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藤本壮介の建築@森美術館

あの、大屋根リングの設計者である藤本壮介氏初の大規模個展へ行ってきた。この展示は11月9日まで。このブログを読んで興味を持った方は、六本木へ急げ!

久々の森美術館

10ヶ月ぶりのアート部の活動である。六本木の森美術館は1年半ぶりだ。

11月3日、芸術鑑賞にはもってこいの文化の日。午前10時にいつもの蜘蛛のオブジェの下に集合だった。

久しぶりだったため、またもや六本木駅をみくびっていた。駅からヒルズまでは10分もかからないよな、と思って電車の時間を調べ、余裕をもって1本早い電車に乗って来たのだが、駅を出てからは確かに5分くらいだったものの、電車を降りてから駅を出るまでに8分かかってしまい、トータル13分かかったのだった。つまり、ギリギリ。間に合って良かった。

祝日なので美術館の中はごった返していた。ロッカーに荷物を入れ、ポケットにスマホや目薬などを詰め込んで入場した。

そう、今日は特に大きい荷物を持ち込めない事になっていた。展示品の近くを通れるので、荷物がぶつかっては大変なのだ。

さてさて、それでは入ってみよう。

思考の森

おぉ、すごい。上にも下にもたくさんの展示品が!

そして観客も多い。どこから見て行けばいいのか分からないくらいだ。行っては戻ったりしていて、メンバーがバラバラに。致し方ない。

藤本氏は、国内外の様々な建物を設計してきた建築家である。建築界では有名だったはずだが、我々一般人の知るところとなったのは、やはり今年開催された大阪・関西万博会場デザインプロデューサーを務め、万博の象徴である大屋根リングを設計したという事が大きい。

北海道に生まれ、東京大学を出た藤本氏。東京の街は森に似ていると言う。そして、彼の建築には森のような要素がある。人と人、人と自然がつながる事を大切にした作品を作る人だ。

その藤本壮介氏の頭の中を具体化したような展示が、この思考の森だ。既に実現されたものや進行中のプロジェクト、ちょっと思いついたもの?からコンペに出したものなどの模型が所狭しと並んでいる。更に、それを思いついた理由もわかってしまうという、面白い展示だ。

↑鬼石多目的ホール設計競技案(2003年 構想)

構想かあ、実現はしていないらしいが、面白い建物だ。

↑台湾カフェ(2013年 構想)

あれ、こっちも構想か。とても立体的だ。模型って見ているだけで楽しい。

↑東京アパートメント(2010 東京)

え、これは実現してるの?すご過ぎる!見に行きたいなあ。住みたいかどうかは別だが……だって、なんか不安な気が……いや、きっと耐震性もバッチリなのだろう。

それで、その手前に置いてあったこれ↑。こうやって考えたのかな。興味深い。

↑ベトン・ハラ・ウォーターフロント・センター(2011年 構想 ベオグラード)

セルビアの首都、ベオグラードのサバ川沿いに建設される施設の構想案だそう。案だから実現はしなかったという事なのだろう。これ、一周してみようなんて思ったら……疲れそうだな。あのてっぺんまで上ろうと思ったら……。万博の大屋根リングも一周するのが大変だったけど(笑)てっぺんに上ったら最後、下りてくるまでにもすごい歩かされたよな(笑)

↑ラルブル・ブラン(白い樹)(2019年 フランス、モンペリエ)

これが実現されているとはねえ。驚きだ。これはパンフレットに写真も載っていた↓。

そしてその手前にあったのがコレ↓

そうか、松ぼっくりから着想を得たのか。面白い。

↑お次は石巻市の複合文化施設。マルホンまきあーとテラス(2021年 宮城)

東日本大震災で失われた市民会館と文化センターの機能を再生し、地域復興の象徴として設計された。もしかして、テーブルが色も形も様々な木で出来ているのは、被災した建物の資材を再利用しているからだろうか。もしそうだとしても、とてもポップでおしゃれな感じになっていると思った。(写真ではちょっと見えにくいが、右側の建物の前に置いてある)

これは何だ?発泡スチロールだよな?すごい。

↑UNIQLO PARK 横浜ベイサイド店(2020年 神奈川)トータルプロデュース・コンセプトデザイン:佐藤可士和

実際に横浜にあるのか~行ってみたいぞ。横浜の山の地形を生かしているのか、かなり高低差があるね。てっぺんまで階段で上ったら……やっぱり疲れそう(笑)

↑白井屋ホテル(2020年 群馬)

これはテレビでも観たぞ。営業を終えた老舗旅館を解体し、藤本氏が設計したとか。街に開かれた「リビング」にしようと、巨大な吹き抜けのあるラウンジにしたとか。やっぱり山の地形を生かしているね。

↑大宰府天満宮 仮殿(2023年 福岡)↓は右側からからアップで撮った写真

私知らなかった~。太宰府天満宮の124年ぶりの御本殿の改修工事にあたって、菅原道真の御心霊を一時的に祀るための仮殿を藤本さんが設計していたなんて。改修が終わったらどうなるんだー!無くなってしまうのかー?

↑渋谷区立広尾中学校建て替え計画・渋谷区立松濤中学校建て替え計画

なんと!これが中学校か!素晴らしい。2つの中学校が同時に建て替えられるらしい。建物中央に全ての教室をつなぐ場所を設けるそうだ。うちの子が通った幼稚園も、教室と廊下の間に壁がなく、つながっていた。あれはいいと思っていた。学校も、学級に問題があったり先生が孤立したりする事があるが、オープンになっていればぐっと減るのではないか。新しい学校かあ。藤本さんは大げさでなく日本を変えるな。

↑はい、出た。大屋根リング。でもちょっと、傾斜が激しいよな?あー、大屋根リングをまた見たい。涙出そう。

↑明治公園整備・管理運営事業(2026年竣工予定 福岡)

すてき~。これが来年から着工するの?本当に出来るのか。楽しみ。って、福岡か!博多駅前だそうだ。行けるかなぁ……。しかし階段がすごいな。私は足腰を鍛える為に、あの階段を毎日上り下りしたい。

↑森の道再開発プロジェクト(2025年ー進行中 日本)

うわあ、進行中なのか。日本?なぜ日本?日本のどこなのかは内緒なの?出来てからでいいので、教えて欲しい。

だいぶ時間を使ってしまった。お仲間が隣の部屋へ行ってしまったので、ちょっと駆け足。とりあえず素敵なものは写真だけでも。

開かれた円環

年表やらビデオメッセージやらを観て、とうとう大屋根リングの部屋へ。

おやおや。なるほど。あー、そうか。

いやね、5分の1の大きさになっているそうで、高さは思った通りなのだが、当然だけれど柱の太さも縮小されていて、とても寂しい。これじゃない感が。やっぱり残される本物をまた見に行くしかないか。たとえ200メートルでも、あの太い柱が見られれば。

大屋根リングの4本の柱に囲まれた広さは、畳八畳分だそうだ。高さは5階建てのビルと同じだとか。そんなに大きいのか。

裏には、なんと手書きのメモがたくさん書き込まれた設計図が。これもすごい。

これはほんの一部だ。こうやってあの万博会場をデザインしてくれたんだなーと思うと感慨深い。何度地図を眺めた事か。けっこう迷ったよなあ。解かりやすいデザインでは、なかったよなあ。

ああ、大屋根リングの模型もある。全部は写真に納まらない。

藤本氏のビデオメッセージがここにもあり、万博会場や大屋根リングの事を語っていた。

大屋根リングは丸い。円形だ。藤本氏の設計したものをこれまで見てきたが、こんな風にまん丸な形はほぼなかった。くねくねしたリングはあったが。彼も言っていた。デザイン的にはもっと弱めた方がいいという案も検討したと。

だが、万博に来られない人の方が多い。その人たちが航空写真などで万博会場を見た時に、世界が一ところに集まっているという強いメッセージが伝わるように、子供からお年寄りまで皆に伝わるような分かりやすい形、つまり円形にしたのだと。

今、世界は分断が進んでいる。争いも絶えない。それでも、万博の開催中、世界中の国々がここに一つになって共存している。それを象徴するのがあの大屋根リングなのだ。

この感動的なお話は、後で出てくるので覚えておいて欲しい。

ぬいぐるみたちの森のざわめき

次の部屋へ行くと、壁際には藤本氏のスケッチがずらりと展示してあった。だが、部屋の中で目立つのがぬいぐるみ達。藤本氏が手掛けた建築物がぬいぐるみになった、らしい。

小さいお子さんが2人、熱心に見ているのはぬいぐるみが会話をしているところ。ぬいぐるみが体を揺らし、日本語をしゃべる。全部で9体あったみたいだ。だが、どう考えても大屋根リングが一番可愛いだろう。(ひいき目)

あれ、上に乗っかっているのは何だろう。

この子たちの会話に出てきたが、一部高くなっている所があったと言う。え、そうだった?一段目と二段目の話ではなくて?慌てて万博で撮った写真を見返す。ああ、確かに平坦ではなかったのか。高いのは海側の事かな?でもそんなに極端に出っ張ってるわけじゃ……。

このぬいぐるみ達、それぞれのプロフィールが壁に貼ってあった。性格まで書いてあって面白い。

大屋根リングは真面目でおおらかだって。そんな気がする(笑)

たくさんの ひとつの 森

今度は未来だ。でっかい展示があった。

仙台市に作られる、音楽ホール兼震災メモリアルだとか。藤本氏が2024年にコンペで選出され、基本設計を任されているらしい。上の2枚の写真は同じところから撮ったものだが、縦と横で撮ってみた。とっても大きくて写真に撮り切れなかった。これで15分の1だそうだ。「たくさんの/ひとつの響き」というテーマが具現化されているという。

全体を見るにはこの↑もっと小さくしたやつがいいか。2031年に竣工予定だそうだ。これが完成したら仙台に行こうかな。あれ?これって最初の部屋にもあったんじゃない?周りに木や川があって。上部の写真をもう一度チェックして欲しい。

藤本氏が語るのは、ばらばらであり、ひとつである、という概念。コンセプトかな。藤本氏が子供の医療施設を設計する際に、お友達と一緒にいたい子もいれば、隠れていたい子もいるという話を聞いたそうだ。隠れられる所を作るが、完全に隔絶しているのではなく、空間としては繋がっている。そんな施設を作ったそうだ。実際模型を見たが、四角い物が変則的に並んでいた。あれは上から見たものだったのか?あの写真を撮って来ればよかったのに、撮らなかった(汗)

未来の森 原初の森ー共鳴都市2025

こちらは藤本壮介氏と宮田裕章氏によって考案された未来都市。

一緒に観ていたメンバーで、万博でスタッフとして働いていた人が、なんと万博で宮田氏と仲良くなったそうだ。あの、シグネチャーパビリオン「Better Co-Being」のプロデューサーだ。え、仲良くなった?ちょっとスルーしちゃったけどすごいな。

それで、宮田氏がこの未来の都市構想について熱く語ってくれたそうだ。ドローンが出来た事で、タケコプターのような事が出来る、ドローンを持って移動できるんだと。まずはこの写真から。

このアミアミの丸を、ドローンにぶら下がって移動するのだと。えーと、私そんな腕力ないけど?

と、思ったらこれだ↑。大丈夫、手で持つのではないらしい。リュックだったら大丈夫そうだ。

ああ、確かに歩けない人もドローンで運んでもらえるか……って、それなら浮けばいいのであって、椅子の下に足がある必要はないのでは?

未来の都市か。あんな風に空間がわーっと不規則に広がっていくのが、藤本氏が言う「」の広がり方なのだろう。東京の街もそんな風に広がっていると言う。確かにね、人の住むところって、水辺とか平らなところにぶわぶわっと膨らんでいく感じに広がるよね。植物だってそうだ。だから森もそうやって広がる。

いやー、楽しかった。最初は大屋根リングにまた会える、という感覚で来たのだが、たくさんの建築物の模型を見て、そして未来の可能性も見て、とても楽しかった。ちょっと前までは大屋根リングをまた見に行く事、上る事ばかり考えていたが、日本各地にある、藤本壮介の建築を見に行きたくなった。後ろばかり見ていないで、前を見ないとね。

ショップを見たが、予め調べておいた鉛筆がなかった。売り切れたそうだ。あれはお手頃価格だったからね。もう会期末だから仕方ない。いや、買おうと決めていたわけではないのだが。

ポストカードもお手頃価格で売っていた。大屋根リングの写真とか。

以上、藤本壮介の建築展のレポは終わりである。その後、同じ階にあるレストランに入った。コラボメニューはなかったのだが。

万博裏話

クロックマダムを食べた。ボリュームがあると書いてあってちょっと不安だったが、思い切って。

クロックムッシュというのを食べた事はあった。いや、こういう豪華なのではなく、冷蔵の物を買ってレンチンして食べたのだが。それで、クロックムッシュとクロックマダムの違いは何だろうと思って調べたら、卵が乗っているかどうかの違いだそうだ。この、とろりとした黄身の目玉焼きが乗っているのがマダムだそうで、マダムは上品にナイフとフォークで食べるのだそうだ。後で知った。よかった、ちゃんとナイフとフォークを使って食べて(笑)

中にはベーコンとホワイトソース。上にはチーズと目玉焼き。パンはカリカリに焼いてあり、確かにボリューミー。食べるのにけっこう時間がかかった。美味しかった。

さて、ここでは万博でスタッフとして働いた、半年間大阪で暮らし、ほぼ毎日万博に通った2人が一緒だった。そこで、色々な苦労話を聞いた。

例えば、VIP対応が大変だった話。芸能人やスポーツ選手、政治家や皇室の方々がたくさんやってきたそうだ。それが、人それぞれ求められる対応が違うという事。芸能人でも同じグループなのに絶対秘密な人と、予めスケジュールを共有される人といて、本人の意向だろうという話だった。

お偉いさんが来る時は警備が大変で、警備員と喧嘩したという話も。スタッフ通路まで通行止めにされたからだとか。ある国のトップは、一般入場の9時よりも前、いやもっと前の8時だか7時だかには視察が終わったという話で、他の人もそうすればいいのにねーとか。あんなに混雑しているのに、人払いを求められたらそりゃね……。

それから、優先入場を狙って、ベビーカーや車いすの不正使用も多発していたとか。身体障碍者や難病の人などが優先して入場できたりするらしいのだが、偽物の証明書を見せてくる人もいたらしい。

また、子供をダシに使う親がすごく多かったという話も。えー、そんな親いる?と大笑いだったが、けっこう多いのだそう。もしかして関西人、とりあえず言うだけ言ってみるというスタイルだったり?いや、もちろん一部の人だと思うのだけれど、スタッフ経験者の2人からは、

「かなり多いよー」

という事だった。

それと、スタッフの福利厚生として、スタッフ証で他のパビリオンに優先的に入れるというのがあるそうなのだが、全てのパビリオンに入れるわけではないそうで、例えば中東の国のパビリオンは、中東の国だけがOKだったとか。オランダは、相手がオランダのスタッフを入れてくれる国ならばOKだとか。

ちょっと待て。全然世界は一つじゃないぞ。それと、フランス館はどこもダメなのだが、唯一モナコだけはOKなんだそう。モナコって……ああ、旧フランス領か。後でちょっと調べたら、モナコの軍事は全てフランスが担っているとか。要するにガッチリ同盟国なのね。うわー、やっぱり世界は一つになっていない。

藤本先生!大屋根リングの中も、世界は一つになっていませんでした!

喧嘩していなかっただけマシか。

喧嘩と言えば、終盤になると一般客同士のいざこざが多く、何度も警察を呼んだという話も聞いた。そんなのニュースになっていないから知らなかった。そりゃね、あれだけ暑くて人も多くて、イライラするもんね。

私が4月にボランティアをやった時でさえ、そう、まだ2回目の日曜日よ。朝一の9時、入場者は急いで移動していて、私たちが「おはようございます」と言ってもほとんどの人が無視。そして、

「中国パビリオンはどこですか?」

とか、慌てて場所を尋ねられる事もあった。つまり殺気立っていた。だから、8月、9月になったらもう、みんな殺気立つよね。

それから、日本はスタッフパーティー?が少ないらしいと1人が言ったら、もう1人が「あれで!?」と驚いていた。そして、アメリカ館のスタッフはマンションを一棟貸切っていて、毎晩パーティーだとかなんだとか。ちょっと違うかもしれない。私の覚え違いもあるかも。まあ、大方そんな感じらしい。アメリカは、中のスタッフはアメリカ国籍を持っていないとできないが、接客には日本人スタッフを欲しがっていたとか。アメリカのみならず、外国人スタッフは、ビザが3か月で切れるので、3か月ごとに入れ替えだったらしい。だから、継続して働いてくれる日本人スタッフも必要だったとか。

あと面白かったのが、日本企業に雇われたスタッフは、他のパビリオンに並ぶ時など、休憩時はスタッフ証やユニフォームは隠すように言われるそうだ。ボランティアもそうだった。しかし、外国に雇われたスタッフは全く言われないそうだ。それで、色々といざこざもあったようだ。

なんだろうね、日本はクレームを過度に気にするのか。いや、逆にお客さんの方の目が、日本人は厳しいのかも。ずるいとか、そういうのが。外国だと、スタッフなら当たり前って感じなのかもしれない。有利になる事は当然活用する、みたいな気持ちというか。日本人は公平性を重視するのかな。

面白い裏話はこんなもんだったかなー。2時間はしゃべった、というか聞いた気がする(笑)面白かった。多分もっと色々あるだろうから、また今度聞きたいものだ。愚痴で構わないので。

それでも彼女たちは、次の横浜のグリーンエキスポでも働きたいと言っていた。そうだよね、楽しかったよね。私はまたボランティアをやりたい。でも運営ボランティアの募集は1万人だそうで、当たるかどうか。当たらなかったらお客として何回も行くもんねー。

今日のブログはここまで。それでは、また!