アパホテルの枕は、2つを上手く組み合わせて坂にする事ができ、やっと眠れた。
夜中の2時半と5時半に呼吸困難で起きてしまい、苦しそうにしているから夫の事も起こしてしまった。5時半の時点で、3時間眠れたからもう眠らなくていいと思ったのに、ベッドが気持ちよくてすーっと眠りに落ちてしまい、また咳で7時半頃に目が覚めるまで眠れた。お腹の方も良くなったみたいだ。
今日は平和記念公園などへ行く予定だ。9時半頃にホテルをチェックアウトし、路面電車に乗った。

路面電車はけっこう難しかった。一つの駅なのに、何と言うか、思ったよりも離れた所にそれぞれの方面の乗り場があって、地図を調べても書いていないしで迷った。
まずスーツケースをコインロッカーに入れよう。帰りは空港へ向かうリムジンバスに乗るのだが、その乗り場である広島バスセンターにコインロッカーがあるらしい。平和記念公園の少し手前にそのバスセンターはある。
無事にバスセンターを見つけてコインロッカーにスーツケースを収め、平和記念公園へと向かった。
公園はすぐそこにあるのだが、最初に平和記念資料館へ行こうと思い、進んで行ったらなんと90度間違えた。ひろしま美術館の前まで来て、その事に気づいた。
Googleマップのナビを使って引き返したが、なんだか変な所を通らされた。建物の中を通るように言って来るから、建物のインフォメーションの人に聞いたりして。
なんだかあまりにも複雑で遠いので、平和記念資料館を目指すのを止め、見えている原爆ドームから行く事にした。手前になんかすごいのがある。

折り鶴タワーだ。そういえばガイドブックで見たな。
平和記念公園
そして出た、原爆ドーム。


修学旅行の時にも見たはずだが、どこから見たのかさえ思い出せない。もっと広い所だったような気がするのだが。
外国人観光客ばかり、大勢いた。集団でガイドの話を聞いている人たちもいた。アトミックボムがどうのこうの、と英語で話しているのが聞こえた。

内部もガラガラと崩れているのが見える。長い年月の間に、自然と朽ちたのならカッコいい廃墟だが、これが一瞬のうちにこうなったのだと思うと暗い気持ちになる。

だが、そんな暗い歴史の資料の前で、にっこり笑って楽しそうに記念撮影をしている外国人観光客を見ると、やっぱりあまり分かっていないのかなと思ってしまう。ここに来れた事が嬉しいのはいいのだが、なんか、違う気がするのだ。
そんな事を想いながら橋を渡ると、遠くに原爆ドームが見えるので、やはり外国人カップルが自分たちを入れて写真を撮っていた。そうしたら夫が、私をそこに立たせ、写真を撮ってくれると言う。

うーん、まあ、目の前じゃないからいいか。それで、結局二人で自撮りまでしてしまった。楽しそうに。なんか、すんません。

↑原爆の子の像


そして、周りには千羽鶴。全部鶴で出来ているなんてすごい。

とても良い天気だ。


この前でも記念写真をお互いに撮っている外国人観光客がいて、なかなか正面から写真を撮る事が出来なかった。もう斜めでもいいや、と思って撮ったのがこの写真↑。しかし、まるで8月6日にでも来たかのような日差しの暑さだ。
平和記念資料館
そして平和記念資料館へ。建物の1階にカフェがあり、チケットを買う前にまずここで休憩。
夫は朝ごはんにうどんを食べに行ってきて、戻ってきてお好み焼きも食べたので、これはお昼が遅くなる予感。ということで、私はここでおやつを食べておこうと思った。10時半頃だ。

暑かったのでアイスでも。

焦がしキャラメルを選んだ。ジェラードはあまり甘くなく、さっぱりしていた。カップにしたのでコーンやワッフルはなしだが、しゃもじ型の甘いおせんべいが付いていて、これも美味しかった。
それにしても、外があまりに暑く、服も髪の毛も汗でびっしょり。そこへ建物のクーラーで冷やされて寒い。日焼け防止の長袖を脱ぎ、寒さ防止の長袖パーカーを着た。
まずは本館。8月6日の広島ゾーン。パノラマ写真が広がる。



自然と涙がこみ上げる。
次は被爆者ゾーン。被爆者の遺留品がたくさん展示してあった。見た事のある物も多い。そして、人が多い。あまりに詰まってしまうので、ちょっと飛ばしながら。そうやってじっくり見てくれるのは嬉しいと思う。ここは、外国人も多いが日本人もけっこういる。若いカップルもいるし、お子さん連れの家族も。
続いて東館へ。今度はパネルなどが並び、よく見る資料館っぽい。原子爆弾を科学的に説明したり、当時の歴史を淡々と展示していた。



一方で、こんな展示も。これが、一瞬にしてこういなったよ、という展示。触ってもいいらしい。
興味深い資料もあった。割と知らない事もあったし。本館では遺留品で感情を揺さぶり、東館では事実を淡々と述べるという趣向か。そして、原子爆弾を決して使ってはいけない、世界からなくすべきだ、という事を訴えかけている。
汁なし担々麺
さて12時半になった。そろそろお昼を食べに移動しよう。
そして、雑誌に載っていて近くにあった汁なし担々麺のお店へ。夫はひょこひょこ歩いていて遅い。足が痛いなら痛み止めを飲めばと言ったら、痛くないように歩くべきだから飲まないのだとか。私は腰の痛み止めをさっき飲んだ。けっこう旅行中に何度も飲んでいる。だから何とか歩けている。腰ね、一度家で咳き込んで飛び起きた時に痛めてしまってね……情けない。
汁なし担々麺も広島名物だそうだ。
辛さが1から4まであって、辛いと咳が出ちゃうから1にしようかと思ったら、食券を買う機械に「基本は2」と書いてあり、1は辛いのが苦手な人だそうなので、やっぱり2にした。

けっこう辛かったし、お腹いっぱいになった。日本そばみたいに硬めの麺だった。ショウガや山椒が効いている。
美味しい食べ方のところに、最後にライスを入れるといいと書いてあり、夫がライスを追加で注文しようとしたら「ライスは売り切れです」と言われてしまった。時間が遅かったからな。今、米は余る程ないという事かな。
雨雲接近の知らせがスマホに届いた。外に出たら確かに今にも降り出しそうな空。私が広島城に行きたいと言うと、夫は嫌そうだったが、他に行きたい所もないようで、とにかくタクシーで行こうと言ってタクシーを捕まえた。歩いてすぐなんだけどね。いや、今の我々にはすぐではないが。足が疲れて……
広島城
タクシーだと、本当に階段の前まで行ってくれて、素晴らしい。少し階段を上り、トイレがあったので入って出たら、とうとう雨が降り出した。

雨に降られている広島城↑
更にこの階段を上って入口まで行くと、夫は中に入らないと言う。最初からお城に登る気はなかったようだ。足が痛いからね。確かに、お城というのは階段があったり坂があったりしてしんどいのだ。前回万博のボランティアをやった帰りに彦根城に寄って、しまったと思ったものだが。それでもやはり、その地域にある城には行ってみたいのだ。どうしても。
私一人で登城した。もとい、入場した。夫はどこかでお茶すると言っていたが、土砂降りだったので、すぐ近くで雨宿りしていたそうだ。すごい雨だった。
広島城は、靴のままで入る。そして、なんかすごく展示がたくさんあるお城だった。明るいし、ものすごい数の扇風機や送風機が稼働していた。が、冷房は効いてなかった。エアコンみたいなものを見かけたが、作動させていないのか、作動させていても開けっぱなしだし木造の建物だからほとんど効かないのか。上着を脱いで半袖でちょうどいいと思いながら巡った。

模型は好き。

そしてひこにゃん風のキャラクター。この前に兜や何やら着る物もあって、それを着用して写真を撮ってもらえるサービスもやっていた。
1階上がるごとにテーマが変わっていく。最初は広島城が作られた経緯とか、毛利家の話で、次が出土した茶碗や色々な道具があったり、後はなんだっけな。そう、日本刀の展示。鍔(つば)の展示とか。色々な趣味の人に対応すべく、という感じ?
私が興味を持ったのは、広島城が原爆で焼失し、その後2度の建て替えが行われたなどという写真。




最初はパビリオンとして作られたけど、それを壊して、またちゃんと天守閣を作ったんだね。やっぱり、街のシンボルであるお城は、無くなったら寂しいよね。復興のシンボルになるのだろう。
こんな物も。

肝心の刀の写真を撮っていないバカ。この下にガラスケースがあり、刀が入っていて、丸い穴から手を入れて柄(つか)を握れる。そして、ちょっとだけ持ち上げられるようになっていた。つまりガチガチにつながっていて、取り出せたりはしないのだ。
刀の重さ、知りたくなって握ってみた。ふむ、片手だと持ち上げて振り回すのは無理だが、両手で持てば振り回す事も可能だなと思った。
さあ、やっと最上階。5階かな。途端に風が強く吹き抜けていて寒いくらいだった。雨は止んでいて助かった。



金網で囲われてしまっているが、カメラのレンズを出して撮影すると、こんな感じ。それほど高い所からではないが、遠くに山が見えるし、近くのお堀も美しい。
さて降りよう。階段は急でもないし、やはり新しく作られた物なのでしっかりしていて安心感がある。
やっぱり外国人観光客ばっかりだったな。
夫に合流すると伝えたら、天守閣の周りにも色々あるみたいだがいいのかと、絵図が送られてきた。ああ、私も紙のガイドブックを持っているから見ようかな。
と、思ったのだが、もう外に出ていた。外には所々ベンチもあるのだが、雨でびしょぬれ。水たまりも広がっていて、普通に歩けないくらいだ。ガイドブックを広げられない。そもそも、濡れてしまった晴雨兼用傘を差して乾かしたいから手に持っていた。スマホで写真を撮るのもままならないのに、その上ガイドブックを広げる余裕などない。
ということで、ちょっと門の写真を撮り、これでいいだろうと……。


はい、終了。でも、広島城は木で出来ていてカッコいい城だった。あれ?新しいのに木造か?いやいや、中の感じは鉄筋コンクリートだぞ。外側を元々の城に寄せたのかな。
夫が夕べ一人で飲み屋に行って聞いてきた「せんじ揚げ」というお土産を探すと言うので、私は気になっていた折り鶴タワーに行ってみる事にした。バスセンターにも近いしちょうどいい。
折り鶴タワー1階
Googleマップにナビをお願いして、地下道を通ったり色々して、無事に行けた。でも、入り口が分からなくて一周して、戻ったよね(笑)いつも通りの私。
中に入り、入場料を見てびっくり。展望台へ上るという感じで、一日大人2200円とな。ちょっとだけ覗いてみようと思っていたので、ちょっとそれは……高い。今高い所上って来たばっかりだし。中は色々遊べるみたいだが、ガイドブックでちらりと見た感じでは、子供を遊ばせたり、若い子がお友達同士でわいわい遊ぶ感じの所のようで。
ふと横を見れば、1階はお土産売り場。今まであまり見かけなかったお酒が前面にある。うん、もう最後だし、この後空港で飲むのもいいかも。その為のお酒とおつまみを買おうかな。
ということで、買い物になると元気になってしまうチョコナッツ。夫にも酒などを買うと連絡し、早速物色。

そこへ、試食販売のおばちゃんにつかまり、1800円するカキの干物的な物をつかまされた(笑)いやあ、広島のカキは美味しいのよ。もっとたくさん入っているように見えたので、買ってしまった。
その後夫に、バスセンターの近くで座れるところを探しておく、と言っておきながら、すぐ近くなのにバスセンターの場所が分からなくてウロウロと戻ったりして迷いまくり、Googleマップにも騙され、ようやく見つけてバスセンターに入って行くと、夫がとっくに座っていたのだった。
広島空港
リムジンバスに乗り、広島空港へ。リムジンバスは乗り心地がいい。最初はウトウトしていたが、そうだ今だ、と思って日記帳を出し、今日の日記を書いた。もちろんこの後の事は後で書き足したけどね。
広島空港には、実はけっこう早く着いた。元々夕方5時のバスに乗ろうと予定していたが、3時50分のバスに乗って来たのだ。7時のフライトなのに5時に到着。羽田に比べたら空港内の移動も少なく、1時間前に着いても早すぎるくらいなのにね。
しかし、またお土産屋があったので物色する我ら。夫もビールを買い、誰もいないテーブルと椅子があったので(カフェが営業時間外だった)そこで酒盛り。

あー、やっと飲める。途中で飲むとバテて動けなくなると思って飲めなかったが、もう帰るだけだからいいだろう。それに、どうやら酒を飲んで体が温まると、咳や痰の調子が良い。まだ寝る前に飲むとどうなるかは分からず心配なのだが、今から飲んでも寝るまでには冷めるだろう。
せんじ揚げは豚もつを揚げたものらしい。思ったよりもしんなりで、硬い。レンコンチップスで野菜。もみじ饅頭のパンプキン味は今は食べない。レンコンチップスは美味しかったし、長男が好きそうなので最後にまた近くのお土産屋で買って来た。あと海苔のやつも。そうして、ずいぶんお土産を買って、そろそろ保安検査所へ。あ、写真撮っておこう。

乗ったのはANA。お隣がJAL。
そして、実は広島の至る所で売っていた生ガキちゃん、私が可愛いと言いながら買わなかったので、夫が空港のガチャガチャで密かに入手していてくれた。


可愛いなー。入れ物が貝だよーと夫が興奮気味に言ったが、カキの貝殻はこういうのじゃないし、本体は自立するのにカプセルは自立しないので、飾るのは本体だけで。
さて、今回の旅行はここまで。もっと広島に時間がとれれば、ディープな場所を巡ったり、もっと街を歩けたのだろうが、今回は1泊だったので本当にオーソドックスな観光になってしまった。
それにしても、今回は自分が具合が悪かったものだから、一人だったら無理だった、家族と一緒で良かったとすごく思ってしまった。一人旅も楽しいけれど、たまに離れたりしながら誰かと一緒に旅をするのもやっぱりいいね。
夫はともかく、子供たちとはまた一緒に旅行できるかな。ついこの間、写真を見ていたらまだ1週間も経っていないくらいだったのに急激に懐かしくなってしまって、泣きたくなった。何しろこの3年半、子供たちとは一緒に旅行していなかったのだ。またいつ出来るかと思ったらもう。またしよう。来年もしよう。出来るか分からないけれど、出来るように図ろう。諮ろう。
最後までお付き合いいただき、ありがとう!それではまた。