ジャニーズ事務所のKing&Princeのメンバー、平野紫耀（ひらのしょう）さんの発言が韓国で炎上しているというニュースを目にして、思う所がある。これは、かのプロレスラー木村花さんの件に通じるものがあるのではないか。
３月１８日に放送されたバラエティー番組で、平野さんが韓国を訪れた。
そこで、「意外と高い建物がある」と言ったり、訪韓した事を「来日」と言ったり、知っている韓国語を聞かれて中国語を言ったり、韓国の首都を聞かれて「パク」などと言ったりしたのだ。
これを受けて、韓国ではきわめて嫌韓的だと批判が殺到。いわゆる炎上状態になったそうだ。
メディアでも取り上げられていて、韓国語や首都などを「知っているのにわざと知らないフリをする事によって、韓国を揶揄している」のだと指摘されているとか。
でも・・・そうではないと思う。平野さんはそういうキャラなのだ。天然おバカキャラなのだ。だから、本当に知らなかったのかどうかは別として、韓国だからではなく、とにかく物を知らないキャラを出しただけだと思うのだ。
本来、他国を訪れるならば、ある程度調べて知っておくのが常識で、何も知らずに行くのは失礼な事だと思う。だが、決して差別や揶揄を目的とした発言ではないと思うのだ。そこが誤解されているのだ。
そして、この件で韓国人を怒らせた事は、平野さんの責任ではなく番組の責任だと思う。台本があったならばもちろんだが、そうでなかったとしても、平野さんは間違いなく「天然キャラ」を期待されていたと思うのだ。平野さんには、そのキャラを出さないという選択肢はなかったはずだ。それに、番組の制作者側が、この平野さんの発言が問題だと気づいたら、このまま放送するはずはないし、放送するべきではなかった。
この発言のせいで、平野さんの韓国での人気上昇は当分望めなくなった。平野さんはもうすぐキンプリを脱退し、世界を目指す。一番近い外国で、既に悪い印象を持たれたという事は、どれだけ平野さんにとって損害になる事か。
この問題は、かつて恋愛番組に出演し、誹謗中傷を苦に自殺したプロレスラーの木村花さんの問題と通じるものがあると思う。木村さんも、プロレスラーとしてのキャラを期待された通りに演じて、共演者にきつく当たったりした。それが元で誹謗中傷を受けた。本来の自分ではないのに、そうであるかのように受け取られた結果の悲劇だった。
平野さんの問題も、彼が天然おバカキャラを求められ、その求めに応じて発言したのだとしたら・・・。台本がなかったのなら、自分の発言には責任を持たなければならない。だが、ここまでの損害を被るほどの責任を、本人だけに負わせていいのか。番組の主旨や求めたキャラなど、そちらにも責任がある。
そもそも、芸能人は本当の自分を出せないのに、バラエティ番組では素の自分を出しているかのように受け取られる。そこを何とかしないと、今後も悲劇が繰り返されるのではないか。