理由のないプレゼント
昨日、夫のお友達からワインが届いた。
私にプレゼントだそうだ。
理由は、特にないそうだ。
夫がそのお友達と飲んでいて、何の話からそうなったのかは知らないが、お友達は理由もなくワインを贈ると言い出し、だいぶ酔っ払った状態で、その場でポチったそうだ。
おおかた、この間おみくじワインを買ったという話をしたとか、もうすぐ結婚記念日だとか言う話をしたとか、先日私の誕生日だった話をしたとか、いや、それはしないか。とにかく、そんな感じで話がワインに向いて、夫が要らないと言うから、だったら奥さんにと言って、ただの口実にして私に贈るという事になったのだと思う。
おみくじワインを買ったのは、1等が当たると6万円ほどするオーパス・ワンが2022円で買えるから。しかし、3本買ったけれども当然オーパス・ワンは当たらず、4等2本と5等１本がうちに来たのだった。
それでも、いつもよりも高いワインを買ったので、飲むのを楽しみにしていた。4等のフランスワインを昨日、飲むはずだった。
ところが、その前にお友達から送られてきたのが3本の赤ワイン。しかも、2010年ものだった。
古いワイン。それは、魅惑的なワイン。
以前、10年もののワインを飲んだ事があったが、コルク栓がぼろぼろになっていて、開けるのに難儀した事がある。それにしても、最近は子供の学費がかさむため、ワインは安い物ばかり飲むようになり、もっぱらスクリューキャップ。古いワインなんてしばらく飲んでいなかった。
古いワインはすごく美味しい、という記憶はある。しかし、良い状態で保存されていたものは美味しいが、ちょっと飲めるかどうかギリギリのものもある。少し酸っぱくなっていたり。今は冬とは言え、うちで保存してはダメな状態になりそうだ。
と言うわけで、せっかくおみくじワインを楽しみにしていたのに、すっかりこの古い方が気になってしまい、しかも、早く飲んだ方がいいだろうと思い、結局昨日は古い方のワインを飲むことにした。
飲んで見たら
3本のうち、どれを飲もうか。
紙が入っていた。いろいろ書いてあるけれど、私は樽の香りがするワインが好き。すごく樽の香りがするワインを飲んだ事がある。とても美味しかった。あれは、弟の結婚披露宴の時。瓶を見せてもらわなかったので、どこのワインだったのかも分からない。またあれを飲んでみたい。
というわけで、樽の香りについて書いてある、一番左のシャトー・マラガールというワインを選んだ。
2010年という事は、11年前に作られたものだ。11年とちょっと。コルクはしっかりしていた。瓶詰めされたのは最近なのだろう。
開けると、香りが「ボルドー」という感じ。しかし、一口飲んでけっこう驚いた。フルボディだし、もっと濃い味を想像していたのに、意外と薄い。
あー、これが「ベルベットのような」とか、「絹のような」とかいう滑らかな口当たりってやつだ。
そんな感じにワインを表現してあるのを見たことがあるが、イマイチよく分かっていなかった。が、今までそういう滑らかな口当たりのワインを飲んだ事がなかったからだ。
意外に、書いてある事と自分が飲んで感じる事は違う場合が多い。この紙に書いてある、「強いアタック」とか「アルコールのボリューム感」というのは、全く感じなかった。
酸味や苦みがほとんど感じられない。これが、「角が取れた」と表現されるやつか。すごく柔らかく、優しく、飲みやすい。こんなワインは初めてかもしれない。アルコールを飲んだ時のかーっとした感じもない。
おつまみが必要な感じでもない。夫はトマトと合うと言ったが、私はそうとも思わなかった。何を食べても合わない事はないが、特別合うものもない。
因みに、樽の香りはそれほどしなかった。複雑で何の香りだとは言えない感じ。もちろん葡萄の香りはするのだが。
夫も何杯が飲んでいたので、多少私の方が多く飲んだにしても、とにかく一本空けてしまって大丈夫だと思った。あ、私の方が多く飲むのは、既に夫は多少飲んで来ているからだ。決して私の方が強いというわけではない。好きだから多く飲むとか、そういうのでもない。
全部飲んで、酔っ払ったとは言え、それほどへべれけでもなく、ちゃんと片付けて寝た。
翌朝の発見
しかし、翌朝はのどが渇く。頭が痛い。もっと水を飲んでから寝るべきだった。アイスを食べた気がするが、記憶が薄い。やっぱりけっこう酔っていたようだ。
でもって、朝はそれほどの頭痛でもなかったのだが、その後すごく酷い頭痛になってしまった。肩こりが原因だとは思うのだが。
酒を飲んで寝ると、気絶するように眠ってしまって寝返りが上手く打てないらしい。それで、顔が熱くなって血管が膨張したせいで起こる頭痛と、肩こりのせいで起こる頭痛とが同時に来る。が、大抵血管膨張の方はさほどではない。肩こり頭痛の方が多い。
多分、頭痛薬を飲んだ後の方が気分が悪いくらいの頭痛になったので、あまり食べなかったのに飲んだからだろうかと思われる。空腹時は避けて飲むべき薬だから。お昼を食べたらだいぶ良くなった。そして、みんな出かけてしまったので、独りだけ残っていた次男に肩を揉んでもらったら、すっかり良くなってこうしてブログを書いているのである。
ワインが悪かったわけではないと思うが、もしかしたら、美味しすぎてペースが速かったのかも。いや、努めてゆっくり飲んだのだが・・・。そうか、思ったよりも夫が飲んでいなくて、私が自分の飲める量を超えてしまったのかも。
さて、空いた瓶を捨てようとして、あれ？と思った。
これ、「澱（おり）」が瓶の横に溜まっている。飲んでいる時にグラスの中に澱は入らなかったと思う。
コルク栓がしっかりしていたから、瓶詰めされたのは最近だと思ったが、これは長く横にして置かれていたという事ではないか？うちに届いた箱は、「天地無用」と書いてあって、宅配の人も「こっちが上です」とわざわざ言っていたし、横にして運ばれたのではないと思う。うちに来てからもずっと立てて置いておいた。だから、送られる前に横にされて保存されていたのだろう。とはいえ、11年ずっと瓶に入っていたのでもないだろう。
因みに、酸味がほとんどなかったので、悪くなってはいないのだ。保存状態が良かったと思われる。
また、あと2本を飲んで感動したら、ブログに書こうと思う。まずは一本、忘れないうちに感想を書いたまで。では、また。
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