ニュースよ!
2週間ほど前の事。義母がうちに駆け込んできた。
「ニュースよ!」
と言う。スマホで録画したテレビを見せ、それから手書きのメモを見せ、義母が語ったのは……。
テレビで強度近視の事をやっていたそうだ。私が最近右目が見えにくいという話をしていたので、是非私に知らせようと思ってくれたようだ。
「このね、東京科学大学とかいうよく知らない名前の大学の先生がね、すごいんだって。日本でこの先生しか出来ない手術だから、チョコナッツさんもこの先生に手術してもらえばいいわよ」
東京科学大学とは、先日東工大と医科歯科大が合体してできた国立大学だ。超有名な大学だ。
義母がスマホで録画した部分を観ても、なんの手術だかよく分からなかった。
義母はメモを残し、TVerで観られるらしいから見てみて、何とかこの先生とコンタクトを取ってみなさいと言って帰って行った
メモを見たら「日曜7時 ゲンキの時間」と書いてあった。何チャンネルかも書いていない。7時って、朝か?いや夜か?分からん。というか、その日は火曜日で、観てから2日経っているのに、今観たかのように駆け込んできたのはなぜなんだ?
しかし、日本でこの先生しかできないような手術を、私ごときがしてもらえるとは到底思えない。が、とにかくPCでTVerの「ゲンキの時間」を検索してみた。そうしたら、出てきた。もう1つメモに書いてあった、東京科学大学の大野京子先生が後半に出てきたようだ。
その大野先生が出てくる、眼科の話の部分を観てみた。そうしたら、さっき義母から録画を見せられた手術だが、やっぱり何の手術だか言っていない。番組を短めにするために端折ってあるようだ。
それから、この手術方法は、大野先生のチームが考えたものだが、今では世界中で一般的になっているという話だった。つまり、大野先生しかできないわけではないのだ。どこをどう聞き間違えたのだか。
何度か繰り返し観てみたが、やはり何の手術だかわからず、一見強度近視を治す手術のようにとってしまう。
私はインターネットで東京科学大学病院、旧医科歯科大学病院の眼科を検索してみた。そうしたら、大野先生のお写真と共に、この手術の事が載ってるページを見つけた。これは黄斑変性の手術のようだ。強度近視の人の網膜が分離して、黄斑にまで及ぶと視界が歪んだりして、放っておくと失明する恐れもあるそうだ。老化によって起こると書いてある。
黄斑変性か。急激な視力の低下と書いてある。ちょっと気になる。私も、数年前から急激に視力が落ちている。特に右目が。この年になると度が進む事はないんだけどね、とかかりつけの眼科の先生に言われた。でも、この2年くらいはメガネでも矯正できずに、右目が見えにくい。ますます見えにくくなっていて困っている。
もしや、黄斑変性か?それか、網膜剥離とか?
色々と調べた。しかし、黄斑変性ほど、視界が歪んではいない。網膜剥離ほど黒い点が見えるわけでもない。他に視力の低下では糖尿病などもあるようだが、私は糖尿病ではない。しかし、何か手術が必要な病気が隠れているのではないか。放って置いたら失明してしまうのではないか。怖くなった。
一方、手術をすればよく見えるようになるのではないか、という期待もあった。それなら、一刻も早く手術をしてもらいたい。いつもいつも気になってしまうのだ。何をしていても目は使うし、近くでも遠くでも右目の乱視が矯正されず、モヤモヤ。
義母にも、番組を観た上で分かった事を話した。まず東京科学大学病院に行くには紹介状が必要である事。予約はできるが、いつになるか分からない事。あの手術は大野先生しかできないわけではない事。その上で、私が何度か通っている近場の大学病院でもいいから、精密検査をしてもらおうと思っている事を話した。
2カ月にいっぺん眼科に通っているので、次は2月だった。一刻も早く大学病院へ行きたいところだが、1月の内に行くとややこしい事になるから、2月まで待とう。と、一度は思った。だが、毎日気になってしまう。やっぱり、一刻も早く行った方がいい。ということで、1月28日にかかりつけの眼科へ行って先生にその旨を話し、紹介状を書いてもらった。
大学病院へ
さて、本日(1月29日)、大学病院へと出かけた。ここは初診の予約ができない。だが逆に言えば、待てば必ずその日の内に診てもらえるのだ。
前回にここに来た時の教訓により、今日はカロリーメイトを持参していた。ストックしていたものの賞味期限が今月末に切れるので、ちょうど良かったのだ。
初診の受付をして、待つ間に新聞を読んでいた。最初に呼ばれて視力検査をした。
そう、前回ここに来たのは2020年の4月だった。緑内障が進んでいるようなので、手術が必要かどうか診てもらった方がいいとかかりつけ医に言われて来たのだ。この時は手術はした方がいいが、今はコロナで入院が出来ないので、10月ごろにまた来てくださいと言われたのだ。この時、14くらいある眼圧を10まで下げなければならないと言われていた。
ところが、10月になる前に眼圧が11くらいまで下がったので、手術の必要はないだろうと思ってもう行かなかった。それはそうと、この大学病院で視力検査をした時に、度が上がってますね、と言われた事がきっかけで、久しぶりにメガネを作り替えたのだった。
2020年にメガネを作り替え、それから左目の視力は変わっていなかったが、右目だけは2度レンズを替えた。今日、また視力検査をしたところ、何も言われはしなかったが、左目ももっと度を上げればよく見える事が分かった。ただ、あまり上げても近くがますます見えにくくなるから、まあこのくらいでいいという事もあって何も言われなかったのかもしれない。
一方、右目の方はあれこれレンズを替えてみたものの、二重に見えていた物が一つになったとしても、今度はCのどっちが開いているのか分からないという感じで、ピッタリ合う、よく見えるようになるレンズはなかったのだ。やっぱりおかしい。そんな事あるか?
またしばらく待たされ、先生に診察をしてもらった。眼圧は両方とも16と言われてびっくり。最近は10とか11とかで、高い時でもせいぜい12とかだったのに(もちろん眼圧を下げる目薬をしているからだ)。そうしたら、風を当てるタイプのとは違う値が出るからと先生は言う。それに、16でも高いとは思っていない様子だった。
30歳くらいの時には、それだと高いと言われた。だが、今の年齢だとそのくらいで充分という事かもしれない。昔20代の時に言われたのだ。もっと年を取っていれば今の眼圧でもいいけれど、20代でこれでは高すぎると。その時は21だった眼圧。今日先生に聞いたところによると、正常眼圧は21までだそうだ。それでも、20代で21では高すぎるというわけだね。
5年前にここへ来た時には眼圧が14くらいだったわけで、緑内障の(というか眼圧を下げる)手術をした方がいいと言われたのに、今日はそんな感じではなかった。先生によって考え方が違うのだろうか。
目薬を2度点された。1度目は目に色を付けるものだと思った。よくかかりつけ医でも点されるもので、その後はそれを中和する目薬を点してくれる。だから、それだと思っていた。
お子さんいますか?
その後、また少し待たされてから検査室に呼ばれた。ここで、目の写真を色々と撮られた。この時雑談で、
「お子さんはいますか?」
と聞かれた。いると言ったら、一度緑内障の検査をした方がいいと言われた。でも息子たちは目がいいのだ。しかし、視力が悪いのと緑内障とは関係ないと言う。
「でも、眼圧が高くなければ大丈夫ですよね?」
と、私は聞いた。会社の健康診断(人間ドッグ)では恐らく眼圧も測ってもらえるから、そこで高くなければ別に心配いらないのでは?
そうしたら、眼圧が高くなくても緑内障になる事があると言われた。それは知っているが、強度近視の場合ではないのか?
この検査技師の人は、緑内障は高い確率で遺伝すると言うのだが、私の両親は緑内障でも強度近視でもない。私が緑内障になったのは遺伝ではなく生活習慣による近視のせいだ。だったら、私の緑内障が子供に遺伝するわけがない、と思うのだが?
だがその後、緑内障の検査は40歳を過ぎてからでいいと思うと言われた。うちの子たちまだ二十歳そこそこなんだが。え、私が老けて見えた?おう、少なくとも目はかなりヨボヨボだよな。とにかく、子供たちには40歳過ぎたら一度視野検査を受けるようにと言っておいた。20年覚えていられるかな?
検査の結果、白内障でもなく、乱視が矯正されにくい目の形でもないという事が分かった。つまり、今右目がよく見えない原因が見当たらないようだった。
右目の方がよく見える!?
診察を待つように言われた。もうお昼を過ぎて1時になろうとしていた。そうか、それならカロリーメイトだ。
既に待合室は空いていた。自販機があるのだから飲食も大丈夫だろう。しかし、カロリーメイトはポロポロしてしまった。あまりむしゃむしゃしたくなかったので、半分に折って口に入れたから、すごい顔になっていたと思う。マスクで隠したり隠さなかったりしていた。
それにしても、目の前にある時計とか、掲示されているものの字などが、やけに右目の方がよく見える。左目が見えなくなったのか、右目が見えるようになったのか分からないが。目の前の新聞紙などはいつもと同じような感じだが、遠くがやけに右目で見える。おかしい。さっきの目薬のせいか?
新聞が読み終わったので、スマホで小説を読んでいた。が、どうも見えにくい。なんでだ?疲れるからもう辞めよう。
しばらく目の前の時計や掲示板などを見て過ごした。どうもおかしい。右目がよく見える。
やっと診察に呼ばれた。話し始めてすぐ、看護師さんに言われた事で先生、やらかした事に気づいたみたいだった。他の患者さんで、血液検査をしてから帰ってもらわなければならなかったのに、言わずに帰してしまったらしい。先生、必死に電話を掛ける。大変だなあ、と思っていたが、あまりに待たされて、
何、この状況……
と、ちょっと思ったり。
やっと前の患者さんと話が付いて落着。よくやく私の診察が再開した。
「何だか右目の方がよく見える気がするんですけど、さっきの目薬のせいでしょうか」
と私が聞いたら、先生はあっさり、
「ああ、目薬は見え方に影響します」
と言う。そうか、なんか特別な目薬だったのかと思ったが、そうでもないらしい。
で、見えにくい理由だが、分からないと……。やっぱり。先生、ごめんなさいと言ったよ。
「どう見えにくいんですか?」
と何度か聞かれたが、説明が難しい。灰色とか赤色とかではなく?と聞かれるが違う。透明だ。この、ごにょごにょとした気持ち悪さ、ぐちゃぐちゃな感じをどう説明したらいいのだ。
「文字がところどころ、透明ながら潰れているような」
とか言ってみたりするが、先生は分からないと言う。申し訳ない。まあ、要するに乱視が矯正されていないという事だと思うのだが。とにかく原因が分からないそうだ。網膜の分離具合も5年前と変わっていないし。緑内障の方は進んでいるそうだが。それはちょっとヤバい。
白内障でもないし、とにかくこうなると急ぐ必要はないという事になった。あともう少し検査をして、考えると言ってくれた。次は視野検査だ。
予約を入れるのに、2月19日はと聞かれてその日は歯医者の予約が入っており、午後なら良かったのだが午後は病院の方がダメらしく、次に2月26日はと聞かれたが、ずっと前から謎解きの予定が入っていてそれもダメだと伝え、その次に3月3日はと聞かれたので断れなかった。前の日が東京マラソンなのだが……まあ、いいか。頑張ろう。
断りもなくあれを!?
先生は、お待たせしてすみませんでした、と言っていた。プリントを2枚もらい、自動支払い機へ行って支払いを済ませ、外に出た。そうしたら、
「ま、眩しい!」
あー!断りなく瞳孔を開く目薬を点したな!そうか、2回目の目薬はそれか。そうだよな、眼底検査の為にはそれを点すんだよな。最近かかりつけ医では、部屋の電気を消すだけで目薬を使わないのだ。そもそも近視の人は明るくても瞳孔が閉まらないから見えにくいわけで、この目薬は必要なのだろうかと疑問だが。しかし、一言言ってくれよぅ。もう慣れてるだろってか?
眩しすぎる。そういえば、最初にここに来た時には自転車で来てしまったのだが、夏だったし、帰りは昼頃で太陽が真上。もう道路がすべてピカ―ッと光って眩しくて目を開けていられず、自転車を押してほぼ目を閉じながら帰ったものだ。今は冬で、日陰が多いからまだ助かった。
しかし、左目が見えにくい。こりゃ、全然遠くは見えない。そう、やっぱり目薬のせいで左目が見えにくくなっていたのだ。だが、右目はむしろよく見えている。瞳孔を開いた方がよく見えるなんておかしいじゃないか。これ、先生に伝えたら何かヒントになったかも?分からんが。
歩いて家に帰って来た。途中八百屋に寄った。そんなこんなで眩しさもマシになった頃に帰宅。
家に帰ってから、もらったプリントをよく見てみた。1枚は次回の予約票。そしてもう1枚は次にどこへ行くかというスケジュールが書いてあった。あれ?
あー!眼科の受付に寄れって書いてある!しまったー。寄らずに帰ってきちゃったよ。本当はこの紙は回収されるはずだったのかな。まあ、支払いをしたのは確認されるだろうし、診察券は返してもらっていたし、大丈夫だと思うが。
やっちまったな。謝らないと。次回まで覚えていられるかな。
しかし、せっかく期待して行ったのに、原因が分からずか。まあ、私の目はそれほど悪い状態ではなかったみたいで良かったと言えば良かったのだが。しかしこの右目のぐちゃぐちゃ感は何だろう。視野が欠けているという事なのだろうか。でもそれなら、左目だって同じように欠けているのに。
さあて、これで今回のお話は終了だ。次回の3月上旬の記事を待たれよ。私の右目の見えにくさは、果たして原因が解明されるのか。優秀な先生方で話し合ってくれたりするのかなぁ。あんなに患者がいっぱいいたら無理か?
乞うご期待!