雨女の評判高いチョコナッツ。1ヶ月ほど前から予約していた産婦人科受診の日。天気予報は午後暴風雨。
実際昼過ぎに家を出ると、思ったほど暴風はなかった。
だが、いままでは雨でも平気だった靴に、雨水が浸みて靴下がびしょ濡れ。そのくらいには土砂降りデー。さすが雨女?
筋腫のせいで貧血
区内のクリニックではあるが、電車で向かう。
なぜ産婦人科に通っているかと言うと、実は子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)があるからなのだ。それも巨大な筋腫が。
診断が下されたのは3年ほど前のこと。その頃、最近やけに疲れやすいと思っていた。立ち上がってしまえば動けるのに、立ち上がるまでが一苦労。それに、爪が割れやすくなった。すべて年のせいだと思っていた。
ところが、お腹に固いコブがあるな、と気づいた。まさか大腸がん?と思った私は、久しぶりに(汗)健康診断を受けてみた。そうしたら、子宮筋腫のすごいでかいのがいくつもある、と言われたのだ。そして、貧血。
爪の割れやすさも、疲れやすさも、全て貧血のせいだった。年のせいでも、ましてや性格のせいでもなかった。鉄剤を飲んで貧血が解消したら、爪も割れなくなったし、立ち上がるのも全然億劫じゃない。気分が悪かったりしたのも、全て貧血のせいだったのだ。
若い頃は、一度も貧血検査に引っかかった事はないし、立っていて倒れた事もないし、血を抜いても気分悪くなった事はない。貧血とは無縁だと思っていた。妊娠中に何度か貧血と言われて鉄剤を飲んだが、貧血の自覚症状もなかった。だから、疲れやすいなどの症状があった時に、全く貧血を疑ってはいなかったのだ。
また、子宮筋腫というのは、若い子か、出産していない30~40代の人に出来るものだと勝手に思っていた。もしくはよほどストレスの溜まっている人とか。なので、そちらも全く予想もしていなかった。
最初に診断が下された時は、とてもショックだった。だが、よくよく考えてみると、貧血さえ解消してしまえば、私の場合は困った事はさほどない。脂肪がある以上にお腹周りが太くなるくらいなもので。
出血過多とか月経痛とか、困った事がある場合は手術や薬で治療をするそうだが、私の場合は何も困っていなかった。なので、経過観察となった。貧血さえ治ってしまえば元気元気。
定期的に通っているクリニック
それで、毎日基礎体温を測ってグラフにし、時々お医者様に見ていただいて、時々いろんな処置や検査をするわけだ。今日も、3ヶ月ぶりくらいの受診だった。
雨でズボンの裾も濡れていた。クリニックに着くと空いていて、待っている人は二人くらい。予約時間よりも10分くらい早く着いたので、きっとすぐに呼ばれるだろうと思っていた。
一応、本を持って行っていたので読んでいた。そろそろ呼ばれるかな、と思って区切りの良いところで止めて本を鞄にしまったものの、まだ呼ばれないのでまた読む。そうこうしている内に30分ほど予約時間を過ぎた。あれ、早く着いても同じか?
やっと呼ばれた。いつもの若い女の先生に「こんにちは」とご挨拶。そして、いつものように基礎体温表を見せる。
「うんうん、なるほどね」
いつもの先生の口調。そして、
「診察してみよっか」
と言われ、一度廊下に出てから隣の診察室へ。
男性読者もいるだろうから、診察の描写は割愛する。期待していた君、このブログはそういうジャンルじゃないから。
痛みを逃す方法
で、診察中に先生はこう言った。
「この後、予定ありますか?」
「いえ、ありませんけど」
別に、デートのお誘いではない。ある処置&検査をする事になった。端的に言うと、針を刺す。
「はい、チクッとしますよー」
よくあるやつ。何科でも、例えば歯科でも、治療中に「ちょっと痛いですよ」と言われて、その時は確かにちょっと痛いのだが、先生はもう痛いのは終わり、みたいにしているけれど、実際はその後の方が痛かったりする。
うーん、痛い。まだ針抜かないのかな・・・
そう思っていると、
「消毒しますねー」
と言うから、もう抜いてあるのだった。けれども、まだ痛いのだ。痛い、痛いよー。
はっと気づいた。手に力が入っている。手の力を抜いてみたら、更に気づいた。体全体に力が入っている。力を抜くと、痛みも和らぐ・・・と思ったら処置も全て終わった。
痛みを逃す方法というのがある。2回目の出産時にやっと体得したのだが、体の力を抜き、深呼吸をする事だ。先日息子が腹痛に苦しんでいた時に、それを教えてあげたら少しはマシになったようだった。
私も、よく腹痛などに襲われるので、その時にはこれをやる。すっごく痛い時には横向きに寝て、手のひらを開き、大きく深呼吸をするのだ。目を閉じて。目さえも力を抜く。
採血。今日はなんだか嫌だー
診察&検査が終わって、
「では、貧血検査をするので、採血してからお帰りください」
と、先生に言われて廊下に出た。廊下で待つようにと言われたので、その辺に立つ。
チョコナッツ氏のプライバシー保護の為、詳しくは語らない事にするが、針を刺したのは座ると当たる部分なので、あまり座りたくなかった。まだズキズキするので。
だが、けっこう待たされた。採血の部屋がどこなのかは分かっている。そこから少し話し声が聞こえていて、患者さんが中にいるようだ。
廊下にはいくつも椅子が置いてある。それぞれ離して置いてある。長く待たされるならば、と思って座ることにした。
近くの椅子に、恐る恐る座る。ちょっと座り方が浅かったので、ゆっくり、おっかなびっくり座り直す。
うーん。痛い。やっぱり立ってようかなあ。そう思いつつも、ただじっと座っていた。だが、斜め前にある椅子に目が留まった。あの椅子の方がフカフカかな。
迷ったけれど、そっと立ち上がって、フカフカに見える椅子に座り直した。おお、この椅子なら痛くないじゃないか。先ほど座っていた椅子を見ると、いかにも固そう。馬鹿な私。
フカフカ椅子に座ったのに、すぐに呼ばれた。採血室に入って、例の台に腕を乗せる。
右利きとか左利きとか関係なく、今日は右手を出したくなかった。なぜなら、右手には既に採血した?と思われるような傷跡があって恥ずかしいから。なぜその跡が付いたかと言うと、昨日布団ばさみを腕に掛けたから。なぜ掛けたらそうなるのか。私にも分からん。
左手の袖をまくって、台に乗せた。台は思ったよりも高く、なんだか無防備な感じ。
そして、何だろう、今すごーくここに針を刺されたら痛いだろう、という気がしてならなかった。傷を付けられるなんてとっても嫌だ、嫌だ、嫌だ、と心の叫びが聞こえる。
だが、大人なので、その叫び声は無視する。聞こえない振りをする。すごく嫌だと思っているのに、平気な振りをするのだ。そして、例のごとく
「ちょっとチクッとしますよー」
と言われる。針先は見ないようにする。で、チクッとする。意外にチクッはさほど痛くなかった。が、その後がずっと痛い。血を抜く間、針を刺されている感じが痛いのだ。
「はい、これから針を抜きますので、ちょっと嫌な感じがしますよ」
と言われる。嫌な感じってどんな?といつも思うのだが、今日も分からなかった。早く抜いて欲しかったし、抜かれる瞬間は何も感じなかった。
「腕に跡が残りやすくなっていますから、重い荷物を掛けたりしないようにしてくださいね」
と、ご親切に言ってくれた。これ、いつも言われてたっけ?その時だけで忘れてしまうのか。やっぱり年だな。
複雑な気分
そうして、検査結果を聞くために2週間後に予約を取り、帰ってきた。処方箋ももらった。これは、抗生剤のための処方箋。
抗生剤と言えば・・・
先日、次男が細菌性胃腸炎にかかった際、最初に診察してもらった時には発熱がなく、ウイルス性だと思われ、抗生剤は処方されなかった。しかし、翌日40度以上の熱が出て、嘔吐下痢は激しく、血を吐く事態になり、もう一度受診した際に抗生剤を処方されたのだった。けれども、処置が遅れたからか、4日分出された抗生剤を飲んでもよくならず、もう一度受診し、また4日分の抗生剤を処方された。だいぶ良くなったが、それでもちゃんと快復するまでには1ヶ月かかってしまった。最初からすぐに抗生剤を飲んでいれば、そこまで長引く事もなかったのではないか。
そんな思いがあるのに、今私が「念のため」に抗生剤を飲む・・・複雑な心境だった。それに、抗生剤を多用しすぎると、そのうち効かなくなって大変な事になると聞いた事もある。とはいえ、これに異を唱えるほど医学知識があるわけではなく、先生に飲めと言われれば飲むのである。
薬剤師さんの性別が重要
土砂降り雨の中、電車で地元に帰ってきて、処方箋薬局で薬をもらった。木曜日はいつも女性の薬剤師さんがいる。それ以外にの日は男性で、以前この薬を処方された時には、男性の薬剤師さんがいたのだった。
薬を渡され、
「このお薬、飲まれた事ありますよね」
と、言われた。はい、と答える。薬剤師さんは私のお薬手帳を見て、1年くらい前ですねと言った。
何か、すんなりとは帰したくない様子。それで、ああ、と得心する。どうしてこの薬を飲むのか、薬剤師さんとしては知りたいのだ。私が元気そうなのに、なぜ抗生剤を飲むのか。
それで、今日どんな処置をしたのかを話した。そして、
「前回も同じです。男の人に詳しく言うのもあれかと思いまして、検査ですか?と聞かれて「はい」と言ってしまったんです」
と正直に話した。すると、
「話してくださって、ありがとうございます!」
と言われた。この薬剤師さん、小さくて笑顔が可愛い人なのだ。別にね、何でも話すわよ。けれども、話したくないかもしれないと思ってか、あまりはっきり聞いて来ない。それがちょっと笑えた。いや、笑ったら失礼か。ただ、私は聞かれても全然平気なので。ただ本当に、男性に詳しく話したらそれこそ失礼かと思うし、そこは勘弁。
ちなみに、今日の処置については、親兄弟にも話していないくらい、プライベートな事なのである。あれ、夫にも話してなかったかな?とにかく、そんな秘話をなぜ全世界に公表しているのか、謎である。