のっけ丼
二日目の朝、カーテンを開けて窓の外を見てみると、右の方に海が見えた。

窓は西の方を向いているから、右は北。そういえば昨日、駅の方へ歩いて行く時、どうも東に向かって歩いているような気がして、感覚が反対だと言っていた夫。多分、海が北にあるからじゃないか。いつも海は南にあるものだという思い込みがあるからでは。私は全然反対じゃなかったけど、私は普段、感覚が反対になる人だから何とも言えない。
試供品の化粧品を使ったら、顔が真っ白になってあらら……になったけれど、仕方がない。8時過ぎにホテルを出て、車に乗り込む。これから朝食だ。
青森駅の近くにある青森魚菜(ぎょさい)センターへ。やはり朝は車がたくさん走っていた。昨日の午後は全然いないなーと思ったものだが。
魚菜センターの前に駐車場があった。そこには入り口の小屋に人がいて、車のキーを預かると言われた。帰る時にお金を払うそうだ。
魚菜センターの中は、魚介類や野菜、その他リンゴジュースとかお土産品のお店がいくつも入っていて、ぐるりと回れるようになっていた。市場みたいな感じだ。
この中で「のっけ丼」が食べられる。昔NHKのお昼の番組で観た事がある。それが青森だったかどうかも忘れたけれど、まさにこのシステムだった。まず、会計のところでチケット「のっけ丼食事券」を買う。12枚つづりが2000円で、大体それが一人分のようだ。だから、それを2セット買った。
まずご飯のところへ行くようにと言われ、そこでチケット1枚とどんぶりご飯を交換した。お盆にご飯を乗せる。通路の左右に色々と具が売っている店があるので、そこでチケットと具を交換する。
チケット1枚で交換できるものと、2枚で交換できるものとあった。ネギトロ、ホタテ、カキ、マグロなどなど、これが欲しいと言ってチケットを渡すと、お店のお姉さんが私のどんぶりご飯の上にきれいに乗せてくれる。カキは乗せずに殻付きでそのままだったが。ぐるりと敷地内を回って行くと、テーブルと椅子が置いてあるところに出てきた。なるほど、ここで食べられるのか。分りやすいぞ。
チケットが残り1枚になり、私は切り身のタイをもらおうと、またさっきのお店にもどったが、夫は味噌汁と交換した。そして、二人ともチケットを使い切り、テーブルに着いた。お水やお箸、わさびや醤油もあって、自由にとっていいようだ。

ご飯が温かい。マグロはちょっと珍しい頭(かしら)と、中トロにした。どっちか分からなくなったが、片方は筋っぽかったな。でも美味しかった。ホタテは思ったよりも固いというか、しっかりした食感だった。でもやっぱり、ネギトロはご飯と合うよな。
食べ終わり、夫がコンビニに行くというので、お土産を見て回る事にした。夫が、
「にんにくが気になったから」
と言って去って行った。青森はにんにくの一大産地だからね。
早速見て回ったが、にんにくはどれも「黒にんにく」だった。最近、夫が安売りしていた黒にんにくを買ってきて、だけどお口に合わずにずっと冷蔵庫に入っていて、私が時々食べていたのだが、なんだか古くなったのか食べたのか、いきなり袋が捨ててあったのだった。つまり、黒にんにくは買わない方がいいという事だ。
リンゴジュースの小瓶がたくさん売っていた。リンゴの品種別になっている。お店の人が試飲用に小さい紙コップに注いでくれた。
「これがふじです。で、こっちが酸味の強いジョナゴールドで」
と言って、新しい瓶を開けて注いでくれたりする。甘いのと酸味のあるのと2本買おうと思って考えていると、
「東京の人にはこれが人気です、王林」
と言ってまた開けてしまうから恐縮する。これから車に長く乗るから、あまり飲みたくなかったのに。
「あ、もういいです」
お店の人が更に開けようとするから、慌てて制した。元々男性のお客の接客をしていたみたいで、その男性が東京の人だったみたいだ。私は一番酸味の強いという紅玉を試飲してみたかったが、こちらから飲みたいとも言えず、他の物を3つも試飲してしまった次第。ジョナゴールドよりも王林の方が美味しかったような気がするので、一番甘いふじと、王林の2本を買った。
夫が戻って来た。しばらくトイレがないからと、トイレに行ってから車へ。駐車場代金は200円だった。安い。
十和田湖
ダーツバーで入手した情報により、十和田湖へ行くには2本のルートがあって、ほぼまっすぐ行く山道と、東の十和田市を通るなだらかな道。行きは山道で行くということだった。カーナビに目的地を設定し、いざ出発。到着予定時刻は2時間後の11時頃と出た。
だが、なんだかナビが急にルートを替えた。なんでも、新しい規制によりどうのこうのとか。で、ナビに言われるままに走って行くと、高速道路に入った。おやおや、なんだかおかしくないか?

ナビで全ルートを表示してみると、山道ではないらしい。いや、十和田市の方にも行ってない。十和田市とは反対の西の方の弘前の方を通るルートのようだ。それで、すごく走りやすい道だった。有料だけれど。
あ、岩木山が見えた!でも、右の方にちょこっと見えただけ。写真に撮ると更に小さい。

それでも、見る事は出来ないだろうと思っていた岩木山を見る事が出来た。
高速を降りると、まだ30分しか経っていなかった。もうほとんど近くまで来ちゃったけど……甘い。ここからが長いのだ。
流石に十和田湖に近くなると山道が続く。途中、道の駅があったので寄ってみた。
誰もいない。店はやっているようだ。少し散歩した。すると、ブーン!ブーン!って、蜂だかなんだか分からないが、虫がすごい。白いパーカーを着ていたので、慌ててフードを被った。怖い。
「大丈夫だから」
と、夫には言われるが、分かっていてもあの羽音には身が縮む。曇っていたが、日が出てきた。山で、日が出て、花が咲いていたら……山+花+太陽=蜂だよねえ。
休憩所の建物の中にガチャガチャの機械が並んでいた。ほとんどが子供用の訳の分からないおもちゃだったが、一つだけ大人心をくすぐるものが。それはちくわ。夫が400円を入れて回すと、何か出た。え、ナニコレ?ペンケースだって?長すぎない?
車に乗り込んでから写真を撮ったので、どうぞ。


ここからまた山道をゆく。かなりのカーブがあった。車はかなり少ない。

こんな感じの道とか。こういう所って、街灯もないし、夜は真っ暗だね。
右側に十和田湖が見えた。だが、まだまだ山を登るようだ。登って降りるのだな。
すると、駐車場があった。止まってみると、展望台があるようで、その階段を上ってみた。すると、わぁ!上って良かった!


すごい景色。これが十和田湖か。
外国人のカップルがいて、静かに湖を眺めていた。なんだか邪魔しちゃ悪い気がして(私はこの時点では外国人だとは思っていなかった)早めに降りた。我々も一応カップルなんだけど、肩を寄せ合って黙って景色を眺めるような事は……できないな、どう考えても。
車に戻った。ここも虫がいっぱい。車内に入れないようにさっと入らねば。
車に乗っているとなーんかお腹が圧迫されるし、次にいつトイレに行けるか分からないから、停まった時はトイレに行っておくもの。だが、ここは元々降りない予定だったし、ここのトイレはなんか汚そうだし、虫いそうだし、ということでそのまま出発。ところが……。
山を降りていく。なるほど、先ほどの展望台がてっぺんだったのね。そりゃそうか、てっぺんに作らずにどこに展望台を作るのってね。
十和田湖がだんだん目線の高さまで下りてきて、ナビを見てももうすぐ目的地なんだけど、車を発車してすぐから、お腹がどうも痛くなってきた。トイレに行かなかったから、気のせいというか精神的なものだなと思っていたのだが、腹痛は続く。痛い……早く着いて。
奥入瀬渓流
子ノ口(ねのくち)に着いた。十和田湖畔の駐車場があるところ。無料のね。食事・お土産処が並んでいた。ここにトイレあるかな。
「ちょっとトイレ」
と言ったら、また?と言われたので、ちょっとお腹が……と言って一人車を降りた。
食事処の店先には「きりたんぽ」を売っているおじさんがいて、その人が私に、
「トイレは二階です!」
と声を掛けてくれた。よかった、トイレに行ってもいいようだ。トイレは男女共用だったが洋式トイレもあった。あれ、どっかで和式しかなかったような。そして、ちょっとお腹が下ってしまった。これは気のせいではないような。いや、気のせいか。違う、夕べ飲み過ぎたからだな。
このお店にはお土産が色々売っていて、アップルパイなんかもあって、後で買おうと思った。トイレ借りたし。
車に戻って下ったと言ったら、カキじゃないかと言われた。夫は食べていないからと。そういう急激なやつじゃない。飲み過ぎか冷えか、その辺りに違いない。その証拠に続きそうでもないし。もう大丈夫だろう。
さあ、これから奥入瀬渓流を歩く。十和田湖から流れ出る渓流。その為に長そで長ズボン、帽子で来たし、山の天気は変わりやすいということでレインコートも持ってきた。幸い雨は降りそうもない。ただ、湿度が高くて汗が出る。
車を出て歩いて行くと、さっきのきりたんぽおじさんが、
「奥入瀬渓流は、橋を渡って左です!」
と大きい声で教えてくれた。ご親切に。
しかし、こういうのも百聞は一見に如かずと言うのかな。雑誌やサイトで見る奥入瀬の写真は、どれもキレイな渓流ばかりで、その渓流の横に道路があるとか、そういうのは見ない。そういえば、私も撮った写真はどれも渓流ばかり。ま、とにかく渓流の脇を歩いて下流へと進んだ。
本当は下から上へ歩いた方がいいらしい。綺麗に見えるから。でも、我々はまた車のところに戻らなくてはならないので、あまり車から離れて歩いていくわけにもいかない。
今日は観光客にけっこう出会う。やはり十和田湖・奥入瀬渓流は人気なのだな。しかし、半そで半ズボンだったり、いや肩出しスタイルだったり、サンダルだったりする人もいる。いくら車で来たからと言って、この辺をそんなかっこうで歩くのはねえ。でも、さっきの山の上に比べたら、虫は少なかった。シダ植物ばかりで、ずっと日差しが少ない場所だから、花もほとんどない。どこかに蜂に襲われない為に帽子を被るようにと書いてあったから被って来たのだが、帽子も被っていない人が多い。
お、展望台にいたカップルがいた。と、夫が言っていた。なるほど、背の高い二人だと思ったが、西洋人だったのか。私がトイレに行っている間に追いついてきたと思われる。
歩くと汗は出るが、やはり渓流はどこも美しい。



水が透き通っている。

緑もいっぱい。

しぶきが上がっているのが綺麗。

一度道路に出るところもあった。その少し高い所から見る渓流。
ガイドブックを持ってこなかったので、どこに見どころスポットがあるのか分からない。時々看板がある。えーと、全部で1キロ半くらい歩いたのかな。大きな滝が最初に出てくるところまでは行こうということで、そこまで歩いた。

銚子大滝だと思う。ものすごい勢いで、この滝に打たれたら間違いなく潰れるだろう。
さて、ここで引き返す事にした。帰りは道路の方を歩こう。
道路には歩道がなく、車が時々通るので気を付ける必要がある。今見てきた渓流を右に見ながら歩くのだが、左にも時々滝があったり、支流があったりする。
それにしても、木が倒れてそのままになっている所が多い。でも、枝が伸びて道路に出てしまったところは切ってあった。道路以外は自然のまま。なかなか見られない景色だ。
それにしても、暑い。時々日が出るから袖をまくるわけにもいかない。汗が出る。すごく出る。きっと気温は低いのだろうが、けっこう厚着しちゃったし、湿度が高いから。そして、帰りは上り坂だ。暑い。
やっと車のところに戻って来た。さっきのお店でお土産を買おうと言っていたら、隣に同じような店があって、夫がそこに入って行くから必死に止めた。
「車の前だったでしょ」
と言って。車の前までくると、例のきりたんぽおじさんが、
「お帰りなさい!」
と、私たちを見て言ってくれた。ほらね、ここで買わなきゃ。で、またトイレを借りた。一応。
お土産を買い込み、店先できりたんぽを一本注文した。おじさんが温めてくれている間、夫は先に車に戻った。
「だいぶ涼しくなったね」
と、おじさんは言う。そういえば、どこかでも同じようなセリフを聞いたぞ。最近、青森では秋が近づいてきたそうだ。
「一番暑いのはいつだったんですか?」
と、思わず聞いてしまった。そうだ、7月いっぱいまで梅雨だった。気にしていたから覚えている。今年は例年よりも梅雨明けが遅れて、8月に入ってからやっと梅雨明けだったのだ。
「やっぱりお祭りの頃だね。お祭りからお盆までかな」
と言う。8月上旬のねぶた祭の頃だ。そして、
「夏が短いんだよ。その代わり冬が長いの」
と、ちょっと寂しそうに言うおじさん。そういえば夫がダーツバーの店員さんに聞いた話で、ここら辺ではあまりクーラーで建物内を冷やさないのだが、それは夏が嬉しくて、せっかくの夏を堪能したいからだとか。そして、やはり冬が長いんだと言っていたそうだ。
青森に来て、道路の舗装が傷んでいたり、白線が剥げているところが多いなと思ったのだが、長い冬の間雪の下に埋もれているからだろうか。そして、直す暇がないとか。
と、そこへ男性からひょいっとスマホ画面を見せられた。その画面には中国語と日本語が書いてあった。翻訳アプリのようだ。真ん中に日本語が書いてあったので、読み上げた。
「十和田湖へタクシーで行かれますか」
だったかな。とにかく読み上げたら、おじさんが、
「この辺にタクシーは来ないね」
と言う。なので、私がその男性に向かって、
「NO」
と言ったら、その男性と、そのお仲間と思われる男性たちがとてもがっかりしていた。おじさんが、
「車何台?」
と日本語で言うから、私が一生懸命に英語に訳したのだが通じていないのか、中国人同士でしゃべっていて、そうしたらおじさんが、
「バスは1時半にしかないね」
と言って、バスの時刻表をいつの間にか手にしていた。すると、中国人たちがその時刻表をみんなで覗き込み、なんか納得して笑顔で去って行った。おじさんは一切日本語以外を使っていないのだが、彼らはおじさんに感謝していったようだ。まあ、私は感謝されようなんてちっとも思っていないけれど。全然いいよ。うん。
おじさんは変わった帽子を被っていた。おじさんと一緒に写真を撮ってもらいたいと思ったが、ブログに載せていいか聞こうか、などと考えたらハードルが高くなり、そのうちきりたんぽが出来上がったので、そのまま車に戻ってしまった。
車の中できりたんぽを食べた。今は12時半だが、我々は十和田市に行って「十和田バラ焼」を食べる予定なのだ。二人できりたんぽを分け合った。

私は全然お腹が空いていないと思ったのだが、きりたんぽを食べたらお腹が空いてきた。これ、信州の五平餅にそっくりだった。形が違うだけで、味や食感は同じ。甘い味噌が食欲を出させた。
車を発車させると、きりたんぽおじさんが手を振ってくれた。私も手を振り返した。で、そうだ写真!と思ったが、既に遅し。車の中からでも撮ればよかったな。おじさん、ありがとう。このお店の名前は勝田屋だった。
十和田バラ焼
十和田市街地へ向かった。けっこう遠くて、焦った。行こうと思っているバラ焼のお店が14時までだったのだ。13時半がラストオーダーかもしれない。何とか13時半までに入店しなければ。
やっと市街地に着いた。すると、なんかアートな壁が!

十和田市はアートの街だそうで、街中にアート作品があるとかないとか。
カーナビに従って行ったものの、駐車場はどこだ?ってなって、私がスマホでGoogle検索してこっちだ、あっちだとやって、何とか駐車場に駐車。今なんと13:29とな。狙っているお店は「司」というお店。
あ、あった!テントの下に人がいっぱいいる。そして、入り口に店員が立っていた。
「二人」
と言うと、
「30分お待ちいただくと思いますが」
と言われた。
「時間、大丈夫なんですか?」
と夫が聞くと、14時までは受けつけるという事だった。よかった、全然間に合ったじゃん。そして名前を聞かれ、外の椅子に座って待つようにと言われた。
なんか、アートステーションというのが目の前にある。夫が行ってきていいよと言うので、ブラブラと中に入って行った。
まあ、中はおみやげが売っている観光案内所のようなものがあるだけだったが、通り抜けた向こうがさっき見た建物の正面だった。建物っていうか、壁?

そして、これもアート作品なのか?

ちょうど14時、入店できた。
「ボンジュール!」
と、店員さんたちが言ってくれる。もう最後のお客みたいで、6人掛けのテーブルに広々と2人で座った。
牛のバラ焼のランチセットを注文し、ビールは飲めないのでリンゴジュースを注文してみた。よし、今度こそ紅玉を。夫はふじ。

紅玉はすごく美味しかった。一口ずつ交換したら、やはりふじは甘い。で、甘い物を飲んだ後に紅玉を飲むと、やはりすっぱい。なるほど。
ランチセットがやってきた。

「サラダはドレッシングが混ざっています。お皿に出してお召し上がりください」
と言われた。瓶に入っているやつ。お皿に出したら人参かな、一つの薄切りされた野菜がハート形だった。思わず食べてしまった。写真に撮れば良かった。サラダとスープが若干洋風か。でも、店構えはビニールハウスのような感じだし、メニューはバラ焼でしょ、なのに入って来た客には「ボンジュール」、帰る客には「ラビアンローズ、バラ色の人生を!」って、店員さんたちが一斉に言うんだけど、何故にフランス風?
あ、バラ焼だから、バラ色の……そういう事なのか?ちなみに、店内に流れているのは90年代のJポップスだった。店長の趣味だな。
バラ焼がやってきた!

肉が山になっている。まずタマネギに火を通し、それから肉を崩すのだそうだ。

タマネギが柔らかくなったので、肉を崩す。

肉に火が通り、水分が無くなるまで炒めるそうだ。

完成。旨い。ご飯に合う。
14時半にこんなに食べて、夕飯は食べられないかも、と思ったものの、そんな事はなかったのでそれほど高カロリーではないかもしれない。
十和田美術館
店を出た。ラビアンローズって言ってもらった。バラ色の人生を!って言われても、リアクションに困る。
さて、すぐ近くにあるはずの十和田美術館だが、美術館の場所は分かっても、駐車場が分からない。美術館の前に戻ってきてもう一度駐車場の矢印を見て進むと、けっこう遠くにあった。
歩いて美術館に戻って来る時に、大きい定規を発見!これもアートでしょ?

と、思ったが、よく見たらそこは消防署。これはアートではなく、訓練用のはしごのめもりだった。

ほらね。
美術館の前の公園には、色々とカラフルなものがある。一番カラフルなものは後ほど。


なんか、あれもあれも、絶対にアートよね。

そして美術館の象徴、フラワー・ホース(チェ・ジョンファ)

アッタ(椿昇)

建物には奈良美智の絵が。左側の壁が夜露死苦ガール2012(奈良美智)、右の絵がオクリア(ポール・モリソン)
ここも白くて、すごく新しい感じの建物だった。入って行くとでっかいおばさん!

スタンディング・ウーマン(ロン・ミュエク)
どんくらい大きいか、人間と一緒に。

でかいでしょ。高さ約4メートルだそう。
建物のあちこちにアートが。

フライングマン・アンド・ハンター(森北伸)

あっちとこっちとそっち(山極満博)

中庭にはりんごの木。今青いリンゴが成っていた。

これはどんなアートか?と思ったら、オノヨーコさんの寄贈品だとか。

こちらは「ザンプランド」(栗林隆)。ザンプランドとはドイツ語で湿地帯という意味だそうだ。天井の真ん中にあるのはこれ。

下から見ると違う世界が広がる、とか。


こちらは「コーズ・アンド・エフェクト」(ソ・ドホ)。タイトルの意味は「因果関係」。人と人が繋がっている。

「デッド・スノー・ワールド・システム」(ボッレ・セートレ)。靴を脱いで上がったが、結局2~3歩進んだだけでそれ以上は入れないと言う。なぜ靴を脱がせた?まあそれはそうと、電子音が鳴り、光があちこちに。SF映画「2001年宇宙の旅」から着想を得た作品だとか。
順路に従っていくと屋上へ出た。だが、何が作品なのか分からない。

とりあえず景色を撮る。

あ、あいついた。「ゴースト・アンノウン・マス」(インゲス・イデー)だって。あ、さっきの街中で見かけた鉄骨のやつ、「商店街の雲」という日高恵理香さんの作品だったらしい。
屋上の床に何か目のようなものがたくさん描いてあったが、屋上から建物内に入ると、そこかしこに同じものが描かれていた。

常設展が終わったようで、チケットを再び見せて特別展に入った。触ったりぶつかったりしないように、という注意を受けたが、すごく細かいものが展示してあった。
丹羽海子「メトロポリス・シリーズ:太陽光処理施設」という作品だが、大きい。どっちが先なのか、施設があって、そこにはたくさんの人がいる、かと思いきやよく見るとコオロギたち。


ずーっとつながった先の方は、水が黒くなっていく。汚い物を浄化しているのか、逆なのか……
展示を見終わり、ミュージアムショップを経て外へ。夫が車に戻って目を閉じていると言うので、私一人で目の前の公園へ。


まずはこの目立つ水玉。皆さんご存じの草間彌生氏の作品「愛はとこしえ十和田でうたう」である。
草間氏は幼少期から幻聴や幻覚に悩まされていたそう。10歳の頃から水玉と網目模様をモチーフに絵を描き始めたのだとか。押しつぶされそうになる精神を保ち、目の前の幻覚を乗り越える為に制作された作品は、楽しさだけでなく強烈な印象も併せ持つ。
そして、気になるかぼちゃの中。

隣には変な家が。ビックリハウスみたい。

入ってみよう。

中は教会っぽい雰囲気。映像が流れており、実際にこのハウスがしゃべっている様子が。中から入り口の方を向いた感じはこちら。

外に出て、隣の車を見たらなんか変。うわ、こいつ溶けてない?

と、思って前から見てみたら顔があるような。笑ってるよね?

これらは「ファット・ハウス」「ファット・カー」と言ってエルヴィン・ヴルム氏の作品であった。
いやー、公園にこんなのがあったら嬉しいね。遊んでいる子供たちもいたけれど、羨ましい。
ワラッセ
時刻は16時。青森市へ帰ろうか。
青森県のガードレールと言っていいかな、それはリンゴの形をしていた。あちこちで見かけた。青と黄色とか、赤もあったかな。カラーバリエーションあり。

青森市に戻ってくると17時過ぎだったので、けっこう車が混んでいる。やはり退勤の時間だから。
さて、夕飯までに時間があるので「ワラッセ」という所に行ってみようと思う。ねぶた祭ミュージアムだ。
カーナビに連れて行ってもらったのだが、昨日横から建物を見て「あれ何かな?」「倉庫かな?」などと話していた建物だった。だってこれだよ、これ。

駐車場に車を停め、中に入ってチケットを買った。ねぶたについて学べるという事で、色々と展示があった。ねぶた祭りは、どういう経緯で始まったのかが分からないそうだ。いつ誰が始めたのか。竿灯まつりなんかも同じ流れなんだとか。

連を組んでそれぞれのねぶたを巡行させるわけだが、会社とか、PTA連合なんかの連もあるらしい。


優勝とかあるみたいだけど、最近の優勝は二人のねぶた師が交互に獲ってる感じ。そのうちの一人が女性だったんだけど、何と女性のねぶた師第一号なんだとか。この方。

そして、この方の作品はこちら。

しかし、ねぶたはぷっくりしていて可愛い感じもする。触ってみたいと思ったら、なんと触っていい展示があった。

ありがとう!紙なんだけど、けっこうしっかりしていてパンパンって感じだった。
そして、お土産を見たら、やっぱりあった、ねぶたTシャツ!買った。1枚はデザインで選んでポロシャツになった。着てくれるかな、息子たち。

夫が自分用に買ったTシャツは、例の女性初のねぶた師の作品の写真だそう。女性だからイケメンだよね、なんて夫は言っていたけれど、そうかな?

せんべい汁
外に出ると暗くなっていた。海がすぐ傍にある。

食事をどこで摂るか、という事で気になる三角形の建物へ行ってみた。

アスパムという物産館だそう。アップルパイが食べたいと思って、ここに売っているのはガイドブックで見て知っていたのだが、入ってみたらもう閉まっていた。ほとんどの店が終わっていた。というか、外観新しいのに、中は何となくノスタルジーを感じる雰囲気なのは何故?
夕飯を食べられる場所が近くにあまりなくて、もっと駅の近くに行く事にした。本当はワラッセのすぐ近くに駅はあるのだけれど、だいぶ遠回りしてしまった。
チェーン店ではない店を探すとあまりなくて、やっと見つけた店が駅のすぐ前にある居酒屋。
店員さん同士、スマホとイヤホンで連絡を取り合っているようだったが、2階へと言われて階段を上ってみても全然店員さんいないし、どうなってるのかな?という感じ。
やっと通されたら、隣の男性グループが、飲み放題の飲み物を注文しているのに全然来ない、と文句を言っていた。注文はQRコードでと書いてあり、夫がやってみたがダメだったようで、店員を読んだら、
「一回目は口頭で、二回目の注文からQRコードで出来ます」
と言われ、夫はちょっと切れ気味だった。そりゃ、そう書いてくれよと言いたくなるだろうが、我慢していた。とりあえず偉い。店員さんは若い人ばかり。そして、お客も。近くの部屋ではハッピーバースデーが歌われ、ものすごく大きい声の男の子が叫んでいて、よくあんな大きな声が出るな、と感心してしまった。隣の男性たちも苦笑。うるさいって言ってきましょうか?とか冗談で話していた。
でも、ああ、ここでは店員も客も若いから、流れている音楽も新しい。やっぱり私は新しい曲の方がいいな。古いのはもう飽きてるから。私の世代では珍しいかもしれないけれど。

ま、とりあえず乾杯。私は飲まないつもりだったが、夫は運転があるからノンアルだし、ここは居酒屋だし、一杯飲みな、と夫に言われて。やっぱりビールは上手い。今日はけっこう汗かいたしね。
そして、いがメンチ(いかのメンチカツ)と八戸せんべい汁を注文した。まあ、今夜はこのくらいで。
待っている間に、さっきショップで買った手ぬぐいを夫が広げた。

津軽弁か。みなさん、あまり話してくれなかったな。隣でしゃべっている人達も標準語だし。リンゴジュース売っていた人はちょっと訛りがあったけど、頑張って標準語を話している感じだったし。
そういえば、東北に来たら味付けが濃いのかな、と思っていたのに全然だった。そうしたら、やはり夫がダーツバーで聞いてきて、最近は変えたのだそうだ。しょっぱいって言われるし、健康志向もあって。しょうゆドバドバかけて食べるのはじいさん達だけだって。

来た、いがメンチ!

お、これ美味しいよ。中身はこんな感じでコロコロとしたイカ。

そして、せんぺい汁2人前。2人前からしか注文できなかった。
これがまた、つゆの味が美味しかった。最初、せんべいはすぐにぐにゃぐにゃになってしまうのでは、と思っていたのだが、逆になかなか柔らかくならなくて、むしろ〆だったかも。でも美味しかった。
せんべいは、南部せんべいみたいなやつだった。麩とは違うみたいだ。麩だったらすぐに汁を吸って柔らかくなるでしょ。材料は同じようなものだろうに。
しかし、念願の郷土料理が食べられて満足である。
そして、車でホテルに帰り、夫は駐車場からそのままダーツバーへ。また、昨日の。好きだねえ。私は忘れずに駐車券をフロントで処理してもらい、部屋に戻ってお風呂に行った。
歯磨きもすっかり終わって日記を書いていたのに、夫がビールの「秋味」のロング缶を買って来た。ダーツバーで飲み放題じゃなかったの?と聞いたら、だって今日二人で乾杯してないじゃんとか何とか。しかも、気になるお菓子を買って来たのだ。これも名物なのか、味噌カレー牛乳ラーメンというのがあるらしいのだが、その味のせんべいだとか。開けてみると、胡麻の南部せんべいの小さいやつで、うーん、食べてみたい。
というわけで、やっぱりビールを飲み、そのせんべいを食べてしまったよね。カレー味のスナックって感じだった。
これで二日目は終わり!明日は最終日。この後のブログで。