都会の真ん中、東京タワーのすぐ近くで行われる港区のシティマラソン。去年は抽選で外れた気がする。今年は先着順ということで、即申し込んだ。そして、めでたくボランティアが出来る事になった。
11月17日の日曜日。この日は他にも色々とイベントがあり、後からそれを知ったので、あれもやりたかった、これもやりたかった、と思ったもの。だが、今年はミナトハーフマラソンで!
事前説明会
マラソンの地区大会にありがちなのが、事前説明会が区内の公民館などで行われるという事。対面で。事前に集まって、その時にボランティアウエアを受け取るのだ。もちろん、それは便利で安心だ。けれども、地元民ではない場合、本番と2度もそこへ赴かなくてはならず、交通費もかかる。そして、更に地区大会にありがちなのが、交通費が出ない事だ。だから、あまり遠くの地区大会に行くのは考え物である。自己負担を減らしたければ。
事前にメールで役割が伝えられ、事前説明会にも行った。この時にボランティアウエアと一緒に受け取ったのが、ヒートテックとピンバッジ。太っ腹。軍手やカイロ、カッパも。ありがたい。

集合
さて、私の役割は「ファンランフィニッシュ後給水」だった。
ファンランというのは、800メートルを走るコースである。マラソン大会は、ハーフマラソンの他にファンランとユースランというのがある。それぞれコースや走る距離が違う。
ファンランの選手がゴールした後に、飲み物を渡すのが私の役割だった。
ところで、今回のボラ活で初めて認識したのが、芝公園には「都立芝公園」と「区立芝公園」があるという事だった。東京タワーの近くに細長い公園があって、それが芝公園だという認識でしかなかったが、北にある小さい公園が都立で、プリンスホテルと増上寺を挟んで南側にある大きい方の公園が区立だったのだ。
私の仕事場は都立芝公園だった。御成門駅の辺りである。なので、御成門駅で降りた。
予め地図を見て、A6出口を出ると一番集合場所に近い事を確認しておいた。よって、今朝は御成門駅で降りて、A6出口を目指した。しかし、A5とA6の分かれ道に来て唖然とした。A6へ行く方が封鎖されていたのだ。見たところ、A6出口はエレベーターのみ。そんな出口見た事ないが、今日だけなのか最近ずっとなのか、このエレベーターが使えないようだ。
それなら、A1まで戻るか。それともA5から出て道を渡るか。迷った。交通規制で道路を横断できない可能性があるのだ。が、とりあえずA5から出る事にした。
地上へ出ると、東京タワーが見え、四つ角があった。一応スマホの地図のGPS確認をする。が、どうもこの辺はおかしい。自分の位置が浮遊する。どっちが芝公園なのか。まあ、4つ角のどちらの方向を見ても、公園なのは1つの方向だけ。そっちだろうなあ。
というか、交通規制は7時半からで、私が地上ヘ上がって来た時にはまだ7時半になっていなかったから、道路はどちらの方向へも渡れたのだった。
今日は暖かい。家を出る時、天気予報を見たら都内のあちこちに雨雲が点在していて、港区は降らないとなっているが、怪しいので折り畳み傘を持ってきた。家を出たら地面が濡れていたが、雲間から朝陽がちらちらと見え隠れするような天気だった。
芝公園と思われる公園に入った。地面が湿っている。まだボランティアウエアを着ていなかった。そうそう、今日は薄い上着が必要だと思って、あれこれ迷って結局、先日さいたまクリテリウムのボランティアウエアとしてもらったジャンバーを着ていた。さいたまだから、この辺の人は知らないでしょうと。リュックで背中も隠れるし。もっとツルツルの原色ウエアだったら着れないけれど、さいたまクリテリウムのウエアはクリーム色でツルツルではなかったから。これは使えるな。私に似合っている(自画自賛)
せっかくもらったヒートテックは着なかった。やっぱり、どう考えても今日はヒートテックの気候ではなさそうなので。
それにしても、ランナーさんでごった返している。ボランティアさんもあちらこちらで集まっているが、どうやらファンランフィニッシュ後給水ではない。
あれ、この公園ではないのだろうか。相変わらずGPSは頼りないし、ここが都立芝公園であっているのかどうか、それも怪しくなってきた。でも、東京タワーが……って、あれ?東京タワーどこ行った?
まあ、さっき道を渡る時には見えていたのだから、そう遠くに行ったわけではあるまい。つまり、近くの建物だか木だかで見えないわけだ。富士山なんかも、近づくと近くの山のせいで見えなくなったりする。それと同じで、東京タワーに近すぎると、却って見えなくなるのだ。
仕方なく、集まっているボランティアさんに聞いて回る事にした。そうしたら、見つけた。私と同じ役割の人たちを。まだ早かったから、あまり人が集まっていなくて心配になっただけだった。
公園の様子
狭い方の公園と言っても、こんなに狭いとは思わなかった。向こうの方にテントがたくさんあるが、あれがランナーさんの手荷物預かり所なのだろうか。
それにしても、ここに入って来た時から気になっていたのが匂い。これは銀杏だ。それもそのはず、たくさんイチョウの木がある。紅葉も少ししている。東京はいつも11月下旬から紅葉するから、けっこう想定通りという感じか。

この匂い、慣れるしかないのか。それにしても、イチョウの感じと我々のジャンバーの色がマッチしていると思わんか?

そして、私もリュックの上からボラウエアを着た。キャップも被った。今日は、キャップの色で責任者などを見分けるというから、被るしかない。でも、お一人キャップをもらい損ねた人がいて、結局被らずに活動していたが。

ジャンバーを着てしまうと、水筒を出す事もスマホを出す事もできん。ただ、前ファスナーを開ければ、リュックのサイドポケットに入れた水筒は取り出すことができた。スマホもサコッシュに入れておいたので、ファスナーを開けるだけで取り出せる。後はポケットにハンカチ・ティッシュ、軍手を入れた。モコモコだが。
作業開始
朝礼があり、ちょっと待ち時間があり、8時から作業を開始した。
協賛企業からの提供品が袋に入っているので、そこにペットボトルの麦茶を入れる作業だ。それが600だっけな、けっこうな数があるので、セットした袋をどう置くかが問題である。
地面に落としてしまうと砂だらけになる。これも問題だ。それから、テーブルを出したのだが、このテーブルが砂だらけ。私は責任者の人に聞いてみた。
「テーブルを拭きましょうか?砂だらけなので」
と。すると責任者の方は、
「あー、拭くものがないので……」
拭かないという事になった。私は軍手をした。手が汚れてしまう。
気づけばボランティアが2つのグループに分かれていた。私はひたすら袋に麦茶を入れていったが、袋を箱に入れるという作業をしている人もいた。責任者の人が、
「慌てなくていいです。やる事なくなっちゃうから」
と言ったが、その人自身がちょっと焦っているというか、テキパキしているので、ボランティアさんもみんなテキパキ。必要以上にテキパキ。それで、予定の半分の時間で作業が終わってしまった。やっぱり。
テーブルを並べ、その上に箱に入った袋を置いた。あとは、ファンランのスタート時間まで余裕がある。
本番
待ち時間が生じたので、トイレに行っておこうと思った。その前に行こうと思ったのだが、目の前にある仮設トイレにはランナーさんがたくさん並んでいて、ここに並ぶ気にはなれなかったのだ。
そういえば、もらった資料に「スタッフが使えるトイレ」が書いてあった。だが、公衆トイレがあるのね、行けば分かるのね、と思ってあまり覚えておかなかった。それに、きっと責任者の人が言ってくれるだろうと思っていたのだ。
しかし、今仮設トイレがずらーっと並んでいて、他にトイレが見当たらないし、トイレはこれだと思い込んだ。しかも、待ち時間が生じた時、もうランナーさんたちはスタート地点へ移動したようで、誰もトイレに並んでいる人はいなかったのである。つまり、ガラガラ。
「今の内にトイレに行っておいていいですか」
と、責任者に聞いた。責任者の人は仮設トイレを見て、ガラガラなのを確認し、今の内にどうぞと、私にも全体にも言っていた。なので、トイレに入った。が、ショック。
仮説トイレは和式だ。狭くて、入ってドアを閉める時に足を突っ込みそうになる。ましてやリュックを背負っているしでもう、狭い。しかも、臭い。一瞬汲み取り式かと思った。ちゃんと足で踏んで流せるボタンがあったけれど。いやー、もうここには入りたくない。ランナーさん可哀そう。
それから、我々を2つに分け、ランナーさんが滞留しないように促す人と、袋を手渡す人に役割を分けるという。促すのはちょっと苦手だなと思ったが、
「それでは、こちらの5名の方が誘導の方でよろしですか」
と、責任者が言ったその5人の中に、私も入っていた。うん、頑張ろう。
また、しばらく待った。ファンランのスタートは9:10だ。そして、800メートルだから、始まったらあっという間に終わる。どっちからランナーさんが来るかを確認して、我々の向きを逆にして待機した。
もう、ハーフマラソンはスタートしていて、公園の隣の道路上をたくさんのランナーさんたちが走っていた。それを遠目で見るだけでも雰囲気を味わえる。しかし、一応おしゃべりもする。そう、仮設トイレはランナー用だから我々は使ってはいけないと言う人がいた。図書館がすぐ前にあるのだが、その中のトイレを使えばいいと言っていた。
ファンランのスタート時刻になった。そして、本当に5分も経たない内に走って来る「子供」がたくさんいた。
あれは違う?ファミリーランだとか言う人もいた。でも、前述したようにファミリーランなどというものはない。
ゴールにドラえもんがいた。動いていないのかと思ったら、一応動いているようだ。着ぐるみ君は、もう少しちゃんと動いた方がいいな。で、こっちに来ないのかと思ったら、ドラえもんと戯れた後、一気に来た。小学生の男の子たちだ。
ファンランは他の2つのレースと違って、女性の方が多いのだ。しかし、先頭は男の子ばっかり。速いんだなぁ。あ、女の子もいた。
それから、だんだん小さい子とその親とか、ベビーカーに子供を乗せて来る親とか、おばあちゃんと孫とひ孫とか、色々な人が来た。びっくりだよ。これはさ、ほぼ子供のレースだよ。ユースランというのは中学生だが、こっちは小学生以下といった感じだ。
そうなのか。なんか、ちらりと見た感じだと、協賛企業の提供品は子供が喜びそうな物ではなかったような。お茶漬けとか、日用品だったような。お菓子の方がいいようなランナー層だ。実際もらった袋の中を見て、ナニコレ?と言っている子も。
で、我々には仕事がないかもしれないと言われ、もしなかったら渡す方に行ってと言われていたのだが、そんな事はなかった。
やっぱり、渡された袋の中を立ち止まって見たり、友達を待って立ち止まったり、家族で次どうするー?って感じに立ち止まったり。そういう人たちは大勢いる。悪気はなくてもつい立ち止まってしまうのだ。
そんな人たちに、立ち止まらないでくださーいとか、人によっては滑り台の方で見てねとか、声掛けをした。
それにしても、歩ける子の中で、小さい子ほどテーブルをダーッと撫でていく。みんな、そう。子供ってどうしてそうなんだろうね。だから、せめて乾拭きでもいいから拭いておいてあげた方がよかったのではないかな。
そうそう、体操のお兄さん「小林よしひさ」さんが来た!この間知ったのだが、あの人は「よしおお兄さん」と呼ばれていたらしい。よしひささんなのに、よしおお兄さん?でも、それがもし間違えていたらと思うと、よしおお兄さん、とはなかなか呼べないではないか。でも私は声を掛けたかったので、ちょっと離れていたけれど、
「お兄さん、お疲れ様です!」
と声を掛けた。お兄さんはこちらを向いて会釈してくれた。わあ、よしひさお兄さんって背が高いんだなあ。カッコいい。
さて、そんなこんなでランナーさんは終わった。早い。
片づけ
テーブルを片付けた。でも、1つのテーブルを畳んで運び、独りで運んできた人にはテーブルを重ねるのを手伝ったりして、そうしたら、あっという間に全部片付いていた。みんなでやると早いものだ。
そして解散。10時半までという話だったが、実際解散になったのは9時45分にもなっていなかった。
天気はすっかり良くなっていた。今日は曇りという予報だったが、これはもう晴れだ。ボラウエアを脱いでリュックに入れた。キャップもね。そして、私はある物を食べようと決めていたので、区立芝公園の方へと向かった。
そういえば、スタート前から曲が流れていて、踊る人たちがちらちら見えていた。イベントとしてお客さんに見せているのかと思っていたが、そこを通る時に違うという事が分かった。

さっきから、ちょっと古いJーPOPが流れていて、和太鼓の音も一緒に聞こえていた。それで、かなりモダンな感じの盆踊りを踊っていた人たちは、お客さんではなくランナーさんに向けて踊っていたのだった。踊って応援していたのだ。みんな道路の方を見て踊っている。
あ、図書館を通り過ぎてしまった。入り口が分からなかったぞ。うーん、トイレ。
サメバーガー
意外と都立芝公園から区立芝公園までは距離がある。その間にプリンスホテルと、大きな増上寺があるのだから。
そう、この辺からは東京タワーが見える。

ランナーさんが走る横を歩いて行った。日差しが強い。それにしても、ランナーさんはずいぶんと同じところを何度も走らされている。何回走ったか分からなくなるくらい。私の活動には関係ないので覚えなかったけれど、説明動画を見て、ずいぶん同じところを繰り返し通るのだな、と驚いたのだ。
増上寺を越えると、区立芝公園が出てきた。ステージがあり、キッチンカーもいくつも出ている。そういえば、増上寺前で「女性限定、無料の針治療」がやっていると宣伝していた。針診療だっけな。とにかく「針」だったことは間違いない。興味はあったのだけれど、ランナーさんを対象としているのかも、と気が引けた。
10時半に食べるつもりだったお昼だが、朝も少なかったし早かったし、もう食べてしまおうと思う。今日のお目当ては「サメバーガー」だ。食べた事ないものは、食べるべし。←格言。
他にも新島村名物たたき汁とか、愛媛のみかんジュースなどもあった。でも、今並んでいるのはから揚げのキッチンカー。バーガーのキッチンカーは1つしかないが、全然並んでいなかった。本当にサメバーガーか?
向こうにトイレがあった。ちゃんと建物のトイレだ。綺麗で、様式だった。ありがたい。トイレを済ませてから、バーガーのキッチンカーをよく見に行ったら、ちゃんとサメバーガーだった。もう、サメバーガーしか売っていない。他にハンバーガーが売っているキッチンカーもない。

サメバーガーの注文の仕方が書いてあった。まず味を2種類の中から選ぶ。「あっさりフレンチ」か「スパイシーメキシカン」だ。迷う所だったが、お値段が多少違ったので、お安い方の「あっさりフレンチ」を選んだ。そして、次はサイズ。これは、サメが1枚か2枚か3枚か。1枚にした。他にポテトとか飲み物も売っていたが、バーガーだけにした。
きっかり千円。お金を渡すと「お名前は?」と聞かれた。おっとー、油断して名札を持ち歩いていなかったー(今日のボラ札には名前が書いてあったので)が、あっさり言えた。時々こういう事がある。苗字だけだから、フルネームよりはハードルが下がったかも。
出来上がりを待つ事に。キッチンカーの前はガンガン照り。キョロキョロして、近くの日陰へと引っ込んだ。まあ、上の写真を撮ったのはこの時だ。テント横の日陰から。
よく見たら、私のすぐ横にはテーブルがあった。立って食べる感じのテーブルだ。みんな、太陽に背を向けて立っている。端っこは日陰だが、ここでは家族連れがテーブルを囲んでいた。どこで食べるかなぁ。木陰?それともここか。ここでいいか。おっと、メガネに虫が。木陰には虫がいそうだな。
「サメバーガーでお待ちのチョコナッツ様ー!」
と、お店の人が呼んでいた。近くにいるのに案外よく聞こえなかった。多分私が呼ばれているのだろうと思って、声が聞こえたから行っただけだ。で、バーガーを渡された。
あ、そうそう。さっきお金を払って名前を言った後、お店の人からチラシというかパンフレットを渡されたのだった。チラッと見て、とりあえずリュックにしまったのだが。それがこちら。



渡される時に、気仙沼で美味しい物たくさん食べてください、と言われた気がする。復興応援という事だろうか。パンフの裏には行き方まで書いてあって、どう見ても気仙沼に来てね、という事だろう。東京から3時間半だって。行っちゃう?
さて、そのサメバーガーだが、でん。

なぜ割りばしが付いているのだろう。まさか、これはお箸で食べる物なのか?いやいや、お箸で食べるのは難しすぎるでしょ。
私がサメバーガーを食べると言ったら、長男が気になると言っていたが、
「サメはそのまま食べても美味しくないそうなんだよねー」
と言っていた。サメ、どんなお味なのか。とにかく、どこで食べるか……お、さっきのテーブルの端、日陰が空(あ)いているではないか。ここだな。
今日に限ってウエットティッシュを忘れてしまった。でも、さっきトイレで手を洗ったからまあ、いいだろう。口はティッシュで拭けば。
とにかく、旗を抜いてかじりついた。そっか、このぴらぴらしたオレンジ色の物はにんじんか。タルタルソースが美味しい。で、サメはカツになっていた。カリッと揚がっている。さっきの写真だとよく見えないか。食べかけだけど、中身の見える写真も載せちゃおうか。

そんで、1枚だったはずのサメだが、2枚が並べてあった。

この2枚、味が違った。右側のはチキンカツのような味だった。左側のは、アジフライのような味。部位によって味が違うのかもしれない。どちらも癖が無く、美味しかった。
そして、ソースに梅かな、と思うような隠し味が。これがすごく美味しかったんだよね。梅じゃないのかな。紫蘇かな。分からないけれど。
で、最後にはたくさんのにんじんが残ってしまったので、それをお箸で食べた。やっぱり手が汚れたので、まず口とテーブルをティッシュで拭き、右手はそのままどこも触らずに、ゴミを捨ててからトイレの流しで洗って来た。
なんか、グルメブログみたいになっちゃったけど、今日の目的の1つでもある、サメバーガーは無事食せた。
今日は家に帰ってから洗濯をしようと思っていたが、こんなに早く晴れたので、帰ってから急いで洗濯し、急いで干した。帰って来た時には雲一つない快晴だったのに、干し終わったら雲が広がってしまってがっかりした。でも、その後また晴れてくれたので大方乾いたのであった。良かった良かった。
以上、港区のマラソン大会「MINATOシティハーフマラソン」のボランティアブログであった。また来年も、と言われたけれど、どうだろうねえ。またサメバーガーを食べる為にやるかねえ。それでは、また別のブログで!