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【読書感想文】アンデシュ・ハンセン「運動脳・BRAIN」を読んで

夫から勧められた本。「ひたすら”運動すると脳に良い”という事が書いてあるだけの本」だと言われた。

実際読んでみたら、ある意味その通りだった。でも、私の感想はちょっと違った。

あらすじ

簡単に、この本には何が書いてあるのかを示そう。

運動すると、どんな風に良い事があるのか。

・ストレスに強くなる
・集中力を高める
・意欲が沸く
・記憶力が高まる
・創造性が高まる(アイディアが沸く)
・学力を伸ばす
・老化をストップさせる

だそうだ。

それを、科学的に示している。運動すると脳の中で何が起きるのか、その結果どうなるのか。数々の実験結果と共に示してある。

信じられる?

科学的プロレセスや、実験結果が示されているので、嘘だー、とは思わない。

しかし、何度も「運動するだけで!」と強調されると……ちょっと胡散臭い気がしてしまう。

だが、当然読者が感じる疑問ーそんなに良い事なら、既にみんなが知っているはずじゃないかーには、ちゃんと答えも用意してある(繰り返し述べられている)。

それは、経済的な理由だ。何かに効く薬なら、それを売れば儲かる。だから、製薬会社が大々的に宣伝する。だが、運動するだけでは、誰も儲からない。よって、誰も宣伝しなかったからというのが理由らしい。

私も序盤は、面白いと思いながらも眉に唾をつけながら読んでいた。けれども、読み進めていくうちに、これは子供たちにも読ませなければならないと思った。それに、絶対に運動はしないといけないと強く思うに至った。

たったこれだけで

これをするだけでたったこれだけで、という謳い文句はちょっと怪しい。詐欺メールとか、闇バイトの勧誘の文句にもなりそうな。

この本で進められる運動は、この類だ。

ほんの20分程度ランニングをするだけ。しかも週に3回程でいい。もしくは、ウォーキングを週に5回、30分くらいするだけでいい。そんな風に言われている。だが、すぐには効果が出ない場合が多いので、半年くらいは続けないといけない。

さて、それではどうして運動すると脳に良いのか。

それは、簡単に言うと、体を動かすとドーパミンだとか何だとかの物質が多く出て、脳に栄養を与えるのだ。そして、それが繰り返されると海馬が大きくなるなど、脳の萎縮を防ぐどころか大きくなるのだとか。

うつ状態になる時には、脳のある部分が委縮していると言う。運動によってそれは防げるし、回復も期待できるそうだ。心を制御する力も、体を動かす事で強まる。

というのも、脳は動くもの(動物)にしかない。植物にはないのだ。脳は元々、体を移動させる為に出来たものだそうだ。だから、体を動かさなければ、脳は本来の役割を果たしていない事になる。体を動かせば、脳も正常に動くというわけだ。

勉強ができる人は運動もできる?

この本によると、運動をよくする子供と、しない子供を比べると、統計的に運動をよくする子の方が、学力も高いそうだ。

昔からよく、運動部の子の方が、受験の時には集中力を発揮してよい結果が得られる、などと言われる。

つまりこれが、この本の言っている事なのだ。長期的に運動をしていた子は、脳の働きが良いので、集中力や思考力が高い。よって、いざ勉強をすると効率よく学力が上がるという事なのだ。

この本にはまた、例えば双子などの、他の条件がほぼ同じ二人を比べて、運動をよくする子、出来る子の方が勉強もできると言っている。だが、私の体験ではちょっと違う。

確かに、最近の小・中学生などは、運動のできる子は運動もできると言う。子供たちも口をそろえてそう言う。それが、この本に書かれている事と一致するのだが、私が子供の頃の一般常識はそうではなかった。

運動の人か、勉強の人か、大抵どちらかに分けられるものだった。

サッカーが上手な子の中に、もちろん少数の頭の良い子はいたけれど、大半は勉強が苦手な子だった。勉強ができる子の中にも、多少運動もできるすごい人はいたけれど、大半は運動が苦手なガリ勉タイプだった。

私の兄弟もそうだ。とくに私と妹の姉妹の間では。妹は外で遊ぶタイプで、私は家の中で遊ぶタイプだった。妹はよく体を動かし、足もすごく速かった。ただ、勉強はあまり得意ではなかった。私はいつもじっとしているタイプだったが、勉強は得意だった。私と妹を比べての話だが。

それがあるので、どうも納得できない部分はあった。でも、妹も高校からは勉強ができるようになったような気もするし、私は苦手なりにも運動部に入って、中一の頃には毎日外周(学校の周りを走る)をしていた。そういえば、一番記憶力が良かったのは中学2年生の頃だったが、つまりそういう事なのか?

と言う事は、私が子供の頃にもっと体をよく動かしていたら。高校の時にも毎日ランニングをしていたら、もっと頭が良かったのか?そうかもしれない。勿体ない事をした。高校の時、なかなか覚えられなかった英単語や世界史の用語も、運動をもっとしていれば覚えられたのかも。この本によれば、そういった英単語なども歩きながら覚えた方が、座って覚えるよりも早く覚えられるそうだ。

今後はもっと重要

過ぎた事は仕方がない。もしかしたら、もっと運動はすべきだったかもしれないが、もう遅い

とりあえず、まあまあの人生をここまで歩んできたのだ。それよりも、これ以上脳を衰えさせない事が重要だ。衰えもそうだが、うつ状態などになるのも避けたいし、認知症になるのも避けたい。

運動を生活の中に組み入れるのは、そう簡単な事ではない。私は毎晩、家の中でステップを使った運動をしているが、これが12~3分と言ったところなのだ。20分やる方がいいが、あまりやると膝が痛くなってしまう。難しい問題だ。

外をゆっくり走ったり、早歩きでウォーキングするのが最も良いと思われるが、それを生活の中に取り入れようとすると、色々と変えなければならない。汗をかいてしまうだろうから、いつでもひょいっという訳にもいかない。

でもとにかく、やれるだけは運動しないといけない。そう思わせてくれる本だった。確かにちょっと胡散臭さも漂うが、科学的な話には納得がいく。現代人はみな、この本を読んだ方がいい。そうすれば、認知症寝たきりになる老人が減るだろう。

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