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フリーメーソンって何?怪しいの?

石の扉 単行本 – 2004/7/17 https://amzn.to/3Owc5t0

家の本棚にあった。誰がいつ買ったのか分からない。フリーメーソンって聞いた事あるけど、何だっけ?怪しいやつだっけ?そう思って思わずページをめくる。

胡散臭い?

フリーメーソンとは秘密結社。全世界にメンバーがいて、メンバー同士は秘密の合図で仲間と分かり、色々と便宜を図るとか。

私の薄い認識では、大昔からあるカルト系の宗教団体だと思っていたが、どうやらちょっと違うらしい。

成人男性しか入れない。メンバーである事を隠し、秘密の儀式を行っている。すごーくいかがわしい事を想像してしまう。だが、この本を読み進めて行くと、意外にそれほど隠されたものでもないらしいと分かる。

作者である加治氏は、フリーメーソンに興味を持ってたくさん調べたそうだ。フリーメーソンに入ると良い事がたくさんあるらしいが、それなら加治氏も入ればいいのにと思ったら、実際入りかけているようだ。いや、入ったと言ってもいいのだろうか?

秘密結社だと言っているのに、ずいぶんあれこれ本に書いてしまって、いいのだろうか?と思うし、少々大袈裟な表現。それに、文章が「です・ます」調で書かれており、こういった本には珍しい雰囲気。どうも、胡散臭い。

眉に唾を付けながら読む、私。

歴史

まず、フリーメーソンはどのように誕生したか、というところから説明してくれる。私のようにほとんど初耳な人にとってはありがたい。よく分かる。ただ、世界史をある程度勉強した人には分かりやすく、そうではない人にとってはややこしいに違いない。私は勉強した事があるが、完璧に覚えたとは到底言えない状態だったので、ちょっと難しかった。

今の状態が分かり、誕生の歴史が分かり、だんだんと興味深い内容になってくる。

坂本龍馬とグラバー

当時無名だった坂本龍馬が、薩長同盟のお膳立てをしたのは、実はグラバーの後ろ盾があったから・・・という説が展開されていた。そして、そのグラバーがフリーメーソンで・・・という流れなのだが。

この部分は、フリーメーソンというよりも、日本史を違う視点から見た感じだった。これも、幕末史に詳しい人が読むととても面白いだろう。割と、大河ドラマなどで予備知識がある私なんかも、面白く読んだ。

ただ、数年前にグラバー邸(長崎)に行ったのだが、できればこの本を読んでから行きたかったと思った。多分、その頃には既にこの本はうちにあっただろうに。残念。グラバーの事をそれほどよく知らずに行ってしまったから。

1ドル札の模様

そういえば、前に長男が話してくれた事があったっけ。それが、長男がこの本を読んだ時だったのだろうか?いや、テレビだか動画だかで見たんだったか?

アメリカの1ドル札には、ピラミッドと目の絵柄が入っている。キリスト教では良くない数とされる13段のピラミッド。他にもいろいろ13が多用されているとか。フリーメーソンのマークに目が使われている点や、ピラミッドというのはエジプトの象徴なのに、なぜアメリカのお札に入れたのかとか、確かに謎である。それが、当時の有力者たちがフリーメーソンのメンバーで、フリーメーソン的な意味が色々と込められた結果、この図柄が採用されたという事が説明してある。トリビアにどうぞ。

大して秘密でもない?

基本、フリーメーソンを褒めている。光と同時に影もある、という最終章に至っても、世の中で悪く言われるメーソンの事をかばっているように思えた。加治氏は既にメーソンだなと思ったり。

メンバーを明かしてはいけないという掟があるのだが、死後はOKのようで、かつての歴代アメリカ大統領だとか、大企業の創始者とか、日本においても政治家とか色々、有名人の実名を列挙している。違っていたら、こんな本を出したら大変な事なので、本当の事なのだろう。

つまり、フリーメーソンって、そんなに秘密でもないんじゃ?

日本の文化を知らない

最後に、ちょっと気になった事が一つ。

例えば、欧米では、皆さんが思っている以上にキリスト教的なものが生活に染みついているんです、というような事が書いてある。

それは、日本では、我々が思っている以上に仏教や神道が生活に染みついているのとちょうど同じである。

もし、文化などの専門家だったら、必ずその文句が付けられると思った。でも、ない。まるで日本文化は無宗教の文化だが、欧米の国の文化はキリスト教文化なのだと言っているように聞こえる。

フリーメーソンの事を調べるあまり、欧米の事をたくさん知ったけれども、片や自分の住んでいる、読者の住んでいるこの日本の文化の事は知らないんだなと思ってしまった。

ああそうか、私は専門家ではないけれど、一応大学の専攻は日本と西洋の比較文化だったから、私がそういうのを知っていて当たり前だと思い過ぎるのか。そうかもしれない。

以上、「石の扉~フリーメーソンで読み解く世界」加治将一著を読んだ感想であった。

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