長男が、ブラタモリを観て「恐山に行ってみたい」と言ったのと、奈良美智氏を知って「あおもり犬」を見てみたいと思ったのとで、なんだか青森に行ってみたい気分が高まった今年。
夫の夏休みに、どこに行こうかという話になった時、夫は広島に行ってみたいと言った。私は行った事があるが、もう一度行くのはやぶさかではない。だが、暑いだろうから9月になってからの方がいいのでは、と思った。しかし、夫は9月から職場が変わるので、9月に夏休みを取るのは難しいと言う。
じゃ、別々に行く?なんて話にもなったものの、やはり少しでも涼しそうな青森に行く方がいいのでは、という事にまとまった。夫は青森県には行った事があるそうで、奥入瀬渓谷がすごく綺麗だったという記憶があるらしい。だから、私を連れて行きたいそうだ。私が独りで行ったら、なかなか山奥までは行かれそうもないので。
8月21日から3日間、二人で青森県に行く事に決まった。宿の予約をしていたら、JALパックが安いらしいと分かった。大人になってからはANAばかり利用していて、JALはかなり久しぶりだ。結局あまり必要なかったけれどもJALのアプリも入れたりして。青森の旅行雑誌「まっぷる」も買ったりして、準備OK……と思いきや。
JALで出発
京急線羽田空港第1・第2ターミナル駅で降りた。今までANAに乗るために第2ターミナルにはよく行っていたが、JALは第1ターミナルだそうだ。それはどこにあるのだろう、と思っていたら、駅に着いて分かった。
いつも何となく電車の前の方に乗っていて、そのまま流れで第2ターミナルの方へ歩いて行っていたが、第1ターミナルは一番後ろにある階段を上るのだ。まあ、やっぱりと言えばやっぱりだが。
初めてこの階段を上る。あ、エスカレーターね。でも、前も後ろも作りとしては同じような感じ。
第1ターミナルに着いてみると、第2に比べて小ぢんまりとしていた。人もまばら。やはりJALと言えば国際線だから、国内線は少ないという事なのだろうか。私がJALの国内線に乗ったのは、かれこれ35年くらい前だ。帰りだけ飛行機だったので、羽田に帰ってきてモノレールに乗ったはず。まあ、いずれにしても空港自体が35年の間にだいぶ変わっただろう。JALもその間に色々あったよね。
まずは朝ごはんを食べる事に。まだ閉まっている店が多い。選択肢があまりない中で、そばをチョイス。


肉そば。長ネギも乗っているのに、タマネギも入っている。これは牛丼の具だね。牛丼も売っていたから、これはかけそばに牛丼の具を乗せただけだね。美味しいけれど。七味をかけた(下の写真)
食べ終わり、一つエスカレーターを上って出発ロビーへ。
機械でチェックイン手続きをして、それから手荷物を預ける機械へ。ANAとはちょっと違う。でも大方同じか。機械は違うが、チケットのQRコードを読み込ませ、タグが出てくるのでそれをスーツケースに付け、機械に乗せる。よしよし。
後になって、「充電器ダメだったの?」と言う夫。そうだ、私にはメールで注意事項などが来ていたが、それを伝えるのを忘れていた。でも、モバイルバッテリーは持ち込みの手荷物の方に入れると思ったから。
「どうする?」
「ま、大丈夫でしょ」
保安検査を通った。私は日焼け防止用のボレロを着ていた。これ、ボタンもなければポケットもない羽織ものだが、
「ジャケットも脱いでください」
と言われた。そうなのか、そうなのか?これも脱ぐ必要が?まあ、脱ぎますけれども。
いつも保安検査所でもらう黄色い紙が、結局必要なくてなぜこれをもらう?と思っていたのだが、今回は黄色ではないが、この紙が必要だった。それは、搭乗案内のグループがこの紙にしか書いていなかったから。搭乗口もそうだが。ANAはチケットにグループも記載されていたが、JALのチケットには書いてなかったのだ。
時間まで、窓際の椅子で待機。おぉ、JALが並んでいるのを見るのは珍しい。

ここは少し暖かいが、なんだかここまで寒かった。夫は半そで半ズボンなので「ここは暖かい」と言っていた。
無事搭乗して、離陸。羽田から青森までは1時間15分。フライト時間は1時間もないくらい。それにしても、今回窓際は全く取れなかった。日程を決めるのが遅くなったから。因みにこれは小さい飛行機で、横6列の座席しかなかった。
1時間弱のフライトで、離陸と着陸のシートベルト着用時間を除くと、30分くらいか。その間にやはりドリンクサービスがある。JAL特製のジュースがあるそうで、えーと何て言ったかな。ブドウと桃のミックスジュースだったんだけど。スカイダイブ、いや違うか。ん?いいのかな。なんかそんな感じの名前だった気が。

ジュースはそのブドウ&桃とりんごジュースで、りんごジュースは青森に行ってから飲むだろうし、変わっている方を選んだ。味は忘れてしまった。甘かったけれども美味しかったと思う。色は綺麗でしょ、それにしても、カップのJALマークいいな。
そして、ドリンクの撤収後、すぐに着陸態勢へ。あっという間に着いたのだった。
そして、手荷物が出てくるのを待っていて、夫のオレンジ色のスーツケースはすぐに見つけたのだが、私の白いスーツケースは、どれが自分のだか自信が持てなくて……あ、いつも目印のハンカチを結んでいたのに、今日はすっかり忘れていた!一回見逃してしまって、二回り目を二つの白いスーツケースだけが流れていた。その一つが私のだった。そう、忘れ物の一つはこの目印。
それと、今朝家を出て、最寄り駅に着いた時にまた、夫のスーツケースのタイヤが一つ割れた。また、と言うのは、2月に札幌に行った時にも最寄り駅に着いた時にタイヤが割れたのだ。そのスーツケースは直したのだが、もう一つのスーツケースを持ってきていた。古いから仕方ないが……そうなのかな。運び方が荒いのでは?道が凸凹しているからか。でもまあ、私のスーツケースは小さいのにタイヤが大きいし、古いスーツケースはタイヤが小さいのかも。
レンタカーを借りて
空港には駅がない。ここからバスも出ているが、レンタカーを借りる事にしていた。
空港のビルを出てすぐ隣に、4つのレンタカー会社の窓口が入っている建物がある。そこへまずは行くべし。
建物を一度出て、思わず
「涼しい!」
と言った。よその人たちも後ろで、
「涼しいよね」
などと話している。外は晴れ。時刻は11時半すぎ。外に出たら暑いと覚悟していたのに、全然暑くないのだ。
今回はトヨタレンタカーだった。機械であれこれ操作して、それから窓口へ。返す時にガソリンを満タンにするという話や、その際5キロ圏内にはガソリンスタンドがないから、この中のどれかで入れるようにという話、帰りはここが有料道路だから220円かかるという話をされた。
そう、だからこの先小銭の220円は常に財布にあるように、調整し続けるのだった。これ、伏線だから覚えておいて欲しい。
車に乗る前にトイレに行ってきて、外に出るとすぐそこに借りる車と夫がいた。
トランクにはスーツケースが一つしか入らないそうで、私のスーツケースは後部座席の上に置いてあった。まあ、後ろには誰も乗らないのだから問題ない。
さて、カーナビに「青森県立美術館」を設定していざ出発だ。しかし、初めて見る車をいきなり運転するとか、私には無理だな。エンジンどこ?てなるな。
青森県立美術館
空港から12~3分で青森県立美術館に着いた。日陰は涼しいが、日差しは強い。駐車場から帽子を被って美術館の建物へ。

うぉ、なんか広い。敷地が広い。建物が大きく見えないけれど、本当はかなりでかいのではないか。
まずはお昼ご飯だ。周りに何もなかったので、美術館の中のカフェに入る事にした。「4匹の猫」という名前のカフェ。12時過ぎのお昼時だというのに、お客は誰もいない。が、我々のすぐ後に、どんどん人が入って来た。
そういえば、青森には「猫」のついた名前の店がけっこうある。あれ、猫ひろしさんて、青森の人だよね?らっせーらーだもんね?つまり、青森の人は猫が好きなのかな。

窓からの景色。なんだか素敵。あ、ちょっと待って!これ何?

塩・コショウが、電球じゃん!可愛い。ガラスの器で、質感も電球そのもの。これ欲しい。売ってたら買ったな。
そして、ホタテカレー!

美味しかったけど、ホタテ味というかシーフード味のカレーではなく、ビーフカレーかポークカレーにホタテを乗せたような味。そして、貝ひもが噛み切れない……。夫が、
「同じものを頼むのは非効率的だったな。3つも要らない」
と言った。あべ鶏のカレーもあったから、片方がそちらにして、具を半分こずつにした方が良かったかも。
そして、チケットを買いに。この建物は白いわけだが、扉が扉っぽくなくて全部白い。自動ドアなのに扉に見えなくて、素通りしそうになったり。何度も「ここ扉なんだ!」と驚いたよね。
企画展と常設展のセット券を買って入った。言われるまま、順路に従って進んだが、どれが常設でどれが特別だったのか全然分からなかった。でも実は、後から分かった。まず最初に入ったのは「AOMORI GOKAN アートフェス2024後期」のコレクション展だったのだ。
まず最初に入った部屋。

私、企画展が「鴻池朋子展」だと言うから、これらが鴻池さんの作品なのかと思って、シャガールに似てるな、と思ったら、なんとこれは本物のシャガールだった。バレエ「アレコ」の背景画だとか。

最初、車いすの団体さんがいるのかと思ったのだが、気が付いたら誰も座っていない空の車いすがたくさんあった。おや?もしやこれも作品か?
横浜美術館とか書いてあって、一体なんだろう。
次の部屋には早速奈良美智さんの作品が並んでいた。


実は昨日、予習をしておいた。夫は初見の「美の巨人」の奈良美智編の録画を観たのだ。私は一度観ていたが、けっこう前に観たので、また一緒に観た。やはり全然知らない人の絵を見るよりも、テレビで見て、これは素晴らしい、とか何とか予習しておいてから本物を見ると、割と感動するからね。
出たー!あおもり犬。

きゃー、可愛い。大きい。でも、これ近くまで行けないの?
と思ったら、横にチラシが置いてあって、「あおもり犬への行き方」が図解してあった。難しかったけれど。
他にも奈良さんの作品は続く。色々とあるものだ。

最初はにらんだような目をした少女の絵を描いていた奈良さん。最近は少女の表情が変わってきたとか。最近の作品はそれほどなかったけれど、徐々に変わってきたのはよく分かった。
部屋の中に人形などがバラバラに置かれている展示があった。一つの窓から覗いていたら、別の窓から覗いていた女性が声を掛けてきた。

「顔を出したところを撮りましょうか?」
なので、
「いいですねー、お願いします」
と言って、スマホを渡し、撮ってもらった。
そして、私も彼女に写真を撮ってあげると言って、スマホを受け取った。だが、いざ撮ろうとすると窓のところが真っ暗で、顔を出しているのかどうか分かりにくい。で、スマホを見たらびっくり。いつも「写真」とか「ビデオ」などと書いてあるところに、見慣れない漢字が並んでいたのだ。あれ、この女性はもしや中国人だったのか?全然分からなかった。ネイティブジャパニーズだったから。
で、撮ってもらった写真を見たら……やっぱり窓のところ真っ暗で、よーく見ないと人がいるのが分からない代物だった。

さて、奈良美智エリアは終わり、棟方志功エリアへ。何となく、写真NGなのかと思って撮らなかった。誰も撮ってなかったから。でも多分、撮っても良かったんだな。
棟方志功は版画家として有名だが、色々な作品があり、書画もあった。私はあまり、いや全然、書には詳しくないのだが、棟方氏の作品では特に書に惹かれた。とても良かった。端的に言えば部屋に飾りたい感じだった。素敵だった。写真、撮ればよかった。
続いて写真展エリアへ。生誕100年・没後60年 小島一郎リターンズ。だとか。写真がたくさんあった。
昔は、素人の撮る写真と言えば記念写真だったと思う。ハイチーズの。それに対してプロの写真は、動きとか自然現象とか、いつでもシャッターチャンスを狙っていてこそ撮れる写真だった。
でも今、スマホでいつでもどこでも、誰もが写真を撮れるようになってしまうと、素人とプロの境目が曖昧になってくるのではないか。構図の良しあしには違いが出るかもしれない。でも、素人でも絵などをよく見ている人は上手い構図で撮れるのではないか。
なんてことを考えた。
そして、次にやってきたのが企画展の「鴻池朋子展 メディシン・インフラ」だ。

天井から吊るされた動物が回っていたり、人魂みたいなものも飛んでいた。ちょっと怖いぞ。
それから、熊の毛皮に座れた。

なんか回ってるよ。小さく回ったり、激しく回ったりしていた。扇風機を当てていたけれど、それだけでこうなる?

エレベーターに乗ったりあっちこっち行って、今どこにいるのかさっぱり分からない。が、やっと外からあおもり犬が見られるところが分かった。行ってみよう!
やはり外は涼しい。日陰は全く暑くない。素晴らしい。
階段を上って上って、降りて、着いた先には……
いたー、あおもり犬ちゃん。

やっぱり大きい。

背中も撮っちゃったりして。
まだ続く。新しそうなもの。


これ、毒きのこスパゲティ「迷路付き」。迷路なんじゃなくて、迷路付きなんだな。そこが気に入った。
あ、後から「鴻池朋子展」の作品リストを見たら、なんと、あのシャガールの前にあった車いすの謎が解けた!
あの車いすは鴻池さんの作品だったのだ。「車いすアレコバレエ」という作品で、全国18の美術館、棟方志功記念館、青森県立美術館の車いす計27台で構成されているとか。そうか、だから横浜美術館って書いてあったのか。
それから、ベッドがたくさんあった部屋は「眠り」という作品で、黒くてクルクル回っていたのは「竜巻」という作品だった。あと、獣が吊られて回っていた部屋は「肺」という作品だとか。よく分からないで見てしまった。あまりにあちこち回されて。回った順序が間違っていたのかな。車いすの後にそのまま鴻池さんの他の作品の方に行けば良かったのかも。でもなぁ。人が要所要所に立っていたから、間違えそうなら言ってくれると思うのだが。難しい。
けっこう疲れてしまった。でもまだ、一つ見ていないものがある。奈良美智さんのあれ。どっかで写真を見た気がするのだが。
探し回って、やっとその写真を見つけた。階段を下りて行くらしい。外へと。
あった!「森の子」

これで終わりかと思ったが、トイレに行っていたら、一つ見逃したものがあったよ、と夫に言われて見に行ったこれ。

あまりにリアルに作ってある手足。ひえー。


これね、目がパチパチと瞬きするのよー。ぞぞー。でもこれ、誰のなんて作品だったんだろ。私としたことが、確認不足ですまぬ。
ミュージアムショップでは、りんご麩菓子を買った。夫は絵葉書を。本当は、あおもり犬の何かを買いたかった。そっくりな形の貯金箱が売っていたのだが、5500円だったかな、ちょっと買えなかった。もっと小さいものが売っていたら。スノードームのあおもり犬は売り切れ、と書いてあった。買わずとも見てみたかったな、スノードーム。
美術館が思った以上に広かったので、すっかり足が疲れてしまった。お隣に三内丸山遺跡があったのだが、こちらも更に広い所なので、歩く自信がなくて断念。以前佐賀県の吉野ケ里遺跡に行った事があるので、同じようなものかなと……。もちろん、余裕があったら行ってみたかったのだけれど。
ホテルにチェックイン
美術館を出て、ナビをホテルに設定して向かった。
青森駅の近くのホテルを予約してあった。だが、思ったよりも駅から遠かった。これ、車をホテルの駐車場に停めて、また駅近くまで歩くのけっこう大変だな。
都市部にあるホテルに車で訪れるのが初めてで、どんな感じで駐車場があるのか分からなかったのだが、そこはやはり東京とは違う都市。ホテルの隣に普通に駐車場があり、そこに自分で停めてからホテルに入る感じだった。
ほら、都市部から少し離れた大きいホテルなんかだと、ホテルの入り口の前で車を降り、キーをホテルマンに渡して、車はホテルマンが駐車場に運んでくれたりするでしょ。ああ、都心の大きなホテルもそうかな?そんなところに車でなくとも泊まる事がないのでよく知らんけど。それと、山間部などのホテルだと、敷地内に駐車場があるから迷う事もなくそこに停めるわけだが。
チェックインをして、駐車場代は1泊500円ということで、2泊分の1000円を支払った。やはり都市部なので、駐車場には駐車券が存在していて、それをフロントで処理してもらった。駐車場に出入りするたびに、フロントで処理をしてもらうという事だった。
やはり青森らしく、こんな飾りも。

部屋はツインで。ダブルは絶対にお断り。

カーテンが閉めてあったが、開けようものなら西日が入ってきてものすごく暑いのだった。そう、後で忘れそうだから今書くが、二日目に部屋を出る時にカーテンを閉めるのを忘れてしまった。幸い二日目はあまり天気が良くなくて曇っていたのが幸いだった。
今、どこでもそうなのだろうが、今回も連泊する際のお掃除、ベッドメイクは無しだった。お願いすればやってくれるが、地球環境保全活動の為に、基本無しなのだそうだ。散らかしたまま出かけられるから、こちらもその方が良い。ミネラルウォーターをくれるし。タオルと歯ブラシは新しいのをドアノブに掛けてくれるそうだ。
夕食
さて、車を置いたままホテルを出て、夕飯に繰り出した。ガイドブックで見つけた「六兵衛」というお店に行こうと思い、先ほど車から探しておいたのだった。
今回日傘を持ってこなかったので、長そでで対処。前から来る西日が強烈で、何とか日陰はないかと、道を選びながら歩いていて、ちょっと迷子になりそうだった。
途中、洋服が売っているお店があって、店頭に出ていたのがバーンとねぶた柄。うおー、これ欲しい。息子たちに買うべし。帰る時、やってるかな。
六兵衛の看板を車から見たのに、日陰を求めてあちこち歩いたもので、ちょっと見失ったが何とか17時1分くらいに着いた。このお店は17時開店なのだ。
店は地下だった。階段を下りて行くと店内はかなり暗かった。入り口で「二人」と告げると、
「すみません、今日は予約でいっぱいで」
と、入店を断られてしまった。うそ、マジ?平日なのに?こりゃ困った。
じゃあ、どこへ行こう。他に郷土料理が食べられそうなお店で、ガイドブックに載っていたのが「おさない」というお食事処。青森駅のすぐ近くだった。
それにしても、ひときわ大きい建物が県庁だったり、ひときわ派でな建物が市役所だったりして、驚きだった。都庁は大きいけれど、埼玉県庁とかは地味だし大きくもないし。大体公営のものは地味で古いというイメージだったから。


「おさない」を見つけた。入ったら、ギリギリ席に座れた。大きいテーブルを二人で占有しちゃって申し訳ないが、隣のテーブルもそうだった。
おばちゃんがホールを一手に切り盛りしていた。驚いた事がいくつか。まず、満席状態の時にお客が来ると、断ってしまう。待たせるという概念がない。明日の予約できますか、と聞かれて予約は受けてないと断っていた。
それから、客がいなくなっても全然食器を片付けない。そして、どんどん客が去って行き、我々より先に来た客は皆帰ってしまったが、片づけもしないし、新たに客も来ない。つまり、一回転で終わり。うそ、それでいいの?さっき三組くらいの客を断ったけど、20分か30分待ってもらえば入れたのに。
後から知ったのは、このお店はお昼に行列ができるらしい。お刺身が有名なのかな?それで、注文を取る時にお刺身はほとんどない、と断っていたわけか。昼に売り切れてしまって。しかも後でガイドブックを見たら、朝もやっていて、夜は16時から19時までだった。なるほど、我々が店を出る頃には終わりだったのか。片づけもそれからなのね。
さて、我々は今日、刺身を食べに来たのではない。青森の郷土料理を食べに来たのだ。
私が一番に狙っていたのが貝焼味噌。でも、他は狙っていたものがなく、砂肝、塩サバ、とんトロなんかを注文。そして、お酒は「田酒(でんしゅ)」を。


貝焼味噌は、角切りのホタテが入っていた。思ったよりも卵とじっぽくて、優しいお味だった。もっと味噌が焦げているようなしょっぱい感じかと思ったのだが。

後で、横に「りんご餃子」の写真付きメニューが貼ってあるのに気づいた。後ろの席のサラリーマンたちがそれを注文していて、気になる。注文すれば良かったと後悔したのだが、やっぱり後から注文した。

りんご餃子ともずくを頼んだのだが、なかなか来なかった。時の流れがゆっくりなんだなー、と言いながらゆっくり飲んでいた。そうしたらおばちゃんが、
「お待たせしてごめんなさいね」
と言って持ってきてくれた。もずくがたっぷり。
「お待たせしちゃったから、サービス」
と、おばちゃん。さすが、多くても困らないヘルシーなものをサービスしてくれるとは。
りんご餃子は美味しかった。でも、りんごと言うよりもハーブのような香りがした。夫は「りんごだよ」と言っていたけれど。いずれにしても美味しい餃子であった。
それから、りんごサワーも飲んでみた。餃子を待っている間に飲んでいた。ちゃんとりんごの味がした。香料とかじゃなくて。でもこれ、多分普通のサワーよりもアルコール度数が高かったんじゃないか。

だって、店を出る頃にはへべれけだったもの。
夜道
夫はダーツバーに寄ってから帰るという。私は、出来ればさっき通って来たTシャツのお店に寄ってから帰りたかった。帰る前に駅でトイレに行って、夫と別れた。
かなり曲がったりしてしまったから、お店が見つけられる自信はあまりなかった。でも、ちょっと探してみるつもりだった。ところが、飲み過ぎているからね、すぐにトイレに行きたくなってしまった。
しかも、なんかホテルに近づくにつれ人も車もいなくて……。もう、超スピードでホテルに戻るしかない。


やった、ホテルに着いた!

酔っているけれど、お風呂に入り、日記を書いた。そうそう、子供が旅行に行く時などに口を酸っぱくして「洗濯物を入れるビニール袋持った?」と聞くというのに、今回私がそれを忘れてしまった。ただ、スーツケースの中に何にでも使えるようにと大きいビニールのゴミ袋が入れてあったので、今回はそれに洗濯物を入れる事に。大きすぎるのだが。これが二つ目の忘れ物。まあ、忘れ物はそのくらいかな。
酔いは覚めてきたものの、頭が痛くなってきて……。ベッドでゴロゴロしていたら、夫が帰ってきて、なんと氷結を買ってきて、
「間違ってロング缶買っちゃった。一緒に飲もう」
と言ってコップを二つ持ってくる。ダメダメ、絶対飲みません。夫は、ダーツバーで色々と地元話を聞いてきたそうだ。さっきの「おさない」の話もね。私はその後寝ようとしても寝られない状態だったが、夫が飲み終わり、電気が消され、いびきが聞こえてきた頃、眠ったようだった。
そして、目が覚めたのは約6時間後だった。良く寝たなぁ。こんなによそで眠れるなんて珍しい。
さて、二日目は次のブログで!