なかなか望めない樽の香りの酒
樽の香りのする酒が好きである。
今までで、これは美味しかったと思うワインは3つ。一つ目はあるイタリアンレストランで。二つ目は弟の結婚披露宴で。三つ目は次男の小学校の謝恩会で。二つ目と三つ目は飲み放題で飲める赤ワインだった。それなのに、しびれる程美味しかったのは、樽の香りがしたから。
よく、オーク樽で熟成した、などという文句が書いてあるワインがある。そんなのを見ると即買いである。だが、実際に樽の香りがすると思う事はあまりない。前述した3つ以外は、複雑な香りの中に樽(というか木)の香りがするかも?くらいなものだ。
まあ、ワインの話はこのくらいにして、今日は日本酒のお話である。
日本酒も、樽の香りがするものが好きである。
友達の結婚披露宴で鏡開きが行われた時の事。そう、ケーキ入刀ではなく、鏡開きだったのだ。
大きな樽に酒が入っており、小槌を新郎新婦が持って上蓋を叩き割る、あの鏡開き。
そして、参列者には真新しい升(ます)に入れてその酒が振舞われた。
その酒の美味しかった事!樽の香りなのか、升の香りなのか、両方なのか。とにかく木の香りのする酒はなんと美味しい事か。
お替りをどんどん飲んで、と言われたものの、新婦の友人として末席にいる私などが前へ升を持ってお替りをもらいに行くのは何とも恥ずかしかった。ドレスなんぞを着ていたわけだし。私が美味しい美味しいと言っていると、両隣の友人が、
「私、お酒飲めないから、チョコナッツちゃん飲んで」
「私も飲めないから、良かったら私のも飲んで」
と、何と2回もお替りをする事が出来たのだ。
あー、幸せだった。
その時配られた升は持って帰った。その当時は家で日本酒を飲む事がほとんどなかったから、升の香りだけを楽しんでいた。しばらく良い香りがしていたものの、じきに香りは消え失せた……。
それで、また真新しい升で日本酒を飲みたいと思った私は、某ワンダーランドへ行った際に土産物屋で升を購入。

ヒノキの香りがとっても良い。が、そこへ酒を入れて飲んだものの、
「ん?そうでもない?」
うん、一応木の香りがするのだが、結婚披露宴で飲んだような感動はなかった。そして、洗って置いておくと、じきに香りは消え失せた……。
そう、香りはすぐに消えてしまうのだ。
それで、瓶詰の「樽酒」と書いてあるものを、何度買って飲んだことか。それでも、ちゃんと木の香りがする事はなかったのだ。多少はするような気もするが。
カップ酒を買う
お気に入りの割とお求めやすい日本酒があったのだが、開けたてはとても美味しいものの、1週間とか2週間とか経ってしまうとそうでもなくなる。冷蔵庫に入れておいても。だから、一度に飲めない量の日本酒は買わない方がいいかな、と思った。
で、スーパーで1人分というか一回分の日本酒を物色した。
小瓶のものはどうも割高に感じてしまう。360ミリリットルのとか。それで、もっと少ない180ミリリットル前後のカップ酒を買おうかと考えた。つまり1合ね。
カップ酒も値段が様々だ。カップ酒もばかにできない。けっこう美味しい物もある。が、あまりに安い物はどうも買う気になれない。
と、そこで当然私の目を引いたのがこれ。

樽酒と書いてある。いつも樽という文字には目が行ってしまうからね。いつもがっかりするくせに、しょっちゅう買ってしまうからね。
カップ酒にしては少々お値段が張る方。220円くらい(税別)。100円くらいでも売っているし、300円以上するものもある中で、真ん中くらいか。
だが、気になるのがそのカップの素材だ。他は瓶なのに、これはプラスティックなのだ。なんだか安っぽいではないか。
ところが、ふと気になったのはプリンのようにピッタリ貼ってある蓋。フィルムというか。
これは……かなり鮮度を保つ感じではないか?
という事で、一か八か買ってみた。
香りと味と口当たり
さあ、飲もう。上蓋を開けるとこんな感じ。ね、プリンとかヨーグルトみたいでしょ。

そして、このフィルムをはがすと中身はこんな感じ。

飲んでみよう。
うわ!うわー!樽!木!すっごく木の香りがする。杉樽と書いてあるから、杉の木の香りなのだろうか。あ、花粉とは関係ないから。むずむずしちゃった人、ごめん。
それにしても、こんなに木の香りのするお酒を飲んだのは、あの友人の結婚披露宴以来だ。
そして、ゆっくり飲んだわけだが、最後まで香りがなくなる事はなかった。
ただし、お味の方はと言うと……普通という所か。樽の香りがするから美味しいのだが、もっと美味しいお酒はあるような気がする。
それと、口当たりというのかな。カップに当たる唇の感触というのか、それがプラスティックなのがあまりよくない。まあ、家で飲むならグラスにでも移せばいいのだろうが、他に注いで飲むような形状にはなっていないから、私はついこのまま飲んでしまった。
瓶のカップ酒なら、そのまま飲んでも口当たりはいい感じだし、その点ではやはりコストを抑えたという事だろうか。それともこのしっかり密閉容器にするには、この素材でないとダメだったのか。
いずれにしても、樽の香りを感じてみたい方は、ぜひ一度試す価値はあると思う。これほど樽の香りが残っている酒は珍しい。
ここでも買える
Amazonでも樽酒を発見。写真は載せられなかった。どうも最近本以外は載せられないなぁ。私の知識不足で申し訳ない。あ、ネオカップと言うんだね。
菊正宗 樽酒ネオカップ [ 日本酒 兵庫県 180ml×20本 ]→https://amzn.to/3tcRmFM
こんなのも見つけた。紙パックなのかな。こちらのページの方が杉樽がどうとか、詳しく載っているので、良かったら見に行って欲しい。これはけっこうお買い得だと思うんだよね。
菊正宗 樽酒ネオパック 1800ml→https://amzn.to/3LFN5kq
それから、酒じゃなくて升を買ってみたいという方はこちら(笑)
ウメザワ 桧 ひのき 1合升 日本製 →https://amzn.to/3RGzZHG
ぜひ、木の香りを楽しんで!