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10,500文字を10,000文字へブラッシュアップ

完結したつもりが

1年前に書いた小説「末っ子」は、ほんの8,700文字程度の短編だった。

これを出した時には、これで完結のつもりで出した。しかし一人の読者から、今後の展開が楽しみ、というようなコメントをいただいてしまった。

いやー、終わりなのにな・・・とその時は思ったが、いつか続きを書いて出してもいいかな、と心が動いた。

とはいえ、他に書きたいものがあって、1年間放っておいた。そして、1年経ったからというのでもなく、ただ何となく思い出して、考えて、続きを書く事にした。

たまらない瞬間

一方、私は一度書き始めた小説は、よほどの事がない限り最後まで書く。いや、最後までというのは語弊があるだろう。最後というのは誰が決めるのか。私だ。いつ辞めてもいいのだから。書き始めたら、ちゃんと完結させて世に送り出す。

しかし、書き始める前に頭の中で考えて、しばらくストーリーを追っていったにも関わらず、やっぱり面白くないからと没にした物語はたくさんある。一度など、プロットを書いた挙げ句、書くのを辞めた事もある。

「書く」と決めるのは、「下りてきた」時だ。小説の神の降臨、とでも言おうか。

「これだ!」

と思う何かが見える。道筋が見える。具体的には、ありふれていない面白い設定を思いついたとか、良いシーンや台詞を思いついたとか。でも、ただ良い、というだけではないのだ。ぞわーっと感動が沸き上がる瞬間がある。この瞬間がたまらない。

長い話が書ける時には、ストーリーの途中で下りてくる。道筋が見えるというやつだ。これは10万文字を超える可能性があり、そうすると小説大賞に応募できる事になる。これが見えた時はすごい感動だ。

一方、ストーリーを最後まで追っていき、結末が見えた時点で

「よし、これなら行ける」

と思う事がある。それから、途中で下りてきたけれど、一応結末がこうなる、と決めてあるものもある。

まあ、色々あるわけだが、今回末っ子の続編を考えた時、頭の中でストーリーを追いながら、なかなかこの「降臨」が来なかった。毎日、道を歩く時や家事をしながら、頭の中でストーリーが展開していき、どんどん進む。メモしないと忘れるくらい。なかなか「よし!」と思えない。それでも、最後まで考えた挙げ句、「これなら行ける」と思って書き始めた。

文字数が!?

そんな続編、「弟以上恋人未満(末っ子2)」だが、ざっと4~5日で書き上げた。頭の中では1ヶ月近くかかったのに、書き始めると早い。実際書いてみると、頭の中のストーリーよりも肉付けがなされ、思った以上に良い物が書けたと思った。

が、文字数を見て驚き。1,0500文字弱。いやはや。もうすぐカクヨム小説大賞の締め切りだ(1月末)。これからいくら頑張っても10万文字にはなるまい。それなら短編小説大賞に応募すべく、1万文字以内に抑える必要がある。

果たして500文字も減らせるのか?

チョコナッツの、いや、夏目碧央の挑戦が始まった。ちなみに夏目碧央(なつめ あお)というのは私のペンネームである。

文章を削るとは言え、悪くするのは絶対にない。良くなるように削るのだ。同じならば文字数の少ない方にするくらいまで。ざっと見直しても、けっこう減らせる。

たとえば、台詞の頭につけがちな「え?」というやつ。

何か言われた時に、「え?~~だよ。」なんていう台詞が多い。その「え?」は、実は無くてもいい。まずこの不要な「え?」を削ってみたら、残ったのは1つか2つだった。

減らすというのはブラッシュアップになる。余計な、いらない物をそぎ落す。言い回しが洗練される。

一度見直しただけで200文字ほど減らせた。

翌日、また頭から見直す。減らすように心がけつつ、気になる言い回し、流れるような文章になっていない、つっかかる部分を直す。あってもなくてもいい言葉は削る。

そうして、また200文字くらい減らせた。

おう、なんと1,0096文字に!あと96文字減らせばいいのだ。

ギリギリ

しかし、そこからが苦難の日々だった。もうどうでもいい部分はほぼない。あとは、悪くはないが、別の言い回しに変えられる所を見つけ出し、少しでも文字数を減らす。

1,0040文字辺りで、減らせたと思ったら、別の所を直したくなって、その結果増えてしまったりと、3歩進んで2歩下がる状態に。

だが、私が見ている文字数はWordの左下に出る数字だ。カクヨムに投稿する際は、1話ごとなので、「第1話」という文字は自分で付けるものではないし、自分で付ける副題も、文字数に含まれないかもしれない。第8話まであるので、実は40文字くらいは大丈夫なのではないか。

だから、とにかく投稿してみてから考えようか、とも思っていた。

しかし、見直しを繰り返す内に、とうとう1万文字に抑えたのだ。実際は9998文字。もし、どこか明らかな誤字などが見つかって、2文字くらい増える可能性もなきにしもあらず。ギリギリだ。怖い怖い。

しかし、3日前から連載を始めた。1話ずつ投稿する際にも見直すので、ちょっとドキドキだ。どうか3文字以上増えませんように。

やればできるものだ。どれだけ普段無駄な言葉を付けているか。無駄は必ずしもダメではないかもしれないが。

ライトノベルは世相を映す

しかし、これだけ頑張って削ろうとすれば、洗練された、ブラッシュアップされた小説になるのかな、と考えさせられる。逆に何とか10万文字を超えたいと思うと、なかなか削ろうという気にはなれないのだが。

とにかく、今回は良い勉強になった。小説の内容が甘甘なBLで、話し言葉の文章で、つまり堅苦しくないライトノベルではあるが。しかし、ライトノベルは時代を反映する歴史上重要な参考資料になるものだと思っている。だから、最近の若者が使う言葉をふんだんに入れている。どうか、温かい目で見て、いや、読んでもらいたい。