アフィリエイト広告、アドセンス広告を利用しています。あなたの広告への反応が、チョコナッツの収益に影響します。

ぞっとするお話

2021年3月9日(火)

今日は、おすすめの本をご紹介します。
それは、星新一のショートストーリーです。

大人用と子供用

 冒頭の写真を見てください。右の本は、子供が小学生の時に、読ませようと思って買ったものです。
 そして、目次を比べてみましょう。

 分かりますか?上が子供用ですね。子供用は14編のお話が入っていて、漢字にふりがなが振ってあります。大人用の方は50編入っています。
 子供用の方は、時々イラストも入っていますが、お話は圧倒的に少ないのに、こっちの方がお値段が高いです。小学校の高学年なら、子供用を買う必要はなかったと思いますね。

星新一先生は、どんな作家さんか

 さて、皆さん「星新一」先生はご存じかな?
 有名な作家さんですから、きっと名前は聞いたことがあるでしょう。読んだこともあるかな?
 とても短いお話が、たくさん本の中に入っています。つまり、星新一先生は、ものすごくたくさんのお話を書いた人だと言うことになります。
 短いので、一話はすぐに読み終わります。けれども、かなり余韻が残ります。何年経っても忘れられないお話もありますよ。
 そして、星新一先生は、SF作家です。この本は昭和46年に出されていますから、50年前ですね。未来のお話、宇宙人のお話などを書いておられます。

ずっと忘れられなかった話

 中学生の頃、国語の先生が「おすすめの本」や「おすすめの映画」などを紹介してくれました。いや、紹介というよりも、語ってしまうというのかな。ネタバレですけどね。
 その国語の先生、小杉先生というのですが、当時話してくれたのが、星新一の「おーい ででこーい」でした。実は、題名は忘れていて、この本を買おうと思って必死に内容から推察して調べたんですよ。
 「おーい でてこーい」というのは、大人の本の方でたったの7ページです。どういうお話かとお言うと・・・(ネタバレしますので、ご注意ください)

「おーい でてこーい」のストーリー

 ある場所に、直径1メートルくらいのが発見されます。すごく深そうです。「おーい でてこーい」と穴に向かって叫んでみても、小石を投げ入れてみても、底からの反響はない。
 その穴は話題になります。そして、原子炉のゴミを捨てても危険は無い、と専門家が言います。すると、あらゆる物がその穴に捨てられ始めます。
 原子炉のゴミはもちろん、外務省や防衛庁の機密書類や、伝染病の実験をした動物の死体。さらには個人個人の日記やらなにやら、秘密な物。地上の汚れものが深い穴にどんどん捨てられ、空がキレイになっていきます。その空に向かって、新しいビルがどんどん建てられます。
 ある時、ビルの建設現場の頭上から、「おーい でてこーい」という叫び声が聞こえます。そして、その声のした方角から、小さな石がポトッと落ちてきます。

20年後にも50年後にも通用するSF

 物語はここで終わります。怖いですねー。この後どうなるって?想像するとぞっとします。つまり、余韻が残るんですよね。また、原子炉の廃棄物問題とか、伝染病云々と言われると、現代の話かと思ってしまいますよね。
 私が中学生の時も、ちょうどバブルの頃でビルの建設ラッシュだったり、ゴミがあふれて東京都に「夢の島」ができたとかいう時代だったので、今の話だとしてもおかしくないなーと思った記憶があります。星新一作品は、書かれた当時の「未来」を描いていたのでしょうが、20年後に読まれても、そして50年後の今読まれても、古びていないなんて、すごいですね!

大人な話「親善キッス」

 他にも、ぞっとする作品が目白押しです。すごく忘れられないのが「親善キッス」というお話。これはけっこう大人な話なので、子供用の方には入っていませんね。
 このお話は、地球から遙か遠い星に親善に行った地球人のおっさんが、女性とキスし放題で喜んでいたのですが、その星の人たちが食事をする格好を見て唖然とする・・・というところで終わります。あー、恐ろしい(笑)。気になる方は、是非読んでみてください。