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背丈のバランス~劇団四季「アラジン」を観て

次男の高校のPTA観劇会があった。劇団四季のミュージカル「アラジン」を観る会だ。もっと安くなるのかと思っていたら、1万円以上振り込みを要求され、ちょっとのけぞったチョコナッツ。しかも、この時期毎週土日に何かしら用事が入っていて、この忙しい時になぜこの予定を入れちゃったかなーと、最近になって思っていたのだが・・・

遅延

金曜日の12時25分~40分に電通四季劇場「海」の1階エレベーター前に集合だった。

当日チケットをもらうので、遅刻したら入れないという。余裕をもって行きたいが、あまり早く出るとお昼を食べる時間が早まるし、家事も終わらないしで、ちょうどいい時間の電車は一本一択だった。

駅には余裕をもって着いた。だが、電車の到着を知らせるアナウンスは流れるのに、予定時刻になっても電車がやってこない。むむ?不安がよぎる。アナウンスは繰り返し流れる。2分経過。大丈夫なのか?

やはり、遅延だった。遅延のアナウンスはなく、電光掲示板を見るとその旨の文字が流れている。それでも、3分遅れくらいで電車は来たので、これなら大丈夫なはず。でも、ドキドキ。

新橋駅に着いて、そこから劇場を目指す。

だいぶ前に、この劇場で「マンマ・ミーア」を観た事がある。つまり、一度行ったことがあるのだが、もう覚えちゃいない。それに、あの時は夫と一緒だったし。

そうだ、あれは結婚記念日だった。小さかった子供達を親に預け、ミュージカルなんて観た事ないという夫と一緒に行った。オーケストラピットが見え、生演奏が素晴らしく、歌う役者さん達もまた素晴らしく、夫があの時、

「うそ、生で歌ってるの?」

と驚いていたのを覚えている。一時期、テレビに出ている歌手の歌唱力がイマイチだった時期があり、生でこれほど完璧に歌う人たちがいるなんて、信じられなかったようだ。

「そりゃそうでしょ、何の為の生演奏よ」

と言った覚えがある。まあ、今回の話と関係ないように思えるだろうこのエピソードが、実はこの後の展開の伏線だったりする。先に伏線宣言するなんて変だけど。

流石に、今回は迷わず行けた。一本道だし。で、到着したなと思ったが、集合場所にはかなり大勢の人が。皆さん同じような年代の女性達。そして、プレートを掲げている人が数人いた。

「○○高校PTA→」

というプレートだ。しかし、うちの学校じゃない。しまった!他の高校のPTAもいるのか。すごくたくさんの人が集まっていて、どこかにうちの学校が?

集合はエレベータ前と書いてあったので、キョロキョロしつつ建物の方へ進んで行った。すると、集まっている人の中に、保護者証を首から提げている人がいた。近づかないとちゃんとは見えないが、何となくうちの高校のような?色は私と違うけど。

じっと保護者証を見ていると、

「○○高校ですか?」

と声を掛けてくれた。よかった、次男の高校だ。3年生だと伝えて、私のチケットをもらえた。

一人で居る人に声を掛け、たまたま席も近くて、一緒に行動した。去年はこうだった、という話をされて、あれ、去年も観劇会ってあったっけ?覚えてないぞと思い、去年は何でしたっけ?と聞いたら、「オペラ座の怪人」だったと教えてくれた。ああ、昔観た事があるから、参加しなかったんだった。おととしはコロナのせいでなかったはず。あの頃は劇場は閉鎖だったような気がするし。

スピーカー

一応トイレに行ってから、劇場に入った。2時間45分の上演で、間に20分の休憩があるという。

劇場に入って、幕が赤いのでびっくり。一緒にいた方が、

「わあ、可愛い!」

と感嘆していた。座席は向かって右側の端っこの方。でも前から6列目で、とても舞台に近い。写真撮影は、上映中は出来ないけれど、幕間はOKという話だったので、緞帳というか幕の写真をパシャリ。

30分ほど座って、隣近所の人とおしゃべり。観劇会の主目的は、このおしゃべり、もとい、保護者同士の交流なので。誰も知っている人がいなかったが、ママ友というのは話題に尽きないもので、その気になればいくらでもしゃべれる。

さて、やっと開演。音楽が鳴り始める。

うっわー、スピーカーが近い!うるさいかなぁ。何というか、ちょっと音が割れ気味

あ!つまり、生演奏じゃないじゃん。残念。生演奏は、それはそれは素晴らしいのになあ。何故だろう。ご時世なのか、それとも単に予算の問題?単に、と言ってもコロナ禍の影響もあるのかもしれないが。

しかし、安定の歌の上手さ、そしてダンスの上手さ。流石、劇団四季である。

服装にドキドキ

「アラジン」は昔のアラビアのお話だ。アラビアン・ナイトが元だから、それはそれは古い。そして、砂漠だから、暑いのだろう。服装は露出度高め。女性はヘソ出し、男性は裸にボタンの無いベスト。

男性の胸が露わになっているのが気になる。おかしい。私は、男性の水着姿なんてちっとも興味なかったし、上半身なら裸だとしても全然気にならない、はずだった。

だが、最近芸能人なんかでも、胸や腹があまり見えると、加工して隠したりするじゃないか。だからなのか、見える見えないを気にするようになってしまった。

で、舞台上で堂々と見せられると、気恥ずかしくなる。女性のブラなんかは気にならず、男性の隠れていない胸にドキマギ。

だが、見ているうちに筋肉や脂肪、あばら骨が気になり出す。なかなか良い感じの筋肉の人は少ないような気がする。みんな痩せすぎじゃないか?なんて。うちの息子と比べて・・・なんて事まで考えたり。

おいおい、集中しろ、ダンスを見るんだ!

背丈が・・・

アラジンが出てきた。主役だ。うーん、あくまでも私の個人的好みの問題ではあるが、あまり格好良くない。どう見ても背が低い。どうして主役をこの人にしたんだろう。他に、格好良くて歌もダンスも上手い人、いたんじゃないのか?

なんて、失礼な事を考えたり。まあ、もっと遠い席だったらあまり分からないし、ライオンキングなんかだと、化粧とかぶり物で全然顔なんて分からないけれど。でも、スタイルって大事だと思うし。

そのうちジャスミンが出てくる。ジャスミンは声はいい。けど、やっぱり背が低いみたい。そりゃそうだよな、アラジンよりも背の高い女性じゃ、ジャスミンにはなれないもんな・・・

そんな風に思いつつ、物語を堪能していた。

ディズニー映画の「アラジン」は観た事があって、というか、英語でも日本語吹き替えでも観たし、何度観たか分からない。あの独特の動きが大好き。アメリカのアニメ独特なくねくねした動きというか。

で、筋はよく知っているわけだが、あまり考えないようにしていた。知っているようでもだいぶ観てから年数が経っていて、それほど頭にくっきりと描かれているわけでもない。

そして、アラジンがランプを手に入れた。魔法のランプを。そして、擦った。

「お待たせ~!」

って、最初にちらっと出てきたおじさん、あ失礼。俳優さんが出てきた。本当に煙りの中から出てきたように見えた。ランプの魔神、ジーニーだ。

ジーニーは、アニメそのもの。いや、見た目は全然違うけれど、早口で面白い事をしゃべるし、歌も上手いし、何というか、すごい!そうか、主役はこっちだった!

ジーニー役は誰にでも出来るものではないだろう。そうか、この人よりも小さい人をアラジンにしなければならず、アラジンよりも小さい人をジャスミンにしなければならなかったのか・・・

ついでに、ジャスミンはおへそを出していなければならず、あの服装で歌うのはキツいなーなんて思ったり。私は子供の頃から今まで、あの服装が出来る体型だった事がないぞ。

幕間

休憩に入った。

「面白いね~!」

と、周りと言い合う。だが、客席の多くの人が立って急いでいる。トイレに行くのだ。トイレの個室は多かったが、まあ、私はいいやと思って行かなかった。ただ、座っていて腰が痛くなってきたので、立ち上がって腰を伸ばした。

20分の休憩だった。隣の人に、

「今日は生演奏じゃないんですね。マンマ・ミーアを観た時は、地下にオーケストラピットがあって、そこの隙間から見えてましたけど」

というような話をしたら、その人が、

「あ、そうだ。ちょっと覗いてきます」

と言って、一番前まで行って、そして立っていたスタッフとちょっとしゃべっていた。戻って来ると、

「残念、今日は生演奏じゃないんですって」

と言っていた。いやもう、最初の音が出た時から分かっていたよ。去年の観劇会で観た、オペラ座の怪人は生演奏だったようだ。ご時世の問題でもないのか。というか、今の私の話聞いてたか?

「私、鈍感で」

音がちょっと割れてるから、生演奏じゃないでしょうと私が言ったら、その人はそんな風に言って両手で口を覆っていた。マスクごとね。

第二部が始まる時、幕の色が青に変わっていた。反対側の隣の人が戻ってきた。だが、トイレはすごい並んでいて、とうとう間に合わずにトイレに行けなかったそうだ。気の毒に。やはり始まる前に行っておいてよかった。

第二部

ジーニーは、最初の登場のインパクトが強かったので、その後はそれほどでもなかったが、それでも面白いし、歌が上手い。そして、登場のシーンは、床下からクルクル回りながらせり上がってきて、同時にスモークを炊いて、まるでランプから出てきたように見える。あと、突然扉が開いて出てくる事もあって、アニメもそうだったなーと思って笑えた。

王宮に閉じ込められているジャスミンは自由になりたい。そして、ランプに閉じ込められているジーニーも自由になりたい。

ジーニーが自由になるには、ご主人様が命じてくれるしかない。だが、3つの願いを叶えられるのに、1つをわざわざジーニーの為に使ってくれるなんて事は普通はない。

ジーニーがその事を言った時、ぐっと来てしまった。筋は知っているのに、どうなるかも知っているのに、永久不滅のいい話だよな。

ジーニー役の人、何故か強面。アニメのジーニーは可愛い顔な気がするけど。

悪者がやり込められ、友情は守られ、恋は成就し、何とハッピーな物語だ。

でも、もうちょっと後ろでいいから、真ん中で観たいなぁとか。席を取ってもらったのに、そんな事を言っては贅沢が過ぎるか。

あと、カーテンコールでの挨拶の順番からすると、やっぱり主役はアラジンだったようだ。ジーニーじゃないんだ?

終わって、流れ解散のようだった。人がぎゅうぎゅうになっているので、少し待ってから退出した。グッズを一人で見ていると、あっという間にほとんど誰もいなくなっていた。みなさん帰るの早いな。そして、グッズを買う人がずいぶん少ないな。昔なら、そんな事もなかったような。

ミュージカルを観ると、大抵楽譜やCDが欲しくなるものだが、今回はそれは欲しくならない。それでも、ランプのブックマーカーが欲しいと思った。だが、やっぱり買わなかった。すまぬ。

既に知っていて歌える「ホール・ニュー・ワールド」は良い曲だが、それ以外はそれほどでも・・・これも私の主観である。

まあ、ジーニーの面白さが全てだな、と思った「アラジン」であった。腰の左側がぴりぴりする。