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さすがに古い!?源氏物語

2021年3月7日(日)

 先日テレビで、東大生が選ぶ「勉強になるマンガ」ランキングを見ました。そこには、ドラえもんや進撃の巨人、名探偵コナン、クレヨンしんちゃん、ワンピースなど、メジャーなものが並んでいました。
 私が学生の頃に読んだマンガで、勉強になるベスト3を挙げるなら、
1位 あさきゆめみし
2位 ベルサイユのばら
3位 BASARA
ですね。「あさきゆめみし」は、東大生も選んでいました。

あさきゆめみし

 この「あさきゆめみし」というのは、平安時代紫式部によって書かれた「源氏物語」が原作の、大和和紀さん作のマンガです。
 私が高校生の頃に描かれたマンガで、実は当時、友達から借りて読んでいたのです。高校を卒業し、友達から借りられなくなってから、最後の3巻が出て、それだけ自分で買って読みました。
 あれから30年。息子が高校生になり、古文の勉強のためには読んだ方が良いと考え、一念発起して、「あさきゆめみし」を全巻揃えて買いました。
 当時読んだものよりも小さくコンパクトにした、文庫版を買いました。
 ああ、そうしたら字が小さい・・・。
 それでも、私もまた久しぶりに読んでみたくなり、読みました。が、上の息子は結局読まなかったみたいです。理系だし、やっぱり男子には面白くないのかも。
 私は、再び読み返してみて、時代を感じました。それを、これから詳しく述べていきますね。

偏差値80超え!全国模試で1位

 私は大学浪人しました。予備校に通っていて、たくさん模試を受けました。
 私は高校生の時、現代文は得意でしたが、古文は苦手でした。それでも、予備校に通ったおかげか、模試をたくさん受けたおかげか、大学生になった頃には古文も苦手ではなくなりました。
 それはそうと、浪人時代に受けた、ある全国早慶模試の事。古文の問題文が、源氏物語でした。早慶模試というのは、難しい問題なのです。
 そして、特に源氏物語は難題とされ、模試にもあまり出ませんでした。けれども、ある模試の問題文がその源氏物語の一部だったのです。
 まず、ひらがなばかりで、区切り方が分かりにくい。何の話なのかも、さっぱり分かりません。ですが、「あさきゆめみし」を読破していた私は、確か「花散里」だったか、源氏物語の登場人物の名前を判別できました。
 それで、「ああ、あの話か!」と、ピンときたので、ほとんど読めないながらも、選択肢問題を解くことはできたのです。
 その模試の結果が返ってきて、びっくりしました。国語の偏差値が83だったか、86だったか。そして、順位が全国で1位だったのです。
 後にも先にも1位だったのはその時だけです。それに、国語だけですから(汗)。
 浪人生だし、模試でいくら良い偏差値をとっても意味が無いと、あまり喜ばなかったのを覚えています。
 が、つまり何が言いたいかと言うと、「あさきゆめみし」を読んでいると、古文があまり得意でなくても点が取れる!ということ。
源氏物語は難しいと言いましたよね。なので、少し分かると、偏差値がぐっと上がるのです。
 これがもし、本番の入試だったなら、ラッキーですよね。そういうことです。
 まあ、私の場合、本番の入試で源氏物語は出てこなかったので、入試において、読んでいて良かった、という事もなかったのですが・・・

ワンレングスとアイドル

 当時は、「あさきゆめみし」を読んで、まずワンレングスの長い髪に憧れましたね。こぼれかかる髪の絵が、とても綺麗なんです。
 それから、主人公の光源氏がかっこよく思えましたね。そういう、「みんなが素敵!と崇める人」に対する憧れっていうのがありました。つまり、アイドルですよね。アイドルに憧れるお年頃なのか、世の中だったのか。
 当時は多様性というか、個性を重んじようという風潮になり始めたばかりの頃で、まだまだ、「浮く」のが怖いというか、「普通」から外れるのは悪いことでした。
普通じゃない=変、という図式ですね。いや、もっと言えば
普通じゃない=狂ってる、というくらい。

源氏物語とは

 遅ればせながら、源氏物語がどいうものか、ざっくりとご説明しましょう。平安時代貴族社会が舞台です。
 主人公「光源氏」は天皇の子です。幼い頃に母親を亡くし、父が母親とそっくりな若い女性と再婚すると、その継母を慕いました。
 大人になるにつれ、継母に対する思いが恋であると気づき始めます。継母の方でも光源氏を想っています。一度間違いを起こし、二人の間に子供ができてしまいますが、二人はそのことを隠し通します。
 そして、光源氏は継母への想いを断ち切ろうとするかのように、多くの女性と関係を持ちます。貧しい貴族の娘を救ったり、やはり不倫した結果都を追われて島流しになったり、継母の親戚の少女を引き取って育て、後に妻にしたり。
 源氏物語は、後半には光源氏の息子の話、さらには孫の話に移り、膨大な物語になっています。

時代は動いた

 最近になって読み返してみて、さすがに時代が動いたなと思いました。平安時代のお話だから、別におかしくないのですけれど、
「女ばかりの所帯では心もとなく」とか、
「女の身では、どうしようもない」とか、
まあ、とにかく女は弱いもの、男に守られるもの、という描写が至る所に出てきます。
 驚きなのは、それを高校生の時には、何の違和感もなく読んでいたということです。つまり、1990年頃の日本は、まだそういう考えが普通だったんです。
 男女平等が叫ばれて久しく、男女雇用機会均等法ができ、尾崎豊が個性の解放を叫んでいた、あの頃。
 しかし、今はすごく違和感を感じます。どうせマンガを読むなら、そんな苦境を「女だから」と諦めず、知恵を絞って、力を合わせて、頑張っている女性が描いてあるものを読みたいですよね。そもそも、一夫多妻制で、男が女の元へ通うというシステムじゃあ、頑張るも何もないですけどねえ。

おすすめするのか、しないのか

 それで、「あさきゆめみし」をおすすめするのか、しないのか。
 先述した、東大生が選んだ「勉強になるマンガ」のベスト10に、この「あさきゆめみし」が入っていたのには、正直驚きました。
 確かに、模試で1位を取れるくらい、勉強になるのですが、今の若い子には、読んで違和感ありすぎではないかと。歴史ものだと思って読めば、別にいいのかもしれません。そして、平安時代はこんな時代だったと、知ることは良いことかもしれません。
 なので、読むこと自体はおすすめします。ただし、価値観を動かされないように、お気をつけください。これは、大昔のお話なんだよと。
 そして、このお話の中で多くの女性が悲しんだり困ったりしていますよね。そういう世の中はダメだったんだ、と思ってください。反面教師にするという意味では、よい教材かもしれませんね。