アフィリエイト広告、アドセンス広告を利用しています。あなたの広告への反応が、チョコナッツの収益に影響します。

次男の初ライブ

大学の軽音サークルに入った次男。初ライブが昨日、あった。

サークルに入会する際、先輩にいろいろと話を聞いてきた次男は、

「お母さんも、ドリンク代払えばライブに来れるって」

と言っていたくらいなので、母に観に来てほしいらしい。まあ、私も軽音経験者だし、行こうかな。

と言うわけで、昨日。朝から二人で衣装合わせ(笑)次男はリハーサルがあるので朝から出かけて行った。

その出がけに、

「あ、動画撮ってもいいから

と言い残していく次男。つまりそれは、動画を撮ってねという事だね?

初めて行くライブハウス。思ったのと違った道だったけれど、目立つ看板だったので迷わずに行けた。地下に下りて行くと、携帯の電波はほとんど通じない。

入り口でドリンク代600円を払った。次男が先輩のライブにここへ来た際、身分証明書を見せたという話だったが、私は要求されなかった。たぶん、酒類を提供するので、年齢の確認だったのだと思われる。私は、どう見ても成人しているから……酒類を買う際、身分証明書を要求されたことがないチョコナッツ。ずっと前からだよ。

恐る恐る中に入る。まずバーカウンターが出てきた。ここでチケットを飲み物に交換して、もっと暗い所に入って行くのだな?

「えーと……ハイボール」

何というか、本当によくあるカクテルくらいしかなかった。ビールやワインもなかった。でもまあ、ハイボールは大抵美味しいから。実際、外は暑かったし汗をかいていて、氷の入ったハイボールは美味しかった。

暗い部屋にソロソロと入って行き、キョロキョロしていたら、次男が突然現れた。

「あの辺とか、適当にいて」

と、端っこの腰を掛けられる(と言うか寄りかかれる程度)バーを指す。でも、バーはほぼ人で埋まっているではないか。あんまり狭い所に入るのもあれだよ。とにかく出入口の辺りに突っ立っていた。そう、ここはスタンディング形式のスタジオ。少し高くなったステージがあり、ちゃんと暗幕が開いたり閉まったりする。横に広い客席。真ん中の後ろに脚立が建てられていて、てっぺんにカメラが仕込んであるらしい。

ライブが始まり、バーに溜まっていた人たちがワーッと前へ行ったので、ささっと脚立の隣を陣取った。どうやら大学生しかいないらしい。女子もいるがサークルのメンバーは男子が多いらしく、ほぼ男子という空間だった。

次男が2番目のバンドで出てきて、私は動画を撮り始めた。片手にハイボールのカップを持ち、片手にスマホ。ボーカルの次男。一緒によくカラオケに行くので、歌を聴く事には慣れている。ちょっと頑張りすぎなのか、マイクが近すぎるのか、声がボアボアしているな。

MCが入って、それも録画していたら、なんと次男が、

僕のお母さんが来ています

と言うから、前の方に立っていた子たちが振り向く。は、恥ずい。片手にハイボール、片手にスマホを持って、しかもスマホの持ち方がちょっと変だった。逆だった。変に手首をひねっていた。恥ずい。

次男が続けて2つのバンドのボーカルとして出て、その後の幕間の時。

「お久しぶりです」

と、長身イケメンが私に話しかけてきた。暗くてよく顔が見えない。で、よく顔を見て、あっ!と言ったものの、誰だか分からない。

「○○です」

と名乗ってくれた。次男と中高、同じ学校だったお友達だった。中学時代はメガネ君だったのに、コンタクトにしてすっかりイケメンになって、しかも一度挨拶した程度で話したこともなかったのに、話しかけてくれるなんて大人になってしまって、おばちゃんビックリ。今日は誰ともしゃべらないだろうと思っていたのに。

「僕一人なんですよ」

そうか、彼も誰ともしゃべれなくて寂しかったんだね。ちなみに、なんだかバーには女子が寄りかかりがちだった。私の隣には3~4人の女子がいた。この空間の女子のほぼ全てがここに集結していたかもしれない。

そのうち次男も出てきて、3人で話した。そして、バイトがあるという事で、お友達は帰った。

そう、この後しばらく次男の出番がなく、最後の最後に一曲歌うらしい。私もここで帰った方がいいと思ったのだが、次男が最後の曲も聴いてほしいと言うので、帰れなかった。

一度出て、カフェで本でも読んで、また1時間半くらいしたら戻ってくるのもありだった。でも、そうするとまたドリンク代がかかるのだった。長時間だから、ドリンクを2杯くらい飲むだろうと思ったのだが、この地下室、けっこう寒い。さっきのハイボールはすぐに飲んでしまって良かった。もう落ち着いてしまったら冷たい飲み物なんて要らない。それと、幕間のバーの辺りはけっこう明るいので、本が読めそうだった。まあ、実際にはそれほど明るくもないのだが、読めなくもなかった。何しろ電波が届かないのでスマホでやれる事は写真撮影くらいしかない。だから暇つぶしには読書しかない。

でも、次のバンドのボーカルの子が、ものすごく上手だった。聴いて良かった。ミセスそのものの歌声だった。すごいな。

一年生が主体のライブだったから、一つのバンドは2曲くらいしかやらないので、幕間が多い。薄暗い中、読書が進んだ。一度、

「○○のお母さんだ。似てるね」

とかいう声が聞こえてきた。バーの辺りはまあまあ明るいが、離れたところは暗いので、ほとんど顔が見えない。うちの次男の事は髪型で分かるが。すると、うちの次男が友達を一人連れてきた。その子はさっきのミセスばりに歌の上手いK君だった。

「○○君と仲良くさせていただいています」

と丁寧にご挨拶してくれたが、私は顔を見て思わず、

「すっごい上手だったよー!」

とかなんとか、言った気がする。もう覚えていない。彼は遠目だと神木隆之介さんみたいに見えたが、近くで見たらもっと可愛い顔をしていた。さっきは、歌は上手いけどMCは下手だなと思ったのに、しゃべるの上手いじゃないか。すごく社交的だ。彼がステージ慣れしたら、もう怖いものなし。もしかしたら将来歌手になってしまうかもしれないな。

しかも、よいしょが上手すぎる。私も学生時代にバンドをやっていたと言ったら、何をやっていたのか聞かれ、ベースとボーカルだと言ったらボーカルのところで反応するK君。そして、

「どんな曲やってたんですか?」

と聞くから、

「ボーカルやってたのは、プリンセスプリンセス」

と言った。知らないだろうな、と思って遠慮がちに言ったら、プリンセスプリンセスの曲をいくつも知っていて、好きなんだと言う。そして、

「ビデオないんですか?観たいなー」

なんて言って。貸してあげようか、なんて私も調子に乗ってしまった。息子にも見せた事がない30年くらい前の映像(笑)

意外にも若いイケメンとおしゃべりをする日になった一日。

次男は……まだまだだったけど、間違いなく可愛かった。うん。リコーダーとか吹き始めた時には、みんなが笑顔になったよ。女子とも違う、他の男子とも違う、すごく特殊な、可愛い男子だったよ。

そういえば、先輩バンドと思われる、すごくこなれたバンドが出てきた。そのボーカルの男子は、

「ごめんなさい、風邪ひいちゃって」

と言っていて、しゃべる声がひどかった。歌えてはいたが、本来はもっと上手いのかも。しかし、その先輩ボーカル君、ステージの後でドリンクカウンターの所に来て座っていて、その時だけ私もそこの椅子で本を読んでいたら、

「暑い、暑い、暑い!」

と何度か言っていた。それ君、熱出てるよ。なんか、椅子一つ分離れてしまった。この後打ち上げ行って、みんなにうつすとか、ないよな……

ライブが終わった。大学生の中に一人、ポツンとおばちゃんがいるという状況は痛いのに、最初から最後まで入り浸ってしまった。

それにしても、4時間以上暗くて寒い所にいてすっかり冷え切ってしまい、外に出ても暑いと感じなかった。電車の中はやっぱり寒くて、そしてもう6時だし、お腹が空いてきた。

夫も長男も昼前から出かけていて、今日の夕飯は各自だった。私は温かい物が食べたいと思った。でも、これから作る気にもなれない。粉末の野菜スープでいいかなぁ、なんて思いながら6時過ぎに帰宅すると……

家では、長男が餃子を作っていた

なんか作りたくなったそうで、皮とニラを買ってきたらしい。家にあったひき肉とキャベツを使い、もう既に15個くらい包み終え、包んではフライパンに並べているところだった。

餃子は30個。具が余っているので、これも焼いて卵で包めば?と言ったら、それも焼いてくれた。

図らずも熱々の餃子を食べられて、卵焼きも食べられて、幸せだった。

うちの男子たち、ちょっとよその男子とは違うかもしれないけれど、私なりに子育ては成功したなと思っている。

そうそう、K君がうちの次男に、

「お母さん来てくれていいね」

と言っていながら、自分は恥ずかしいから来ないでと言ったらしい。まあ、普通はそうだよね。でも、K君のお母さんは彼のライブを観たら喜ぶだろうなぁ。うらやましい……いやいや、他人をうらやんではいかん(笑)