アフィリエイト広告、アドセンス広告を利用しています。あなたの広告への反応が、チョコナッツの収益に影響します。

横浜トリエンナーレ2024~2

4月29日、アート部の活動で横浜トリエンナーレを訪れた。前半はこちら→横浜トリエンナーレ2024~1 – たかんなお年頃 (takan.site)

前半の訂正

その前半で、展望フロアからガリバーなのか?という大きな人型の話が出てきたが、それは像の鼻パークにあった久保寛子氏の「ハイヌウェレ」という作品であった。詳しくはこちら→ハイヌウェレの彫像 久保寛子 | 第8回 横浜トリエンナーレ (yokohamatriennale.jp)。ハイヌウェレというのはインドネシアの神話に登場する女神で、バラバラにされた遺体の断片から食物が生まれたとか↓。

そして、展望フロアは北仲ノットという所だった。一応、補足訂正しておく。

どちらへ行くか賭け

さて、部長と私の2人になってBankART Stationを見終わった。かなり足も疲れてきた。椅子に座って、次はどうしようかと話し始めたのが午後3:40頃だった。

行程表によれば、BankART Stationは3時に見終わる予定になっていた。だいぶ時間が押している。この後は時間や疲れ具合に合わせてポートサイド地区BankART Life7をいくつか徒歩で回り、4時半に日ノ出町へ行く事になっていた。

ポートサイド地区は、新高島駅や横浜駅から歩ける距離にある。この横浜トリエンナーレでは、この地区にたくさんのアート作品が点在しているそうなのだ。それは飲食店の中だったり、路傍(道端)だったりするらしい。これこそがトリエンナーレらしいものだ。普段の美術館の展示とは違うもの。是非行ってみたい。

地図を見た。どこまで行くか。歩けるか。そこで、バスがあるという話になった。ただ、バスは1時間に2本しかない。部長が調べてくれたところ横浜駅から4時に出るらしい。ここから横浜駅までは徒歩8分と出た。でも、迷わなければだ。そうこうしている内に45分を過ぎようとしていた。すぐに決断しなくてはならない。

「バスで行ってみよう。バスに乗れたら遠くのここまで行く。乗れなかったら手前のここまでにする」
「そうしよう!」

ということで、バスに乗れるかどうかに賭けることにした。

バスの乗り場は横浜駅だ。地上へ出て、更に上の空中回廊のようなところへ上った。すると、案外早く横浜駅に行けた。なんというか、横浜は東京と違って大きなビルを迂回せずに突っ切れる。空中回廊がビルを貫通しているのだ。日産のビルを通過する際は、眼下に車の展示がされてあった。大勢の通行人が会社内を通過していくわけだが、中には展示車を見て「欲しい」と思う事もあるかもしれない。それは日産にとってもメリットのある事だ。ショッピングモールもしかり。通り抜けるついでに買う物を思い出すかもしれない。

後で首都高を歩道に、というニュースを観た時に思ったのは、都心部は首都高が張り巡らされていて、歩行者用の空中回廊を作りにくいという事だ。いずれ首都高に歩道も加われば、便利になるかもしれない。ベイブリッジのように首都高の上を歩けるようにしたらいいんじゃないか?勝手な事を言っちゃうけど。

徒歩8分というのは本当だった。横浜駅は案外近く、バスがたくさん停まっていたのでバス停もすぐに分かった。あとは乗る路線がすぐに分かれば……。後2~3分で4時だ。

駅横の階段を降り、バスターミナルの表示に従って歩いていくと、屋根のあるバスターミナルに出た。我々が乗るバスは2番だとか。目の前は違う、あ、1つ向こうのバス停が2番だ。

ちょうどバスが来た。見ると行先も乗ろうと思っていたものだ。

「これでいいんだよね?!」
「よかった、乗れた!」

乗り込んだ。座ってから、1分少々余裕があって、それから出発した。いやー、30分に1本の賭けに勝った。これで行きたかった所へ行けるのだ。諦めなくてよかった。

驚きの落書き?

バスに乗っているのは10分弱だったのだが、それでも座っていられたので楽だった。足の疲れもマシになり、やはりバスを選択したのは正解だった。途中、

「あ、あれ見て!」

と後ろに座っていた部長に言われ、左側を見たらすごく変な八百屋があった。でも、部長が見てと言ったのはそれではなかった。バスを降りてから少し戻る形でそこへ行き、写真を撮った。

びっくり。「あっちかも」と書いてある。落書きかと思うが、落書きにしてはどうやって書いた⁉と驚くほどでかい。これはアート作品だ。光岡幸一氏の作品。どうやらペンキなどではなく、テープで文字を書いているらしい。ここはカーブになっているので、車で走って来ると正面に見える。運転手も皆さん驚いただろうな。

で、私が先ほど変だ、と思った八百屋が隣にある。フォントがはっきりしすぎて、本物の八百屋とは思えない。だが、これはアート作品ではなかった。

美味しい&

さて、目的の場所はまずこちら。チーズケーキが有名な「ガトーよこはま」。上にある看板は宣伝ではない。というか、宣伝だったら意味が分からない。これもアート作品。島袋道浩氏の作品だ。

宇宙人とは接触しないほうがいい」とは、10年以上前に新聞に掲載された宇宙物理学者スティーブン・ホーキング博士の言葉。未知のウイルスや宇宙人に植民地化される事を心配しての言葉だそうだが、島袋氏はその記事を見て「そうだ!宇宙人に会う前に地球でやることがたくさんあるではないか!」と思ったそうだ。新しい事を妄信的に追うのではなく、立ち止まり、振り返る事も大事だと。

さて、早速入ってみよう。入り口の看板に笑ってしまった。

エイと絵が見られるって?絵が見られると思って来たわけだが、エイも見られるのは嬉しい。

実はこの看板も島袋道浩氏が手掛けた看板だそうだ。これは後ほど部長のお友達の作家さんに教えてもらったのだ。だからこの時には、この看板がアート作品だとは思わなかったのである。

注文してから奥の席へ行く、というシステムだった。チーズケーキを食べよう。桜のチーズケーキというのがあって、私は桜味とか桜の香りが大好きなので、迷わずそれに決めた。だが、飲み物はジュース以外にカフェインレスの飲み物がなく、ジュースを頼むかどうか迷ったが、ケーキだけにした。

奥へ行くと絵が高い所にあった。でも、何?ちょっと変?あ、知っている絵……の、一部では?

そう、これは村田真氏の「上の空 Spacing Out」という作品。上の絵の左からフェルメール、ドラクロワ、ジョルジョーネ、下の絵も左からムンク、ターナー、ジェリコーのそれぞれ有名な絵の上部。村田氏は、これらの絵の情景は画面の下半分に収まり、上半分は空しか描かれていないと言う。そして、地上では人々が日々の生活を営み街が刻々と変化しているのに、空は何万年も変わらず悠久の時を刻み続けている、という天地の対比を表していると読むこともできる、と言う。主題なんて「上の空」だと。上半分が空の絵を集めてあるらしい。

チーズケーキが来た!おぅ、私にはお水を付けてくれた。優しい(他のお客には水はない)。

ケーキは美味しかったけれど、桜の香りはそれほど……余計なものがあるより、チーズケーキだけの方が良かったかも。あくまでも一個人の感想である。

エイが見られるテラスがあったようだが、老朽化の為撤去したそうだ。そして、少し見てみたがエイは現れなかった。そりゃね、飼っているわけではなく、海にいるエイでしょ。そりゃいつでもこの辺にいて顔を出すというわけにはいかないだろうよ。

スナックフェンス

4:40頃にガトーよこはまを出た。なんだか古い、いや歴史のある店だったな。昭和的雰囲気のある、ごみごみとした、いや賑やかな宣伝というか……。

近くの蔦金商店は祝日お休みだった。次はヤング荘「スナックフェンス」を目指す。地図を見ながら徒歩で歩いて行くと、どんどん大きなビルばかりの場所になってきた。こんなところに路傍のアート作品があるの?と思ったら、あった。唐突にあった。

本当にちょっとした空き地に、まるで工事中かというようないでたちで。でも、赤いTシャツを着た人が見張っていたので、これがアート作品だと確信できた。ただ、その赤いTシャツの人は、我々が来たらどこかへ姿を消した。人が来た時こそ見張るべきでは?それで、これが「ヤング荘」というアート集団による作品、スナックフェンス。

後ろから観ると、なんか文字がいっぱい書いてある!

そして、これは中に入れる。扉だけ立派?

入り口には文字が。外からお互いに撮影してみた。私のスマホのバッテリーがいよいよマズイので、部長のスマホで私の写真も撮ってもらった。申し訳ない。

そこへ、貸出自転車に乗った男性が1人やってきた。我々に話しかけてきて、気さくな雰囲気だったが、中には入らずに行ってしまった。

振り返ってよく見ると、カラーコーンは椅子なのだ。中にいる時には気づかなかった。高さ色々。

実は、この後少し先に行った所に、こんなガチャガチャがあった。

スナックフェンス関連の何かが入っているようだ。やらなかったけど。

少し先の海沿いへ、白井美穂氏の作品を観に行ったのだが、日曜ほか不定休という事で、どうやら今日もお休みだったようだ。残念。

少しずつ暗くなってきた。さあ、横浜駅の方へ向かって歩こう。

横浜クリエーションスクエア・アトリウム

5時になった。通り道なので入ってみよう、と言って入ったのがここ。ああ、スマホのバッテリーがない為に、あまり写真を撮れなくなってしまった。

ここで目立つのが高橋士郎氏の「自由の気膜」。彼はバルーンロボットを足したバボット(BABOT)というものを作っているらしい。

最初はグーだったのに、時間が来るとチョキ、パーに変わる。中に空気が入っているわけだが、なんかすごい。

他にも、DNAのらせん構造みたいな感じのバボットもあった。あとはなみなみの黄色いやつだっけな。

下寺孝典氏の「Land boat」という作品もあった。船に自転車が付いていて、屋根がある屋台だ。自転車で運べて、店を開く時には板を伸ばしてテーブルにする感じ。下寺氏は「TAIYA」という屋号で「屋台」を作っているらしい。リサーチ、設計、デザイン、制作まで行っているとか。

ここを出て、横浜駅へ向かう。途中横浜ベイクォーターという商業施設内にある「niko and…」というお店に寄った。ここには何かモニターが設置されているらしいのだ。服や雑貨など色々な物が売っているお店だった。モニター自体はあったが、商品の宣伝でしかない。アートではなさそう。部長が店員さんに聞いてみると、何と壊れてしまったから撤去したと。残念。他に興味を示す人はいなかったのかな。まだまだ横浜トリエンナーレは続くのに、早々に撤去したなんて。

黄金町バザール(日ノ出町駅~黄金町駅)

横浜駅から京急線で日ノ出町駅へ。最後のチケット「黄金町バザール」を使うべく、急ぎ向かう。

車内で夕飯はどうしようか、と話し合い、どこかで食べようという事に。すると部長、お勧めのお店を先ほどのお友達に問い合わせた。色々教えてくれたのだが、なんとそのお友達作家さん、我々と合流してくれるという事。我々では不案内な黄金町。案内してくれるそうだ。

とりあえず2人で日ノ出町駅に降り立つ。まずはインフォメーションで電子チケットをパスポートに換えてもらう必要があるそうだ。

5時半頃、駅近くのインフォメーションに入った。そこで紙のカードをもらい、その場で名前を書くように言われた。これを各施設でスタッフがいる場合は見せるようにと言われた。そして、このパスポートは会期中何度でも使えるそうだ。6/9まで。

地図もくれた。さあ、出発だ。

夕暮れ時というのもあるが、この辺りの高架下は何と言うか……タイムスリップでもしたかのような感覚になる。

何故か写真に撮ると明るいが、実際はもっと薄暗かった。人も少ないし、これ1人で来たら相当怖かったな、と思った。

大岡川沿いのこのエリアは、戦後に売春宿がたくさんあり、悪いイメージが付いてしまったそうだ。そこで、アートでイメージを払拭しようという事になったそうで、元売春宿をそのままアトリエにしたという所もあった。

小さい家に入って行く感じのアートスタジオたち。入ると変な匂いがしたり、暑かったり。エアコンの黴臭さを感じたりも。でも、どれも興味深い。なけなしのバッテリーを使って撮った写真をどうぞ。

平山好哉氏の作品。元素周期表をモチーフにしたインスタレーション。私の背が低いから……上からじゃないと何があるのか分からないか。マッチ棒とかとか十円玉などのコインとかが置いてある。

あれ、この記録がない。ベッドに模様や字が映し出されていた。

外を歩いていたらこれ↑。びっくりするでしょ。人がいるのかと思ってしまうが、絵である。

私はどうやら人形が好きなようだ。これにはシャッターを切りまくった。馬延紅(マー・イェンホン)氏の部屋。家か。1階にも2階にも人形が。怖いとも思うし、可愛いとも思う。

靴を脱いで上がる所もあった。脱いだら…靴下に穴が!最近買った靴がいつも左足の親指に穴が開いてしまうのだ。でも今日はその靴ではないのにぃ。恥ずかしい。でもしょうがない。

どの家も小さく、場合によっては階段もとっても小さい。流し台も小さい。昔ながらの家だった。

合流~スパルタ?

ここで作家さん登場!お仕事を終えて駆けつけてくれた。もう6時を過ぎてしまっているが、作家さんは来るなり急げ!という感じ。黄金町バザールは7時までだそうだ。おっとー、終わりを考えていなかったぞ。

屋上行った?と聞かれ、行ってないと言うと、そこは外せないという事。急ぎ足で向かった。高橋ビルの屋上。

ビルと言う名前が付いているようだが、アパートだった。でも何階まであったのかな。ずいぶん階段を上った。こういう所には住みたくない、などと言いながら上っていたら、

「住んでる人もいるから、おしゃべりは…」

と作家さんに言われて慌てた。私はなんて事を。しかも、その前にお化け屋敷みたいだとも言ったような。慌てて口をつぐんだ。

屋上にはガラクタで作った階段があった。そして電車がすぐ目の前を通ると。作家さん、電車にめっちゃテンション上がってた。そのガラクタの階段は井上修志氏の作品。写真はない。

ちょっと大きい施設に入った。スタッフさんがいた。というか、ここまではスタッフのいる施設はなかったと思う。つまりパスポートを見せる事もなかったのだ。

作家さんは受付の女性と話をしていて、私と部長は作品を観て回った。

やっぱり絵が好きだな。絵は谷口安利氏。

お次は↓チェン・レンペイ氏の作品。食物を彫刻と見立てて写真制作を行っているとか。ユーモアな視点から日本の文化を見るとか。

そばを髪の毛にしちゃうとか、おはぎをこぶしの上に乗せちゃうとか、不思議な写真だった。

これは↑尋木(たずのき)昭帆氏の映像作品。映像の真ん中に人がいて、動いている。数字のカードを掲げ始め、カウントダウンしていくのだ。1の後はどうなるのか、興味津々で見ていたのだが……ネタバレはすまい。まだ6/9までは見られるのだから。後で解説を読んだら、やられたーと思ったのだ。

作家さんに急かされながら次へ。外に置いてある展示を見たな。土器などが、できる前壊れた後と連続して展示してあった。それから靴を脱いで入ったところで、変な液体に漬けられたものを見たり(変な匂いだった)。ああ、昆布だしだっけ。女性の体を考える、みたいな展示だったような。もう、とにかく写真に撮れないものだから(バッテリー切れ寸前で)忘れてしまった。でも、なんだか色々な刺激が。そして、作家さんの言葉に目からうろこ。それは、

とりあえず見ておけば。解説は後で読めばいいし」

そうか。私はいつも解説を読みながらか、先に解説を読んでから作品を観ようとしていた。社会科見学でも、先に勉強しておいてから行くものだと。でも、とりあず観ておいて、後でじっくりと解説を読み、

「ああ、そういう物だったのか」
「そういう事だったのか」

と改めて知るのもまた、いいのかもしれない。特に今日みたいに時間がない中、たくさんの作品があるという場合には。

作家さんは猫好きだった。ちょー急ぎ足で歩いている最中でも、道端で寝そべっている猫を見ると触りに行くのだ。でも、こちらの鬼気迫る様子に、手を出された猫は全力で逃げていた。そして、作家さんは個性的な猫のぬいぐるみをポーチにぶら下げていた。そして、我々をそれが売っている場所へ連れて行く事が最終的な目標だという事だった。

「私はこれを5分で選んだから、大丈夫」

と、何度か言っていた。そしていよいよその場所へ。

最初は地図を見ていたけれど、途中からは連れて行かれるままに早歩き。外は真っ暗。もう自分がどこにいるのか全く分かっていなかった。黙々と歩く時など、顔が下がっていると自覚する事も。疲れた。足とか腰とか色々と。

だが、ゴールだ。ビルの……何階だったかな。今度はエレベーターに乗って上った。

その階に着いたら、目の前にカラフルな世界が広がった。おぉ、これか。

猫だけでなく、お地蔵さん?いや、仏像?布で作られたこれらは、一体何なのか。

「こういうのは高いけど、こっちの猫ちゃんは1000円で買えるよ」

と、作家さんが言った。そして、ここではアーティストが今、実際にミシンを使って作品を作っていた。そして、端切れの山。作品の中に洋服の山もあった。

猫の写真は撮らなかったが、紐でぶら下がっていた。ヘビもあった。しかし、個性的。猫が好きかどうかというよりも、作りが荒いというか、何と言うか……個性的としか言えない。

結局7:01までここにいた。部長が作品を作っているアーティストに、

「この布を集めるの、大変じゃないですか?どうやって集めるんですか?」

と聞いていた。アーティストは、リサイクルショップとかで買ったりとか、と言っていた。それほど大変ではない、というニュアンスだった。せっかく目の前にいるから、何でも聞いてとそこのスタッフさん?に言われていたのだ。部長、流石だ。ナイス!

夕ご飯は

作家さんは、目標通りに私たちを連れていけたので、ホッとしたと言っていた。ありがたい。もし作家さんがいなかったら、多分半分しか観られなかっただろう。なかなか黄金町まで来られないし、今日大方回れて良かった。

夕飯の場所だが、先ほどスタッフさんと話した時にお勧めのお店を聞いてくれたそうだ。そのスタッフさんのお勧めは、ケバブのお店と500円で食べられるお店だとか。ケバブのお店は目の前まで行ってみたが、何となく寛げなさそうだった。500円で食べられるお店には作家さん本人は行った事がなく、自分がお勧めな面白いお店もあるが、どうするかと問われた。面白いお店というのは、お総菜屋さんみたいに見えるけれども食べられるお店で、タイ料理のお店だそうだ。

一応500円のお店を見てから決める?と言われたが、私も部長も足が疲れていて、あっち行ってダメだからこっち、というのは避けたいということで、間違いのない作家さんお勧めのタイ料理のお店に行く事にした。

ディープなお店だった。もう街全体がディープだ。店の入り口横にはちょっと怖そうなお兄さんが2人座っていたし、店員さんは日本人ではない。タイ人の女性かな。けっこう客が入っていた。飲み物はセルフサービスと書いてある。冷蔵庫から勝手に取ってきて、最後に支払うみたいだ。

とりあえずビール。私はタイ料理屋に来たらシンハービールだ。久しぶりに飲んだが、やっぱり美味しい。改めて飲んでみると、苦味が少ないビールなのかなと思った。辛い料理に合うのかも。食べ物はセットが安心だと言われ、セットに。

ガパオライス生春巻きヤムウンセン(春雨サラダ)。ちゃんとしたタイ料理久しぶり。あ、昼にタイフェアのハンバーガーが食べられなかったけれど、図らずもここでタイ料理が食べられた!

辛さも絶妙だし、美味しかった。ビールもあるのにご飯が多いかなと思ったが、ペロリと食べてしまった。疲れた体にはエネルギー補給が重要だ。

ここで、色々な話を聞けた。日本の芸術祭は横浜トリエンナーレと、あいちトリエンナーレと、だいちトリエンナーレと、瀬戸内国際芸術祭というのがあるらしい。トリエンナーレは3つなのかな?それらが毎年どこかでやるように3年ごとにやっていたのに、コロナで中止になったりして、今はそれがぐちゃぐちゃになっているとか。

今日、何が一番良かったか、とか聞かれたけれど、1つには絞れないし、今黄金町の印象が強すぎて、前半を忘れてしまっているかもしれない。だが、より芸術祭らしい感じはやはり黄金町だったと思う。横トリは横浜美術館のボリュームが大きすぎる、と作家さんが言っていた。瀬戸内なんかはすごく芸術祭らしくていいと。いつか行ってみたいものだ。

あいちトリエンナーレは、表現の不自由展で物議を醸し、有名になったから知っていた。だいちトリエンナーレは今日初めて知った。だいちは新潟なので、新幹線なら日帰りで行けるのではないかという距離だが、実際作品同士の距離が遠いので、車で回らないと難しいという事だった。

店を出る時、入り口に可愛らしい物が置いてあった。作家さんがお店の人にこれは何かと聞いたら、お菓子だという答えが返って来た。それだけでは分かりにくいが。というか、一見可愛いけれど、ちょっと気持ち悪い物を想像してしまうのは私だけ?だって生き物でこの形と言えば……

部長が撮った写真を後でもらった。もうバッテリーはほぼないので。作家さんはこれを持って店内に一度戻り、買ってきた。明日職場で配るとか。それで、

「お1つずつどうぞ」

と我々に。お腹はいっぱいだけれども、興味があるのでついお言葉に甘えて1つ。

おぉ!知っている味。台湾のパイナップルケーキの味。でも、あれみたいに硬くなく、ほろほろっとほぐれるような柔らかさ。美味しい。作家さんは、美味しいと聞いて良かったと言っていた。

アートとは

そうだ、書き忘れていた。黄金町バザールの2024年のテーマは「世界のすべてがアートでできているわけではない」というもの。横トリが「野草:いま、ここで生きている」だったが、こちらはそれ。黄金町バザール2024のディレクター、山野真悟氏は、かつてアートと世界は、各々の差異を理解してひとつになるだろうと考えていたが、今は互いに理解する事も、ひとつになることもなく、双方を意識して知ろうとする努力、つまりは「教育的関係」だけが存在しているように感じている、と言う。今回のタイトルは、その出会いと対峙の瞬間を伝える言葉だそうだ。

この1日で巡ったアート部の活動は、強烈に1つの問いを私に突き付けた。

「アートとは?」

何せ、工事現場にあるような三角コーンや、並ばせるためのロープ、倉庫にあるようなロッカーやポリバケツまでがアート作品になっていた。もう、その辺に置いてある汚いカラーコーンさえアート作品では?と思ってしまう。だが、それこそがこの街中に点在するアート作品の、芸術祭の醍醐味かもしれない。

現代アートは「考えさせるもの」になっていると思う。昔は「美しいと思わせるもの」だったと思うのだ。だが、ただ美しいだけではもうダメなのだろう。何かを、環境問題差別問題などを考えさせるもの、それがアートだ。

昔、哲学至上主義というのがあったと思う。哲学こそが一番上で、その他の学問はその下だと思われていた。最近はなんだろう。医学やIT系の研究が上で、文学や芸術は下あまり必要ではないものと思われているかもしれない。だからこそ、文学も芸術も、人々に諸問題を考えさせるものであろうと、必要なものとして存在しようとしているのではないか。そんな気がした。

覚えているだろうか。この子供用の用紙を。

書いてみようかと思ったが、びっくりばかりでやさしいとかあかるいは無い気がした。下の紙においては、やっぱり1つ選ぶことができない。様々な作品があって、このブログで紹介した作品はどれも、特に面白いと思ったものばかりだ。この紙には書かないけれど、このブログがそれだと思って許して欲しい。

そして、まだまだ横浜トリエンナーレは続いているので、このブログを読んで興味を持った方は、是非足を運んでみて欲しい。考えなくてもいい。ただ、面白いと思って観れば。あれ、言ってる事矛盾してる?

少々の驚きを感じたら、きっと何かが変わると思う。観なかった人生とはちょっと違う人生が、あなたを待っている。

横浜トリエンナーレ=第8回 横浜トリエンナーレ (yokohamatriennale.jp) ~6/9(日)