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病院2往復。私は何をしに来たの?

2022年5月1日(日)

4月27日に腸閉塞で緊急入院したうちの次男、17歳。迎えに来てくれた夫と家に帰ったのは11時。バイトから帰って来たばかりの長男が、ウーバーで注文した麺類を食べるところだった。家族ですっかり遅くなり、取り込んだまま部屋に散乱していた洗濯物を夫が畳んでくれて、私は弁当箱を洗い、お風呂に入って寝たのは1時半だった。

良い薬

昨日書き忘れた事だが、次男が処置室にいる間に、看護師さんがお薬手帳を見て、

「あ、痛み止め飲んでたんですね。これ良い薬なんですよねー」

と言った。

「そうなんですか?」

やっぱりねー、それなら今回もその痛み止めを出してくれれば良かったのに。とは、口に出して言わなかったのに、まるで心の声が聞こえたかのように、

「でも、良い薬なんだけど、飲んではいけない時もあるんですよねー」

と、看護師さんが言った。よく分からないけれど、そうなのか。

それから、良い薬と言えば膏薬の話。昨日から右膝が痛くて、肩こりなどに効く膏薬を貼っていたが、あまり効かなかったので、寝る時にはロキソニンテープを貼った。

夕べ寝る時には、寝返りを打つのにも激痛が走っていたのだが、今朝起きたらだいぶ良くなっていた。ロキソニンテープ効くな。

まだ曲げると痛いので、出かける前に新しいものに張り替えたのだった。(実は24時間張り替えなくていい事を、後々知る事となるのだった・・・勿体なかった)

着替えを届けに

さあ、面会は禁止だけれど、下着などを持って行かなければならなかった。入院の際に言われた持ち物は、パンツとシャツと靴下、飲んでいた薬、マスク、スマホの充電コードだった。

忘れないように、夕べの内にそれらを積んで置いたが、入れ物を探すのは今日にしようと思っていた。

朝、夫は会社に行くので、普通にご飯を用意して起こした。すると、夫が開口一番、

「病院から電話、無かったよね」

と言う。え!何?そういえば、私のスマホは夜中は鳴らないようになっているよな。家電だと、寝ていたら気づけないかも?と不安になったが、

「無かったよね」

夫が更に言う。無かったはず。無かったと思いたい。

夫も心配なのだろう。確かに、容態が急変し・・・いや、病院で処置してもらったのだから、前より悪くなる事はないだろう。無い無い。

そこへ、次男からLINEが入った。

「イヤホンも持って来て」

良かった。無事だ。

諸々を次男が昨日使っていた黒いリュックに入れた。このリュックを戻してあげた方がいいだろう。あの、頼りないナイロン巾着袋だけでは気の毒だ。それとは別に、自分の赤いバッグも用意。財布とか病院の資料とかを入れる。

なるべく早く行ってあげたかったのだが、結局到着は11時頃になりそうだった。まあ、午前中には届けた方がいいだろう。

最寄り駅に着いて、地図アプリを見ながら進む。今はこれがあるから楽勝だ、と思ったら大間違い。

行きつ戻りつしながらも、何とか病院の近くまでは行けた。こんなに細い道を通るのか、という事もしばしば。そして、もうこのブロックの向こう側が病院だと分かっているのだが、ナビ通りに道が無い

行き止まりだよな。仕方ないから道のある方へ進む。しかし・・・いつまで経っても向こう側に渡る道が無いではないか。これは困った。

戻る。待てよ。ナビは本当に間違えているのか?やっぱりナビの通りに行けるのでは?そう思って行き止まりだけれどもナビが差す方へ行ってみると・・・おっと、人がやっと一人通れるだけの「隙間」があった。道ではない。家と家の間の隙間。

荷物があるから体をよじってその「隙間」を通り抜けると、私道のような人んちの庭のような所を少し歩き、道路に出た。すると、振り返ればそこが目指している病院だった。なーんだ、ナビは合っていたのか。いやいや、こんな狭いところ通らなくても、少しだけ大回りすれば楽に通れるじゃないか。コンピューターはこれだから。融通が利かないのだ。ひたすら「最短距離」を探すから。

さて、一応予定通り11時頃に病院に到着。昼間見る病院は、夜とは全然違う。夜は灯りが付いている「救急入り口」しか見えていなかったが、その隣の建物が少し立派で、駐車場も思ったよりも広かった。夕べは病院の正面がどこなのかも分からずに帰って来てしまったのだが。

私は何をしに来たのか

けっこう人の出入りが激しい。今は外来の患者さんがたくさんいるようだ。入り口で検温と手の消毒、更に過去2週間以内にこれらの症状はなかったかなどの質問を受け、左腕に「4/28検温済」というシールを貼られる。

「場所、分かりますね?」

と言われて、後はご自由にという感じ。何というか、どこへ行ってもいいなんて、セキュリティーが甘いような。それで、次男のいる南病棟に行くエレベーターはどこかな、と探そうとした矢先、ふと気がついて愕然とした。

わ、私、荷物持ってない・・・。あぁ、バカだ。さっき入り口で用件を聞かれ、入院している息子に荷物を届けに来ましたと言ったのに、その肝心の荷物を持っていないではないか。や、やばい。どうしよう。いや、取りに戻るしかないよな。嘘だろー!うわー!バカだー!

私は一体ここに何をしに来たのか。一つ言える事は、病院の場所を確かめに来たのだ。

すぐに引き返し、次男にLINEをして、家に帰った。

そうだ、黒い次男のリュックは、いつも二つか三つそこに置いてあるので、あまりに自然で慣れているから目に入らなかったのかも。いや、そもそも背負うとかそういう事を考える前に思考停止していた。リュックを用意した段階で、すぐに頭から抜けていたのだ。

それにしても、ここに来るまで気づかないなんて・・・それは、この場所にたどり着けるかどうか、そればかり気にしていたから。

わーん、電車賃損したー。

家に帰り着く直前、中学時代のママ友にばったり出くわした。急いでいるから挨拶だけにしようと思ったのだが、

「お散歩?」

なんて聞かれたものだから、

「それがさぁ」

と、次男が入院した事を話した。その人の息子、つまり次男の友達も3歳の時に腸閉塞になった事があるそうで、大変!と言ってねぎらってくれた。あちらも、実は今顧問と合わなくて部活を辞めようとしたけれども辞めさせてもらえず、休部状態なんだという。お互い色々あるね。私が肝心の荷物を忘れた事も、

「ママも大変だから、仕方ないよ」

と、笑うでもなく言ってくれた。そう、別に何時までに行かなければならないわけでもないし、ここで立ち止まって話をして良かった。ちょっと救われた

リベンジ

そうだ、次男の高校の最寄り駅に行くんだから、定期券を使えばいいんじゃん!

電車賃損したーというのだけは解消すると思った。次男が退院する時の為に持たせようと思ってリュックにしまったと思って探した。だが、なかった。

そうだ。財布と一緒に病院に置いて来たんだった。あー、バカだ。これもバカだ。最初から、私が昨日病院から帰る時にも使えばよかったのに。学生割引の定期だから、本当は別の人が使ったらいけないのだが、この場合は良くないか?いいよね?

ま、とにかく定期券はなかった。残念。

12時に帰って来て、即お昼を食べ、その時に左側にいる長男に話しかける時に、初めて気がついた。あの、4/28検温済と書いてあるシール!未だに貼ったままだったのだ!恥ずかしい!自分も気づかなかったが、ママ友も気づけば教えてくれるだろうに、何も言わなかったという事は、けっこう気づかれないもの?いやー、前から見て気づかないとして、横から見たら気づかれるよなあ。電車や駅で笑われていたのかも。心の中で。

12時半過ぎに家を出た。今度はちゃんと黒いリュックを背負って。これでまた忘れたら、私がお医者様に診てもらった方がいい。それにしても、同じ服装でもリュック一つで急にスポーティーな格好に見えるから不思議だ。さあ、これで1時半頃に病院に着けるはず。

だが・・・元々痛い膝に加え、右足の付け根もだいぶ痛い。左は平気なのに。膝を知らず知らずのうちにかばって歩いているのだろうか。けれど、アシックスのボランティアシューズで出かけたので、足はだいぶ楽だった。フットは全然痛くない。坂もあるけれども、ああいうシューズで歩くとちっとも苦にならない。

再び電車に乗る。すると、次男からLINEが入った。電話番号を教えてとな。検査の為の保護者の同意が必要だから、電話が行くよと。

ちょっと待て。電車の中では出られないし、そもそも後少しで病院に行くのだから、その時でいいではないか。次男には私の到着予定時刻を伝えた。

ところが、車内で電話がかかってきてしまった。一般電話からだが、恐らく病院だろう。出られずにいると、留守電が入った。それを聞いてみると、お父様の方に掛けますと言っている。で、即夫からLINEが。

「状況変化なし?」

ん?なんかよく分からんな。それで、病院から電話が来たかと尋ねると、

「出られなかった。掛け直したけど出ない」

と。そしたらまた私のスマホに一般電話からの着信が。ああ、あと一駅で着くのに。で、また留守電が。留守電を聞いてみると、何も入っていなかった。

会えちゃった

やっと最寄り駅に到着。ここで病院に電話を掛け、誰を出してもらえばいいのかも分からないし、次男から私が行く事が伝わっているだろうし、掛け直すよりも行ってしまった方が早いよな、よし。

と、一人で納得して歩き出す。午前とは打って変わって日差しが強く、日傘を差して歩いた。日傘を差していると、片手でスマホのナビを見ながら行くのがしんどい。だが、まだちょっと自信がないので一応出す。ここで道を間違えて遅くなると困るし。

途中からはナビなしで行けた。だいぶ道を覚えたぞ。そして、今度は変な細い道というか、隙間は通らず、もっと分かりやすい道で行った。

再び病院の入り口で検温などを受け、またシールを貼られた。そして意気揚々とエレベーターを探す。が、分からない。あれ、そっか。昨日とは入り口が違うから、もう全然分からない。

その辺に立っている看護師さんに、

「南病棟にはどうやって行くんですか?」

と聞いたら、その看護師さんは別の看護師さんに、

「ご案内お願いします」

と言った。最初の看護師さんは、この病院の人じゃないのか?

そういえば、この1階の雰囲気が、午前と午後で全く変わっていた。午前は患者さんが椅子に座って呼ばれるのを待っているという感じだった。お年寄りが多い雰囲気で。しかし、午後は白衣を着た若い人達が椅子に座っていたり、話し合ったりしていた。医学生だろうか。それとも研修医とか。

案内をしてもらって、昨日見た食べ物の自販機のところのエレベーターにたどり着いた。これで3階へ行くようにと言われた。後は地面に矢印が書いてあるからと。

3階へ行き、南病棟と書いてある矢印に従って進んだ。やっと来れた。1時半だった。

ナースステーションに荷物を預けるようにと夕べ言われていたのだが、そこに医師と思われる若い男性がいて、こちらを見ている。もしかして、電話をくれた人かな?

受付で名乗ると、やはりその男の先生が待ってましたとばかりに迎えてくれた。ナースステーションから出てきて、

「検査の同意書が必要でして。あ、病室で話しましょうか」

と言う。え?病室に入っていいの?あ、次男は今いないとか?

「はい」

で、先生に付いて病室に入って行くと、なんと次男がそこにいた。

会えちゃったね

と、二人でちょっと笑う。

先生は、これからする検査について説明してくれた。造影剤を点滴して、一瞬にして全身に造影剤が広がるので、その瞬間にCT画像を撮るのだとか。一応造影剤を入れるという事で、アレルギーとかが稀に起こるので、同意書が必要。患者が未成年なので、保護者の同意が必要なのだそうだ。

「その造影剤はどこに入れるんですか?腸ですか?」

「血管です」

「ああ。それで、どのように排出されるんですか?」

「尿として出てしまいます」

なるほど。それなら辛くなさそうだ。ま、何を聞いても大抵同意する事になるのだが、一応疑問を聞いてみた。そして、同意書にサイン。

先生は、病気の事も説明してくれた。

「腸が閉塞して、言ってみれば糞詰まりの状態だったんですけど、今朝お通じがあったという事なので、腸閉塞は解消したと思われます。これからCTで問題箇所がないかどうか、詳しく診ていきます」

下痢があったのに、閉塞していたのか。何がどうなっているんだか。

「腸は、リラックスしていないと動かないんですよ。強いストレスとか、緊張状態が続くと、腸が全く動かなくなってしまう事があるんですよね」

おう、それか。それなんだな。

「もし、CT検査の結果が悪いと、次男君の苦手な鼻からチューブをもう一度入れなければならないかもしれません。緊急の検査なので、空いた時にやるので時間が分からないんですが、お待ちいただいてもけっこうですし、お電話で結果をお知らせするのでも大丈夫です」

私はすぐ帰るつもりだったが、検査になるまで次男とここで過ごせるのかな?

「あの、息子と少し話していてもいいですか?」

と聞くと、

「はい。あ、でも病院の規則で、面会は時間制限があるかもしれません。私も4月からここに来たのでまだよく分からないんですが」

と言う。

「そうですか。すぐ出ます。」

そして、先生は出て行った。私は次男から定期券をもらった。テーブルの上に教科書などがボンと置いてあるので、それをリュックにしまい、充電コードをコンセントに差し込んでやった。次男は点滴につながれているが、ベッドは起こしてある状態だった。そして、うちの靴下を履いていた。

今、持って来たもの以外にうちの物があるとすれば、元々着ていたものだ。つまり、あの保健室のベッドを砂だらけにした靴下、という事ではないか。まだあれ履いてるのか。だって、昨日の朝から履いてたわけでしょ。嘘でしょー。と思ったが、仕方がないので口にはしない。靴下は4足持って来たから、存分に履き替えてくれ。

すると、年配の看護師さんが現れた。

「先生が間違えて通してしまったようなんですが、本来ご家族の面会は禁止なんですよ。外でお待ちいただけますか?」

「私、もう帰ります!」

やっぱりそうだよな。禁止だよな。そもそも、コロナ感染予防の為の、隔離の意味があるはずの個室期間。それなのに、私もそうだが先生も、この看護師さんも、防護服なんて着ないで普通に出入りしちゃってるじゃないか。セキュリティ甘いよなぁ。防犯じゃなくて、防疫だけど。

とはいえ、リュックの位置とかちょこっと直したりして、

「じゃあね」

と言うと、次男が手を伸ばす。なに、手を握って欲しいのか?で、指をちょっと触ったら、引っ込めてその手を見るじゃないか。

「え?違うの?大丈夫だよ、さっき消毒したから」

触っちゃダメだったらしい。紛らわしい。けれども、とにかくささっと出て来た。

涙が・・・

病院を出た。落ち着いていれば、出る時には腕に貼られたシールを捨てる箱に気づく。シールを剥がしてそこに入れ、外に出た。今度は地図を見なくても帰れそうだと、日傘を差して歩き出した。

信号で止まった時、ふとさっきの病室での次男の顔を思い出した。思い出したのは失敗だった。涙が出てきた。視界が歪む。ダメダメ、考えちゃダメだって。もう、今日は会えないと思っていたのに、不意打ちで会えてしまったものだから、ついうっかり感傷的に。

でもやっぱり、うちの子は可愛いなあ。胸が痛む。住宅街なれど、けっこう人は通る。だが、メガネをしてマスクをして日傘まで差していると、涙はほとんど気づかれないだろう。

コロナのせいで、病院が面会禁止になっていると言う事は、散々ニュースで聞いていたが、それほど深刻に考えてはいなかった。今、ようやくそれがどういうことか、一端だが分かった気がする。子供がもっと小さかったら、入院期間が長かったら、とても耐えられない。子供もあまりに可愛そうだ。

私が高校一年の夏、初めての部活の合宿で熱を出してしまい、一人で寝込んだ事があった。もう散々修学旅行などで数日家を空ける事はあったし、お母さんに会えないから悲しいとか、幼稚園以来考えた事もなかったのに、この時はお母さんが恋しくて泣いたのだ。病気だから、心細かったのだと思う。

それを考えると、病気の子供がお母さんに会えないのは、辛いのだ。高校生でさえそうだったのだから。うちの次男もそうだろうか。今はスマホでLINEでのやりとりが出来るから、だいぶマシだとは思うけれど。きっと寂しいよな・・・なんて考えると余計にこっちも辛くなるから、考えるのはよそう。

膝がだいぶ良くなった。やっぱりロキソニンテープはいいらしい。

しかし、夜に何だか背中が痛くなり始めた。実は、翌日大変な事になるのだが、それはまた次のブログで。

いやー、流石に2往復もすると、道も覚えるものだ。うん。

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