った時に、年の割には歪んでいない、と先生に言われたから矯正しなくてもいいと思った。が、長年整体に興味を持っていたのも確かだし、初回は検査もしてもらえるらしい。普段はマッサージよりも高いのに、初回はマッサージよりもかなり安いお値段で出来るみたいで、その60分の中にはマッサージも入るらしい。
「じゃ、整体やってみます」
と言っていた。コンスタントに続けていくのがいいと言われたので、どのくらいのスパンでやればいいのかと聞いたら、
「1か月とか2か月の間に……なので、5日後くらいにどうですか?」
えーとね、最初は1か月とか2か月って言われたと思ったけれど、私の反応を見て縮めたのか?で、来週ならば大丈夫とかなんとか言って、火曜日に予約を入れる事になった。
さらに上司っぽい人は、指名料の説明をして、
「(この子、可愛いでしょ?気に入ったでしょ?)指名、どうですか?」
と押してくる。カッコ内は言外の圧。本人を前に指名しない、とはっきり言うのもあれで、笑ってごまかした。だってさ、まだ選択肢もない状態で決められないでしょ。もっとマッサージの上手い人もいるかもしれないし。
そうしたら、
「まあ、次もよほど指名が入っていなければ、Y先生がやると思いますけどね」
だって。でしょうね。だって、お客誰もいないじゃん。閑古鳥じゃん。ちなみに、整体の方は別の先生がやって、マッサージはYさんがやるらしい。Yさん、上司っぽい人は「先生」と言ったけれど、マッサージ師の資格を持っているという事なのかな?
でもなぁ。雑談の時に、
「マッサージは初めてですか?」
と聞かれて、
「アロマテラピーなら、何度かあるんですけど」
と言ったら、
「アロマテラピーって何ですか?よく知らなくて」
と言っていたYさん。マッサージ師がアロマテラピーを知らないって、あり?
ちなみに、アロマテラピーとは香油(アロマオイル)を肩や腕、足などに塗りながら軽くマッサージをしてくれるもの。強く押したりはしない。症状や気分などに合わせて香油を調合してくれるのだ。風邪気味ならばメントールとか、リフレッシュしたいならシトラス、リラックスしたいならウッディやラベンダー、それから好きな香り。ローズが好きとか。あれは素肌に素手で触れるわけだが、必ず女性がやってくれるから心配ない。昔ペンションに泊まった時にやってもらった事があったが、まだ小さかった次男が心配して、
「どんな人にやってもらったの?」
と、顔を曇らせて聞いてきて、若い女の人だったと言ったら、安心してにっこりしていたのを思い出して笑える。
とにかく、次回の予約をして、支払いをして帰ってきた。なーんか、鴨になっている気分だ。ちゃんと検査してくれればいいが、本当は大した事ないのに、通わせる為にすごく悪い、みたいに言われたりしたらどうしよう。
翌日
夜、あまり楽になっていないと言うと夫が、当日はあまり感じないかもしれない、明日になると分かると言った。でも、夫は即日楽になったと言っていたし、翌日には揉み返しが来たと言っていたのだが。
あと、座っている私を見て夫が、背中がしっかりしてると言ったが、まあ確かに腰の凝りはけっこう取れたかもしれない。
翌朝、もしかして劇的に楽になっていたりして、と期待したが、そうでもない。やっぱり首はひどく凝っている。揉み返しという程のものもない。
つまりあれか。あまりに凝り固まっていたから、一回くらい揉んでもほぐれていないという事か。そうかもしれない。確かにあまり間を開けずにまたやってもらう必要があるかもしれない。
それと、首が全然改善していないのは、骨が歪んでいるからかもしれない。うつぶせに寝て、首を横に向ける際、右と左で全然違う。片方はすごくつらい。と、それを昨日義母に言ったら、
「私もそうだよ。大抵どっちかが硬いでしょ。両方柔らかい人なんているの?」
って、言われた。でも確か、息子に聞いたら両方とも痛くないと言っていた気がするのだが……。つまり、年のせい?
さて、次回整体をやったら、また記事を書こうと思う。それでは、また。