かぶせ物が取れた
金曜日の夜、ガムを噛んでいたら銀のかぶせ物が取れてしまった。
これも経年劣化だから仕方ない。たまには歯医者に行けって事だな。
しかし、私が東京に引っ越してきてから数回通った歯医者は、既に無くなってしまったと先日聞いたばかり。どこの歯医者に行こうか。
少し前から、そろそろ歯科検診をした方がいいのでは？と思ってリサーチはしていた。通っていた歯医者が無くなっているとは知らなかったが、出来ればネット予約出来るところがいいと思い、探したりしていたのだ。
ネット予約
私は「電話で予約」という言葉が、嫌いな言葉ワースト３に入るくらい嫌い。
しかし、調べても近くにネット予約出来る歯医者がなかった。近くにたくさん歯医者があるのに、わざわざ電車に乗って行くのもばからしいし。
ところが、金曜日の夜に調べたら、近くに２つもあったのだ。徒歩10分以内のところに。
一つは知らない所だった。もしかしたら新しいのかもしれない。もう一つは、以前夫が通っていたところで、私も子供を連れて一度行った事がある。その時は、小児歯科は金曜日のみだと言われ、金曜日は習い事の日だから辞めた気がする。建物は古いが、ネット予約出来るくらいだから、中身は新しいのでは？と思い、早速月曜日の予約を入れた。
しかし、その歯医者に予約をしたと言うと、夫は、
「え？あそこか・・・。あそこね、神経抜く治療がさ、人生で一番痛かったんだよね」
と言う。また、義母にも話したら、
「え？あそこか・・・」
って、一瞬眉根を寄せる。
いや、なんで？そんなに良くない所？近いし、夫は気に入って通っていたのだと思っていたのに。ちなみに、その後は職場の近くの歯医者に変えたようだが。
久々に行っても虫歯がなかった過去
それにしても、私はずーっと歯医者に行っていない。前にも、やはり歯のかぶせ物が取れてしまい、歯医者に行った事があるが、それも5年前だか10年前だか忘れたくらい昔だ。
その時に、やはりその時も久しぶりに歯医者に行ったのだが、かぶせ物を作り直してもらい、他の歯も診てもらったら、他には虫歯もないと言うことで、すんなり終わったのだ。
そのことで、私は自信を持っていた。私の歯磨きは正しいんだ！ちゃんとやっていれば虫歯にならないぞ！と。
実際、一日に３回歯磨きをし、間食はしない。時々フロスで歯間掃除もしているし、歯周病にもなっていないと思っていた。
ただ、治療済みの歯で、物が挟まりやすい場所があって、そこがもしかしたら虫歯なのかな？という不安もあった。だからこそ、フロスも頻繁にしているわけだが、たまには歯医者に行って診てもらうべきだなとも思っていた。
好きな食べ物と趣味
11時の予約をしていたが、初診だからアンケートみたいのを書かされるし、早めに行く事にした。10時50分か、もう少し早く着いたと思う。
アンケートに「好きな食べ物」と「趣味」という欄があって困った。これは、虫歯になりやすい食べ物が好きかどうかとか、趣味も歯と関係のある事かどうかが問題なのだろうと思った。
私の好きな食べ物は何だ？好きだからって、滅多に食べないものは、この際関係ないだろう。うーん・・・分からん。一つや二つに絞れるものではない。結局好きな食べ物は書かなかった。
歯に関係のある趣味なんて、どんなものがあるのかよく分からない。無趣味というわけでもないし、何か書こうと思った。真っ先に思いつく趣味は「小説を書くこと」だが、これは職業だと言いたい。それに、何か言われても面倒だ。あ、歯に関係があるかどうか分からないが、歌を歌う事も好きだ。
で、結局「小説、歌」と書いた。小説は読むのが好きなのかと思われても別にいい。だが、それなら「読書」と書きそうなもの。まあ、聞かれたら「書く方」だと答えればいい。歌も、歌うのが好きなのだが、聴く方だと思われても別にいい。その曖昧さが、この二つには両方存在していて、気に入った。
待たされ過ぎる
ま、そんなことはどうでもいい。が、待たされすぎる。11時半の予約の人もいるはずなのに、待合室に11時半になってもまだ呼ばれずにいる。私より後から来た人が先に呼ばれたのは、私がアンケートを出す前に診察券を出したのだろうと最初は思ったが、どうもどんどん抜かされているような。
私、予約した事になっている？これじゃあ、予約せずに突然来たのと同じじゃないか？ネット予約出来るというのは嘘じゃないのか。毎日余裕のある◎だったのに、なぜこんなに待たされるのだ。
11時半過ぎにようやく呼ばれ、椅子に座ってエプロンを掛けられたが、それからもまだ待たされる。上着を脱いで置いていたが、窓が開いていて寒くなってきた。まだ隣でキーンと歯を削る音がしているので、私は上着を取って着た。
無愛想なほど実力がある？
そうしたら、ようやく先生が来た。ネット上で写真は見ていたが、思った以上に無愛想なおじさんだった。
でも、これだけ長く続けているのだから、きっと腕がいいのだろう。無愛想な医者ほど実力があるのは世の常だ。愛想ばかり良くても、藪医者では困る。本当は、実力もあって愛想も良い医者が一番いいのだが。
で、かぶせ物が取れた箇所を削って、新たなかぶせ物を作るという事になったのだが、けっこう深くまで虫歯になっていて、何度か治療して行かねばならぬようだ。
「痛かったら左手を挙げてください。８分目くらいで挙げて」
と言われた。８分目？満腹度合いではなく、痛みの８分目って初めて聞いた。でも、どのくらいで８分目なのかはよく分からない。けっこう痛かったけれど、我慢した。
私は痛みに弱いそうだ。でも違うのだ。痛みを感じやすいのだ。そして、痛くても我慢してやるぞ！と思っているのだ。だから、我慢するのだ。我慢している私を見て、痛みに弱いと言う医療従事者がいるが、弱いというのはそういう事じゃないだろう。いつも憤慨するのだ。今日は言われていないけれど。
歯磨きの大切さは分かっているのに
で、今日の治療が終わった後、鎌のような物で歯と歯の間をごりごりやられた。なんと、今朝は歯磨きの後にフロスもちゃんとやってきたのに、歯垢がいっぱい・・・。
「ほらね、こんなにあるでしょ。いつも同じように歯磨きするから、毎日残っちゃうの」
などと、先生は説明する。そして、色んな写真やイラストを見せ、汚れが溜まるとこうなって、歯肉が下がって、歯がぐらぐらしちゃうとか、くどくどと歯磨きの大切さを聞かされた。
分かっているのだ。歯磨きの大切さは分かっているし、一生懸命やっていたのだ。ただ、やり方がまずかっただけなのだ。しかし、それを話せる雰囲気ではない。もし無理にそう言ったら、言い訳をしているだけに聞こえるだろう。
確かに最近、歯磨きしたのに汚れが取れてないなーと、思う日も多々あった。それをフロスで落していたわけだが。あまりに磨けてないと、歯ブラシを新しい物に替えたりしていた。
昔はちゃんと磨けていたのに、最近は磨けていなかったという事なのか？なぜ？歳のせいで歯茎が下がって歯周ポケットが大きくなったから？でも、歯磨きが出来ていないから歯茎が下がったというのが、今日の先生の持論だ。鶏と卵じゃないが、どっちが先なのだ？
ショック！歯周病
レントゲンも撮った。なんか、顔も挟まれてすごい機械だった。新しいのだろうか。レントゲンを見た先生は、思ったほど歯茎が下がってはいなかったけど、少しは下がっていると言っていた。
それで、つまり私は、歯周病になっていたのだ！ショックだ！先ほど先生が鎌のような器具でぐりぐりやったら、口中血だらけ。どろっとした血。
そのぐりぐり、あ、ごりごりか？とにかくそれ、けっこう痛かった。この先生、乱暴というか、雑というか・・・患者をお客様だとは決して思っていないだろう。まあ、それはいいのだが、夫が痛かったと言っていたのを思い出し、今後の治療が不安になる。
12時に治療が終わり、30分は食べないようにと言われた。そして、次回の予約は12時か12時半にしか取れないと言う。けっこういっぱいいっぱいじゃないか。ネット予約の◎はやっぱり嘘だろう。
はあ、歯医者選び、間違えたのだろうか。いやでも、歯磨きが出来ていなくて、歯周病なのは事実。これをちゃんと指摘してくれなかったら、その方が困るわけで・・・。
家に帰ってから、改めて口の中を鏡で見たが、上の歯茎の色が悪い。そうか、そういえば口内炎が出来た時だけ見て、ちょっと腫れていると思っていたが、いつもそうだったのか。
せっかくごりごり取ってもらってキレイになった歯で、物を食べたくなかったが、食事をしないわけにもいかず、食べた。そして、新しい歯ブラシを出して、何となく念入りに磨く。
歯と歯茎の間
そうだ！歯と歯の間は頑張って磨いていたが、歯と歯茎の間は、以前のようにブラシに角度を付けて磨くのを忘れていたような気がする。いつしか忘れていた。それに、もっと軽い力で磨かなくてはいけないのに、ついつい力を入れてしまう。力を入れると毛先が割れてよく磨けないのを、子供の歯磨きでよく分かっていたのに。
しかし、手遅れになる前に分かって良かったのだろう。まだ歯がぐらぐらしてはいない。ほら、先生が思ったより歯茎が下がっていないと言っていたくらいだから。まだ間に合う。ちゃんと磨こう。フロスも、もう少し工夫しよう。はあ、憂鬱。口の中は未だに気持ち悪い。まずい味がする。