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横浜トリエンナーレ2024~1

芸術祭というものに初めて参加した。横浜では2008年に始まったというトリエンナーレ。トリエンナーレとはいかなるものなのか。

という話は大方置いておいて、行ってみた体験談を記そうと思う。

「野草:いま、ここで生きる」

今年は第8回横浜トリエンナーレだそうだ。2008年に始まり、3年ごとに開催されていたが、コロナ禍で数年中断し、久々の開催だとか。

毎回プロデューサーが変わるそうだ。今回は中国人のリウ・ディン(劉鼎)氏キャロル・インホワ・ルー(盧迎華)氏の2人。

予め予習しておくと当日にたくさん字を読まなくてもいい、という事は何度も書いていると思う。今回も出来るだけ前日に公式サイトを見たりして、予習しておいた。

開催概要などを読んだ時、すごく長い文章だけれども、要するにこういう事でしょ、と思った。書き留めようかとも思った。だが、あまり言葉に囚われるのも良くない、なるべくまっさらな気持ちで作品を観た方が良いのではないか、と考えた。だからメモしなかったのだが、後で後悔した。人に話そうとしたら忘れていて、そして今ブログに書こうとして、もう一度その文章を読む羽目に。メモしておけばよかった……。

トリエンナーレのコンセプトは「野草:いま、ここで生きる」。「野草」というのは中国の小説家、魯迅(ろじん)の詩集から取ったそうだ。そのコンセプトと開催概要は以下のURLから読める→野草のコンセプト – 第8回 横浜トリエンナーレ (yokohamatriennale.jp)

要するに、ゴホン、私たちは今、世界的な危機に直面している(パンデミックや気候変動、侵略や権威主義の台頭、陰謀論など)。20世紀初頭のアジアの動きを振り返ってみよう。そして、今私たちを苦しめる、古くなった既存のシステム(格差分断を広げる社会構造)を密かに解体するべく、個人がアートの名のもとに、イデオロギーや国境を越えて友情で繋がろう

みたいな、事が書いてある。多分。

みなとみらい駅

4月29日(月)9:30、みなとみらい駅のコンコースにある小林椋氏のアート作品の前で集合だった。

アート部の活動。部長がお友達と作ってくれた行程表に従って、一日で横トリを見て回ろうという計画である。まずは4人でのスタート。

作品はこれ↑。全体を写すにはかなり離れる必要がある。「岸に置いてある水に瞬く眺めをしげしげと」という作品。鉄道の為の信号「腕木信号機」の話がプレートに書かれているのだが、読んでも意味が分からない。最初から難解だ。腕木信号機の元になった、フランスで使われていた腕木通信の技術が、不純な装置だと言っているように読めるが、はて。

しかしこれ、作品起動時間9:30ー19:00と書いてあるのに、9時半を過ぎても何も起こらない。動かない。コードが繋がっているように見えるのだが、ここに誰かが来て起動させるのだろうか。周りには人がほとんどいないし、動かす必要がないと思われているのか?我々がわざわざここに9時半に集合しているのに?

まあいい。次へ行こう。

それにしても、横浜に来るのが久しぶりだ。ウン十年単位だ。比較的近い所に住んでいるのになぜだ。実は、何度も横浜に遊びに行きたい、行こう、と思っていたのに、何となく実行せずに今に至る。だから、今日は久しぶりに横浜に来られた事も嬉しい。

みなとみらい駅が出来てから初めて来たかもしれない。立体的というか透明度が高いというか、すごい駅だ。エスカレーターで地上へ上って行くと、振り返ってホームが見える。改札を出た後にホームが見える駅なんて、けっこう珍しいのではないか。いや、閑静な地域は別として。

ぷかりさん橋

駅を出て、まずはぷかりさん橋へ向かった。わあ、海だー。海は大好き。埼玉育ちなもので、海は憧れ。東京湾ではあるけれど、都内で見る東京湾よりも開放的に見える。太平洋がすぐそこという雰囲気がする。

良い天気だ。だが、薄曇りでカンカン照りではない。ありがたい。帽子も日傘も持ってきたのだが、長そでを羽織っていれば充分だった。私にとっては。

さて、展示室へ。ここにあったのは食器?いや、手?

中谷ミチコ氏の作品「すくう、すくう、すくう」だ。

奥能登芸術祭2020で発表された作品すくう、すくう、すくう(掬う、救う、巣食う)の一部を再展示してあるそうだ。石川県珠洲市飯田町に住む人々の「手で水を掬う仕草」の画像を元に作られた彫刻作品。透明樹脂を使っているので、表面がピカピカ光っている。

うん、ここはこれだけ。さあ、次行ってみよう。

クイーンズスクエア横浜2階

でかい肖像画、いや写真が掲げられている。これもトリエンナーレの作品だ。

魯迅?いや、違うか。誰?と思っていたら……

北島敬三+森村泰昌野草の肖像:M.Y.September 16th,2023」という作品。白いシャツを着た4人の男性の写真。そのうちに1枚は森村氏が変装した魯迅だそうだ。やっぱり。森村さんはよく変装するそうだ。メンバー情報。

他の3枚はこちら

森村さんではない人の写真が2枚。この2人、顔は同じだが髪型が違うと思った。だが、よく見ると写真の下の日付が違う。片方が1993年でもう片方が2023年だ。つまり、同じ人の10年後という事か。なるほど。40代から50代と言った所だろうか、などと話し合った。男はその頃大きく変わるから、などと男性部員が言う。まあ、そうだろう。いや、男だけではない。女も頭頂部の髪の毛が薄くなる頃だ。同じだ。よく、芸能人で全然変わらない女性がいるが、あれはアデランス的な処置を施しているに違いない。そうでない、例えば昔の女性アイドルが50代になって久しぶりに出てくると、髪の毛がぺちゃんこだなーと思ったりする。そして、最近自分にも感じる事だ。あー、嫌だ嫌だ。でも仕方がない。

という、けっこうどうでもいい事まで話し合ったりする、アート部は楽しい。

横浜美術館~無料エリア

駅から横浜美術館の方へ歩いて行くと、道路を渡る橋があった。そこから見える壁画も作品である。3人組アート集団SIDE COREの作品だ。これはなんと、毎日少しずつ変わるらしい。お、作業車?

今は何もしていないようだ。サイドコアの3人のインタビュー動画を予め見たのだが、この方たちはストリートカルチャーというジャンルの人みたいで、元々好きだったのがスケートボードだとか落書きだとか、ヒップホップだとか、そういう方々。その方々が、アートとストリートを結び付けようとしているのが今回の横トリへの出品作品で、その1つがこの壁画だそうだ。

新しくなった横浜美術館。しかし、古かった時にも訪れた事がない私。とりあえず、門構えが素敵。

入ろうとして、ふと作品の紹介ボードがある事に気づく。え、何?これが作品!?

列が長くなる時に使用されるこれ。これが作品とはね。何がアートになるか、それは見る人作る人次第ということか。パピーズ・パピーズ作「結界(支柱)

外にもあった。これは何?

ああ、この作者もインタビュー動画があった。ヨナル・ナンゴ氏。北欧の遊牧民、サーミ族の血を引くという作者。これはサーミ文字で「彼らは決められた道を行かず、誰かが定めた秩序にも従わない」と書いてあるそうだ。素材は神奈川県内で自ら伐採した

さて、やっと入館。ここで1人合流する予定なので、来るまでは無料エリアを観ている事にした。それにしても、無料エリアの1階、いや2階?もすごいボリューム。

上から全体を見渡すとこんな感じ↑。本が売っている所もあった。

私が気に入ったのがこの作品↑。予め予習をしておいたこれは、ピッパ・ガーナー作「ヒトの原型」という作品。消費社会やその広告が作り出す男女のイメージに生きづらさを感じた経験を元に、自分の存在は社会における分類から自由なのだと訴えた作者。性別、人種、年齢といった既成概念にとらわれない多様性のあり方を問う作品。

外のサーミ文字の作者、ヨナル・ナンゴ氏の作品がここにも↑。階段になっている展示場に、遊牧民の住まいをモチーフに、その土地にある素材や技術を組み合わせて、人々の憩いの場作っている。決まった財産を持たないサーミ族の生き方は、経済格差大量消費などたくさんの問題を抱えた私たちの社会を見直すヒントを与えてくれる、らしい。

これは我々の間でも話題に↑。ここに誰かが勝手にゴミを置いたりしないのかな、という疑問。きっと毎日学芸員の方が正しい写真と照合し、整えているはずだという結論が出た。だって、いくらガラクタが並んでいると言っても、アート作品なのだから、勝手に変えられたら困るものね、と。知らんけど。

横浜美術館~有料エリア

無事合流を果たし、5人になって有料エリアへ。予めデジタルで買っておいたチケットのQRコードを読み込ませて入場した。

順路に従っていく。狩猟関係の写真があって、狩猟の話題でおしゃべりしつつ展示室へ。

密林の火」という展示室。映像、写真、不思議な絵など多彩だ。ギョッとしたのがこれ↓。

ジョシュ・クライン作「総仕上げ」。労働をテーマにした「失業」シリーズの中の1つ、なのかな。人工知能自動化によってホワイトカラー労働者の大量失業が懸念される。20年後にはなくなるだろう職業、すなわち弁護士、会計士、銀行員、秘書などの遺骸が透明なゴミ袋に入れられて捨てられているという作品。3Dプリンタで作られている。

写真小説、なんてのもあった。アラン・セクーラこれは中国ではない」↓

面白い絵も。アルタン・ハイルラウ氏の作品。故郷コソボの伝統的な暮らし、現代の暮らし、タブー視されてきたモチーフ。保守的な考え方に異を唱えている、らしい。ボール紙を細工した手作りの額。ありあわせの材料を用いたのは、生活がいつ崩れ去るか分からない不安と危機感を表している。今なお続くバルカン半島の困難な状況を思い起こさせる↓。

次は「私の解散」という部屋。富山妙子作品が並ぶ。ここは写真NGだった。とても素敵な作品。

と、ここで5人集合。時間を確認する。今日はあまりのんびりしている余裕はない。しかし、私たち部員はあまり行程表を把握していなかった……。部長に時間を確認すると、11:50までという事。それで、館内図を見てみると、展示室はあと4つあった。そして今は11:20である。だいぶ今の2つの部屋で時間を費やしてしまった!これからは1つの部屋を10分ずつ観る感じで行こう!という事に。でも、よくよく考えると10分ずつ4つの部屋を回れば40分掛かる。あらら、12時だ。でもそれでいい事にして、12時に集合と決めた。後は各自が時間配分をして回ると。

私はきっちり10分ずつ図って展示室を回る事にした。少し余裕があった部屋があると、その後少し廊下のソファで座って疲れを癒したりして。これはけっこううまく行った。さあ、それではササっと紹介していこうか。

流れと岩」の展示室。リタ・ジークフリート氏の絵画が並ぶ。素敵。1つ載せようと思ったが、1つに絞れない。

名画から借用したモチーフが用いられ、日常を描いているようで奇妙にずれた雰囲気をたたえているのだとか。上から「突破口」「隣の家」「交差するところ」↑

版画も素敵。谷中安規少年画集」↓

どうしても写真に撮りたかったこれ↓。でも人が通るもので、急ぎ目に撮ったから曲がった。シビル・ルバート虐殺」。おっと、ここはもう「苦悶の象徴」というエリアに入っていたか。

次は「鏡との対話」の部屋。ここはけっこう面白い物が多かった。でかい物があって。

児島前善三郎氏の絵↓。理屈でなく好き。上「芦ノ湖」下「薔薇

ショッキングな絵。どれがどの解説だか分からず。ステファン・マンデルバウム氏の作品。多分「ル・ショレ」↓

華道家の勅使河原蒼風氏が、絵画や彫刻の創作活動を行っているとは知らなかった。これは勅使河原氏が繰り返し描いた富士山の絵↓。

出たー、人面犬!実は私、この写真群を逆から観てしまったようだ。よく観ると犬が仮面をかぶっている。それだけで不気味だ。この一連の写真群には、作者の娘が母親そっくりに作られたシリコン人形と遊ぶ姿も見られる。そのシリコン人形が上半身しかないから不気味だ。作者はアネタ・グシェコフスカ氏↓。

そしてでっかい骨。骨が骨で作った楽器を演奏している。実際にバイオリンの音や低音ヴォイスの英語が流れている。離れていて一緒に写真に収めにくい。実際は3体ある。作者はオスギュル・カー氏↓。

次が最後の「わたしの解放」という展示室だ。入り口の外にモニターがあって、人が動いているのが気になった。髪の長い男性が、何と水たまりに口を付けている。何これ!と思って説明を読んでみたら、水たまりの水を、別の水たまりに移すという事をやっているらしい。ひどいな。子供が真似したらどうするんじゃ。お腹壊すだけでは済まないかもよ。

さて、展示室に入ってみようか。

ここは2018年、台湾のある寮で、100人以上のベトナム人女性労働者がストライキを起こし、その様子がインターネットを通じて世界中に拡散された、という出来事に想を得ているそうだ。2段ベッドがたくさんあった↓。

また「密林の火」エリアになった。最初の展示室と同じテーマだ。勅使河原氏の彫刻があった。グレーの方は「不滅」という題名だが、茶色い方は記録し損ねた↓。

最後にスイッチがあって、押すとけたたましいベルが鳴る。26秒間押し続けると書いてあったかな。そのボタンこそ写真に撮りたかったし、写真に撮っても音は伝わらないのだが、このボタンは撮影NGだった。

さて、時間ピッタリ。集合場所へ。

5人が集合したら、次へ。出ようとしたらスタッフさんに無料エリアがあると告げられ、そちらにも寄ってみた。

段ボールで作られたもの。そこに手書き文字がたくさん。

プリックリー・ペーパー(チェン・イーフェイ&オウ・フェイホン)揺れ動く草の群れ」↑。

置いてある雑誌は広東語で書かれた「刺紙」。トイレットペーパーという意味だとか。公衆トイレの読み物として発行されたらしい。トイレに置かれた投票箱に誰でも投稿できるとか。もっと色々あったので、是非行って隅々まで読んでみて欲しい。

馬車道駅

みなとみらい駅へ戻り、1駅電車に乗った。行程表には、横浜美術館の後に例の肖像画を鑑賞する事になっていたが、既に鑑賞済みだったので案外時間を取り戻した。

馬車道駅に降り立つ。改札を出ると大きな布がたくさん見えた。チラシがあって、そちらの方が実物よりもキレイだったものだから、写真は撮らなかった。石内都絹の夢」という作品。そうだな、そのパンフレットの写真を載せよう。でもあれだな、どーんとでっかい絹の写真を載せた方がよかったな。

階段を上って行くと、トリエンナーレの大々的な宣伝が。我々が出るべき出口もすぐにわかる。だが、出口へ向かう前に駅構内のアート作品も見よう。ちなみに、既に足が疲れてきている。

ひっそりと、しかし派手な感じで置いてある。ご自由にお使いください、だっけな。そんな事が書いてあってびっくり。でも、椅子が置いていないところが面白い。椅子があったら本当に使われそうだが、テーブルだけなら物を置くくらいしかできないから、あまり大勢には使われない気がするではないか。

さて、まずはこのテーブル↑。野老(ところ)朝雄氏の作品。「PPP TABLE」だそうだ。「PIECING PIECES PATTERN」だが、他にPROJECT(計画) PROLIFERATION(増殖) PROPAGATION(伝播)などの意味も込められているとか。組み合わせて繋がっていく事が可能なテーブル。

次はこの渋いやつ↑。私は好きだな。甲斐貴大plateau」。都市に水平面を挿入する事について考える、とか。

お次はこれ↑。みかんぐみ氏の「MIKAN TABLE 2022」。三角コーンの上に板を乗せている。かなりぐらつく。実際に横浜トリエンナーレ2005においてこういうテーブルが使われたそうだ。その時は横浜カラーのブルーの三角コーンを使ったそうだが、2022ではカラフルな三角コーンにして多様性を表現しているらしい。

BankArt KAIKO

ところで、公式サイトにはこんなものがあった↓

明らかに子供用だ。けれども、こんなの書けるか?難しいのではないか?と思った私は、子供と同じように書いてみようと思って印刷した。サイトには、紙での配布はないと書いてあったので。しかし、横浜美術館には紙で置いてあった。我が部長も人数分印刷してきて皆に配っていた。流石。けれども、多分誰も書いていなかったのではないか。何故って、全部観てからでないと選べないから。

もう一つ、これもサイトにあった↓。最後に書いてブログに写真をアップしようと思ったのだ。

さて、馬車道駅から出てすぐのところにきれいな建物が並んでいた。なんかこう、ヨーロッパの雰囲気もするし、ハウステンボスみたいな?テーマパークっぽい感じの建物に入って行った。もっとビルディングといった感じかと思ったのだが違った。

BankART KAIKOという場所。予習していたはずなのに、イマイチ横浜トリエンナーレの全容が分かっていない私。とにかくセット券を買ったので、その中の1つのQRコードを出して入場した。

あまり広くないところだった。大きな映像作品(大きめなスクリーンに数十分の動画が映されている)が1つと、後はパラパラとある感じ。

映像作品を全部観ている余裕はなさそうだが、ちょっと見てみた。外国人の大人と子供がいて、ヘリコプターが遠くから飛んで来るシーンだった。ここから観ても分からなそうだったので、横の壁にある説明書きを読んでみた。それは意外にも興味深いものだった。

私は先ほどのボードを出した。「わくわく」というところに鉛筆で書き始めた。題名は「ブラギノ」つくった人は「クレモン・コジトール」なんでそう思った?は……

都会から逃れて自給自足をしている2つの家族。川の両岸にそれぞれ住んでいるのだが、土地や資源の配分で対立している。せっかく自然に囲まれた暮らしをしようとやってきたのに、かえって所有欲が強まってしまっている。しかし、両家の子供たちは川の真ん中の小島で一緒に遊んでいる。この子供たちは、次世代になった時、別のルールを見出す事ができるのか。

これが映像のストーリーなのだが、子供たちはやはり大人になって対立するのか、それとも良い方法を見つけ、対立せずに上手くやっていく事ができるのか。ワクワクする。もし上手くルールを決めて実行する事が出来たのなら、子供の頃から仲良くしていればいいという事なのか。まあ、映像を全て観ないと結論は分からないのだが。残念。

ちなみに、そこでメモしてきたものは、後で他の書類などで擦れてしまい、ほとんど読み取れないものになってしまった。これまた残念。

他の作品も見よう。これ、最初は普通に手の消毒用に置いてあるのかと思ったら、あまりにもたくさんあって……これ、作品か!

ということで、「びっくり」のところに書いた。題名「無題(サラヤ)」つくった人「パピーズ・パピーズ」なんでそう思った?「日用品である消毒液が並んでいるだけなのに、アートになるのかとびっくり。コロナで自分の作品が世界に浸透したと感じたというのが面白い」と。この作者は親が医療関係の人で、子供の頃から消毒液が身近な存在だったそうだ。それは人とは違う特殊な状況だったのだが、コロナで世界が一変し、世界の方が自分に近づいてきたと。消毒液だけでなく、マスクをしなければならなかった人、人と距離を取らなければならなかった人、外に出られずに家に引きこもっていた人も、同じように感じたのだろうと思った。

それからこれも。アートとは?↓

↑これは丹羽良徳自分の所有物を街で購入する」という作品。一つの部屋である。写真は左側と右側という感じ。まるで物置というか倉庫というか、そういう普通の部屋のようでありながら、アート作品だとは。もっと右には大きなスクリーンがあった。

さて、ミュージアムショップへと進むと、部長のお友達がいて、ご挨拶をした。行程表を部長と一緒に作ってくれたので、お礼を言わねば。そのお友達はアーティストさんでもあった。このショップにも彼女の作品があった。主に写真によるアートで、ポストカードなどが売っていた。名刺をいただいた。その名刺の写真も素敵。

ショップには、お洒落で面白い作品がたくさん売っていた。買いたい物はいくつもあったが、経済事情などにより断念。ここを出る時に、チケットをパスポートに換えてもらった。地図や冊子ももらった。このシステムもよく分かっていなかったが、部長と作家さんに言われるままに。感謝。

お友達の作家さんも、お昼休憩という事で出てきてくれて、しかも我々を色々と案内してくれると言う。お言葉に甘えて。時間は既に午後1時を過ぎている。お昼まであと少し回る所があるらしい。

KAIKOの外へ出て、作家さんに示されたのがこれ↓。

3人組アーティストSIDE COREの作品。これはガラス張りになっている床。この上を歩いていたのだが、下から誰かが絵を描いているように見える。実際はいないけど。ちょっと怖い?

作家さんに促され、どこかのホテルの中へ。エレベーターで着いた先にはとても見晴らしの良い景色が。展望フロアで、ほぼ一周できる。当然海が見えるし、東京のビル群も見える。みんな、良い所を教えてもらった、自慢できる、と口々に言って喜んでいた。私も嬉しかったが、またここへたどり着ける気がしない。

ガリバーが見える、などと言われて写真を撮り、拡大してみたのがコレ↑。今日までだという事で、貴重なものを見た。分るかな?大きな人型のものが横たわっているのが。ちょっと画質が下がってしまったか。調べても出て来なくて、本当にガリバーだったか自信がない。

横浜市役所

さて、しばらく外を眺め、写真を撮ってもらったりして地上へ降りる。通りを渡るとご立派な市役所が。

↑これも作品。映像の部分がね。映像、見えるかな?建物も素敵。

おっとー、市役所の前に可愛いポストが!

ポケモンが乗っているだけでなく、本体がモンスターボールになっているのが可愛い。横浜ではポケモンゲームの世界大会が行われたりするから、関係が深いらしい。ちなみにトリエンナーレとは関係がない。

さて、お昼を食べようという事に。だが、あまり時間がない。さっと食べられる場所を作家さんが教えてくれた。穴場だからあまり教えたくないような気もするが、たかんサイトの読者なんてそうそういないし、情報のおすそ分け。

市役所の1階にはフードコートがある。それも、まさかお役所とは思えない充実ぶり。雰囲気も最高。しかも、外にテラス席がある。祝日なのにそのテラス席が空いているなんて、穴場だ。ちょっと風が強くて物が飛ばされそうだったが、気温的には気持ちがよく、ここで5人でお昼を食べた。めいめい好きなお店で食べ物を買ってきて。作家さんとはここで別れた。貴重なお昼休みを我々の案内に使っていただき、感謝しかない。

私はフレッシュネスバーガーで。上の方にグリーンカレーバーガーみたいなものが表示してあったから、それにしようかなと思って店に近づいていったら、急にその表示が消えてしまった。カウンターのメニューを見たらそれがなくて、仕方なくベジタブルバーガーにしたのだ。だが、食べ物が入ってきたカゴの中のチラシには、やっぱりグリーンカレーとガパオバーガーの写真が。今、タイフェアをやっているとか。なんだよ、やっぱりあったんじゃないか。パクチーたっぷりなもの、食べたかったな。

食べ終えたら次へ!

旧第一銀行

昔は銀行だったのだろうが、今は展示スペースなのか。建物は素敵な洋風建築だが、だいぶ古そうだ。

旧第一銀行。午後2時半頃である。中に入るとお祭りか?といった雰囲気。最初、ここはミュージアムショップで、展示室は上の階なのかと思ったが、よくよく見るとこれが展示品だった。ちょっとカルチャーショック。まあ、観てくれ。

値札があるのも面白いが、「万引き犯に告ぐ!!」とかの言葉がいちいち面白い。

お祭りかと思ったのはこれとか↑

こんなの↑があったから。作者は松本哉(はじめ)氏。松本氏は法政大学で「法政の貧乏くささを守る会」を立ち上げたのち、2005年に高円寺で山下陽光氏、二木信氏らと「素人の乱」の活動を始めたそうだ。「素人の乱」ではリサイクルショップを営みながら、「3人デモ」や「高円寺一揆」など公共空間を解放する試みを実践。2011年4月には「原発やめろデモ!!!!!」を実践して、初期の反原発運動をけん引したとか。

その山下陽光氏の作品↑まず、看板の下にわざとバケツとかガラクタを置いているみたいだし、この絵もさ、とっても上手な絵の上に、わさび?の変なものを描き足してしまっていて、芸術を壊しているような気も。アートとは。

更にこれ↑面白い話を録音してくれた人には、ろうそくをくれると書いてあって、実際に個包装されたろうそくがあるのだけれど、すごく小さい。5分しか灯らない火で、読書してください?まあ、ふざけているとしか思えない。実際吹き込んだ人、いるかな。いるだろうなあ。

一番びっくりしたのがコレ↑いやね、けっこう古い建物だし、似つかわしいのよ。だから、備品かと思ったわけ。でも、展示スペースにわざわざ置くかな、と疑問も湧く。部員の間で「これは作品か否か」という議論になって、1人の部員が聞きに行ってくれたのだ。そうしたら、これも作品だって。

これも↑。誰かの作品というよりも、全体を飾る装飾品なのだろう。いろんなところにこの廃棄処分みたいなロッカーやバケツなどが置いてあるのだ。

私は見なかったけれど、冷蔵庫もぽつんと置いてあったとか。そしてこれが一番でかい作品か↓。

四コマ漫画も面白い。全部写っていないけれど。

いやー、先ほど「びっくり」の作品のところにメモをしたけれど、こっちの方がびっくりだ。何でもアートになりうる、いや、何でもアートにしてしまえる。アート作品か否かは気の持ちよう、気持ち次第、なのだな。

2階の映像作品なども見て、ここを出た。馬車道駅へ皆で戻り、電車に乗った。そう、このみなとみらい線は一日乗車券を買うと少しお得だった。だが、私は買わなかった。買っていたら待ち合わせに間に合わなそうだったし、数十円の違いだと聞いていたので。他の私鉄との乗り入れでお得になる切符などが色々あったみたいで、もし横トリに行くならチェックすると良いと思う。

2人はここまで。そのままみなとみらい線で横浜まで乗って行った。3人は新高島駅で下車。

BankART Station

午後3時頃。新高島駅で降りて、階段を上ろうとして辞めた。体力を温存しなければ。エレベーターを探して、そこでエレベーターを待っていたら真上に何かあった!

大田黒衣美氏の作品。ガムで出来ているとか。フサフサした毛があるのは、猫の背中なのだとか。

ホームの向こう側にも。さすがトリエンナーレ。あちこちにアート作品がある。

駅構内のどこだったのか、連れて行ってもらったので覚えていないのだが、でかい球体を発見。無料エリアと有料エリアとがあった。まずは無料エリアを堪能しよう。なかなかの見応え。なのに人は少ない。

土で出来た球は柳幸典氏の「Ground Transposition,1987/2016」という作品。土が重要なようで、近年では沖縄の辺野古の土と、ロサンゼルスの日系人強制収容所のあったマンザナールの砂漠の砂で作った2つの球体をロサンゼルスのギャラリーで展示したとか。この作品↑は、3.11東日本大震災の原子力発電所の事故のために除染された土で作りたいと提案し、実現は叶わなかったが、被災地をリサーチした際に持ち帰った一握りの土が込められているそうだ。

これは↑わざと開いている。なんか、音がするんだよ。怖いよ。工事中のような音、だったかな。大勢の人が作った音と街の音を織り交ぜたとか。多様な人々と共に作り上げるプロセスを「聴いてみる」事を目指しているらしい。

こちらは↑学校の机の落書き?紙にうつしてあそべるとか。磯崎道佳机は昼にテーブルになった-smile on the table

これは楽しい↑。「うつを向いて歩こう」と題した展示。矢内原充志氏。横浜の街を俯いて歩いた時、目に入る地面。その地面の模様をパッチワークにして縫い合わせた服だとか。道路とか、駅のホームの模様だ。面白い。

西原尚遊ぶるテーブル」↑レバーを回すと色々と鳴る。まさかバイオリン打楽器として使うとは。というか、これがテーブルだったとは。

他にも面白いものが色々。是非行って見て欲しい。無料なので。

さて、ここでまた1人帰る事に。2人で次の有料エリアへ。おっとー!ここでスマホのバッテリーが思いっきり減っている事に気づく!さっきまで60%くらいあったのに、急に30%くらいまで減った気がする。そうだった、写真を撮ると減りが早いのだった。ああ、なぜモバイルバッテリーを持ってこなかったのだ。いつも美術館巡りは半日くらいだから大丈夫だった。旅行などではバッテリーが1日持たないのは分かっていたのに。ちょっとセーブしなければ。

さて、有料エリアへ。何となく、作家さんかなという人がいたりする。写真は必要最低限に。午後3時23分。

まず、被災地応援プロジェクト。素敵な物がたくさん。能登の作家さんの作品だろう。

次は……え、洗濯物?婦木加奈子氏「洗濯物の彫刻」。くたくたでやわらかで、そのものでは形を保たず、壁や天井とつなげてようやく立ち上がらせられるもの。作者は、毎日洗われ、しまわれ、また洗われる風景のような彫刻、展示が終わるとまた畳まれて小さくなってしまわれている、そんな彫刻が作りたいそうだ。

お次は片岡純也+岩竹理恵新陳代謝のある都市の風景」。色々なものを含めて。壁の写真も。

布団は定期的に空気が入って膨らむし、ブーツも定期的に空気が送られて立ち上がる。ちょっとびっくり。

これは↑水木塁P⁴(Pioneer Plants Printing Projects)」。先駆植物であるアカメガシワをモチーフにした作品だとか。3Dプラインターで出力し、未処理の状態のまま、一部は破壊した状態のまま展示されており、会期を通して少しずつその全体像は変化していく(だろう)。と、かっこ付きの(だろう)が。作者がそう記したと思われる。でも、何を言っているのかよく分からない事も多い。人間のアクティビティーの彼岸に存在する、とか言われても何の事なのか、さっぱり。これは雑草だとも言っているような、いないような。

他にも面白い作品があったのだが、この辺で。

さて、疲れたし座る。そして、この後どう動くかを2人で相談した。午後3時40分だ。

さて、この辺で1部を終わりにしよう。この後ディープな場所へ行くのだが、それはまた次のブログで。足は疲れ、スマホのバッテリーは残りわずか。それでも、まだまだこれからなのだ!