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夫婦別姓について考える-その1

 今日は、今話題の「夫婦別姓」についての考察をしていきたいと思います。
 でも、まずはその1として、「選択的夫婦別姓」に賛成か反対かではなく、昔はどうだったか、そして今議論になっているのはなぜなのか、というところを考えてみたいと思います。

 すり込まれていた

 私は20年ほど前に結婚し、当然のように夫の姓になりました。
 いや、姓が変わったというよりも、夫の家に「嫁に行った」のです。それは自分たち夫婦の認識もそうだし、両家の親や親戚も皆、そういう認識でした。私は長男の嫁になったのです。
 嫁に入る事は、喜んでそうしたわけではありませんが、相手が長男だった事もあって、それは当然だと思っていました。もっと言えば、子供の頃からずっと「結婚したら夫の家の嫁になる」のだとすり込まれていました。

姓を変わりたかった

 私が若い頃は、女性は結婚したら姓が変わるものだったので、姓が変わるイコール結婚できた、という認識がありました。たとえば同窓会なんかに行って、姓が変わっていると勝ち組で、変わっていないと未婚かあるいは離婚したという、負け組、という感覚です。姓が変わっていた方が優越感を感じるという風潮というのでしょうか。私が結婚したのが2000年なのですが、それよりも前の感覚です。私がまだ未婚の時のテレビドラマなんかの風潮が、そういった感じだったのだと思います。
 また、私の旧姓は珍しいもので、親戚以外に同じ姓の人に会ったことがないくらいでした。それで、まあ、自分の姓に対してはいろいろあったので、もっと普通の、誰にとってもわかりやすいような姓になりたいなと思っていました。
 そういう事もあって、結婚して姓を変えたいと思っていました。

韓国では夫婦別姓

 韓国では、夫婦別姓なのはご存じですか?在日韓国人の方でも、夫婦で違う姓ですね。お子さんはお父さんの姓になるので、お母さんとお子さんが違う姓なのです。
 日本の風習だと、子供のお母さんの事を当然のように子供の姓で「○○さん」と呼んでしまうので、韓国人の方だけ違うようにするのが難しかったりしますが、うっかりお子さんの姓で呼んでしまっても、また「○○ちゃんママ」なんて言い方でごまかしても、こちら(日本人側)には問題はありません。
 でも、そのお母さんの方はそんな風には呼んでほしくないのでしょうね。
 それで、思い出しました。大学時代、韓国人のお友達がいました。彼女は社会人枠の留学生で、入学したのが27歳でした。名前を「金(キム)さん」と言いました。彼女は、婚約者がいるのだけれど、その男性も「金さん」。つまり、同じ姓だそうです。そして私は当時びっくりしましたが、韓国では同じ姓同士では結婚できないのだと言うのです。けれども、10年に一度結婚できる年があって、それを待っているのだと言っていました。
 え、10年に一度いいのなら、禁止する必要ないじゃん。
と、私は思いました。禁止する理由は、同じ姓ということは遠い親戚だから、ということで、日本でも3親等までの親戚とは結婚できませんが、いとこ同士は結婚できるわけだから、それと比べてずいぶん果てしない禁止ですよね。
 結局、その禁止する法律は2005年には廃止されたそうなんですが、私が大学生だった時には、まだ同じ姓の者同士は結婚できなかったそうです。

姓で呼び合うのが不思議

 もう一つ、思い出した事があります。習い事の時だったか、ある東洋系の外国人の女性と仲良くなったのですが、彼女が言っていたのです。
「日本人って、名前を聞くと苗字を言うのね。はじめ、てっきり下の名前だと思ってた。」
と。その方どこの国の方だったかなぁ、ちょっと思い出せないのですが、なるほどと思ったのです。堅苦しい場面ではなく、これからお友達になろうというところで、お名前は?と聞かれると、その国では下の名前を言うそうですが、日本人はフルネーム言うのでなければ姓の方を名乗りますよね。
 そのお友達は、「お友達なのに、苗字で呼び合うなんて不思議」だと言っていました。

選択的-が認められたらほぼ皆変えない

 さて、結婚しても姓を変わりたくない人は、男女問わず多いようです。たとえば、「選択的夫婦別姓」が日本で認められたら、冒頭に述べた「勝ち組」云々の前提が崩れます。姓が変わっているから既婚者、という事ではなくなるわけです。そうすると、姓が変わった事に優越感なんか沸かず、しかも、どうして夫の姓にしたのか、考え方が古い、みたいな感じに思われる可能性があります。
 つまり、「選択的夫婦別姓」が日本に導入されたら、新たに結婚するカップルは、ほとんど皆同姓にはしないでしょうね。自分の姓を変えたいという理由があったとしても、それを悟られたり勘ぐられたりするのは嫌ですもん。姓を変えたかった私も、選択的夫婦別姓制度が導入されてから結婚するなら、姓は変えないと思います。

姓にこだわり過ぎる?

 それにしても、前述したように、日本人は姓にこだわりが強いです。それは「家制度」の名残なのです。今でも、夫の姓に変えたくないという女性の中には、実家の姓が珍しく、女の子しかいないからその姓を絶やしたくないという理由を挙げる人もけっこういるそうです。
 結婚しても夫の姓に変えない、という新しい事をしようとしているようでいて、「家」を守り続けたいという、むしろ古い考えを持っている・・・。「家」というものを重んじているんですね。
 もし、この先日本の風潮が、姓なんてどうでもいい、名前の方を呼び合おう、なんていう風になったら、どうなるのでしょう。
 もちろん、夫婦別姓を望む人の多くは、仕事上、姓が変わると不便で、通称を旧姓にしていると、手続きなどで問題が生じてしまうから、という理由があるのだと思います。それは、夫の家の嫁になるのが嫌とか、男尊女卑なんかとは全く別次元の問題ですよね。ほら、頭がこんがらがってきた!

問題が多角的

 今日の最後に、まとめましょう。以前新聞にも書いてありました。「選択的夫婦別姓」を語る時、賛成の人、反対の人が別の土俵の上で議論しているのだと。
選択的夫婦別姓に賛成の人
・仕事を続ける上で、姓が変わると不便である
・多くは妻が夫の姓になるのは、男女平等でない
・夫の家に入る、という考え方が嫌
・反対の人は同姓にすればよい

選択的夫婦別姓に反対の人
・家族が同じ姓でないと、絆が失われる
・子供がどちらかの親と姓が違うと、可愛そう
・戸籍制度が変わると、伝統が失われる

 賛成の人の意見は、ごもっともですが、4つめに関しては、前述したとおり、反対していても、みんなが「変えない」ならば、変えると古いなどと思われて、結局変えざるを得ないようになると思います。

 反対の人の意見は、私にはそれほど重要には思えません。人の家の絆まで、心配しなくていいと思います。子供は、みんなが同じなら、可愛そうではないと思います。
 ただ、戸籍制度の話には、夫婦別姓に賛成の人の中にも、「戸籍を撤廃したい人」「戸籍は維持して夫婦別姓にすべしと言う人」と、また二分するそうです。反対の人が「戸籍が失われると伝統が失われる」と心配している場合、それは「選択的夫婦別姓」とは別問題なのです。
 戸籍内に姓の違う人がいたらおかしいとは言っても、それをOKにするかどうかって事が、夫婦別姓を認めるかどうかですからね。

 ちょっと分かりにくかったかな?(苦笑)
 今日はここまでにします。「選択的夫婦別姓」の議論がなかなか進まないのは、問題が錯綜していて、白黒だけでは解決しないからだということが、なんとなく分かっていただけたでしょうか?
 また、機会があれば、もうちょっと語りたいと思います。ちなみに、私は何かが「変わる事」が大好きで、わくわくしちゃう人なので・・・無責任に賛成か反対かは述べないでおこうと思います(笑)