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歌舞伎を観に行ったぞ(秀山祭九月大歌舞伎)

たまに義母から誘ってもらえる歌舞伎座の公演。金融機関のキャンペーンで当たったものだ。でも、電話で頑張って日時予約をしてくれたのだ。ありがたい。

昨日、午前11時からの公演を観に行く事になり、いそいそと地下鉄で東銀座へやってきた。

「今は地下で繋がってるから、外に出なくても歌舞伎座に行けるのよ」

と義母に言われ、確かに電車を降りてすぐに歌舞伎座の建物に入ったので、

「本当だー」

などと言って、歌舞伎座土産の店がたくさん並んでいる建物へ入ったものの、矢印に従ってエスカレーターを上れば、地上の外へと吐き出された。

と、その前にエスカレーターの壁には一面にこのポスターが。思わず写真を撮ったが、

あれれ、これは大分先の公演のポスターのようだ。

屋根は辛うじてあるが、歌舞伎座の公演を観るには、一度外に出されるという事が分かった。まあ、今日は良いお天気である。歌舞伎座の正面も見たいから良かった。

こんな屋根とか。

写真を撮っていると、すぐに義母に置いて行かれるので、必死に着いて行くチョコナッツ。チケットは義母が持っているので。

11時からだと、お昼はどうするのかな、と思って調べた。よそ様のブログなんかも読んで、幕間にお弁当を買って席で食べられるらしいとか、助六という弁当がいいかな、などと思っていた。でもそのブログは、東京の歌舞伎座の話ではなかったのだが。

すると、お弁当はついているのだとか。このキャンペーンに。なるほど、歌舞伎座の入り口の前でお弁当を配っていた。

その横に、今日の演目の看板が出ていたので、写真を撮った。

けど、このシワはどうなのかな。もしかして、濡れたからなの?

さて、先へ行ってしまう義母を追いかけて、中へ入った。義母はチケット2枚を見せてどんどん行ってしまうから、その1枚分は私です!と必死に食らいついて行かねばならない。亀なチョコナッツ。

座席はランダムに割り当てられたものだった。最前列なのよ!と言われていた。けっこう端っこだけど、と。

入り口から入って前の方へ向かって歩いて行くと、職員さんに、

「38番からは花道の向こう側なので、あちらの入り口からでないと行かれません」

と言われた。でも、39番まではここ、と入り口に書いてあったのに。

一旦ロビーに出て、入り口に貼ってある座席表を見ると、いつもは花道は左側にしかないらしい。今日は特別に右側にも花道が設置されていた。我々の席は、花道のすぐ右側だった。

席に着くと、必ず天井が気になってしまう。

前に来た時と同じかなぁ。それから、幕も。

おなじみの色。そしてチケットも。

摂州合邦辻 合邦庵室の場

電波はゼロだが、携帯電話の電源をお切りください、と言われたので切った。あ、切ってしまうと細かい時間とか、みどころが見られないな。

昨日、今日の為に予習をしてきた。ちょっと電車の中で義母にも話したのだが、後で見せてあげようと思っていたのに電源を切ったらダメだ。いや、そもそも電波が届かないのではスクショしておかないといけない。

だが、すぐに演目は始まった。

我々の真ん前には、三味線と謳い(でいいのかな)の人がいる。三味線から始まる。まず驚いたのが、三味線の人の唸り声みたいな物が聞こえたこと。ちょっとモーター音かと思ったよね。マイクを通しているし。気分というか、気合というか、そういうの大事だよね。

そして、役者が出てきた。首がきつい。体ごと左を向くが、どうも首が痛い。揉んでみたりするのだが、あまり腕を上げると右側の人に迷惑だし。ネックレスを外した。そして、寒い。風が吹いている。やっぱり。一応持ってきた、家で家事をやっていた時に来ていたカーディガン(出かける時にブラウスに着替えた)を持ってきておいたので、それを出して肩にかけた。ブラウスのボタンを開けていたが、それも閉めた。やれやれ、まずこの辺までは忙しい。

寒くなくなったら、眠くなってきた。だってね、三味線と謳いが大きく聞こえ、台詞がよく聞こえないのよ。予め筋を読んでおいたからよかったが、そもそも歌舞伎のしゃべり方では分かりにくい。しゃべり方もそうだが、ナレーションである謳いのセリフを聞いて理解するのも難しい。

音声ガイドも貸し出していたから、少し後ろの席からその音声ガイドの音も漏れ聞こえてくる。なかなか集中しがたい状況だ。しかし、なかなか面白い所もあった。浮世絵をそのまま具現化したような場面も。

でも、ちょっと居眠りをしても、大して進んでいないから大丈夫な感じ。刀を振るう場面などがあると、我々の前でいきなり拍子木がパチパチ!と鳴る。義母は何度も、その拍子木が出てくる度に肩をそびやかして、その黒子の方を見ていた。それにしても、拍子木の音はでかい

さて、筋の方へ話を移そうか。

のち添えとして嫁いだ合邦(がっぽう お坊さん)の娘が家に戻って来た。噂によれば、義理の息子に横恋慕して、その義理の息子に毒を飲ませ、顔を醜くさせて、いいなずけと別れさせようとしたとか。合邦は家に入れるな、と言うが母親は娘の顔が見たいと言って夫婦でもめたりする。

実は合邦の家にはその義理の息子、俊徳丸といいなずけが匿われていた。そして、合邦の娘と色々ともみ合いになり、合邦がとうとう刀で自分の娘を刺してしまうのだ。

ここまでは、サイトの「見どころ」に書いてあった。もう一つの題目の方はほとんど筋を書かずにネタバレしないようにしているのに、こっちは別にいいのだなと思っていたら、そんな事はなかった!ちゃんとネタバレしないように書いてあったのだ。

なにせ、1時間半の演目なのに、合邦が娘に刀を差したのが開始30分だ。なになに、あと1時間あるぞ。そうだった、歌舞伎は刀が刺さってからが長いんだった、と思い出した。

刀を差された娘は「言い訳」を話し始める。俊徳丸の命を救うためにやった事なのだという事を、色々と。そして、寅の年、寅の月、寅の刻に生まれた人の血を飲めば、俊徳丸の顔は綺麗になり、目も見えるようになると言う。え、目も見えなくなっていたの?確かになんか、変な被り物していたような。

刀が刺さったまま語っていた娘は、自分の血を絞るのだが、それが痛々しい。美しいとも言える。で、血を飲んだ俊徳丸はパッと顔が白塗りに変わった!なるほど、今までは顔色が悪かったのね。でも、さっきの方がどちらかと言うとイケメンだったような。急に元気になった俊徳丸は、はきはきしゃべって急に老けたように見えた。あ、この人は片岡愛之助さんだって。そうか、あの?若くなかったのか……。

分かったような、分からなかったような、ちょっと複雑な気分ではあったが、歌舞伎を観たという満足感はあった。伝統芸能の本物を観たという満足感が。

幕間(まくあい)

休憩になった。さっきもらったお弁当は、義母の席と花道の間の地面に置いてあった。私は先にトイレに行き、戻ってきてお弁当を受け取った。

秋らしいお弁当。なんか、去年の秋にも、こういう感じのお弁当をボランティア活動の時にもらって食べたような気がする。ちょっとご飯が多かったけれど、バランスとしてはこれがいいのだろう。そして、前に食べた事のある、ピンクの大福もちがデザート。美味しい。

食べ終わった後、ちょっと歩こうか、と言って義母とロビーへ。あまり時間はないが。そうそう、目の前の緞帳が素晴らしかったので写真を撮ったのだが、

ロビーに出て中を覗いたら、その絵が変わっていてびっくり

その後、また変わっていた。

また最初のに戻っている。素敵。

沙門空海 唐の国にて鬼と宴す

次は主役の空海が松本幸四郎さん。今度は目の前に三味線などはない。幕が上がり、中国風のダンスから始まり、台詞が始まって気づいた。これ、歌舞伎というよりお芝居じゃないか?と。

しかも、女の人も一人いた。女形(おやま)もいたけれど。きっと、新しい歌舞伎だから、女優さんを特別出演させたんだ、と思った。

それにしても、空海は坊主頭という事なのだろうが、鼠色の被り物をしていてちょっと残念。こうやって主役を張るなら、本当に頭を剃ってもいいのでは?坊主頭の幸四郎さん、カッコいいと思うけどなあ。こんな鼠色のかつらなんかじゃない方が。

空海が若い頃の話。密教を学ぶ為に遣唐使と共に倭の国からやって来た空海は、化け猫と出会い、50年前に亡くなった楊貴妃の墓を掘り起こすのだが、墓は空っぽ。楊貴妃はどこへ?

で、楊貴妃は出てきて、化け猫と、空海が化け猫に襲われた時に助けてくれた丹翁と、その三人の間で恋愛のあれこれがあって……まあ、一応ネタバレはよそう。もう、全然歌舞伎っぽくないから、言葉もよく分かるし筋は分かったのだが、なーんかスッキリしないような。何かが分からないままのような。なぜそうなったか、という当たりが。まあ、いいか。

途中で休憩もあった。その時、バファリンを飲んだ。これはね、首が痛くなって頭痛がひどくなる前に飲んでおいた方がいいかと思って。正解だったけれど、ちょっと最後の方に眠くなってしまった。何しろ、寒いし。薄い長そでだけでは耐えられない寒さだった。

最後、また緞帳が変わっていたので写真を撮った。これも、正面から見たらまた違って見えるのだろう。

実は、途中の休憩の時にお土産を見てきた。どれも可愛くて、東京土産日本土産には良さそう。でも私、ここからすごく近い所に住んでいるんだ。それに、最近旅行に行って色々とお菓子を買って来たばかりだから、またお菓子は買わない。

それでも、これは買ってしまおうかと思ったのが、普通の水のりの小さいやつで、隈取のマークが付いているやつね。でも、今はスティックのりかテープのりしか使わないし、その量で350円は高い。手鏡なんかもいいなーと思ったが、やっぱり辞めた。でもまあ、見るだけでも楽しかった

中村米吉さん

帰りの電車の中で、あれこれ義母としゃべっていて、

「一人、女性がいましたよね」

と言ったら、

「歌舞伎には男しかいないんでしょ?」

と言われ、ゲストかなと言いつつ、キャスト表を見てみると、私が女性だと思った役は「米吉」と書いてあった。

どう考えても、ゲストの女優さんの名前ではない。早速検索した。出てきた。そう、れっきとした男性だった。女形のようだ。

「えー!うそー!だって、声が、声が女性だったのに!」

驚いた。他の女形の声は、裏声だ。顔は白塗りでよく分からないが、裏声で高く出しているから男性だろうと推測できる。だが、米吉さんの声は、裏声ではなかったのだ。舞台女優さんの声そのものだったのに!

家に帰ってから、YouTubeで米吉さんの動画を色々と見た。普通にしゃべっている所を見ると、多少高めの声ではあるが、普通に男性の声だ。どうにか、演じている時の映像はないかと探したら、あった。ダイジェスト版のようなものが。ああ、やっぱりこの声だ。うん、女優さんでこういう声の人いる。へえ、ああ、そうなんだ。うわー、なんか……ファンになってしまうかも。実際顔も可愛い。

えー、歌舞伎とか観に行っちゃうのかな。高いかな。いや、安い席もあるよ。えー、どうしよう。

と、取り乱したチョコナッツであった。