目次
朝からハプニング
リーベルホテル アット ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに泊まった我々家族4人。
12月29日の朝。お化粧をする私が一番早く起きようと、目覚ましを6時半にかけておいた。夜中に何度か目を覚ましてスマホの時計を確認するのはいつもの事。
ふと目を覚ましてスマホを見たら、6時29分だった。家族を起こさないよう、アラームを解除した。そして起きて着替えようとしていたら、どこからか音楽がこっそり鳴り始める。
なんだ?どこから鳴っている?
音源を辿るうちに、音楽がだんだん大きくなってきた。長男のベッドの下に落ちていた、いや、充電するためにベッドの上まで届かない状態で置いてあったスマホを発見。これが鳴っていたのだ。
長男は、温泉に来ると必ず朝風呂に行く。いつもはあまり眠れないようなのに、夕べお酒を飲んだからか、今朝は目覚ましが遠かったからか、すぐに起きられなかったようだ。ちなみに、長男は二十歳になったばかりである。
長男も起きたが、夫も次男も起きてしまった。そして、カーテンを開けるとおお!素敵な景色が。

長男は大浴場へ行った。私はお化粧をし、夫と次男も着替えて、7時過ぎに食堂へ向かった。長男を待っていようかと思ったが、長男はまたサウナ好きでもあるようで、サウナとお風呂を往復して、とてもゆっくりお風呂に入るのだ。なので待ってもいられない。
LINEしておいて、我々は先に朝食の場所へ行った。長男が見つけやすいように入り口付近の席を取った。そして、またLINEでその事を知らせる。家族がそれぞれお料理を取りに行く。ビュッフェなので。
コロナ禍なので、ビニール手袋とマスクをして取りに行く。お盆がなくて、いちいちテーブルへ置きに来なくてはならなかった。
だが、そこへ長男が現れて、
「カードキー、貸して」
と言う。なぜに?
「貴重品ロッカーにスマホを入れたらさ、一緒にカードキーも入れちゃって、カードキーがないとそのロッカーが開かないんだよ」
ふと足下を見ると、長男はまだスリッパのままだった。やったよ、また。私とどっこいどっこいのおっちょこちょいな長男。そもそも、脱衣所に鍵付きロッカーがあるのだから、貴重品ロッカーに入れる必要はないのに。
カードキーを渡してやった。つまり、スマホが手に入らなかったから、まだLINEを見ていないわけで、よくここが分かったよな、おい。
長男曰く、カードキーはスマホケースに入れてあったそうだ。一度部屋に戻ったが誰もいないので、食堂だろうと思って来てみたそうだ。ほんと、入り口付近のテーブルにして良かった。
というわけで、無事に食事にありつけたのだが、長男はちょっと遅れた。あまりゆっくりもしていられないので、またバラバラに部屋に戻る我々。ちなみにこんな感じ。食べかけになってしまったが。パンやお肉が小さめなのが嬉しい。色々食べられる。


ユニバーサル・スタジオ・ジャパンへ
USJでは1デイ・スタジオ・パスの他に、ユニバーサル・エクスプレス・パスというのを取得していた。色々分かりにくいが、エリア入場整理券付きで、今日はまず10時半からニンテンドー・ワールドに入場できる事になっていた。
というわけで、ホテルを9時頃に出た。ホテルはカードキーを4人それぞれが持っていて、一応聞いてみたら、特にチェックアウトの手続きなどはせず、カードキーを持って出かけて良いという事だった。
ホテルからUSJまでは徒歩13分と書いてあった。電車に乗れば1駅なので1分だ。普通なら歩くところだが、
「確か、駅からもけっこう歩くんじゃなかったっけ?」
という記憶が我々にはあり、初っぱなから疲れるのは辞めておこうと言う事で、電車に乗った。
JRゆめ咲線の始発・終点である桜島駅から1駅で、ユニバーサルシティ駅に着く。着いて、階段を上ろうとしたところで、反対側のフォームを見てぎょっとした。
ものすごい人・人・人。行列なんてもんじゃない。ラッシュ時のターミナル駅並に。
とにかく改札を出て、USJの入り口へ向かう。すぐにマクドナルドやスターバックスがあるが、ここにも既に行列が出来ていた。
「ここに来てもマックか・・・」
と夫が言った。まず朝食をという所なのだろうか。
ずらずらとパーク入り口へ進む。この辺はそれほど混んではいなかった。もうオープンしている時間だし。

しかし、なかなか入り口にたどり着かない。そのうち人が密集し始める。目の前にゲートがあるのに列は別の方へ進む。日本語、英語、中国語、韓国語のアナウンスが順番に流れていた。感染対策に関するアナウンスが。
足下には線が引いてあって、並ぶ時にはディスタンスを取ってという事だと思うのだが、全体的に無視されていた。

やっと手荷物検査があり、スマホで1デイ・パスのQRコードを出して、それをかざして入場した。手荷物検査の時に、
「可愛いの付けてますね!」
とお姉さんが言ってくれた。そう、私はボランティアバッグを持っていた。でっかく「TOKYO2020」と書いてある事が、東京にいると「2020」だけ気になるのに、大阪では「TOKYO」が気になってしまうのだった。しかし、結局は東京以上に大阪では、このバッグやロゴがオリンピックと結びつかないのかもしれない。何も言われなかったし。
ちなみに、これは空港で撮った写真だが、こんな感じでこっそり五輪なのだった。

スーパー・ニンテンドー・ワールド
さて、まずは入り口から割と遠い、ニンテンドー・ワールドの場所を確認するところから始めた。途中、7年前の記憶がある場所を懐かしみながら歩く。それにしても、何でも30分待ちとか60分待ちとか、90分待ちとか。どこが空いているのだ。
おととい、チケットが買えるかどうかを確かめてみた。そうしたら、まだ12月29日分が買えるようだった。これは、まだ1万人に達していないという事か?と考え、もしかしたらすっごく空いてるかもー!なんて期待していたのに。
1万人って、こんな感じなの?家族で計算を始める。小学校の全校児童が10個分くらい、と夫が言う。うーん、分からない。偏ってればそこは混むだろうが。
入場するまでに並んだので、そろそろ10時になろうとしていた。ニンテンドー・ワールドにはあと30分入れない。一応聞いてみたが、やはり10時半にならないと入れないそうだ。しかし、30分ではどこにも入れそうにない。まだお腹も空いていないし。
結局、ベンチに座って考えようとして、何もせずに30分待つことになった。食べ物のお店も長蛇の列。そうだ、トイレに行っておこう。
ということで、近くのトイレへ。ここは空いていてホッとする。ディズニーランドだったらトイレまで並ぶもんな。
トイレを出て歩いていると、後ろから若い女性に呼び止められた。
「落としましたよ」
その女性が持っていたのは、私がバッグに付けていたピンバッジ!
「あ、ありがとうございます!」
と受け取ると、またトイレの前へその女性は戻っていった。誰かを待っているのだろうか。私はピンバッジを付け直そうとして、裏側の留め金も無くなっていることに気づいた。すぐに先ほどの女性の所へ行って、
「すみません、これどこに落ちてましたか?」
と聞いた。ちょっと図々しいけれど、すぐに探せば見つかると思って。この辺だと教えてもらい、辺りを見渡すと、その女性と、お連れさんと思われる男性も一緒になって探してくれて、無事留め金を見つけてもらえた。ありがたい!
どうも、バッグがパンパンだと、蓋に付けたピンバッジが取れがちだ。服で引っかけてしまうのだろうか。危ないので、実はその前にも取れてしまってすぐに拾ったピンバッジ共々、外してバッグの中に入れた。トホホ・・・今日、更にピンバッジを買い足そうと思っていたのに。
そんな事をしていたら、10時半になった。家族が立ち上がって私を待っていた。すぐにニンテンドー・ワールドへ向かう。
エリアの入り口で、エクスプレスを持っていない人は並ぶが、持っているとすぐに入れる。が、まだ10時29分だった。エクスプレス4の画面を見せると、
「あ、あと1分ですね!」
と言って、待たされた。そうこう言っている内にすぐに30分になったのだが。

エリアに入ると、マンホールまでコイン型?そして、土管から顔を出して写真を撮れるモニュメントが。しかし、行列が出来ている。次男がそこで写真を撮りたいと言ったが、時間が限られているので、諦めて中へ。

バーンとゲームの世界が。このエリアは2021年に出来た新しいもの。マリオは昔からあるゲームで、実際私もやった事があるが、それほど愛着はない。しかし、子供達は小学生の時に散々ゲームで遊んだし、感激している様子だった。写真もばしばし撮っている。

と言っても、やはり20分間の空きが出来ている。何かするにも並ぶので、20分では済まなそう。というわけで、お土産屋に入った。
おお、蓋がパズルになっているクッキーが!これ、姪っ子が喜びそう。それから、次男がすごく気に入って、欲しい!と言ったトレーナーが。よく知らないが、ゲッソとか何とか。イカだね?夫はハテナボックスのエコバッグなんかを買うようだ。



かぶり物が可愛い。キノコやマリオの帽子をかぶっている人がパーク内にたくさんいるが、可愛い。ただ、この中でしかかぶらないだろうと思うと、やはり買えない。しかし、家族に試着させて笑った。坊主頭の夫にキノコをかぶせたのが一番ウケた。
10時50分になったので、すぐに隣のマリオカート~クッパの挑戦状~へ。エクスプレスを持っていると本当に並ばずに入れる。中を歩いて行く中で、色々と面白いものがあって写真を撮りまくる。




マリオになりきる感じで、サンバイザーのような物を装着させられた。後でメガネをはめるらしい。4人で一つのカートに乗り、それぞれハンドルを握る。ボタンを押すと亀の甲羅を投げられる。
カートに乗り込んだ時に、置いてあったメガネを装着するのだが、私はメガネをかけているし、サンバイザーのどこに付けたらいいのか分からなかったが、隣に座った夫がはめてくれた。
それにしても、前の人が下りてすぐに乗り込む。ハンドルも消毒などなし。メガネも。何だか違和感。最近ではこういうの、あり得なかったから。
さて、カートに乗っているとは言え、レールの上に乗って進んでいる。矢印が右、左と出るので、一応そっちへハンドルを切るが、これにどれほどの意味があるのか分からない。後で点数が出るから、そこに影響するのかもしれないが、4人それぞれハンドルを切ったところで、どうにもならないだろう。
それでも、メガネのお陰で時々ものすごく没入感がある。まるで本当にゲームの中に入り込んだように感じた。その感覚が素晴らしかった。それほどスリルはないが、その没入感は楽しかった。
終わりに、それぞれの席の前の画面に点数が出たようだった。一度やっただけでは、その点数がどうなのかよく分からない。
うちは並ぶのが好きじゃない、と思っていたが、それは親の話だったのかもしれない。子供達は、
「待ってる間にわくわく感が募るんだよね」
「全く並ばないと、わくわく感がないね」
と言っていた。確かに、もう少し並んでもいいか?いやいや、並ぶと腰とか痛くなるし。
カートを降りて、サンバイザーを返し、消毒液で手を消毒した。言わなくとも家族全員それをした。そうだな、いちいち交代する時にハンドルを消毒するのは大変だが、各自が終わった時に手を消毒すれば、問題ないだろう。
出てきた場所は、先ほどのお土産屋だった。そして、これからどうするー?という状態になり、次のハリー・ポッターの前にお昼を食べようという事になった。
食べ物難民
外に出て、地図を広げて4人で頭を付き合わせていると、パークの職員さんが声を掛けてきた。
「何かお困りですか?」
お昼を食べる場所を探していると言ったら、オススメを教えてくれた。その人が一番オススメだと言うレストランは、フィネガンズ・バー&グリルだという事だった。それならと、我々はそのレストランを目指して歩き出した。
土管から頭を出して写真を撮りたかった次男。列を見るとざっと30分かそれ以上並びそうだった。諦めた次男に、後ろでジャンプして撮れば?と提案した私。そして、見事バレー部ジャンプを写真に収めた。

フィネガンズ・バー&グリルにやっとたどり着いたものの、やはり行列が出来ていた。
その時11時半。我々の次のミッションは、13時10分にハリー・ポッターエリア(ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター)に行く事だった。
この行列に並んでいると、レストランに入れるのが12時半頃になりそうだった。それから注文して食べて、13時に出るのは何となく無理な気がした。一応並びながら、夫が様子を見に出かけ、電話が来た。
「ホットドッグの列が短いから、こっちにしよう」
と。すぐ近くの屋台に夫が並んでいた。珍しく列が短かった。なかなかすぐに食べ物が買えないこのUSJである。夫がホットドッグを6つ買うと言った。この店にはビールも売っていたので、それも買う。他のビールの屋台に長蛇の列が出来ていたので。
近くに腰を掛けられるようなところはなかった。ベンチも皆埋まっている。水辺のところには綱が張ってあって入れないが、そのすぐ外も板が敷いてあって、アスファルトよりは良かろうと、そこに座って食べた。何というか、真冬なのに地べたに座るなんて思ってもみなかった。だが、ビールを飲むと美味しかった。
何度目かの食べ盛りが来ている次男には、ホットドッグ2個。長男は1と4分の3個、夫は1と4分の1個。私は1個。なかなか美味しいホットドッグだった。野菜はないけど朝食にバッチリサラダを食べたから大丈夫。

アメージング・アドベンチャー・オブ・スパイダーマン・ザ・ライド 4K3D
レストランに並ぶ時間はなかったが、ホットドッグで済ませたので、時間がけっこう余った。次にハリー・ポッターのエリアに入れる時間まで、まだ1時間ほどあった。
この間に、もう一つ乗る事にした。エクスプレス4には、時間指定の無い二つのアトラクションがあって、どちらか一つに優先的に入れるという事だった。
それはスパイダーマンかジュラシックパークだった。ジュラシックパークは前回入った気がするので、今回はスパイダーマンにしようと決めた。
スパイダーマンの入り口で、
「30分くらいで出て来られますか?」
と聞いたら、
「出て来られると思いますよ」
と言われた。そう言ってくれるという事は、かなりの確率でそうなのだろう。
さて、このスパイダーマン、本当に全く待つ事なく、すっと入場し、入ったらすぐに乗り物に腰かけるという。びっくりするくらい早かった。
これも、映像によってスリルを味わう系の乗り物だった。サングラスを渡されて、それを掛けて乗るのだ。しかし、私は元々メガネをかけている。その上からサングラスをかけると、耳の所で止まってくれない。よって、片手でサングラスを押さえ、片手で安全バーを持って乗るという感じになった。
それでも、実際に速く動いたり回ったりするわけではないので、捕まる手はそれほど要らないのだった。
けれども、水が落ちてきたりして、思わずぎゃーと言った。と思ったら温風が吹き付けて、本当に火が近くにあるようだった。なかなか面白い。スパイダーマンを知っていても知らなくても、楽しめるライドだった。
そして、途中で写真を撮られていて、出る時に見た。片手でサングラスを押さえて乗る、奇妙な姿が写っていた。
これも、終わった途端に消毒液で手を消毒。これで本当に大丈夫なのだろうか。
そして、やはりお土産屋へ。マリオよりも断然こちらの方が夫の食いつきが良い。子供達は外で待っていて、夫が自分のサイズがないのにTシャツを2枚も買うし、あれもこれもと。そして、つい私も可愛い物を見つけてしまった。靴下カバー。いや、パンプス用の靴下?とにかく、お手頃価格でつい購入。後で履いて写真を撮った。



さあ、もうそろそろ時間だ。ハリー・ポッターエリアへ行こう!
ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター
7年前にも来たこのエリア。まずは、木にぶつかっている車が出てくる。映画に出てくる車だ。あれ?7年前よりも木がずいぶん生い茂ったなぁ。
入り口でやはり写真を撮る。ここはいつも屋根に雪があって冬の設定だ。以前は夏に来たが、今回はまさに雪があってもおかしくない時季。あまり使わない自撮り棒を使って4人で写真を撮ったら、その後長男が、
「ここ、自撮り棒の使用はお控えくださいって書いてあったよ。他に使ってる人見ないでしょ?」
と。お前、早く言えよー。恥ずかしい。申し訳ない。もうしません。
それにしても、すごく混んでいる。かつては外で売っているバタービールはそれほど並ばずに買えたのに、今日はちょっと無理なほど並んでいるではないか。それにしても、もうエリア入場時間の13時10分を過ぎてしまったのに、まだそのゲートが出てこない。一体どこまで行けばいいのだ?
そうこうしているちに、13時30分から乗れるはずのハリー・ポッター・アンド・ザ・フォービドゥン・ジャーニーの場所、つまりホグワーツ城に着いてしまった。
それで、聞いてみると、
「エリア入場は関係ありません」
だって。なーんだ、だったらもっと早く来ればよかった。それで、また10分くらい時間があるので近くに座って待った。フライド・オブ・ザ・ヒッポグリフという、ちょっとしたジェットコースターのような乗り物は、やはりだいぶ並ぶようで、今入れるのはお土産屋くらいだった。
まだ2~3分前だったが、夫がせっかちにも並び始めた。さきほどエリア入場は関係ないと言った、ちょっとつんつん系のお姉さんは、先ほどのニンテンドー・ワールドの人とは違って、すぐに入れてくれた。なるほど、ハリー・ポッターは厳密ではないと。
ニンテンドーが新しいから、より混み合うという事で厳格にやっているのかもしれない。もしくは、係員の性格次第か。
それにしても・・・密だ。入ってすぐに荷物をロッカーに入れるように言われる。入れる人と取り出す人とが入り乱れ、空いているロッカーをそれぞれ探し回り、それでも空いているロッカーは必ずある。そりゃそうか、次々取り出していく人がいるのだから。
ただ、大型ロッカーはなく、皆同じ大きさだった。長男だけが大きいリュックを背負ってきていた。そこに買ったお土産を全部入れてもらっていたのだ。心配になって長男を探すと、いたいた。必死になってリュックを押し込んでいる長男が。
「中身を出して、もう一つのロッカーに入れよう」
夫とそう声を掛け、中からお土産を取り出す。周りのロッカーはまだまだ空いていたので、結局3つのロッカーに分けて入れた。やれやれ。
手ぶらになって進むと、いろいろ興味深い映像が。かつて、ハリー・ポッター展に行ったので、その時に見たものも多かったが。ポケットにスマホは入れていたので、写真を撮ろうと思えば撮れたが、真っ暗でちゃんと写りそうもなかったので辞めた。
そして、ライドだ。かなりガシッとはまる感じ。言うなれば、卵の中に座って、檻に閉じ込められた感じ。太めな夫は、
「お、なんかキツいぞ」
と言っていた。足がぶらぶらしている。そして、ゴーグルもなしに目の前に素晴らしい映像が!
我々は魔法の箒に乗って飛び立ったようだ。早く移動しているわけでもないのに、映像のせいでものすごい速さで飛んでいるように感じる。風も来る。映像は落下しそうになる。分かっちゃいるがぞっとする。でも、けっこう楽しい。本当に空中でぶんぶん振り回されるよりは気持ちが楽で、とても良い時代になったと思う。
これが、他のVRライドと違うところは、映像ばかりではなく、リアルな作り物もあるという事だ。ディメンターという、まあ、幽霊のようなものが出てくるのだが、それをリアル素材で作ってあって、時々そいつが出てくるとビックリする。
「子供が泣くなー」
と思った。それにしても、ゴーグル・メガネなしでこれだけの映像、そしてリアルと組み合わせた内容。素晴らしい。これ、出来てもう7年になるんだよな。長年続くのも分かる。
ハリー・ポッターのライドを下りると、みんなで次男の心配をする。次男は乗り物に弱い。その上、持病の原因不明なめまいがある。毎回夫が心配していたが、最近電車にも乗り慣れて、ほとんどめまいも治っていたし、ここまでは大丈夫だったのだが・・・
「酔った。吐こうと思えば吐ける」
と言う。それで、私が酔い止めの薬を持っていたので飲ませる。
ハリー・ポッターが特に酔いやすいというのではないらしい。これまでに乗ったものの蓄積だと言う。確かに。少し電車に乗っても大丈夫なのに、長く乗るとめまいがしてしまう子だ。
とにかく、お土産屋に入る。次男も友達にお土産だと言って「百味ビーンズ」などを買っていた。また、夫は洋服を買いたがった。でも、なかなかサイズがない。あってもちょっとデザインがダメだとかで。
私は、ピンバッジを見つけた。ピンバッジは大抵クルクル回ってしまって、すぐ逆さまになるが、2カ所留めるところがあれば回らないのにと思っていた。そうしたら、2カ所留めるところのあるピンバッジを見つけたのだ。クィディッチという競技に使う黄金のスニッチ。ちょっととがっているけれど。

長男は、今まで羽ペンやら魔法の杖やら、魔法辞典やら、色々なものを持っているが、今回は死の秘宝のキーホルダーと、スニッチのキーホルダーと、両方買っていた。やっぱり好きなんだなあ。

次男は、バタービールを飲みたいと言っていたが、どうしても混んでいて、これに並んでいたら次へ行く時間がない。それで、やはり諦めてこのエリアを出たのだった。
鬼滅の刃XRライド
あと、予約してあるのは一つだけだった。14時50分からの鬼滅の刃だ。
これは期間限定のアトラクションだ。エリアの外にある店に、長蛇の列が出来ていた。そこは着物が売っているようだった。ちかくにカナヲの着物を着ている女の子がいて、可愛いと思った。
そうそう、今日思った事。昔よりも若い男の子がコスプレしている!
たとえばハリー・ポッターのエリアで、あのマントなどかなり本格的なコスプレをした、中学生くらいの男の子が二人、ホグワーツ特急列車の前で写真を撮っていたのだ。昔から、女の子なら小さい子から大人まで、コスプレする人はいたし、男の子は、彼女と歩いている人は帽子をかぶっている人もいたが、こんな若い子が、男の子同士で、帽子だけでなく全身コスプレしているなんて!素敵。
また、大勢で同じかぶりものをかぶっている光景もあった。一度など、10人以上の男の子がミニオンの帽子をかぶっていて驚いた。こっそり後ろから写真を撮った。ちょっと分かりにくいが。

さてさて、鬼滅だ。入り口にフィギアが。後ろから見るとねずこが顔を出していた。


入り口に入る前にロッカーに荷物を入れるようにと書いてあった。
そして、並ぶ。エクスプレス用の列に並ぶも、やはり並ぶ物は並ぶ。まず、4人で写真撮影。あれ?そういえば後でこの写真を見なかったが・・・どこかで売っていたのだろうか。
写真を撮るために並ばされたのかと思ったが、その後も何となく並ぶ。そして、常にアナウンスがあってこちらを不安にさせる。
「乗り物酔いする方、めまいのする方、妊娠中の方、体調の優れない方はご遠慮ください」
と。じきに建物の中に入ると、
「揺れてるよね?左右に揺れてるよね?」
と次男が言う。しかし、実際には揺れていない。乗り物が動くせいで、床がじりじりと振動しているだけなのだ。それを、地震のように揺れていると感じるという事は、つまり、次男はめまいがしているのだ。不安だった。こういう時こそすぐに乗れればいいのに、やけに引っ張る。スパイダーマンなんて5分で出てきたのに、ここにはもう30分くらいいるのに、まだ本番のライドにならない。
それにしても、ここは鬼滅っぽくない建物だった。期間限定だから、ソフトを変えて、ちょこっと装飾しただけなのだ。そういえば、7年前もこの建物に来た。あれは、そう、最後にジェットコースターに乗ろう言ったら、次男が乗りたくないと言い、一人で外で待っていたのだ。もう夜になって暗かったのだが。確か、一人でチュリトスでも食べて待っていたような。その間に3人で乗ったジェットコースター。それがこれだ。つまり、これはけっこう激しいライドになるのでは?
やっと乗り物に乗る段になった。紐付きのメガネケースを渡されて、斜めがけしてくださいと言われた。ゴーグルを当ててみて、メガネの上から出来そうだが、もし痛かったらメガネを外してこの中に入れてくださいというわけだ。
流れている乗り物に乗り込み、座席に置いてあるゴーグルを付ける。メガネの上から出来たけれど、メガネが押されてレンズが近すぎる。見えなくもないが・・・指を入れて調節。
そうしている内に、走り出した。目の前は無限列車だ。アニメのキャラクターが出てきて、闘ったりしている。ジェットコースターなので、高いところに上って、一気に下りる。何だろう、リアルな世界を見るよりも、映像の方が怖くない。逆さになるほどの事はないので、怖くなかった。気持ちいいくらい。だが、次男が心配で、同調能力の高い私は、自分までちょっと気分が悪くなってくる。それに、何だかのどが渇いた。
あっという間に終わった。けれども、アニメの中のキャラクターが何だか怖いというか、まだ終わりじゃないという雰囲気だったので、ドキドキしていた。もう一度激しいライドが始まったら、かなり気分が悪くなりそうだ。
と思ったら、終わりだった。真っ先に次男を心配する。思ったほど気分は悪くなさそうだった。それは、画面がおかしかったからだとか。
私は何の問題もなかったが、後ろに乗った子供達は、映像と音声がずれていたそうなのだ。それと、私と同じものに乗っていた夫と、子供達両方とも、くるりと後ろに回った時に、背もたればかり見ていておかしかったと。
えー?後ろ向いたっけ?向いたかもしれないが、映像はずっと前を向いていたし、背もたればっかりなんて変な映像はなかったけど。
3人ともそう言うのだから、そうなのだろう。おでこのセンサーでこちらの目線を感知して映像を流しているそうなので、3人の見ている方向が変だった?
たいてい、目の悪い私が、VRゴーグルにはトラブルが多い。それが、目の良い3人がおかしいなんて。
調べてみたようだが、そんな報告はツイッターなどにも上がっていないようだった。つまり、レアバグ?何にせよ、後ろ向きだったからあまり酔わなかったという次男。結果オーライかな。
三本の箒
15時半くらいに終わって、これからどうするか話し合った。せっかくパークの近くのホテルに泊まったのだから、最後までいるつもりだった。それで、光のパレードを見ようと。しかし、調べてみたら本日のショースケジュールに光のパレードはなかった。そういえば、コロナ禍の間はやっていないのかもしれない。
しかも、疲れた。最後までいるのはよそう。後は夕飯をどうするか。すると、子供達が言った。
「今から並べば、三本の箒に入れるんじゃない?」
と。ハリー・ポッターの本や映画にも出てくるレストラン「三本の箒」。大勢並んでいたから無理だと諦めていたが、まだ夕飯までは2時間くらいある。並ぶのが嫌いではなかったのだったな、子供達は。二人がそこで夕飯にしたいと言うので、決定した。以前は親の意見に子供が従う感じだったが、ちゃんと意見を持って、言えるようになったなあ。
夫はビールが飲みたいから、探して来ると言い、私達は先に三本の箒へ向かった。
ハリー・ポッターのエリアに再び入れると思っていなかったから、この選択肢は考えていなかった。ここが入場制限をしていなくて良かった。時刻は15時40分。こんな時間だからだろう、思ったよりも三本の箒の列は少なかった。
「これだと、夕飯が早すぎないか?」
と言うものの、ちょうどいい時間になればもっと並ぶだろう。もう、早い夕飯でもいいから並ぼうと言って、並んだ。この中に入れば、バタービールも飲めるのだ。一度、早すぎるならバタービールに並んでからにしようかと次男が言ったが、その必要はないのだ。
列は意外と速く進んだ。店の中に入ってしまうと夫が我々を見つけられないと思い、その前に電話しておいた。だが、店の中にもまだまだ列は続いていて、夫はちゃんと間に合ったのだった。
店内は暗い。天井の辺りは良く出来ていると思うが、映画がどうだったかは覚えていなかった。

「お昼ご飯ですか?」
入り口でも、それから注文する前のところでもそう聞かれた。これだけ人が並んでいるのだから、変な時間だと不振がられる事もなかろう。ランチなのか、ディナーなのか、重要なのだろうか。それによって時間を計っているとか?注文するところを変えているとか?
さあ、旅行になると大盤振る舞いになる夫。バタービールは持ち帰り出来るマグカップにするとお値段が上がるが、ここでは二種類のマグカップがあった。プラスティックと金属と。金属のマグカップ入りは4500円もした。バタービールと言っても、バターでもビールでもない。甘ーい飲み物だ。プラスティックのマグは家に二つもあるので、今回奮発してこの金属マグに入っている方を注文した。

お料理は美しかった。席は暗いので、受け取りカウンターで写真を撮った。上等なお料理だが、ナイフやフォークが軽いプラスティック製で、ちぐはぐだった。要するに使い捨てなのだ。
今回、もう最後だからと長男もビールを飲むと言った。このビール、何というビールだったか忘れてしまったが、美味しかった。さわやかで。色も少し赤い感じの。私が頼んだお料理は「シェパードパイ」だ。確か映画にも出てきたような。見た目は食べた事があったような気がしたが、とにかく美味しかった。ああそうだ、ハリー・ポッター展で食べたかもしれない。
長男の頼んだものに、丸ごと一本トウモロコシが付いていた。お腹がいっぱいになってしまうと言って、3分の1くらい次男に食べさせていた。



外に出ると、もう暗くて、良い雰囲気だった。
長男はビールに弱く、すっかり酔っ払っていた。顔も真っ赤。そう、途中で飲まなかったのは、熱があるからと入場を断られると困るからだ。顔が赤くなる質で。私も夫もそれほど赤くなる方ではないのにな。


次男はまたお土産を買ってきた。けっこう元気だと思ったが、人酔いしたと言って、私の肩に腕を掛けて歩き始めた。ちょっとしんどそう。

ホテルへ
まだ17時半頃だったが、パークを出る事にした。ただ、その前にチュリトスを見つけた次男。これが食べたいと。心残りのないように、買ってあげた。乗り物酔い状態なのと、食欲とは別物らしい。

一本のチュリトスは残して、私が後で食べる事にした。何しろ時間が早いので、寝る前にたこ焼きでも食べようと、駅に行く途中にあるシティウォークへ。たこ焼屋がたくさん集まる、TAKOPAへ。初日に来ようと思っていたところだ。
ここでたこ焼きを色々買って持ち帰りにし、ホテルに戻ることにした。我々は歩き疲れているので電車に乗ろうと思ったが、もう乗り物に乗りたくない次男は、一人で歩いてホテルへ向かうことにした。
我々と次男と、さほどホテル着は変わらない時間だった。ただ、私たちはすぐにお風呂へ向かったが、次男は疲れたからと座り込んだのだった。
ちなみに、ホテルの部屋にはタッチパネルがあって、お風呂の混雑状況が分かるようになっていた。便利だ。夕べは混んでいても仕方なく行った。今朝長男だけ行く時は、空いている状況だった。そして今、昨日ほど混雑していないようだった。やはりまだ18時だから。


お風呂は空いていて、よく見たらお湯の温度が書いてあって、今日は熱い方のお湯に浸かることが出来た。熱いと行っても41度くらい。実際空気が冷たいので、もっと冷めていたと思う。
部屋に戻ると、次男が寝てしまっていた。ちゃんとベッドの上で寝ているのではなく、ソファに腰かけて、ベッドに頭を付けた状態で寝ていた。一度声を掛けたら、ベッドの下の方に仰向けに寝たが、膝から下は落ちていて、お腹も出ていた。
私は日記を書き、たこ焼きと一緒にビールを飲み、10時頃に寝てしまった。その頃に次男がやっと起きて、お風呂に行ったようだった。
夜中の3時過ぎに気がついた。次男がちょうど寝ようとしていた。電気を消さずに寝ようとしているので、私がタッチパネルをいじって電気を消した。テーブルの上に勉強道具が広げてあった。次男は勉強していたようだ。この子はあまり勉強しない子という認識があったが、ここへ来て一人、何も言わずに勉強している辺り、やはり勉強しろと言わずに育てたのは、間違いではなかったと思ったりするのだった。
それにしても、今日の混み具合は、どう考えても1万人ではなかった。7年前の夏休みに行った時よりも明らかに人が多かった。5千人から1万人に緩和した時にはメールが来たけれど、いつの間にかしれっと人数制限を解除したのだろう。サッカーだって、天皇杯の決勝は人数制限無しの満員で開催されていたし。そうとは知らず、空いていると思って行った我々の何と滑稽な事か。空いている今こそと思って行く事にしたのに、何の為に行ったのかよく分からなくなってしまった。が、まあ楽しかったし、良かったかな。思ったほど寒くもなかったし。ちょっとお腹が冷え気味だったけれど。
さて、二日目の記録はこれで終わり。次は旅行最終日。乞うご期待。