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テート美術館展~イヴ・サンローラン展~カルティエ展

2023年9月27日(水)

ジャジャン!題名を見てびっくりしたのではないか?そう、旅行でもないのに一度に3つの展覧会をはしごした我々アート部一行。頭の中には様々な絵や服や時計が断片的に存在している。これをうまく一つのブログに落とし込めるのか。うん、大丈夫。時系列を追って行けばきっと頭の中を整理していける。では、朝の出発から。

国立新美術館へ

女性四人(今回参加できるメンバー)で待ち合わせ。国立新美術館に午前10時に集合だった。

国立新美術館は六本木にあるのだが、直結しているのは東京メトロ乃木坂駅。都営地下鉄六本木駅からでも徒歩5分程である。私は六本木駅へ向かった。

私以外の三人から、続々と「乃木坂駅」に到着したとの連絡が入る。みんな早い。そして、その乃木坂駅から出たところに並んでいる、などの報告がぞくぞくと来る。うーん、それはどこだろう。ちょっと不安になる。

国立新美術館には何度か行った事があるので、六本木駅からの道も大丈夫。な、はず。けれども、美術館に着いてからどこへ行けばいいのか、イマイチ分からないまま進んだ。

今日はあまりお天気が良くない。時々雨が降る予報である。気温は低めだが湿度が高いらしい。服装にもさんざん悩んでしまった。蒸し暑いのか、寒いのか。前回の美術展では冷房が効きすぎていて寒かったので、マフラーやら腕カバーを持参していた。腕カバーは日焼け防止用だが、寒ければ付ければいい。そして、意外に日が出たら外を歩く時にもつければいいと思って。

で、気温が低いし水筒など飲み物は持参しなかった。が、やっぱり電車を降りた時に一口飲みたいと思った。自販機で買うか、コンビニで買うか。でも、冷たい飲み物を買うと結露がなぁ。でも、もらっても使わないクオカードもある事だし、コンビニに寄ろうか……と迷ったが、もうみんなが到着しているので、やっぱり辞めた。

駅を出るとポツポツと雨が降っていた。傘を出して差した。えーと、向こうへ歩いて行くのだよな。こっちだっけ?おっと、違った。こっちだこっちだ。危ない。分っていると思っていたが、怪しかった。

大通りから斜めに入る細い道へ。はじめはポツポツだった雨が、徐々に強くなってきた。う、またコンビニがある。飲み物……いや、辞めておこう。そして、スロープを上がって(階段もある)また大きな通りへ出ると、新美術館が見えた。そうそう、ここだよ。うん。迷わなかったし、5分くらいで来れた。

今から建物の中に入る、という連絡をして、新美術館の中に入った。この建物の中でいくつかの展覧会が行われている。テート美術館展を探していけばいいだろうと思って歩いて行った。すると、エスカレーター乗り場の手前に見知った顔が。

10時5分。四人集合。素晴らしいんじゃない?私が迷子にならなかったのは奇跡?

テート美術館展

エスカレーターに乗って上っていくと、眼下に長蛇の列が見えた。それは、イヴ・サンローラン展の入場待ちの列だそうだ。うっそー、あんなに混んでるの?私たちも次はあそこに行くのに。

2階へ上がるとテート美術館展の入り口があった。よかった、大して並んでない。というか、立ち止まらずに入れた。あれ、まだ10時になっていないのにもう入れるのか。

割と中は混んでいる。だが、渋滞する程でもなかった。テート美術館展は「」をテーマにした展覧会で、ターナーの絵を始め、光を扱った作品が数多く集められている。印象派から現代アートまで。ターナーは印象派ではなく、印象派に影響を与えた画家だから、印象派の少し前からという事になるだろうか。そして、絵画作品の他、写真、彫刻、それから……形容しがたい物まで、さまざまだ。

まず大きな部屋に入ると、あった、ターナーの絵画が!え、ここ写真に撮っていいの?ダメな絵にはダメなマークがあるという。そうか、ターナーは撮っていいのか。で、撮ったけれども、ブレているのにそれが気づかないような絵。ターナーはもっと大きな風景画で有名だ。こういう抽象的な絵は珍しいかもしれない。このような絵は晩年に多く制作したらしい。いくつかの絵があったが、1点だけ、ブレた絵を載せておく。ブレているのは、横の字の書かれた板で分かる。ウィリアム・ターナー「陰と闇ー大洪水の夕べ」

次の部屋へ行くと、ジョン・コンスタブルの絵が多数あった。あーこれこれ、好きな感じ。そうか、印象派だなぁ。

あ、あった!私の最推しモネ!

モネの絵は2点あった。その2点目。なんかこう、へたくそな、なんの変哲もない木の絵。これがモネ?いぶかしむ私。だが、モネの絵は(何度も書いているけれど)遠くから見ると良いのだ。それで、ちょっと遠ざかってみる。

私は最近、右目の視力が下がってしまって、メガネでも矯正が利かなくなってきた。左目はまだメガネをかければ見えるので、遠くへ行くほど左右差があって見づらい。ガチャガチャする。だから、今後美術館に行く事が出来なくなるのではないか、もしかしたらもう、絵を観に行く意味がないのではないか、と思っていた。だが。

ああ!やっぱりモネだ!あの木の絵はモネの絵だ。素晴らしい。ちょっと、前にいる人の頭がいくつもあって邪魔だけれども、遠くから見るとすごく立体的で遠近感があって、光が輝いている!そうか、やっぱりねえ。あんな近くで見て満足しているようじゃダメなんだって。

他の印象派の絵も、少し離れて観る方がいいのだが、モネは特にそう感じる。近いとすごく大雑把に見えるのだ。でも、写真に撮れば遠くから見た感じが伝わる。これが木の絵。クロード・モネ「ポール=ヴィレのセーヌ川」いやー、でももうちょっと離れた方がいいなあ。残念。でも、私の目もまだ大丈夫だという事が分かった。良かった。

シスレーもカミーユ・ピザロもいいねえ。撮影はしたが、載せるのは控えておこう。

で、印象派は終わったらしい。部屋の真ん中には大きな鏡張りのキューブがあった。所々に丸いものがある。これは草間彌生の作品だという。

何々?鏡を覗き込むと光が……どうのこうのと書いてあった。覗いてみよう。あ!なんか出てきた。丸い物の中に何か見える。で、鏡を自撮り的に撮ってみた。伝わるじゃん。

そういえば、撮影禁止だったターナーの絵がある。それは、講義の為の図解ってやつで、たくさんあった。どこかで先生をした時に、遠近法だとかいろいろと画法を伝授するために自ら描いた絵、というか図?

それがたくさんあったから、テート美術館展はターナーの名前を前面に出しているのかな?

展示は徐々に現代アートへ。絵だけでなく物体や写真も出てくる。どれも光をテーマにした作品。

そうそう、現代アートで赤地に黒い四角が描いてある作品があった。マーク・ロスコの「黒の上の薄い赤」という作品だ。そこら辺の絵は、どれも抽象的だった。それを眺めている男性がいた。おしゃれな感じの若い男性で、私の前で絵を眺めていたのだが、最後にくいっと首を捻って去って行った。ああ、よく分からんって思ったね。ちょっと笑いそうになった。うん、私にもよく分からんよ。

やはり寒い。特に、下の方から冷風が噴き出てくるので足が寒かった。七分丈のズボンだったから、素足の部分が特に寒かった。そこが寒いのでは、マフラーも腕カバーも役に立たぬ。

そろそろ終わりが見えてきた。ある展示のところに、時間が書いてあった。何時と何時、という風に。あと5分くらいで11時だった。11時から実演?するらしい。最後まで展示を見学した後、そこへ戻って来た。

うわ、人がたくさん小さい部屋へ押し寄せている。その後ろにつく。出てきた人が何人かいたので、中へ入った。これはオラファー・エリアソンの「黄色vs紫」という作品である。2003年の作品だとか。

徐々に光が移動しているようだった。それで、紫色と黄色が重なるみたいだった。でも、動きが遅く、この後どうなるのか気にはなるが、何も起こらないようなので、出た。ちょっとせっかちだったかな。

何しろ、寒いのだ。一緒に回って、時々言葉を交わしていたメンバーだが、最後はちょっとバラバラになっていた。もう出口だと思ったので、少し戻ってみた。一人が黄色vs紫の部屋へと入る列に並んでいた。さっきよりも混雑している。

一人は座って待っているという話を聞いていたので、外でずっと待っているのかと思った。とにかく、出てから待っていようと思った。

ショップ~待ち時間

出口へ向かうと、お土産コーナーがあった。いつもの事だ。ミュージアムショップ。これは楽しい。

ポストカードやクリアファイルはもちろんの事、Tシャツやトートバッグ、ポーチ、そして缶入りのお菓子など。それから文房具類。見ているだけで楽しい。

トートバッグはいずれミュージアムショップで買おうと思っている。が、相場よりも高めなのだから、特別気に入った絵のバッグを買おうと思っている。まだ、これだと思うトートバッグに出会っていない。今はターナーの絵のトートバッグが売っている。

ちょっと突っ込みたくなったのが、男性の絵が前面に描いてあるボクサーブリーフ。その部分だけのマネキンに履かせてある。その形からして男性が履いているものと思われるが、このブリーフは前開きではないらしい。そんなボクサーブリーフは初めて見た。そりゃ、前開きではないパンツもあるのだろうが。そうだな、前開きだったら絵が台無しになってしまうからな。いやー、でもどうかなぁ。男性のほぼ裸体のようなものが描いてあるパンツって。男性が履きたいと思うかな。

寒い。お腹がキリキリっと時々痛むようになってきた。これはもうダメだ。みんなを待つ事なく、出る事にした。出てしまったらもう戻れない。でも、買う物もなさそうだし。無理したらお腹が下るぞ。

というわけで、出口を出た。すると、暖か~い。幸せだ。建物内だし、扉もないのに、美術展のスペースから廊下のような所へ出たら、こんなにも温度が違うとは驚きだ。

出口の横には椅子がなかったので、入り口の向こう側のソファのところで座って待つ事にした。先に出た人がいると思ったが、どこにもいない。どうやら中の椅子に座っていたようだ。

みんなに座っている場所を連絡し、スマホで新聞を読んだ。思った以上にみんながゆっくりしていたので、新聞をほぼ読み終わった。それはそれで、助かった。お腹も痛くない。手遅れにならなくてよかった。30分くらい座っていたので、足の疲れも癒された。

カフェテリア カレ

2階のカフェは並んでいた。1階のカフェには空席があった。それ程混雑していなさそうなので、地下のカフェへ行く事にした。一番ちゃんとしたご飯が食べられそうなカフェなのである。

行く前にはちょっと勘違いしていた。1階のカフェのメニューを予め見たら「ノンカフェイン・コーヒー」というのがあって、カフェインレスとかデカフェではなく、ノンカフェイン?と不思議だった。というのも、以前ここのカフェに入ってケーキセットを注文する時に、セットの飲み物がコーヒーか紅茶だったので、カフェインがダメだと言ったら、コーヒーも紅茶もカフェインレスに出来ると言われて喜んだという記憶があったから。

でも、その時に入ったのは2階のカフェだった。勘違いしていた。2階のカフェは、メニューには特に書いていないけれども、コーヒーも紅茶も、カフェインレスにしてもらえるのだ。という事は、1階のノンカフェイン・コーヒーというのは怪しい。カフェインレスやデカフェは、カフェインを97%~99%カットしてあるが、コーヒー豆で出来ている。ノンカフェインというのは、コーヒー豆以外の物で出来ていると思われる。そして、期待したコーヒーの味ではない事がほとんどである。麦茶の濃いやつじゃーん、とか。

さて、地下へ下りて行くと、可愛い雑貨が売っていて、奥へ行くとカフェが出てきた。カフェテリア・カレである。良かった、混んでいない、と思ったのだが……。

空いていると思ったテーブルには「リザーブ」の札が置いてある。あっちも、こっちも、あ、全部だ。

店の入り口にリザーブの札が置いてあった。ここはセルフサービスの店なので、席を取った後、カウンターへ食べ物を買いに行くのである。まあ、四人テーブルや六人テーブルに一人が座って食べているという人もいて、一見すいているように見えるのだが、ちょうどいっぱいだった。

まあ、既に食べている人はもうすぐ終わるだろう。我々は待つ事にした。すると、年配女性のグループがやってきて、やはり席を取ろうとする。

「席、空いてないですよ」

などと声を掛け、我々もバラバラに立っていないで入り口に並ぶ事にした。俄かに列が出来てしまった。他に少なくとも2つのグループが並んでいたように思う。ちょうど12時だから混むのも仕方がない。

程なくして四人掛けのテーブルが空いた。そこにリザーブの札を立て、カウンターへ向かった。何で支払う事になるか分からないから、お財布とスマホと両方持った。

我々のお目当ては、展覧会とのコラボメニューだった。企画展特別メニューというもの。他にも美味しそうなものはあるのだが、やっぱりせっかくだから。

今のコラボメニューは仔羊のトマト煮ブラックオリーブのビューレ添え&バターライス……だったかな。そこまで長くなかったかな。で、見た目はトマト煮だから赤いわけで、ブラックオリーブのピューレはもちろん黒い。その黒いビューレが四角くなっていて……あれだよ、男性が首傾げてたあの絵!「黒の上の薄い赤」だ。

で、カウンターでそれを注文した。寒いから、温かそうなコーンスープも欲しいけど、両方だと濃いなと思ってやめた。だが、よくよく見たらコーンスープは冷たい飲み物だそうだ。危ない所だった。

四人とも同じメニューを頼んだので、ピューレを絞り出し器で四角くするのが大変そうだった。その場でよそって、仕上げにピューレを乗せているのが見えたのだ。うん、まあまあ四角になってるじゃん。

4つ揃うと圧巻。

仔羊、つまりラム肉はちょっと癖があるが、でもこのトマト煮はすごく美味しかった。バターライスと一緒だと余計に美味しいのだろうか。野菜の角切りがけっこうたくさん煮込まれていて美味しい。こういうメニューでここまで美味しいとは意外だった。六本木で、しかも美術館で1320円は安いと感じる。他のメニューはもっと安いのだ。意外だった。

食べながら、狩猟の話などをした。うちの義父が猟友会に入っていた話とか、お子さんが狩り部に入っている話とか。猿に遭遇した話とか、熊が人里に降りてくる原因の話とか。

で、こうなると「黒の上の薄い赤」の絵を見たいでしょ?コラボメニューがこの絵だとは思わず、写真を撮らなかったのだが、後でもらってきたテート美術館展のパンフレットに載っていたので、その写真を載せよう。人の背丈を越えるくらいの大きい絵である。

イヴ・サンローラン展

食事を終えたのが12時半頃だった。イヴ・サンローラン展の入り口へ行くと、朝はあんなに人が並んでいたのに、今は全然並んでいない。よし、空いている時間に入れるぞ。

この展覧会は2日前に始まったばかり。始まる直前に前売り券を買い求め、200円安くチケットを買った。テート美術館展の方ももちろんそう。そちらは2か月も前に買っておいた。今回、同じ国立新美術館でイヴ・サンローラン展も始まるという事で、急遽両方行ってしまおうという事になったのだ。

入って行くと、まずはイヴ・サンローラン本人についての説明と写真が。ああ、男の人だったのね。同じ美術館内でやるし、行こう!という事になったが、私はデザインとかファッションには全く詳しくない。芸術という観点からすれば同じで、そう、私は何を隠そう(?)芸術学専攻だったので、芸術全般に興味がある。建築だろうが、彫刻だろうが、衣服だろうが、機能と同時に美しさも追及する物に関しては、同じ事なのである。

ただ、今朝行列をなしていた人たちを見た時には、私の興味の持ち方とは違う人が多いのかな、と思った。つまり、他の美術展に通う人と、イヴ・サンローラン展とかクリスチャン・ディオール展などに行く人とは、客層が違うのかと。いやいや、今ここにいる私以外のメンバーは、美術展と同じようにディオール展やサンローラン展に来ているのだが、それ以外に、ファッションとかブランド物に興味がある人が来るのかなと思ったのだ。

で、芸術には興味がある私だが、ブランド物にはあまり興味のない方で、よって名前だけはよく知っているものの、イヴ・サンローラン本人については全然知らなかった。でも、あのロゴは好きなのだ。YとSとLが重なっているあれ。そして、フランス語を知らないと読めないYves Saint Laurentという文字が好き。以前、実家に泊まった時にたまたま借りたタオルケットがイヴ・サンローランのもので、けっこう喜んだ記憶がある。イヴ・サンローランは色がちょっとどぎついというか、紫や黒の線がくっきりしているようなイメージがある。そのタオルケットもそんな感じだった。

イヴ・サンローランについての説明を読むと、まずは若い頃から絵が上手くて、彼の描く絵がクリスチャン・ディオールと似ていて、弟子になったと。するとディオールが亡くなり、サンローランは21歳という若さで跡を継いだとある。これは割と有名な話なのかな。

さらに、子供の頃はどんな風だったかという展示が。裕福な家庭に育ったそうだ。母が雑誌を切り抜いておいた人型(ペーパードール)に、服をあれこれデザインして作っていた。着せ替え人形の洋服の要領だ。これを13歳の時に作ったとか。うーん、一昔前の話だし、母や回りの理解があって良かったなと思った。東洋とは違うかもしれないが。一昔前の日本だったら、男の子が着せ替え人形なんかを作っていたら親はどうしたかと、多様性について考えてしまった。もし、多様性を認めずに辞めさせていたら、世界のイヴ・サンローランは誕生しなかったわけだから。

13歳で裸婦を描くなど、大人っぽい子供だったと思ったら、18歳で描いた漫画の絵は、かなり子供っぽいものだったりする。天才は捉えどころのないものだ。

そんな感じで、サンローランの歴史を追いつつ、彼がデザインした服の展示も始まった。マネキンに着せてある服が多数。スーツやワンピース。古さを感じさせない。部屋には真ん中にマネキン、端にはガラスケースの中にマネキンが着ている服のデザイン画などが展示してあった。指示書のような物とか。

ちなみに、ここら辺は写真撮影禁止だった。最後の方に撮れるところがあるが、それ以外は禁止という事だった。

展示はだんだん衣服が増えていく。サンローランはモロッコ以外は旅行に行った事がなく、全ては本で読めばわかるという人だったそうだ。ロシアや中国、ベトナムなど、様々な国からインスピレーションを得た服をデザインしていた。2000年ごろにデザインした服もあり、我々大人にとっては新しいじゃん!とか思ってしまう。

ウエディングドレスもあった。いやー、中国系のはすごかった。背中に大きな蝶を模したリボンがあったりして。それからロシアのはもっとすごかった。マトリョーシカをモチーフにしたようだが、なんと言うか……ミノムシ、いや、かまくら?違うな。とにかく頭からすっぽりとかぶる毛糸のような白い衣装で、かなり変わったデザインだった。

そして、サンローランの歴史の最後は日本との関係だった。サンローランが初めて海外旅行をしたのは日本だったそうだ。何となく分かるな。サンローランはフランス人だ。フランスはジャポニズム発祥の地だ。フランスと日本は、文化的に一番遠いのかもしれない。だからこそ、すごく珍しいのかも。印象派の画家たちが浮世絵にはまって絵の中に着物や扇子を描きこんだり、浮世絵をヒントに黒線で縁取りしたり、影を描かなくなったり、画面をバツっとぶった切ったような絵を描いたりしたのも、それから工芸家が食器や家具の装飾に虫や草花をモチーフに使ったりしたのも、すごく変わったものに対する憧れがあったからではないか。だから、サンローランも日本にだけは訪れてみたかったのかも。

ま、憶測ではあるが、サンローランが日本にやってきたのは事実だ。そして、和風をモチーフにしてデザインした服もあった。でも、それほどたくさんあったわけでもない。中国やロシアの方がたくさんあった気がする。

そして、年表の最後に、本当にちらっと、サンローランの恋人の事が書いてあった。ずっと協力してくれた、ピエール・ベルジュという実業家の男性だった。

たくさんの服を見た。男性の服から着想を得たという、かっこいい服もあった。あれ、着てみたい。

マネキンでも素敵だけれど、モデルさんが着ていたらどれだけ素敵だろう!と話した。ファッションショーはさぞかし素晴らしいだろうねと。

そして、我々の頭にクエスチョンを付けた代物がこれ。「イブニングガウン」だ。「イブニングドレス」は知っているが、ガウンとは?ガウンって羽織るものかと思っていたが違うのか。何せ、羽織る感じでなくてもイブニングガウンと書いてあるのだ。

また、イブニングドレスと言えばタイトでロングなドレスかと思っていたのだが、ミニスカートでもイブニングガウンと書いてあったりする。そして、まさに我々がガウンだと思っているようなものもイブニングガウンだった。

さらに、デイタイムドレスというのもあった。少なかったが。確かにちょっと外にお出かけしそうな感じだろうか。

フォーマルドレスもあれば、セレモニーガウンもある。イブニングガウンとは何ぞや!

私はこの時、イブニングドレスよりも厚手の生地で作ってあるとイブニングガウンなのかな、と思った。そして、これはみんなで話したのだが、イブニングガウンは飲み会程度、フォーマルドレスは入学式や卒業式、セレモニードレスは謝恩会って感じだろうか。

この時は最後まで分からなかった、イブニングドレスとイブニングガウンの違いだが、後で調べたらその二つは同じ意味だった。ドレスもガウンも同じ意味だそうだ。でも、それなら統一してくれればいいのに、イブニングガウンの方が多かったものの、イブニングドレスと書いてある服もあったのだ。紛らわしい。

順番が前後してしまったが、最後に写真撮影OKだったところの話をしよう。ここは、印象派の画家をモチーフにしたデザインの服だった。ゴッホやピカソ、マティス、ジョルジュ・ブラックなど。なかなか楽しい。

下の写真は、左端の上のドレスがマティスに基づくもので、その右斜め下がピカソへのオマージュ

本当は、この後にウエディングドレスだった。中国の背中に蝶だったのは先で、ロシアのかまくらだったのはこの後。最後に日本風のものが来て終わりだった。

さて、ここでもミュージアムショップへ。こちらは買う時にチケットの半券が必要だとか。一人1点しか買えないようだ。ブランドものだから、転売の心配があるのだろう。

色々と手の届かないお値段だったが、トートバッグは良かった。中にはファスナーの付いたポーチがあって取り外しできるようだし、バッグ自体もしっかりしている。普通の相場の10倍の値段がするのがブランド品だと思っているので、大きい方が8000円台、小さい方が6000円くらいなのは結構安いんじゃないのかな。でも、私の財布の紐は緩まないけどね。

お一人、娘さんにトートバッグを頼まれている人がいた。大学生がこんな贅沢なものを買っていいのだろうか、と言っていた。分かるー!でも、頼まれたから買っていた。それも分かるー!まあ、本人がお金を出して買うと言うなら……だよね。

カルティエ展

やっぱり足元から冷風が噴き出していて寒かったが、今度は最初からマフラーを首に巻いていたので、お腹がキリキリする事はなかった。出口から出ると温かく、マフラーは撤収だ。

2時半だった。一人はここで帰らなければならず、後の三人で次の場所へ。あれこれ行きたい場所はあったのだが、私にも早めに帰らねばならぬ事情があり、カルティエ展にのみ行く事になった。

乃木坂駅からみんなで電車に乗った。車内で一人のお友達が言った。今日のテート美術館展では、私の好きな画家ばっかり出ていて、まるで私の為の美術展のようだった。今まで、好きな画家に共通点があるとは思っていなかったけれども、みな光を扱う画家だったという事が分かったのだと。すごい!なんか壮大な謎を解いたような気分だ。彼女にとっても長年の謎が解けたのだろう。素晴らしい。私は「風」が描かれた絵が好きだけど、印象派は光だよな、やっぱり。

明治神宮前駅で降り、タイムリミットの一人とはここで分かれた。そして駅前すぐのプレハブへ。いろいろなイベントが行われる場所に、今はカルティエが来ている。真っ赤な箱歪んだ時計

赤いTシャツのスタッフさんがたくさんいた。ここは入場無料だが、ラインでお友達登録をする必要がある。そして予約も必要である。私以外のお二人が、三人分の予約をしておいてくれた。ありがたや。一瞬自分だけ入れないかと思った……。

カルティエの歴史を映像や音声で学ぶ。無料で音声ガイドが聞けるという事で、入り口でQRコードを読み込んた。声の主を選択できる。四人くらいの選択肢があったかな。私は渡辺謙さんにした。

少し聞き始めてから、写真を撮ろうとして画面を消してしまったら、再び音声ガイドに戻ろうとしてもできなかった。無いのだ。そうだ、カメラでQRコードを読めばサファリで開くが、私は別の方法で読み込んだので、ページが残らなかったのだ。もういいかな、と思ったら、お友達がURLを送ってくれた!でも、彼女が聞いていたのは渡辺謙さんではなく、平手友梨奈ちゃんだった。まあ……仕方ない。

こんな感じの天井があったり、

今は販売されていない時計があったり。

腕時計を初めて作ったのがカルティエだとか。それは、パイロットの為だったそうだ。操縦桿から手を放さずに時刻を確認できるように。昔は懐中時計だったから。

四角い時計を作ったのも珍しかったとか。こんな歪んだ時計も珍しいよね。

展示を見終わると、次のプレハブへ案内された。雨がポツポツ降っていて、段差もあるから、滑らないように、躓かないようにと、赤いTシャツの男性が何人もいて誘導された。もしくはここで帰らないようにか?

ここには狭いながらも色々あった。まずはプリクラを撮ろうという事で、並んだ。これが主目的だったと言っても過言ではない。プリクラだから100円とか200円とか掛かるのかと思ったら、無料だった。しかも、最初に一人ずつ撮ってから、次に三人で撮らせてもらった。久々のプリクラだ。顔のしわなどなかった頃に撮って以来。目の前の鏡にはひどい顔が映っているが、写真に撮ってみると悪くない。強い光を当ててくれるからかな。

三人ではちょっと、いやだいぶ狭かったが、頑張って撮った。やっぱり一人よりも三人で撮る方がいい笑顔になる。よく撮れていて見てもらいたいくらいなのだが、顔は一般公開するわけにはいかないので、隠す事にしよう。あー、手に持っているボタンは隠せよって感じだね。失礼。

それから、腕時計を実際に触る事が出来るコーナーへ。気に入ったものはQRコードを読むとお値段がわかるとか。これいいなーと思ったら500万!本当はこっちの方がいいなーと思ったら1300万!

また、ゲームというかタッチパネルのクイズがあった。腕時計を組み立てる順番を当てるやつ。なかなかいい線行ったのだが、バグっていて最後までできなかった。どれを選んでもNGになってしまって。

あと、VRゴーグルをして工場見学ができるコーナーもあった。ゴーグルはメガネの上からでもできるのか?という不安もあったが、ちょっと待たないとならない。もう3時半を過ぎている。申し訳ないが、そろそろ帰る事にした。

ここはみんなで出て、お二人は別のところへ。私は原宿駅へ。ああ、今日は多少疲れたけれども、とても楽しかった。別れる時、

「チョコナッツさんのブログ、すごく楽しみにしてる」

と言ってもらえて、すごく嬉しかった。嬉しかったのだが、その時はすごく、なんと言うか、今日の事をちゃんと書く自信がなかった。たくさん見て、写真はあまり撮れなかったし、明日は出かけるし、明後日も午前中は出かけるし、そんなこんなで忘れてしまうかもしれない。ちょっと不安で、絶対に書くから読んでね!とは言えない私。嬉しかったのに、喜びをあまり表せなかった私。

雨がポツポツ降る中、家路を急ぐ。私、ちゃんと今日の事書けるかな、そればかり考えていた。

が、実際に書き始めたら、するすると書けるし楽しい!杞憂であった。日記のように時系列で思い出していけば大丈夫なのだ。むしろ、細かい事は忘れた方が長くなり過ぎずに済むかもしれん。あ?充分長いか……