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ルノワールXセザンヌ~モダンを拓いた2人の巨匠@三菱一号館美術館

最近雨続き。しかも風が強い。あと1~2日で晴れるみたいだが、むしろ雨の中行った方が空いているかも……。

ということで、雨の中行く事にした。梅雨明け前の7月16日である。三菱一号館美術館は、東京駅から地下道で繋がっていて、傘を差さずに入れるという事なので、家から最寄り駅まであまり雨風が強くない時に行けば、あとは大丈夫だ。

幸い、午後にはほとんど雨が止んでいた。時々降るので傘やレインブーツは準備するが、服がびしょ濡れになるのは免れた。

東京駅に着いて、地下道を歩いた。三菱一号館美術館のホームページの「アクセス」のところを見ながら行ったのだが、けっこう難しかった。やはり地下道というのは方向が分からなくて迷いがちだな。

それでも、何とか行けた。看板が出てきた。けっこう遠かったとだけ言っておこう。

入り口はこんな感じ↑

エスカレーターで1つ上がると目の前にスタバが。飲食店が色々あって、会社員と思われる男女がたくさんいた。左へ行くと看板があった。奥にもあるね。

今日私がやってきたのは、この「ルノワールXセザンヌ展」だ。奥へ進んでいくとエレベーターで上がるようにと書いてあり、地上へ上がると人がいて、

「美術館に入られますか?」

と聞かれた。入るなら傘を傘立てに入れてねと。大きい荷物のある人はロッカーに入れるように言われる。

以前にも来たこの三菱一号館美術館は、かなり古いと思われるレトロモダンな建物で、展示室の移動中には素敵な階段を下りるのだ。

今日、私はチケットを既にウエブで買ってきていたが、セット券なので窓口で引き換えてと言われた。引き換えたのがこちら↓

10月から西洋美術館で開催される印象派展とのセット券だ。4200円だった。印象派展の前売り券は2100円だが、このルノワールXセザンヌ展の当日券は2500円なので、今から両方行こうと思ったら400円お得になるのだ。このセット券には数に限りがある、なんて書いてあったから慌てて買ってしまったが、今からでも買えるようなので、興味のある方は是非。

さて、チケットを引き換えたら(紙のチケットを失くさないようにしまって)エレベーターへ。早速展示室へと行ってみよう。

展示室の入り口のガラス戸に、マークと注意書きが書いてあった。カメラマーク斜め線が引かれているマークがあった。写真撮影はダメなのかと思ったが、文字の方を読んでみると、フラッシュはダメ、動画はダメ、と書いてあるだけだった。

展示室に入ると、パシャ、パシャっとシャッターを切る音がしていた。写真OKなのか。監視員の人もいるが、注意しないという事は大丈夫なのだろう。

それにしても、作品リストがないぞ。と思ったら、QRコードがあった。あー、しまった。鉛筆は持ってきたのにメモ帳を持ってこなかった。作品リストに書き込むつもりだったのだ。これでは書き込めない。

今思った。スマホのメモ帳にメモすればよかったのだ。鉛筆などなくともメモは出来たのだ。まだまだ文明の利器に慣れていないチョコナッツ。

さーて、早速ルノワールとセザンヌの絵が比較して展示してある。写真は、撮っていいのだろうが、まあ、全部撮るのは辞めよう。時間もかかるし、周りに迷惑がられても嫌だし。気に入ったものだけ。あと、ブログに載せたい物を。

まずは2人の作品を観てくれ。同じような静物画だが、書かなくてもどっちがどっちの絵だか分かるでしょ。(もちろん、ルノワールやセザンヌが好きな人、詳しい人だけだが)

1枚目がルノワール「桃」。2枚目がセザンヌ「わらひもを巻いた壺、砂糖壺とりんご」だ。

ルノワールの絵は、立体的に対象物を浮かび上がらせ、その艶やかさみずみずしさを際立たせて、とても素敵だと思う。一方セザンヌの方はポップキャッチ―で、おしゃれだ。セザンヌの絵は黒縁線が描かれている。これは浮世絵の影響だと言われているが、そのせいでマンガアニメを思わせる。なんかほら、ジブリアニメの一コマにも見えてこないか?こないか(笑)でも、なんか可愛い。

ルノワール的な絵の方を好んでいたが、色々な絵を観て行くうちに、セザンヌのような絵もオシャレで可愛くていいなーと思うようになった。芸術は、触れるほどに良さが分かるものだ。音楽でもそうだし。

ところで、ルノワールとセザンヌは、同じ印象派の画家と言われるが、このように対照的な画風でもある。だが、親交が深く、お互いに影響し、影響され合っていたようだ。

ところで、この展覧会、多分この日は雨で空いていた方だと思うが、けっこう人はいて、カップルも多く訪れていた。それでも、話をする人たちはひそひそ話。静かな展示室だった。

私が写真を撮った時、いっつも、多分いっつもそうなのだが、そばにいた女性が連れの男性に、

「写真撮っていいの?」

と聞いた。けっこう年の行ったカップルだった。この、かなり静かで皆ひそひそ声で話しているところなのに、その「写真撮っていいの?」は、けっこう普通の声だ。すぐ隣で。当てつけというか、非難めいた声を出す。

私も、撮ってもいいと聞いた訳ではない。多少不安だ。でも、私が聞かれたのではないから、無視していた。そして次の写真を撮った。また、ルノワールとセザンヌの同じような絵を並べた写真を。でもさ、つい遠慮して端っこが切れたよ……

そこで、さっき「写真撮っていいの?」と聞かれた男性が、監視員の男性に聞いた。写真を撮ってもいいんですかと。すると、

「ダメなものもあります。ダメなものにはマークがありますから」

との事。やっぱり撮って良かったのか。もっと堂々と撮れば良かった。そうだよな、これらの絵はフランスのオランジェリー美術館オルセー美術館から来ているのだが、その両美術館は写真OKなのだ。大体海外の美術館は写真もスケッチもOKなのだ。だから、これをダメだとは言えないのだろう。

次は、ルノワールの風景画の部屋だった。

ルノワール「セーヌ川のはしけ」

雲がいいよねえ。本物は、雲の凹凸がキラキラ輝いていて、立体的に見えた。

ルノワール「海景、ガーンジー島」

こちらは水がいい。白波とか、波のうねりとか。色々な色を使って躍動感や「自然さ」を出していると思う。

ルノワール「イギリス種の梨の木」

私は小学4年の時、噴水の水を印象派の油絵や、点描画のように描いて金賞を獲り、県展にも出たのだった。たまたま写生会の直前に、新聞の日曜版に載っていた印象派の絵を観て参考にしたのだ。しかし、翌年の写生会では、木々を印象派風のタッチで立体的に描いたものの、画面がほぼ緑ばかりで、県展はおろか校内の賞さえもらえなかったのだった。凝り過ぎた。このルノワールの絵には人物も描かれているものの、解説に何をしているのか分からない、ただ大きさを示すだけに描かれたようだと書かれている。緑がメイン。私もそれに倣っただけだったのだが……

やっぱりルノワールはいい。印象派の風景画が私は好きだ。好きな物だけを写真に収めたので、セザンヌの風景画は撮ってなかった(汗)

お次は肖像画特集だ。

セザンヌ「画家の息子の肖像」

なんか可愛い。でも緑多めじゃないか?セザンヌは息子を可愛がり、よく描いたとか。ほほえましい。しかし、微笑んでばかりもいられない。椅子の丸みは子供の頭や目、顎などの丸み、あと襟元の丸みとかに反映されているとか。眉とかも。緻密に計算された構図なのか。だからかえって可愛いというか、ポップな感じがするのかな。

ルノワール「長い髪の浴女」

待ってました!有名なやつ。お肌が輝いている。多分パリで観たことがあるのだが、撮ってしまった。

セザンヌ「セザンヌ夫人の肖像」

これね、何だっけな。何故青で描かれたかが書いてあったのに、忘れてしまった。すごい納得だったのに。メモすればよかったんだけどね。性格を表してるんだっけなぁ。違ったかな。

ルノワール「ピアノの前のイヴァンヌとクリスティーヌ・ルロル」

これはね、背景にドガの絵が丁寧に描かれているところが驚きだった。画中画ってやつだ。モネやゴッホが浮世絵を画中に描いたものは有名だが、こういうのもあったのか。

ルノワール「ピアノの前の少女たち」

これは大昔、オランジェリー美術館に入った途端に目に入った絵だった。その頃、家の壁には大抵ルノワールの描いた少女の絵のカレンダーが飾られていた時代だったが、もてはやされているルノワールなんて、私は別に好きじゃない、と思っていた。ところが、本物の絵を、つまりこの絵を実際に見てしまって以来、すっかりルノワールびいきになってしまったのだ。

ピアノを弾いている少女の袖の丸み、輝きにやられた。改めて見ると、後ろのカーテンの緑とか青とか、一体何?って感じもするけど、写実を越えたもの(光とか)を表しているのだろう。

ルノワール「2人の少女の肖像」

見た事ある絵だ。この少女の顔が忘れられない。目が印象的だ。あれ?よく見ると、絵の真ん中に後ろの窓が写り込んでいる!

展示室を移動する際、こんなものが置いてあった。

香水かな?ロクシタンだって。展示室が香水の香りで満たされているのかと思ったけれど、特に感じなかったが。いや、どこかですごくデオドラントを感じたが、他の鑑賞者が付けている制汗剤とかの香りだと思っていた。うーん、でもそれはけっこう初めの方だったような。

やっぱり展示室の入り口の扉には、写真撮影禁止のマークがあるんだよな。でもまあ、皆撮ってるし、大丈夫だろう。先にも述べたように、所蔵する美術館で撮影OKだからここで禁止もできないが、周りの迷惑になったりするから、あまり積極的に撮影していいとは言わないという事なのだろうな。

さて、これが画家の写真。左がルノワール、右がセザンヌ。

斜めから撮ったから大きさに違いが出てしまったが、実際の写真の大きさは同じだったと思う。

さて、次の展示室は……

あー、これ好きなやつ~

ルノワール「ガブリエルとジャン」

好きでよく覚えているものは、大抵ポストカードを持っている。前の2つの絵もね。でも、近くで観ていると、あー、これ本物なんだ、ルノワールがこれを実際に描いたんだ、と感激してしまうのだった。

このジャンというのはルノワールの息子で、ピザを食べている赤ちゃんだ。そしてガブリエルというのは、家政婦さんというのかな。住み込みでジャンの面倒を見てくれている、若い娘さんだ。

そして、次の部屋は撮影不可だったのだが……なんと、ガブリエルをモデルにした裸婦像が!

えー、一緒に暮らしているお手伝いさんを裸にしちゃうんだ、とちょっとショック。実際、ガブリエルにモデルをやらせたらしい。もうね、天才的な芸術家のやる事は一般ピーポーには理解できないからね。

お次のこれ、ちょっと斜めで申し訳ないが、特別な人の絵だ。

ルノワール「バラをさしたブロンドの若い女性」

この女性はルノワールの最後のモデルだそうだ。のちに女優になり、なんとルノワールの息子、ジャンと結婚したのだとか。しかも、ジャンが監督する映画に出演したとか。えー、ジャンは映画監督になったのか!あの、ピザを食べていた小さいジャンが!

さて、お次は花を描いた作品。

ルノワール「花」

ルノワールは若い頃、陶磁器の絵付け職人見習いだったので、花瓶の質感や色彩にも注意を向けているのだとか。確かに、花瓶が光っているし、光沢のある質感は他の人の絵では見ない表現かもしれない。

というか、これもポストカードを持っていたのだが、ポストカードの写真はひどかった。あ、買ったのはだいぶ昔だけれど、光沢とか質感なんて全然感じられないの。本物はやっぱり違うし、スマホの写真もすごいや。20年以上前の写真技術とは全然違うのだろうね。いや、ここでスマホを褒めてもしょうがないんだけど。本物がすごいという話。

ルノワール「バラ」

これも好きだから思わず撮った。ガラスの質感に目が行ってしまう。

セザンヌ「スープ鉢のある静物」

やっぱりなんか可愛いというか、オシャレなんだよね、セザンヌは。セザンヌは「りんご1つでヨーロッパを驚かせることが出来る」だっけな、なんかそんな事を言ったらしいけど、けっこう色々計算されていて、写真のような”見たまま”ではないそうだ。

2人は、マティスピカソに影響を与えた。参考としてピカソやゴヤの絵なんかもあった。ゴヤは三菱一号館美術館所蔵のコレクションがあったが、それらは撮影不可だった。

最後は別の部屋に移動し、三菱一号館美術館所蔵のフランス近代美術の風景画が10点ほどあり、そのままショップを通って出口だった。

ショップを見て、あ、これは!と思ったのがTシャツだった。いつもなら全然目が行かないのに、あの絵とTシャツがマッチしていて。

絵はセザンヌの横に細長い絵、「りんごとビスケットのある静物」だった。確かにこの絵は展示してあった。ビスケットが気になってよく見たから覚えている。でも写真には撮らなかった。撮らなかったのを後悔した。これ、可愛いじゃないか!

その絵のポストカードやステッカーなども売っておらず、本気でTシャツを買おうかどうしようか迷ったが、やっぱり辞めた。チョコナッツの意気地なし。

あと、アートブックとか何とかいう物があり、大きな絵本で、どういうストーリーなのかはよく分からなかったが、ルノワールなどの絵が描いてあった。これも思わず買ってしまいそうだったが、今日は珍しくエコバッグを忘れてしまったので、思いとどまった。エコバッグがあったら買ってしまうところだった。いやでも、あの本を買うならTシャツを買うかな。それほどお値段も違わなかったし。

あと、ロクシタンの香水やハンドクリームなども売っていた。ルノワールやセザンヌをイメージして作られたものだとか。なるほど、そういう事か。ローズの香りのハンドクリームも欲しかったけど……意気地なしな私。

とにかく、ずっとルノワールが好きだと思っていて、セザンヌよりも圧倒的にルノワールの絵の方がたくさん写真を撮ってしまったけれど、セザンヌの絵は可愛いというかオシャレで、実は今すごく好きかもしれない。

そう、マティスとかも、最近好きかもしれない。モネ、ルノワール、ゴッホ、ドガといった印象派の、しかも風景画が好きだったけれど、装飾という観点からすると、セザンヌやマティスが好きかも。

今回、これを観に来て良かった。印象派なんて観尽くしたかのように思っていたが、そんな事は全然ないようだ。次の印象派展も見に行く事が決定しているので、また新しい発見を期待したい。

外に出ると雨は降っていなかったので、地上の道を通って帰る事にした。地上の入り口にもポスター。

言い忘れたが、当日券を窓口で購入する場合、ピンクかブルーの洋服を着て行くと100円引き、ピンクとブルー両方を着て行くと200円引きになるそうだ。窓口で「カラーコーデ割引お願いします」と言うと割引してくれるそうだ。

実は、私もピンクとブルーのコーデで行ったのだが、既にチケットを買ってあるので割引は求めなかった。何かいい事あるかな?と思ったけれど、特にない。他のお客さんも、特にピンクとブルーを着ている感じではなかった。

それにしても、ルノワールが病気の時にはセザンヌとセザンヌのお母さんが看病に行ったくらい、2人は仲が良かったそうだ。あれ、逆じゃないよな?私、昔ルノワールの伝記を読んだはずなのだけれど、そんな事出てきたかなあ。あまり覚えていないな。また読むかなぁ。図書館で借りた分厚い本だったな。

以上、ルノワールXセザンヌ展のレポであった。このアート展は2025年9月7日まで。興味が湧いた方はお早めに!