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穴の開いたビル「インフィニティー」の穴にはこんな意味があった

2021年4月13日(火)

今日の新聞で見かけた、オーストラリアのシドニーにある「インフィニティー」というビル。このビルを設計したのは、シドニー在住の日本人建築家、高田浩一さん(49)。高田さんの設計したビルはすごいのだ。

斬新なデザイン

このビルは20階建てで、マンションやホテル、飲食店などが入っている。穴の開いたデザインは斬新で、オペラハウスのデザイン決定時(1957年)以来の反響だとか。

だが、斬新なのはデザインだけではない。というか、なぜこのようなデザインになったのかというのが重要だ。高田さんは、「形から入ったのではない。自然との対話の中で削られたのがあの穴だった」と語っている。ちなみに、インフィニティーとは、無限大という意味である。

穴の目的

この穴の開いたデザインには、主に二つの目的がある。一つは、自然のを通してビルを冷却する事。マンションでは夏でも年に4,5日しかエアコンがいらないらしい。すごい!

二つ目は、太陽の昇る北側に穴が向いていて、日差しの角度の高い夏場は、中庭に日陰ができ、低角度の冬場には日が当たる

また、マンションの部屋や隣の図書館にも自然光が入るというメリットもある。

アーバンフォレスト

高田さんは、インフィニティビルの設計を契機として、その後も「脱酸素の建築」を目指しているそうだ。

一つには、オーストラリア東部ブリスベンで年末に着工予定の高層マンション「アーバンフォレスト」がある。

バルコニーを広くし、一千本の木を植え、二酸化炭素を吸収させ、木陰も作る。

そして、なんと言っても屋上に設けるソーラーパネルだ。それによる発電で、共用部分の電力をまかなうそうだ。カーボンニュートラル(二酸化炭素排出量が実質ゼロ)のビルになるのだ。

サンフラワーハウス

もう一つが、イタリアなどでの建築を想定して昨年11月に発表した「サンフラワーハウス」。これはまだ建設の予定は立っていないのだろうが、これもまた斬新で、素晴らしい。

ソーラーパネルをつけた丸い屋根が、ひまわりが太陽の動きに合わせて向きを変えるように、角度を変えながら回り、日光を最大限受けて発電するというものだ。

また、下の階は別の動きで回転する。夏は室内に陰を作り、冬は日が差し込むようにして、冷暖房いらずにする。使い切れない電気を電池にため、外部に供給するそうだ。これは、カーボンニュートラルを超えて、カーボンポジティブの建物なのだそうだ。

高田さんは、各国が取り組む温室効果ガスの実質ゼロに対して、取り組まない人の分を補うには、ニュートラルでは足りないと言っている。なので、こんな建築を広めたいと。

原始時代には戻れない

太陽光発電や、風力発電など、再生可能エネルギーは是非とも今後増やして行きたいところだ。

子供たちの未来のため、などと言っている場合ではない。今生きている我々も、このままでは無事に天寿を全う出来るか危ういのだ。このところ、自然災害の規模はひどくなるばかりだし、原発事故も、汚染水処理も、過去の問題ではない。

無駄を省く(ゴミを減らす)だけでなく、こうして新しいものを作っていく事が、必要なのだと思う。我々は、原始時代に戻る事はできない。不便な生活を人類全体に強いる事は出来ないと思う。昔に戻るのではなく、新たに環境に優しいものを作っていく事が、環境問題に取り組む上で大事なのだ。