新しい炊飯器を買った

炊飯器を買い替えようと、電機店に行った。まあ、いつもならネット通販で買ってしまうところだが、繁華街に用があったのでついでに。長男が合流して持ち帰ってくれると言うので、先に独りで行った。

うちの炊飯器、１台目がすぐにダメになったので、２台目はとても大事にした。何がダメになるって、内釜だ。ダメだって知らなくて、いや、実家でそうしていたから、内釜の中に食器を入れて水につけていたのだ。でも実家にあったのは、ただのプラスティックの内釜だったのだ、後から思えば。うちが使っていた内釜は、コーティングされた金属。傷がつくような事は絶対にしてはいけないのだ。

２台目は大事にしていたのだが、流石に１０年以上使っていたら内釜の一部がぷくっと膨らんできた。もうすぐ買い替えだと思ってから、さてどのくらい経ったのか。先日その膨らみがとうとう破れた。もう買い替えだ。調べてみたら１６年使っていた。

さて、まずは他の用。北海道フェアで「白い恋人ブラック＆ホワイト」を買おうと思って大型スーパーへ。すると、白い恋人はあったが、ホワイトばかりでブラック＆ホワイトがない。売り切れか……。この日は土曜日だった。このフェアは火曜日辺りからやっていたのだ。ホワイトは２月に札幌で買ってきたばかり。ブラックが食べてみたかったのに。残念。やっぱりISHIYAの店舗へ行くしかないか。実は近くにいくつもあるようなのだが行った事がない。

気を取り直して電機店の家電売り場へ。炊飯器を探すのはちょっと苦労した。冷蔵庫ばっかり売っていると思ったら階が違うとか。掃除機が並んでいて、やっと炊飯器を見つけたと思ったら、なに？！やたらと高い。

と、そこへお姉さん。おそらくその訛り方から中国人だと思われる。可愛い。それはいいとして、

「これはタイムセール品です。他にもたくさんありますよ」

と言ってくれたので、他の売り場へ連れて行ってもらった。

たくさんあるようだが、５合炊きはここからここまで、と範囲が狭まった。更に、

「今までお使いの炊飯器は、蓋に丸い球が付いているものでしたか？」

と言われて、そうだと言うと、

「それは圧力釜ですね」

と言われた。そういえば、今のを買う時は夫と一緒に行って、店の人に色々言われてけっこう値段の張るものを買ったのだった。美味しく炊けるというものを。しかし、夫は最近家では白米をほとんど食べない。帰りが遅いので、遅くに炭水化物を摂るのを辞めたのだ。メタボ検診でそうした方がいいと言われて。だから、今炊飯器を一緒に買いには来ないのだ。

お姉さんが言うには、今までが圧力釜だったのなら、同じにした方がいいという事だった。圧力釜の方がモチモチとした美味しいご飯が炊けるそうで、同じにするのがオススメです、と。確かに、レベルが下がるとがっかりするに違いない。

予めネットでちらっと見ておいた。形が色々で、なんか新しい感じのがいいなーと思っていた。値段も色々だったが、なるほど、安い物は圧力釜ではなかったのだろう。

というわけで、５合炊きの圧力IHはここからここまで、という事で更に範囲が狭まった。色々と特徴があった。お値段も色々。そして、有名なメーカーの物はほとんどが、昔ながらの形だった。細長くて白かグレーで、画面がババーンと付いていて。ハッキリ言ってダサい。しかも、大きい。もし今乗っているラックに乗らなくなったら困る。

「けっこう、棚の２段目に炊飯器を置くお客さんも多いです。そうすると、画面が見えにくいですよね。この商品は、画面が前面についていて、２段目に置いてあっても見えやすくなっています」

と言われた商品があった。私も２段目に置いていて、メニューなどを変えようとした時に暗くて見えなくて困っていた。中身が入っていなければ動かして明るい所で見ればいいのだが、大抵メニューをいじる時は米と水を入れてある。あまり動かしたくはない。

だが、この画面が前にある炊飯器には難点があった。すごく長いのだ。画面の分が前に出ている。これだと、ラックに乗らない可能性もある。今でも斜めに置いているが、それでも入らないと困る。なるべく小さい方がいい。５合炊きを買おうとしているが、いつも一度に炊くのは３合がマックス。ただ、炊き込みご飯などをするには、３合炊きでは３合炊けないのだ。だから５合か５．５合にするしかない。

大きくて、昔ながらのデザインしかないのかと思っていたら、そして３万円以上するものしかないのかと思っていたら、１ついいのがあった。

パナソニックの圧力IH。コンパクト。５合炊き。５．５ではないのだ。ただコンパクトなだけでなく、丸い。この、新しい感じがいい。そして、この店で唯一圧力釜で３万円を切っている。２万６千円くらいだった。これだ、これしかない！

白とグリーンの色バリエーションがあった。黒もあったが、黒だけは米以外の料理も出来るという事で、３万円を超えていた。料理が出来るのはいいが、匂いが付いたりしないのかなと思った。お姉さんに聞いたら、お手入れボタンがあって、米を炊かずとも水だけ入れて一度炊くみたいな事が出来るので、それで匂いも取れるだろうという話だった。でも、高いからいいや。

さて、ここで困った。お姉さんがずっと付いている。私は、こっそりAmazonの値段と比べたい。長男も言っていた。店に行って見てきて、実際はAmazonで買うというのが今は主流だと。

いやいや、これだけ説明してもらってそんなのは……申し訳ないじゃん。送料の分ネット通販の方が高い場合もあるし。とはいえ、圧力IHがいいと分かったから、それで改めてAmazonを見てみたい。とにかく、見てみたい。

それと、最初のタイムセール品のところにIHではない炊飯器が１つあった。それがすごく安かったのだが、IHでないものは、更にレベルが下がるそうだ。やはり炊飯には火力が必要だそうで、IHで、更には圧力で、ご飯をふっくらモチモチに炊き上げるらしい。

「今、息子が来るんですけど、ちょっと電話してきますね」

私はそう言って、お姉さんから離れ、エスカレーターで１つ階を下り、そこでスマホを見てみた。すると、うん、パナソニックの同じ商品がAmazonでも売っていた。お値段は５００円程安い。そうか……。やはり色々と安いものは圧力釜ではなかった。だが、１種類だけ、アイリスオーヤマの製品が１７,５００円くらいで売っていた。だが、これは白と黒、それぞれ残り１台とか２台だという。それに、細長い形だった。やっぱり丸い方がいい。

息子も近くにいるという事で、相談したいからと言って呼んだ。少しすると来てくれたので、これがいいが、Amazonの方が５００円くらい安いと言った。それなら、運んでもらえるAmazonの方がいいじゃん、と長男が言った。だが、一応もう一度ここの値段を見ておこうと言って、売り場へと向かった。

売り場へ向かうと、さっきのお姉さんとすれ違った。ちょうど他のお客さんをレジへ連れて行くところだったようだ。よしよし、今なら値段を見て辞める事も出来る。

さて、パナソニックの炊飯器売り場へ行くと、

「この店の会員は１０％引きって書いてある！それなら、こっちの方が断然安いね」

と、長男が言った。２６,０００円くらいだから、２,６００円くらい安くなって、２３,４００円くらいになるというわけか。

というわけで、ここで買った。配送にするか持ち帰りにするかと聞かれたので、長男に持って帰れるかと聞いたら、箱をちょっと持って、

「これはバスだね」

と長男は言った。徒歩でも電車でもなく、バスだそうだ。歩く距離をなるべく少なくすれば持って帰れる、という事だ。それで持ち帰る事にしたのだが、長男はこれからイヤホン買いたいと言う。まあ、バスでなら私も持って帰れそうだと思い、私が持って帰ったのだった。

バス停から自宅に帰る途中、両手で箱を持ってうんしょ、うんしょと坂を上っていると（バス停からは１つ坂を上らなければならないのだ）すれ違った男の子が一言、

「パナソニック！」

と言った。ああ、箱に書いてあるから。英語なのによく読めたね。一緒に歩いていたお父さん、コメントできず。

さて、無事自宅に持って帰れた。しかし、何となく腑に落ちない。思ったよりも安くなかったような感覚がある。家に帰ってからレシートを見た。長男が売り場で、

「なんで会員だと１０％引きなんだろ」

と言ったのを思い出した。そして、

「ああ、消費税分を割り引きするって事か」

と思って、愕然とした。そうだ、Amazonは税込価格だった……。つまり、やっぱりAmazonの方が５００円くらい安かったのだ。しかもバス代までかかってしまって、７５０円くらい高くなってしまった……。

でもまあ、長年持つ品物だ。数百円はいいだろう。早速今日から使えるし。と、自分を慰めた。

丸い。可愛い。だが、家に持って帰って来てみると、思ったよりも背が高い。そういえば、今は蓋に球は付いていないようだ。

取説をざっと読み、最初に洗っておくものを洗った。そしていざ炊飯だ。

蓋の開閉ボタンが普通と違って少し複雑。だが、一度覚えたら別に複雑ではなかった。炊飯する時はロックを掛けるが、それを解除するのは簡単。その後蓋を開けるには、ちょんと指先でつつく感じだった。

しかし……一番の難点がやはり表示の見えにくさ。

これ、分かるだろうか。

２段目に置いていると、どうしても炊飯器の上部が陰になる。写真に撮ると見えているようだが、実際に画面を見ながら操作しようとすると、何が書いてあるのかさっぱり分からない。最初は何をしたらいいのかもよく分からなかったし。懐中電灯も（スマホでやれば良かったのだが）どれも電池切れ。手動の懐中電灯で照らそうとしたら、点いたり消えたりするものだから余計に見えにくかった。

でもね、一度やってしまば、後はいつも同じ設定で炊くから。無洗米か白米か、ふつうかかためかやわらかめか、それを変えないならもう画面を見る必要もない。

いつも３０分ほど米に吸水させていたが、今の炊飯器は（この炊飯器？）吸水まで自動でやってくれるそうだ。つまり、炊飯時間「５２分」となっているのは、吸水時間も含めた時間だそう。弱火で吸水しやすくするところから始まるとか。でも、吸水を自分でした後に炊く場合は、スタートボタンを２回押すと吸水のステップを飛ばすそうだ。でも、吸水含めて５２分で炊けるなら、その方がいい。

さて、炊飯だ。いつもは水を少し多めに入れて炊く方だが（米によって色々変える）、勝手が分からないので３合で３のメモリのところの水で。ふつうで炊く。

ちょっとシャーシャーという音がしているようだ。それに、ものすごく新しい匂いがする。なんというか、飛行機に乗った時の匂い？病院？いや、新幹線？やっぱり飛行機かな。

だが、ご安心あれ。米には何の匂いもついていなかった。

食べてみたら、硬い。水がいつもより少な目だからなのか、吸水時間が短いからなのか。硬いという印象しかなかったが、カレーだったのでむしろ良かった。

そして、２回目の炊飯。今度はそれ程ひどい匂いはしなかったが、ちょっと消毒っぽい、いや、やっぱり飛行機だ。飛行機の匂いが少々した。でも、やっぱりご飯は匂わない。

今回は３．３くらいの水加減。そうしたら、美味しい。ちょうどいい。次男はもうちょっとやわらかめの方が好みかなと言った。

でもやっぱり、つやつやで、モチモチで、美味しく炊ける。

スタンディングしゃもじと、米の計量カップ付き。あれだね、昔のは持ち手が付いていたけれど、今のはないのね。あれ、ほとんど必要ないものね。たまーに運ぶ時には要るのだけれど、無ければ布のバッグなどに入れて運ぶからいいよね。あ、昔ながらのデザインの物には、やっぱり持ち手も付いているようだが。