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子育てが一番大変だった時期

ネット調査

スマホを見ていた次男(高3)が、いきなり聞いてきた。

「お母さん、子育てが一番大変だったのって、子供が何歳の時だった?」

私は迷った。2歳の嫌々期かな?いや、話の通じない1歳の時かな?でもやっぱり・・・

0歳かな。最初が一番大変で、少しずつ楽になって行った感じだね」

と、答えた。最初は何でもやってあげなければならない。目を離したら死んでしまうのではないか、と心配だった。徐々に自分で出来る事が増えて、それでも目が離せない、手が離せない、毎日食べさせて着替えさせてお風呂に入れて寝かしつけて。

私がそう答えると、次男はへえ、と目を見開き、

「あのね、一番多い答えは、16歳から20歳なんだって。反抗期だよね」

と言った。ネットで何やら見たらしい。

「うちは反抗期がないもんね」

次男は何故か誇らしげに言う。よく息子達には言われる。うちの親はあまりうるさく言わないでくれるから、ありがたいと。

「小さい頃に、散々厳しくしつけたからだよ。今は何も言うことがない」

と言うと、小さい頃に厳しくしてくれて感謝していると言う。

反抗期はなぜ起こる

それから次男と、なぜ反抗期が起きるのかについて話した。

「あれでしょ?分かってる事を言われると、すごく嫌でしょ?」

私は自分が若い頃に思っていた事を覚えている。次男はうんうん、と同意する。

今、勉強しようと思っていたのに、一歩手前で「勉強しなさい」と言われるとか、

「受験生なんだから、遊んでいる暇はないのよ」

みたいな事を言われたり。高校生にもなれば、十分分かっている。一世代上の親よりも今の事情を分かっているし、そういう事は学校で散々言われているはずだ。

受験生は特にそうだ。勉強しなければ、と自分でも思っている。けれども、どうしても集中出来ない。だから仕方なく息抜きの為にゲームをしたり、テレビを観たりする。そこへ親が現れて、

「あんた、受験生なのに・・・」

とまくしたてれば、子供はどう思うか。もし、ゲームやテレビを止めたとしても、それですぐに集中して勉強が出来るとは思えない。

まあ、そういう事だ。

「お母さん、記憶力が良いから」

次男が言った。ん?最近、他でも記憶力がいいと、言われたな。

記憶力と準備

私は記憶力が良いらしい。だが、その記憶力が世界史の勉強や、英単語の勉強に活かせたら、今頃違った人生を歩んでいただろう。暗記力とは違うようだ。

私は、初心者の気持ちを覚えているので、パソコンなどを初心者に教えるのが上手いと言われる。

ブログを書く時の思い出す感じは、実は小学校の時から、遠足の作文を書く感じと同じで、あの頃から変わっていない。時系列に順番に記憶を辿っていけば、1ヶ月前くらいまでならビデオを再生するように、ほぼ全ての会話の内容まで思い出す事が出来る。これ、普通じゃないのかな?

世のお母さん達は、自分が若い頃にどんな感情を抱いていたか、覚えていないから、息子や娘が嫌がるような事を言ってしまうのか?

次男が言ったのは、

「子供を、自分の所有物だと思っているからじゃない?」

という事だった。子供を一人の別人格だと思っていないからだと。そうかもしれないし、まだまだ幼い子供のままだと思っているのかもしれない。

私は、記憶がどうのという事と同時に、「用意周到」という事も考えた。

反抗期が来ないように、少しずつ手を離していったのだ。

小学生の間、低学年では宿題や明日の持ち物を一緒に確認し、学年が上がるに従って、なるべく自分からやるように待つ。実は3年生当たりが一番キツかった。6年生くらいになれば、一応確認はするにしても、ほぼ自分でやれるようになる。ま、個人差があって、長男はプリントぐちゃぐちゃな子だったけど。

中学生になったら、宿題やテスト範囲などはもう把握しないようにした。干渉しない。雑談程度には聞くけれど、管理はしない。なぜって、私は自分が中学生の時、自分の勉強に親が関わった事はなかったから。それで、上手く行くと信じていた。

それでも、受験に関してはまだまだ面倒を見る。高校生になったら、学校の行事のようなものにも関与しなくなったが、保護者会とか面談とかにはもちろん行くし、子供のやる事には興味を示す。これは大事。

で、大学受験もギリギリまでは放っておくが、やっぱり最後は面倒を見ないとダメなのだ。だから、けっこう手は掛けている。お金も掛かっているしね。

それでも、私はもう子育ては終わっていると思っている。しつけという意味では終了な気分だ。もう、ほぼ分かっているし。大方小学生まででしつけは終わったような気がする。

だから、子供達は中学生以来ほとんど怒られていない。友達が、親にいつも小言を言われるなどと話しているようで、自分は幸せだと思っているようだ。

でもね、子供の頃は相当怒鳴りつけた。よく通報されなかったと思う程だ。今思い出しても、可愛そうになる。私が疲れていたりすると、余計に厳しく叱ったりして、涙を目に一杯に溜めて、

「お母さん、笑ってよ」

と言った長男に、笑って欲しかったら自分が笑わなきゃと言ったら、懸命に笑った長男。涙がこぼれても、にっこり笑っていた顔。思い出しただけで今でも泣ける。その時の私は、思いっきりイライラしていたのに、流石にちょっと笑ったのを覚えているが・・・長男が2歳の時である。

今なら、失敗しても怒らずに、辛抱強く見守ってあげたいと思うが、子育ては、あれもこれもやってあげなければならず、余裕がなく、一杯一杯で、つい「早く、早く」と急かしたり、こぼしたりすれば怒ってしまって。やり直したいくらいだが、またあの大変な日々を繰り返すのは、もうごめんだ。

忘れる事の良さ

だが、結局覚えているのは私だけのようだ。子供達は、厳しく怒られたという事は覚えているものの、詳しくは覚えていないのだろう。小さい頃に怒られたことなどは忘れたから、今怒られないのは幸せだと。

つまり、忘れたお陰で幸せなのだ。

私は、

「今年の夏、暑くないですかー?」

と言われると、ごめんなさい、ちょっとウンザリしてしまう。本当に特別暑かった夏なら別だが、大抵そのセリフを言う人は、去年もおととしも言ってるし、言った事も忘れている。1年前の事すら忘れているのだから、当然30年も前の事など忘れているだろう。自分の若かりし頃の事など。

そして、そういう人が多いのが事実。人間は、忘れるように出来ているのだ。私のようにちょっと壊れている人はいるけれど。

ちょっと待てよ・・・。

ああそうか。「何歳の時が一番大変だったか」と聞かれた時、子供が小さかった10年以上前の事など忘れていて、最近辛かった反抗期だけ覚えていて、16歳とか17歳とか答えてしまう親が多いのでは?

そうだ。本当は0歳だって1歳だって大変だったのに、忘れちゃっただけなのかも。

なーんだ、そうか。