最近よく耳にする「おじさん構文」という言葉。ちょっと前に次男から聞いたと思ったら、ここ数日テレビでもあちこちで取り上げられている。
おじさん構文とは何か
絵文字や顔文字を多用し、無駄に飾り立てた、暑苦しい文章の事である。
チャットやLINEなど、今や電子メールとはちょっと違う文字通信をする事が多い。
若者ほどメッセージは簡潔で、LINEのやり取りを見ると、本当に一言ずつ。
一方、我々が同世代でやり取りするLINEは、一度に送る文章が長い。
今や会社の連絡や、テレワーク中のやり取りなどでチャット機能を使う事が増えたらしい。
仕事だし、チャットだし、若者は簡潔な一文を送るのに対し、上司であるおじさん達は、文章を飾り立てて、必要の無い盛り上げ方をしているようだ。
その、若者の手短な文章に対して、やけに飾り立てた暑苦しい文章を「おじさん構文」と呼び、揶揄される対象となっているらしい。
おじさんは飾りを入れない印象が
私もだいぶ、息子達とメッセージのやり取りをするようになり、一言の短い文章を送る事に慣れてきた。夫とのメッセージも同様。
というか、夫は昔からずっと、手短な文章を送ってくる印象があるぞ。
いや待て。昔から、男性は文章を飾ってこない印象があるぞ。おじさん(年上の男性)は尚更。
絵文字というものが存在する前、顔文字(たとえば(^_^)vとか)だけが使えた頃からメールをしてきた私たち。徐々に使えるマークなどが増えて行った。
女子はハートマークなどを多用するが、男子、男性はしないという印象だった。ましてや私の父親世代になると、句読点も打たないくらいだから、絵文字なんてまさかのまさか。
じゃあ、いつからおじさんは「おじさん構文」を書くようになったのか。
弟とのやりとりで
弟と私は、学年で10学年離れている。弟が高校生の時には、私は社会人だった。
その頃、つまり、私が社会人になり、弟が高校生になった頃に、日本で携帯電話が普及し始めた。
当時は年々「携帯電話で出来る事」が増えて行って、しょっちゅう機種変更したものだ。
最初は通話しか出来なかったのに、メールが出来るようになる。メールはカタカナしか入力できなかったのに、漢字が入力できるようになる。そして、絵文字などが使えるようになる。
テレビで言っていた。なぜおじさんがおじさん構文を書いてしまうかと言うと、おじさんは若い頃にメールが使えるようになり、文章でのやり取りが出来るようになった世代で、そこにたくさんの思いを込めてしまうのだと。
そういえば、初めて弟とメールのやり取りをした時、文章の終わりに必ず顔文字を入れてきて、それが男の子にしては豆だなーと思ったのを覚えている。
母にその事を言ったら、
「あの子は気遣いーだから」
と言っていたっけ。
けれども、うちの弟だけでなく、若い子はそうなんだろうなーと思ったものだ。ただ文章だけでは冷たく感じるから、文末にニッコリした顔文字を入れないと、不安になるのだろうと。
そう、その世代だよ!
弟の世代、つまり携帯電話が普及した時にまだ高校生くらいだった人達。今は30代後半から40代前半と言ったところだろうか。
その人達が、文章だけでは冷たい印象を与えるという思いがあり、飾り立ててしまうのではないか。
その前の世代は、もう大人になってからメールをするようになったので、それほど飾り立てたりしなかったし、もっと若い世代は、文字ツールは当たり前なので、そこまで気を遣わなくてもいいと思うのかどうか・・・分からないが。
テレビで若い子が言っていたのは、チャットだと普通に話すのと同じ感じにするから、そんなに
おつかれー!!!😆😆😆💦💦
みたいに、しゃべるのとは違う、関係ない絵文字は使わないという事だった。せいぜい、
おつかれ!
くらいで済むのか。
でも、逆に若い子は、文末に「。」を打つと冷たい印象を受けるから、打たないという事も最近聞いたな。
どうするのがベスト?
まあ、揶揄されても、うっとうしがられても、おじさん構文を書きたい人は書けばいいと思う。
だが、時間がかかるから、もっとスピーディーにチャットをしたい場合は、控えめにした方がいいだろう。
あとは、相手が素っ気ないので、落ち込むという事も聞いた。おじさん構文を書く人は、若い人に気を遣った結果、たくさんの絵文字を使うわけで、それなのに反応が薄いと、けっこう傷つくそうなのだ。
それは良くない。
だからって、若い子も気を遣って絵文字を使え、テンションを上げろ、なんて言うつもりはない。
変えるべきは行動よりも「意識」だと思う。
素っ気ない文章を読むときに、相手がそれを言う所を想像して落ち込むのだ。
それは、仏頂面で、低い声で、ただ「わかりました」とか言うのを想像するのだろう。
テレビで見たのは「草」のスタンプだけ返ってきたのを、上司が悲しんでいたっけ。
でも、実際に若者が目の前で答える時、そんな仏頂面で答えると思うか?
多分、にこやかな顔で「わかりました」と言ってくれるし、こっちがふざけたら、ただははは、と笑ってくれるだろう。その、ただ笑った状態が「草」なのだ。
こちらも、それほど飾り立てなくても大丈夫、不機嫌だと思われたりしない、というのを少しずつ体感していけるといいのだが。
まずは、ちょっとずつ絵文字の数を減らしていってはどうだろうか。
それ、全部つけなくてもいいんじゃない?と自問してみてはどうだろうか。
最初は半分。最終的には最後の1個だけにする・・・のは?