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憧憬の地ブルターニュ展~西洋美術館

2023年5月31日(水)

上野国立西洋美術館にて開催されている特別展。2023年3月18日~6月11日開催の「憧憬の地ブルターニュ」

3月から行こう、行こうと思いながら今になってしまった。6月に入ると「あ、そろそろ終わるから行かなきゃ」と思い出す人が多いだろうと思い、何とか5月中には行こうと決めた。そして5月30日(火)に決行した。

西洋美術館に到着~声が!

上野駅に到着し、公園口改札へ向かう。そうだ、変わったんだった。

上野駅の公園口は少し前にだいぶ変わった。以前の、改札を出たらまず短い横断歩道を渡り、くねくねした道を歩いて行くという光景は、もう私たちの記憶の中にしかない。改札を出るとバーンと広場になっており、右側には昔からあるレストラン。売店もあって、ソフトクリームが売っている。

信号を渡らなくてよくなったし、くねくねせずに真っすぐ進めて、西洋美術館がとても近くなった気がする。一応日傘を出したものの、あっという間に西洋美術館に到着だ。

あれ、特別展やってるよね?

と心配になるくらい、人の出入りは少ない。だが、よく見ればちゃんと看板が出ていた。

昨日、迷った末に購入した電子チケットがある。5月9日からは日時指定が必要なくなったし、電子チケットを買うからと言って割引があるわけでもない。当日、チケット売り場に並ばなくて良いというメリットはあるが、おそらく平日の昼間で、特に開始直後でも、終了間近でもないので、行列ができるほど混むとは思えない。だが、それでも窓口で「大人一枚」と大声で言ったりして、お金やカードを出したりすることを考えると、それを省いて家で夜、ゴロゴロしながら買えるのならと、購入したのだ。でも、住所メールアドレスクレジット番号を入力しなければならず、その手間や多少のリスクを考えたら、やっぱり電子チケットを買うメリットはあまりなかった気がする。せめて100円引きとかになればいいのに。何しろ2100円となかなか高額なチケット代なのだ。

いや、それでも敬愛するクロード・モネの絵を観るためならば、たまには奮発しようではないか。今回、まだ観たことのない絵があるらしい。他にも、私の好きな印象派の絵がたくさん観られるはずだ。

西洋美術館の門の中に入り、ロダンの作品などを眺めながら広い敷地を越えて建物へと近づく。外にチケット売り場があったが、3~4人しかいない。どんどん人が入って行くわけでもない。よかった。混んではいないようだ。

建物に入ると、地下階へ案内された。ちょうど5~6人の高齢者のグループとかち合った。ほぼ一緒に階段を下り、展覧会の入り口に差し掛かった。チケットをピッとやる通路が2つあり、高齢者たちも二手に分かれて通っている。私もそこに交じって通る。前の女性は何をピッとやったのかよく見えなかったが、私がスマホを出すと、受付にいた女性が、機械をアクリル板の前へ出してくれた。そしてスマホを当てた。

すると、もう一人受付にいた男性が、チケットを差し出してくれた。既に下の部分をカットした半券だ。

「これで常設展も入れます」

うわっ!声が志尊淳くんにそっくり!ほら今、NHKの朝ドラで万太郎の世話をしている「たけお」役の人!マスクをしているが、どう見ても志尊淳くんではない。でも、こんなに声が似ている人がいるものなのか。

すると、私の前に受付を通った人が、

「私もそれが欲しわ」

と言い、他の人も「私も」「私も欲しい」と言う。そうしたら、

「差し上げますよ」

という声が。うーん、すっごい似ている。志尊淳だ。似てるって言われてるかなあ。

あ、今どうでもいいか。モネに会いに行くのだ、集中しろ!(会うのとは違う)

ブルターニュとは

改めて入り口があり、入った。中は冷房が利いていて、少し寒いくらいだった。

薄暗い中、作品にはライトが当たっている。それなりに観覧者がいて、空いているとは言い難い。

「あいさつ」は読み飛ばしたが、その次から、文字の説明は読むことにした。ガイドをイヤホンで聞いている人もいるが、これを読めば十分だと私は思う。あらかじめホームページに目を通して来たから、多少重複する部分もあったが、やはり今読んで、すぐに作品を見ると分かりやすい。

ブルターニュというのは、フランス北西部にあるブルターニュ地方の事。パリからそう遠くはないが、豊かな自然が残り、ケルト文化を色濃く残す観光地なのだ。19世紀ごろから観光地として注目されるようになったそうだが、当時パリと違って物価などが安く、生活が楽に送れるという事もあり、そしてやはり自然が豊かで美しい景色が望めるという事もあり、画家たちが多く集まったのだ。ゴーギャンなどの「ポン=タヴェン派」という画派の名称を聞いたことがあったが、そのポン=タヴェンはこのブリュターニュにある。他に「ナント」も有名だろうか。ナントの戦いだっけ?なーんか聞いたことがあるような。

さて、まずは1860年代くらいの作品が展示されている。ガラスケースもあって、中には本や地図なども展示されていた。

前に一人いても、いい具合に進んでくれる程度の込み具合なのに、一箇所やたらと進まない場所があった。混んでいる場所。そういうところは遠くから眺めて素通りするに限る。ああ、そうか。ミュシャだ。ミュシャの縦長の絵が二枚、並んでいる。その前に若い女性たちが立ち止まっているのだ。

その隣には、ガラスケースの中にお菓子の缶。そして、その上の壁にはそのお菓子の缶の表面を広げた図?お、これもミュシャの作品なのか。そうか、これはいいな。実は夫がミュシャ好きなのだ。

ミュシャと言えばアールヌーボー。植物をモチーフにした装飾。アールヌーボーはジャポニズムから生まれたのはご存じか。日本の絵皿や蒔絵などには、草花の絵が描いてあることが多い。そして、普段使いする食器や家具にも絵を施す。そういう所に影響を受けたフランス発の芸術がアールヌーボーなのだ。唐草模様のような、くねくねした流線形の模様が特徴だ。

写真OKなの?!でもどうせ・・・

次のコーナーへ行こうとしたら、

「ここから先、カメラマークのある作品のみ、撮影可能」

と書いてあった。え?ということは、ここまでは写真撮っても良かったの?うっそー。じゃあ、さっきのミュシャの缶、撮ろう。

と思って戻って撮ったのが、先ほど載せた写真である。縦の絵も撮ればよかったか。

そして先へ進んだ。どうせ、みんなが撮影したいと思うような有名な人の作品は、撮影できないんだろうよ。と思っていたのに、逆だったー。モネゴーギャンはじめ、有名な画家の大きめな絵、つまり客寄せの絵は撮影可能だった。そうか。宣伝してほしいって事か。ちょっと遅くなって申し訳ないけれど、宣伝するからね。

さてさて、看板の説明を読めば、モネはブルターニュで同じ場所の絵を何枚も描いたそうだ。季節によって姿を変える自然を描き続けた。そこから、積わら睡蓮連作に繋がったのだとか。なーるほど。これはホームページにも書いてなかったぞ。

待ってました!クロード・モネの絵。

嵐のベリーヌ

そして、ベリーヌの海

素敵だ。特にベリーヌの海。モネやルノワールなど、印象派の絵は、近くで見るのと離れてみるのとで、全然違う。少しずつ下がると、ここから!という場所が分かる。タッチの細かい部分が見えなくなった瞬間、そのタッチのお陰で遠近感質感が出る。なんという事か、この岩肌と波。そして色の濃淡。素晴らしい。この絵を観られただけでも本望じゃ。

他の絵を観て、また振り返ってこの絵を観た。斜め横から見てもいいよなー。はぁ、素敵。

ちなみに、印象派は浮世絵から多大なる影響を受けているのはご存じだろう。それまでの西洋の絵は、宗教画や肖像画が崇高で、風景画は下等な物とみなされていた。それから、影を描く事で真っ暗。浮世絵は風景を描き、影がない。そういうわけで、印象派は風景を描き、影をなくした。キラキラとした光を描いたのだ。

次はゴーギャンだ。浮世絵から、黒い線の縁取りを取り入れた画家も多かった。ゴーギャンもそうだ。漫画だよね。今でも日本は漫画大国だけれど、元々漫画は日本で生まれたのだ。

さて、さっさと進めよう。ゴーギャン(ここではポール・ゴーガンと書いてあった)やベルナールなど多数。時々ガラスケースの中に、絵葉書や写真が展示してあった。林忠正宛絵葉書とか。アンリ・リヴィエールの作品だ。

モーリス・ドニの作品も多数。そして、20世紀の作品へ。シャルル・コッテとリュシアン・シモンの対比も面白い。荘厳でちょっと暗いコッテと、明るく華やかなシモン。

そういや浮世絵そっくり、というか、まさに浮世絵って感じの版画もあったなぁ。誰の作品だったかなぁ。

さらに、日本人画家の作品へ。日本人で、ブルターニュへ渡った画家たちだ。

久米桂一郎や、

金山平三

そして黒田清輝。

日本の画家も、すっかり印象派だよね。あ、違う?でも、そうだよね。

さあ、見終わった。満足してエスカレーターを上がる。ここからは戻れないよと書いてある。そういえば、途中階段を下りたりして、あちこち連れていかれた。段差がすごかったぞ。部屋数も多数。西洋美術館は広い。たいていの特別展は30分もあれば見終わるが、ここはそうはいかない。1時間くらいかかった。

お土産からの~常設展

やっぱりモネの「ベリーヌの海」をモチーフにしたものが欲しい。でも、トートバッグクッションカバーはちょっと高い。クッションカバーは欲しいとしても、それに合うクッションがうちにはないし。ハンカチも高いし、あまり使わないからな。前、眼鏡クロスを買ったから、ああいうのがいいな。安いし。

お土産を見ると、かわいい物がたくさん。でも、フランス的なお土産で、展覧会とは関係がない。

関係あるのが、カタログはもちろん、絵葉書などもそうだが、お菓子のお土産もある。飴やクッキーが入った缶などに、今日の絵が施してある。それから、一筆箋ノートクリアファイル。クリアファイルは両開きで、モネのベリーヌの海があって、開くと中が嵐のベリーヌ。良い。でも、クリアファイルはたくさんあるから買えない。

あ、あった。安くて使うもの。チケットホルダー。チケットというか、色々入れられる。折り曲げたくないものとか。カバンの中でなくならないように、通帳とかプリントの類とか。開くとちゃんと絵になっている。今あるのは赤い感じだから(それもモネの絵である)青い感じもいいね。これは550円だった。これくらいならエイ!というわけで、購入。満足。

4時だ。大体3時に入って、4時に終わった。一部、洗濯物を外に干したまま出てきたから、もう帰らなくてはならないのだが、常設展、モネの絵だけ観て帰ろうか(どんだけ好きやねん)

チケットを見せて、ハンコウを押される。ごゆっくりどうぞ~と言われるが、急ぐ。

だが、やっぱり西洋美術館は広い!人も多い。モネの絵だけ~と思っても、古い順に並んでいて、とにかく進んでいくしかない。あ、これレンブラントじゃない?あ、これはルノワールだ!

つい、分かる絵には近寄って、作者を確かめてしまう。50%の確率で当たる。つまり、あんまり当たっていない。で、急ぐと、どっちから来たのか分からなくなる。

だが、ちゃんと順序通り進めたようだ。見覚えのあるエリアに来たぞ。あった!睡蓮。そして、船に乗っている女性の絵も。これね、こういう構図がジャポニズムで・・・このくらいにしよう。つい、専門分野なもので語ろうとしてしまう。あまり役に立たない専門知識。そして、割と忘れているし。

なんか、写真というより動画を撮っている感じの人がいる。あ、ここも写真OKなのかな。でも、ダメと書いてなくても良いと書いていないと撮る気になれない。

さっき、特別展の中で、説明のボードの写真を撮ろうとした外国人の女性が注意されていた。

「ノーフラッシュ?」

とその外国人女性が聞いたら、

「ノーピクチャー」

と言われていた。看板はダメなのか。覚えてられないから、やっぱりブログ無理~とその時は思った。結局ざっくり書いたけど。

その時思い出したことがある。昔フランスの美術館に行った時、すごく空いていて私と友達の二人しか観覧者がいない状態だった。有名な絵の前に立って、お互いに写真を撮っていた。だが、私の当時のカメラはフラッシュが自動。オフにできなかった。暗ければ勝手に光ってしまう。ノーフラッシュと言われたし書いてあるのは知っていたが、暗くないと思って撮ったら、意外に暗いらしくて光ってしまった。

「ノーフラッシュ」

と、女性のスタッフさんに手でバッテンされながら言われた。いやー、しまった。でもフラッシュを切れない。それで、黒いカメラカバーでフラッシュ部分を押さえて撮れば大丈夫だと思った。それで、押さえて撮ったのだが、光が漏れてしまい、

「ノーフラッシュ!」

と、また大声で言われてしまい、もう写真は撮れなかった。そんな思い出がある。だからというわけではないが、写真を撮るのがちょっと怖い。それに、日本の美術館って、写真NGが基本ではなかったか。海外ではほぼ全ての作品がOKなのに、日本はほぼ全てがNGだなーと思った事がある。今、変わろうとしているのだな。でも、特別展は半分以上NGだし、あまり変わっていないかも。ただ、常設展は実はいつでもOKなのかもしれない。

さて、終わって出てきた。外はまだお日様ピッカピカだった。でも、家に着く頃にはもうお日様は雲に隠れてしまい、5時だし、急いで洗濯物を取り込んだ。意外と時間がかかってしまった。上野なんて遠くないんだし、いつでも行かれると思っても、なかなかね。いつでもいいと思っているとその日はやってこない。今じゃなきゃ、と思わないと行けないものだ。でも、とにかく行けてよかった。

以上、美術展のレポであった。ブルターニュ展はあと11日間。ご興味のある方はお早めに!