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臭い食べ物を好きになるには

 今朝の朝日新聞に、「本能にあらがう発酵文化」という記事が載っていた。
 人間が、カビなどの微生物で発酵した食品を好むのは、「ヤバい」匂いにも惹かれるという、生物的な本能にあらがう事に喜びを感じる、奥深さによるものだとか。

納豆の起源に?

 以前、チコちゃんに叱られる、というNHKの番組だったかと思うが、納豆の起源を簡単にアニメーションで説明していたのを見た。
 それによると、馬の背に大豆を乗せて運んでいたところ、発酵して納豆になっていたと。それを食べた人がうまい!と言って・・・云々とか。
 納得がいかなかった。
 初めて納豆を食べた大人が、美味しいと思うか?しかも、醤油とか何も味を付けないで。

給食で納豆

 納豆に関する思い出がある。
 私が子供の頃、毎週日曜日の朝に自転車で売りに来る納豆屋さんがいた。我が家では、毎週それを買って、祖父祖母を含めた家族全員で、納豆ご飯を食べた。
 その納豆は、竹の皮のようなもので三角形に包んであった。1つが家族全員分で、母がその納豆を器に入れ、かき混ぜ、醤油などを入れてさらに混ぜ、分けていた。
 そんな子供時代を過ごしていた私が、小学校に入学し、給食に初めて納豆が出た時の事
 給食は班ごとに机をくっつけて食べていた。ああ、今はコロナのせいで、それをしている学校は少なくなっているのだろうな。それはそうと、その時、たまたま私は女子が一人の班だった。すごく珍しい事だったが、納豆が初めて給食に出た時、たまたまそうだったのだ。
 納豆は一人1パックずつだった。まあ、当然だろう。
 だが、考えてみて欲しい。小学校に上がるまで、我が家では一人1パックの納豆を食べたことがほとんどなかったのだ。つまり、私は納豆をかき混ぜたことがなかった
 納豆にはタレが付いていて、もちろんそれは入れた。しかし、かき混ぜるという事を忘れていて、表面が白くて、ゴツゴツした納豆を食べ、美味しくない!と思ったのだ。
 同じ班の男子たちも、みな同じようにして、美味しくない!と言っていた。
 家に帰って母に、納豆が美味しくなかったと言うと、
「タレ入れた?」
と、聞かれた。
「入れたよ。」
「それでも美味しくなかったの?よくかき混ぜた?」
と、母に言われて、
「あ・・・。」
まさかの、かき混ぜ忘れ。笑えたが、納豆をかき混ぜずに食べると美味しくない、という事が分かったのだった。未だに忘れない。
 班に女子がいたら、かき混ぜる事を教えてくれたのではないか、と思ったものだが、その女子も私のような女子であれば、結果は同じである。

離乳食の頃から

 さて、納豆を初め発酵食品だが、やはり臭いのだ。
 しかし、納豆好きな人からすると、納豆以外のものから納豆臭がすると臭いが、納豆からその匂いがしても、美味しそうだと思う。チーズもそうだろう。キムチも。
 子育てをしていて思った。
 納豆は、離乳食の時から食べさせる。生後5~6ヶ月の頃からだろうか、ひき割り納豆をおかゆに混ぜて食べさせる。タレなどは入れずに
 赤ちゃんは美味しそうによく食べる。そして、成長に合わせて少しずつタレを入れて行く。3歳くらいには普通にタレを入れたっけか。
 そうして、今でも息子たちは納豆が大好き。納豆ご飯をお腹が空いている時に食べると、よく噛まずに一気にかっ込むものだから、必ずお腹が痛くなるという時期もあった。

大人になって初めて食べた「くさや」

 「くさや」をご存じだろうか。
 私は、結婚する前は食べた事はおろか、聞いたこともなかった
 くさやは、伊豆の特産品で、魚の発酵食品だ。
 子供たちがとても小さい頃、義母がいただき物のくさやを焼いて持ってきてくれた。
 マンションで焼くと近所迷惑でしょうからと、焼いてから持ってきてくれた。
 そのくらい、焼くと強烈な匂いを発するのだそうだ。
 夫は食べたことがあったので、普通に食べられた。
 私は、食べられなかった。食べられない物はないと思っていたのだが、これはダメだった。
 あまりにも臭い。こう言っては何だが、動物園の匂いがするのだ。
 だが、夫が子供たちに食べされると、普通に食べていたのだ。驚きだった。
 実は、もう一度1年後か2年後かに、再度くさやをいただいた。
 そして、やはり子供たちは平気で食べている
 それを見た私は、思った。
 (前回は、初めてで衝撃が強かったけれど、子供たちが食べられるのだから、覚悟して食べれば、なんとかイケるのではないか。夫は美味しいと言うのだから、食べてみれば、美味しさを見つけることが出来るのではないか。)
 しかし、口に入れ、噛むにつれ、ああ、やっぱり動物園。ダメだ、これはダメだ。
 口に入れた分は何とか飲み込んだものの、それ以上は無理だった。

結論

 つまり、大人になってから初めて食べる臭いものは、なかなか受け入れられないのだ。
 子供の頃から食べていれば、そういう食べ物だ、と受け入れられるのだが。
 初めて発酵食品を食べた人が、本能にあらがう喜びを持っていたかどうか知らないが、今多くの人間が発酵食品を好んで食べるのは、食べ慣れているから、臭いとは思わずに食べているのではないか。そういうものだから。子供の頃から食べているかどうか、ではないか。