人から面白いと聞いて、買いに行った。びっくりした。こんなに小さい本だとは思わなかったから。

この写真で伝わるだろうか。小さいし、60ページと薄い本。あとがきや解説もなく、何とも手作り感満載な装丁。一体、どういう事だろうか。背筋さんは他にもホラー本を出している作家さんだし、急にこういうのを出した背景が分からない。
さて、内容を見て行こうか。
ホラーだった。作者名からして、背筋が凍るようなホラーだろうと思うのが普通か?いやいや、アンケートだしさ、お口だし、ホラー要素感じないでしょ、この表紙。
インタビュー形式で一人ずつ話していく。大学生が肝試しに行ったが、どうやらその後メンバーの一人が亡くなったようで。
真ん中まで読んで、一度中断した。ホラーかぁ、怖いの嫌だなー、と思った。夕方一人で読んでいたら、いつの間にか空が暗くなっていて、自分のいる部屋だけが明るくて、ふと隣の部屋が暗かったのにはビビった。
次の日、続きを読み始めた。すると、あれ、ホラーというよりミステリーか?と思った。もう一度ざっと見返した。そうか。なるほど。ん?どう言う事?そんな風に、ミステリー的な観点で読み始めたら怖くなくなっていった。
最後の方になって、謎が解けるのか、どんでん返しか、と期待しながら読んでいたら、どうも字の色がおかしいような気がして。気のせいか、私の目のせいか、と思って読み進めて行くと、やっぱりそうだよ、字が赤いところがあるよ……。
しかし、ホラーと言うのは小説でも、映像でも、相手の正体が分からない間が怖いもので、実際に幽霊だとか、祟りだ呪いだという物が出てくると、あまり怖くなくなってしまう。私が科学信奉者で、非科学的な物を信じていないからかもしれない。急にファンタジーか、なんて冷めたりして。
そして、最後まで読み終えた。そしたら、なんか巻末にアンケートがあった。危うく読み飛ばすところだった。だが、読んで行ったらこれがまた。なるほど。ここまでが小説だったのか。これで全部分かった。
しかし、アンケートの途中が一番怖かったかもしれない。え、もし「はい」にしたら、私どうなっちゃうのー?!とか。
とにかく、色々な仕掛けがあって面白かった。で、全体的にこの装丁もなんだか……怖い。やっぱりホラーだな。
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