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Something Black

昨日の夜の8時頃。網戸にいきなりものすごい音が。

ブンブンという音が部屋中に響き渡る。ちょうどテレビも消していて、私以外誰もいなくて、静かな部屋だったのだ。

蜂のような羽音。私はあの音が大の苦手。もしかしたら、一番苦手な音かもしれない。羽と羽が触れあう音もそうだが、羽がどこかにぶつかる音も大嫌い。

網戸を見に行くと、何やらでっかい黒い物が網戸の下部にくっついている。ぴょんぴょん跳ねながら、少しずつ上に上がって行くそいつ。

こちらは電気が点いているが、網戸の向こうは暗く、黒い何かは果たして網戸のこちら側なのか、向こう側なのか、判別がつかない。

冷や汗がどっと出る。あんなでかい物が、もしこちら側にいたら・・・。

じっと上へ移動するそいつを見守る。網戸の真ん中にある桟を越える時、こちら側なのか、向こう側なのかが判別出来る。さあ、上へ行くぞ。頼む!向こう側であってくれ

幸い、そいつは網戸の向こう側だった。ひとまず胸をなで下ろす。だが、ブンブンという大きい羽音が聞こえると、私の体内のアラームが止まない。臨戦態勢。アドレナリン噴出。汗と動悸が半端ない。

このまま放って置いてもいいのだが、虫というのは案外薄くて、意外なところでいつこちら側に入ってくるか分からない。そうならない内に、どっかへ行ってもらわなければならない。

殺虫剤を持って来た。蜂ならば、大抵シュッと一吹き浴びせれば、すぐに飛び去っていく。蜂は殺虫剤に弱いのをご存じか?攻撃して、逆に反撃されるのでは、と心配になるが、蜂なら大丈夫。たとえ家の中に入ってしまった蜂でも、殺虫剤で即コロリ。他の虫だとそうは行かず、何度も殺虫剤を掛けてやっと動きが鈍くなったり、場合によっては逃げられたりする。

私はその黒い物体めがけてシュッと殺虫剤をかけた。だが!全然効いていないようだ。網戸の向こう側だと言うのに、このまま生かしておいては反撃されるような焦燥感が。更に殺虫剤を掛ける。全然効かない。そんなバカな。もっと掛ける。うえーん、効かないじゃんか。どうしよう。もう一吹き。

どうしよう・・・と思っていたら、その黒い奴はいきなりベランダへ落っこちた。今になって殺虫剤が効いたようだ。

ジリジリ、ジリジリ、更に激しい音で動き回っているが、もう飛べなくなってしまったようだ。

ああ!そんなところで死ぬな!まて、頑張れ!頑張って飛び去ってくれ!そうでないと、死骸を片付けなければならないではないか!

頑張れ!飛ぶんだ!

殺そうとしたくせに、今度は生きろと応援する私。あんなに吹き掛けるんじゃなかった。

因みに、スマホで「蜂」と打つと、見たくもない蜂のイラストが何度も選択肢に出てきて気分が悪い。

そのうち、その黒い何かは動かなくなった。ベランダは暗くてよく見えないが、どうやら落ちている。網戸からけっこう離れたところにいるようだ。あれだけジリジリと移動したのだな。

急に、独りで居るこの場所が、安全ではないように思えた。ベランダの窓を開け、玄関のドアも開け、風を通していた。暑い日は虫が多い。とくに夜は大きめの虫が跋扈する。マンションの廊下も危ない。玄関にも網戸を設置しているが、蚊が入ってこないようにしてあるだけで、這う虫には無防備

怖い!早く閉めよう。

もっと早く閉めて、クーラーにするべきだった。つい、私独りしかいないからと思って。

翌朝

カーテンと窓を開けると、奴がいた。死んでいるはずだが、思った以上にでかい。見る度に怖い。虫って、生きている時は大きく見えたのに、死んだらすごく小さくなったりするではないか。しかし、昨日の奴はちっとも小さくなっていない。

後で箒とちりとりで何とかする、と言った私。だが、見る度に怖くて、しばらく放って置いたら、出かける前に夫が紙で取ってくれた。

「これ、蜂じゃないね。Something Blackだ」

と、彼は言った。

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