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抗うつ薬を使うかどうかー社交性不安障害

2022年4月28日(木)

何から話せばいいのやら。うちの次男のお腹の話。波乱が起きるのだが、それは追々書くとして。

2週連続土日が出となれば

のんびり屋で、家でゆっくりするのが好きな次男。それでも、筋肉・運動神経に多少自信のある次男は、出来れば運動部で活躍したい。ジレンマである。

この4月から高校3年生になった次男。バレー部のキャプテンであり、受験生でもある。彼は最近ちゃんと起きられるようになり、母は喜んでいた。いつも起こすのが大変だったので。大人になってくればちゃんと起きられるのねーと。

もうすぐ部活は引退だ。まだ引退試合というわけではないが、公式戦が4月24日(日)にあった。その前の週の土日は、練習試合などがあった。そして23日(土)には午前中が学校で、午後に部活だった。

24日の公式戦は朝から。平日よりも早起きをして、よその高校へ出かけた。コロナのせいで観戦禁止なので、私は応援に行かれなかった。まさかの、3年生になってまでもコロナ禍とは。入学した頃には思ってもみなかった。

1回戦目、惜しくも敗れ、お昼過ぎに帰って来た次男。負けた事も悔しいだろうが、色々と不満があったそうだ。審判(他校の顧問)のジャッジに不満で、次男にしては珍しく声を荒げてというか、大きな声で抗議したとか。また、2年生レギュラー達が不調で、サーブミスやスパイクミスを連発。うちのエース(次男)が前衛の時にサーブミスで何もせずにローテーションしてしまい、圧倒的に前衛の時が短かったという。

いつもはそんな事ないのに、今日は珍しく不満タラタラだった。そして、やっぱりお腹が痛くなって横になっていた。そうだ、この試合の前からお腹が痛いと言っていたのだが、試合での自分の調子は良かったそうなのだ。

案の定、月曜日は朝から腹痛で、学校に行かれなかった。今まで飲んでいた痛み止めの薬が無くなってしまったので、近くのかかりつけ医に次男一人で行った。

かかりつけ医の診断

何かお腹の薬をもらってくるかと思ったら、何ももらって来なかった次男。そして、心理テストをやったら、社交性不安障害の傾向があって、その為の治療をしてもいいかどうか、親御さんにも今度来てもらって承諾してもらいたいという事だった。

去る11月下旬、やはり腹痛でかかりつけ医に行ったところ、まずは異常が無いか検査してもらおうと言う事で、近くの検査が出来る内科を紹介してもらった。その後で診せに来てと言われていたようだ。エコー検査をした結果、特に異常は無しという事で、けれども胃腸の薬を出してもらったのだった。

そしてまた、薬が無くなったからかかりつけ医に行ったわけだが、ちょっと間が空いたけれど、検査で異常が無かったのだから、心因性だろうという診断だったわけだ。かかりつけ医は内科・心療内科で、最近は心の病気と思われる患者さんが多い。今、次男もその類いの患者になったと言うわけである。

次男が自分で調べて、薬を使う事もあるらしいと言った。夫と次男と私で話し合った。夫の知っている人で、抗うつ薬を飲んだ人が、飲むと自分じゃなくなるから飲みたくないんだと言ったとか、将来の展望をもって今は薬を使うのはいいけれど、今楽になりたいから使うのは良くないとか、夫から色々聞いた次男。私は、まずは先生の話を聞いてみないと分からないと思った。それに、あの先生は子供が小さい頃から、気休めの薬は一切出さないという人だったし、治療を始めるにしても、薬は使わないんじゃないか。薬は最終手段なんじゃないか、と思っていた。

次男と一緒にかかりつけ医へ

翌日、つまり今週の火曜日。次男はまた腹痛で朝は動けなかったが、遅刻して学校へ行った。そして夕方4時に帰って来たので、それから一緒にかかりつけ医へ行った。

だいぶ待たされた。次男と年の近い男女が数人待っていて、待合室は静か・・・いや、会話も出来ないくらいに外ではけたたましい雨の音。笑っちゃうくらいだった。ものすごい雨の中、勉強しようとしている次男は居眠り。私は本を読んでいた。

4時過ぎに行ったが、呼ばれたのは5時半過ぎだった。診察室に入って、まず先生が言ったのは、

「次男君は、社交性不安障害の傾向が強いです。多分小さい頃からそうだったと思います」

という事。うん、この子は特に怖がりだった。そして、その治療としては良いお薬があると。

な、なんと!まず薬とは。薬は、抗うつ薬だそうだ。やっぱり。

「社交性不安障害というのは、体質ですから。血圧の高い人が血圧の薬を飲んだり、糖尿病の人が薬を使ったりするのと同じ事です」

成人病ばっかりなのが気になるが、確かに病気だったら薬を使うというのは全然抵抗はない。私の目薬だって同じだ。

で、薬はよく、常用していると効かなくなってきて、量が増えるという事があると思うけれど・・・と言ったら、

「そういう薬は、ほんの一部です。ほとんどの薬がそんな事はないです」

だそうだ。そりゃそうか。血圧の薬がどんどん量が多くなるわけではないだろう。だが、頭痛薬とか、睡眠薬とかは、そうなんじゃないのか?

また、夫が言っていた、飲んだら自分ではなくなるという話をしたら、

「それは違う薬です」

と断定。うっ。

「むしろ、不安が解消されて、本当の自分が分かるかもしれませんよ」

そうなのか。

「その薬は、治療したらいずれ飲まなくてもいいようになるんですか?」

と聞いたら、

「そうなる人もいます。でも、ずっと喜んで使っている人もいますよ」

喜んで・・・。何だろう。私はこの先生を信頼していたのだが、どーしても、胡散臭さが漂っているような気が。セールスマンの言う事を100%信じてはいけないのと同じ、あの感じが。

「まあでも、今困っているのなら、とにかく試してみてもいいのでは」

と私が言ったら、

「親御さんとしてはそういうご意見ですね」

と。そして、今度は次男本人に聞く。

「次男君としては、どうですか?次男君が嫌だと言う事は、絶対にしませんよ」

すると次男は、

「薬は、なるべく使いたくないです」

と、言った。あれ、そうなのか。昨日父に言われた事がけっこう響いちゃってるんだな。

すると先生、

「それなら、とりあえず違う方法で治療して行きましょう。2週間に1回通ってもらいたいんですが、何曜日が都合がいいですか?」

と、次男に聞く。次男は色々考えていたが、迷った挙げ句私の顔を見る。

「次男君の都合なんだから」

と、笑いながら先生が言う。ほら、お母さんが過保護だと思われるじゃないか。でも、私は助け船を出す。多分今、次男はパニック状態なのだ。社交性不安障害なんだから、しょうがない。

「部活と塾のない日はいつ?」

すると、

「月曜日なんだけど、月曜日は早く塾に行きたいし」

塾はないけど、自習室に行きたいという意味だ。いや、でも勉強よりも今は治療が大事では?なんて私は思ったりもするのだが。

「じゃあ、今はお忙しいみたいだから、部活を引退するのが6月だっけ?6月にまた来てもらおうか」

という事になった。

「それじゃあ、一つ不安を取り除く方法を教えるね」

と、先生は次男に、深呼吸を5回して、目をつぶって自分で自分の両腕をポンポンポンと2分間軽く叩く、それからまた深呼吸をする、という方法を教えた。実際にそこでやらされた次男。

2分の間、私は次男の小さい頃の事を色々と思い出していた。そうだ、この子はすごく人の気持ちの分かる子だったっけ。1歳でドラマの別れのシーン(役者は泣いていないのに)で泣いたり、アニメ映画などでも途中で悲しくなって見ていられなくなって、私に抱っこしてもらってワンワン泣いたっけ。そうか、人の気持ちが分かりすぎるから、不安になっちゃうのかな。

って、おいおい。2分長くないか?いや絶対、2分以上経ってるだろ。5分か?というくらい長い間、次男は目をつぶってポンポンやっていた。これ、タッピングだよね。昔テレビで見た。確か認知症の人が、家族など親しい人に背中などを軽くタッピングしてもらうと、心身共にリラックスして、怒ったり攻撃的な行動をしなくなったとか。認知症も改善したとかしないとか。

やっとそのおまじないが終わって、今日の診察も終わりそうになった。いやいや、これじゃ何の解決にもなっていないぞ。昨日も今日も腹痛で朝学校に行けなかったわけで、それを何とかしないと。というわけで、対処療法として、何かお腹の痛み止めなどを出してもらえませんか、と問う。

「便秘と下痢と、どっちの傾向が強いですか?」

と、先生は次男に聞く。便秘だろうと思っていたら、次男はかなり迷っていた。そして、

「どっちかと言うと、便秘」

と言った。それで、便秘のお薬だけど、痛みも取ってくれるお薬を出しておきますね、という事だった。

薬は下剤?

次男はそのまま塾へ直行し、私は処方箋薬局へ。2ヶ月分の薬をもらったのだが、そのお薬が下剤だと言う。え?下剤?それほど便秘でもないのに?と、少し不安になった。一日一回2錠だが、辛かったら1錠でもいいと言われたのだが。

3千円以上支払って、下剤をもらってきた。朝でも昼でも夜でも、忘れない時に食前に飲めばいいらしいが、とりあえず朝という事にした。

翌朝、朝食前にその下剤を飲んだ次男。やっぱり食後にお腹が痛くなり、制服を着たままソファに倒れた。また遅刻だ。それでも、10時半過ぎには何とか起き上がり、学校に行った。

「辛かったら帰ってくるよ」

と言いつつ。その「帰ってくる」が、すごく先の事になろうとは、この時に知るよしもなかった。

つまりあがり症

次男が学校に行ってから、私は社交性不安障害について調べてみた。そうしたら、ようするに「あがり症」の事だった。なーんだ、私からの遺伝じゃないか。もっと、いつも何に対しても不安に思ってしまうという状態かと思った。社交性がつくと、人目を気にして自分を発揮できないという意味らしい。

そうかぁ。私は薬があったなら、せめて就活の時には飲みたかったなあ、なんて思った。確かに、薬のせいで何かが出来るようになるのもちょっと癪だが、それでも生きづらさが薬で解消されるなら、いい事なのではないか。常用するのも私の目薬と一緒だし。いやでも、私の眼科の先生は、緑内障の治療を始める時に、

「でもねえ、始めたら75歳くらいまではずっと目薬をつけ続けなきゃいけないからね。負担もけっこうあるからね」

と、薬代の負担の事まで考えてくれていたのだ。それを、あんな若い内からずーっと常用するなんて。どれだけ薬代がかかるやら。なのに、ずっと喜んで使っている人もいますよなんて。

次男は、あのタッピングのおまじないを、全然信じてはいなかった。むしろ、マインドコントロールされないようにと警戒していたそうなのだ。先生を全然信じていないようだ。やっぱり薬を「喜んで」使っている人と言った事は、胡散臭いと思ったようだ。

逆に夫は、私が先生から聞いた話をすると、

「そうだよね、メガネと同じだと思えばいいんだよね」

なんて言ってほだされている。いや、確かに他の薬と同じだと思えばいいし、私も鉄剤やら頭痛薬やら、飲んだらすごく元気になって、もっと早く飲めば良かったと思う事も多い。それなら、抗うつ薬を飲んで楽になるなら、飲んでもいいのでは。

でも、お腹が痛くなるのと、あがり症なのとはほとんど関係ないと思うのだ。あがり症のせいでストレスが多くかかるのも確かだが、お腹が痛くなるストレスは、人前で話すとかよりも、土日に休めない事なのは明白だからだ。そこが、どうもあのかかりつけ医を信頼出来ない理由なのだ。次男がちゃんと言わないからかもしれないが、それこそあがり症の子にちゃんと言えというのは酷な話。私よりはずっとずっとマシだけどね。次男本人も、お母さんよりはマシだと思っている。だから、それほど深刻に悩んではいないのだ。私があれだけあがり症なのに、今まで生きて来れているから。そのせいで表舞台に立つ人にはなっていないけれど、その代わりに物書きにはなっている。なっている?まあ、文章を書くのが得意になってはいる。

次男は言う。

「自分の特性だからさ、このままでいいと思うんだよ。人と同じじゃつまらないじゃん?人と違うのなら、そのままでいいんだ」