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【連載小説】地球を守れ-Save The Earth-第14話 チョコレート事件

 ある日のレッスン場での事だ。碧央が入ってきて、荷物を置き、トイレに行った。碧央は近くのコンビニでお菓子を買って持って来ていた。リュックの横に置いてあったアーモンドチョコレートを見つけた篤が、その箱を取り、
篤:「なあ、これ食べちゃおうぜ。」
小声でそう言って、箱を開けた。みんなは面白がって争うように1個ずつ取り、口に入れた。そして、箱を元に戻した。中身は空っぽである。なんと、6個入りだったのだ。
 碧央が戻ってきて、アーモンドチョコレートの箱を手に取った時、異変に気付いた。軽いので当然気づく。
碧央:「あれ?何だこれ?あ、空っぽじゃん。」
中を確認した碧央は、周りを見渡した。メンバーは素知らぬ顔ですましている。
碧央:「ねえ、これ誰か食べた?」
碧央がみんなに話しかけると、近くにいた篤が、
篤:「何の事?」
と、とぼけて答えた。
碧央:「アーモンドチョコだよ。誰が食べたの?」
篤:「アーモンドチョコ?知らないなあ。」
碧央:「嘘つくなよ!買った時はちゃんと入ってたんだからな!誰も見てないって事はないだろ?!」
碧央は、だんだん声が大きくなっていった。すると、流星が我慢できなくなって噴き出した。
流星:「ごめんごめん、みんなでいただいた。」
すると、碧央は流星のところへ飛んで行って、胸倉を掴んだ。
篤:「おい、辞めろよ。やろうって言ったのは俺だよ。」
篤がそう言って止めに入ると、碧央は突然篤の顔を殴った。
光輝:「ちょっと、碧央!殴る事ないじゃん!」
瑠偉:「碧央くん、ごめんなさい、みんなふざけてたんだよ、買って返すから、怒らないで!」
光輝と瑠偉が必死に止めにかかった。
碧央:「チョコはどうでもいいんだよ!騙されたのが許せないんだ!」
碧央は篤に殴りかかるのはやめたが、まだ怒りが収まらないといった風に篤を睨んでいる。
碧央:「俺、もうSTEを辞めるよ。全員で俺を騙すようなところには居られないから。」
そう言うと、碧央はレッスン場を飛び出して行ってしまった。
瑠偉:「ど、どうしよう。追いかけた方がいいよね?」
瑠偉はそう言ってメンバーを見渡した。みな、一瞬黙る。瑠偉はやはり飛び出して行った。
大樹:「まずかったんじゃないか?1個取るくらいならまだしも、全部無くなっちゃったんだから。」
涼:「いや、全部でも1個でも、しらばっくれたのがいけなかったんだよ。もう少し早くにごめんって言えば、笑って済んだのに。」
流星:「そうだな。」
篤:「・・・悪ふざけが過ぎたよ。」
流星:「お互い、慣れ過ぎたかな。」
そこへ、瑠偉が碧央を引っ張って戻って来た。碧央の手にはさっきと同じアーモンドチョコレートの箱が握られていた。
光輝:「碧央!さっきはごめん。今、みんなで反省してたんだよ。」
篤:「碧央・・・ごめん。」
篤が謝ると、碧央は顔を上げた。
碧央:「篤くん、さっきは殴ってごめんなさい。」
瑠偉:「碧央くん、辞めるなんて嘘だよね?チョコ、買ってあげたんだから、考え直してよ。」
大樹:「瑠偉が買ったのか・・・。」
流星「碧央、俺たち、お互いに慣れてきて、あれだな。親しき中にも礼儀ありって事を忘れてきていたと思う。ここで、俺から提案なんだけどさ。俺たちSTEメンバーは、絶対にお互いを騙さない、裏切らないって誓おうよ。どうかな、みんな。」
涼:「賛成ー!」
大樹:「そんな事、簡単に言ったって、意味ないんじゃない?誓うって言ったって信じられるのか?」
碧央:「今度騙したら、本当に抜けるからな。」
瑠偉:「碧央くん、じゃあ、辞めないんだね!」
瑠偉ははしゃいで碧央の背中に飛び乗った。
碧央:「この先、何があっても、たとえ誰かに頼まれたとしても、このメンバーを騙したり、欺いたりしない。みんなで誓うなら、俺はみんなを信じる。」
篤:「俺は誓う。軽い悪ふざけでも、騙すような事はしない。だから、これからは俺を信じてくれるか?碧央。」
篤はそう言うと、碧央の方へ右手を差し出した。碧央は1つため息をつくと、瑠偉をおんぶしたまま、右手を差し出し、篤と握手をした。そして、篤と碧央はお互いにニヤっと笑った。
光輝:「あー良かった、仲直りして。僕も誓うし、みんなを信じるよ。」
瑠偉:「俺も!」
大樹:「俺も。」
流星:「よし!全員誓ったな。STEの再出発だ!円陣を組もう!」
碧央:「大げさだなぁ。」
それでも、碧央も加わって、7人で円陣を組んだ。
流星:「よっしゃー、これからも7人で走るぞ!」
メンバー:「おう!」

エルセーヌの大幅減量